大規模修繕はロープアクセスが提案可能な東京の明誠へ

創業から6000棟超の施工実績

日立市のマンション補助金・税制ガイド2026|管理組合が使える制度を、市の一次情報で全部並べました

日立市のマンション補助金・税制ガイド2026|管理組合が使える制度を、市の一次情報で全部並べました

日立市のマンションを見せていただくとき、私が理事長さんに最初にお伝えすることは、だいたい同じです。「この街は、市役所がマンションの味方をしてくれている、数少ない街ですよ」と。

これは持ち上げているわけではありません。日立市は、市のホームページにわざわざ「マンション大規模修繕工事の発注等に関する相談窓口について」という専用のページを設けています。工事の見積もりが妥当かどうか、発注のやり方が適切かどうかを、管理組合や区分所有者が相談できる窓口を、市が案内してくれているのです。これをやっている市町村は、正直なところ、そう多くありません。

私は塗装屋として二十年以上、マンションやビルの外壁と向き合ってきました。その経験から申し上げると、大規模修繕でいちばん怖いのは、工事そのものではなく「相談できる相手がいないまま、言い値で契約してしまうこと」です。日立市はそこに手を差し伸べてくれている。だからこの街の管理組合には、「使える制度は全部使い、相談できる窓口は全部使う」という姿勢を、私は強くおすすめしています。

この記事では、2026年(令和8年)7月時点で、日立市の分譲マンション管理組合が使える制度を、行政の一次情報にあたって整理しました。先に結論から申し上げます。日立市にも「大規模修繕工事費そのものに現金を出す市の補助金」は、残念ながら確認できませんでした。ここは正直にお伝えします。

しかしその代わり、日立市には他の街がうらやむような、はっきりした強みが3つあります。ひとつはマンション管理計画認定制度がすでに申請できる状態にあること。ふたつめは、長寿命化促進税制の減額割合が「2分の1」という手厚い水準で、しかも市のページが国の期限延長を正しく反映していること。みっつめが、さきほどの発注相談窓口を市が用意していることです。

この3つを軸に、順番に道筋をつくっていきましょう。


まず結論:日立市の管理組合が押さえるべき制度・早見表

理事会の資料にそのまま貼れるよう、先に一覧にします。詳しい中身は後ほど順に解説します。

# 制度名 誰が出しているか 管理組合にとっての意味 窓口
1 日立市マンション管理計画認定制度 日立市 管理レベルの公的なお墨付き。すべての入口 市 住政策推進課
2 マンション長寿命化促進税制(固定資産税2分の1減額) 国/日立市 認定+大規模修繕で翌年度の固定資産税が半分に 市 資産税課
3 マンション大規模修繕工事の発注相談窓口 日立市が案内 見積チェック・発注アドバイスが無料で受けられる 住まいるダイヤル ほか
4 マンション共用部分リフォーム融資(すまい・る融資) 住宅金融支援機構 認定等で金利引下げ。積立金不足の補完に 住宅金融支援機構
5 日立市木造住宅耐震化支援事業助成金 日立市 ※木造戸建向け。RC造マンション共用部は対象外 市 建築指導課
6 日立市脱炭素化促進事業補助(蓄電池・ZEH) 日立市 ※基本は個人住宅向け。共用部利用は要確認 市 環境推進課

この表を見て、いちばんお伝えしたいのは「1番と2番はセットで効く」ということです。管理計画認定を取り、その上で大規模修繕をきちんとやると、翌年度の固定資産税が半分になる。日立市は、この道がちゃんとつながっている街なのです。順に見ていきます。


制度1:日立市マンション管理計画認定制度――すべての入口はここ

令和6年5月から、日立市で申請できるようになりました

まず大前提の話です。マンション管理計画認定制度とは、管理組合の運営状態が国の基準を満たしていることを、自治体が公的に認定する仕組みです。「このマンションはちゃんと管理されている」という、行政のお墨付きだと考えてください。

この制度は全国どこでも自動的に使えるわけではなく、各市区町村が「うちでも認定を始めます」と体制を整えて初めて、その市のマンションが申請できるようになります。日立市は、この認定制度を令和6年5月から運用しています(市ページの更新日は令和8年6月11日)。つまり、日立市の分譲マンションは、いま申請しようと思えば申請できる状態にあります。

対象は、日立市内にある分譲マンションです。認定を取ると、後で説明する固定資産税の特例や、融資の金利引下げなどが受けられる場合があります。

認定基準は「国の基準そのまま」――日立市の上乗せはありません

日立市の認定基準について、市はこう明記しています。「国土交通省告示で定められた基準のとおりです。(日立市独自の基準はありません。)」

これは管理組合にとって、地味ですが大きな安心材料です。市が独自のハードルを追加していないので、全国共通の国の基準さえクリアすれば認定される。ほかの市の事例やマニュアルがそのまま参考にできるということです。

国の認定基準は、おおまかに次のような柱で構成されています。理事長の目線で噛みくだくと、こうなります。

第一に、管理組合の運営。管理者等(理事長など)が定められていて、監事も置かれ、総会が年1回以上ちゃんと開かれていること。第二に、管理規約。適切に定められ、緊急時の対応や情報開示についても規定されていること。第三に、管理組合の経理。管理費と修繕積立金の会計が分かれていて、区分経理されていること。第四に、いちばん実務的に大事な長期修繕計画。計画期間が30年以上あり、その間に大規模修繕工事が2回以上含まれ、かつ7年以内に見直されたものであること。そして計画に照らして、修繕積立金の額が設定されていること。第五に、組合員名簿・居住者名簿を備え、年1回以上更新していること。

この基準を眺めると、「認定のためのハードル」というより「そもそも健全な管理組合の姿」だとわかります。認定を目指す過程で管理が整う。これが認定制度のいちばんの価値だと、私は考えています。

申請は2ステップ。市への手数料は無料です

日立市の申請の流れは、はっきり2ステップに分かれています。

ステップ1(事前確認) は、公益財団法人マンション管理センターが提供する「管理計画認定手続支援サービス」を使います。ここで書類を整え、事前確認を受けると「事前確認適合証」が発行されます。

ステップ2(市への認定申請) は、事前確認適合証が出たあと、同じ支援サービスから市へ申請します。あわせて、建築確認済証・検査済証の写し(またはこれに代わる書類)を、市の住政策推進課へ持参・郵送・メール(juseisaku@city.hitachi.lg.jp)のいずれかで提出します。

費用について、市は明快に書いています。「市の認定に係る手数料は無料です。」 ただし、ステップ1の支援サービスにはシステム利用料と事前確認審査料がかかります。ここは分けて理解しておきましょう。「市に払うお金はゼロ、事前確認の実費だけがかかる」という整理です。

窓口は日立市の都市建設部 住政策推進課(電話 0294-22-3111、IP電話 050-5528-5148)です。制度の入口として、まずここに一本電話を入れるところから始めるのが、いちばんの近道です。


制度2:マンション長寿命化促進税制――日立市は「2分の1減額」、しかも期限が正確

大規模修繕をすると、翌年度の固定資産税が半分になります

ここが、日立市の管理組合にとっていちばんお金に直結する話です。

マンション長寿命化促進税制とは、一定の要件を満たすマンションが長寿命化に資する大規模修繕工事を行うと、工事が完了した年の翌年度分の固定資産税が2分の1減額されるという制度です。日立市はこの減額割合を「2分の1」と市ページに明記しています。

減額の範囲は、1戸あたり床面積100平方メートル(共用部分を含む)までの部分について、固定資産税額の2分の1です。100平方メートルを超える部分は対象外になります。減額されるのは固定資産税だけで、都市計画税は減額されません。また、この減額は1つのマンションにつき1度しか受けられません。耐震改修・バリアフリー改修・省エネ改修による減額とは、同時には使えません。

日立市のページは、国の「2年延長」を正しく反映しています

ここで、私がこの記事でどうしてもお伝えしたい、日立市の誠実なポイントがあります。

この税制で対象になる大規模修繕工事の実施期間について、日立市のページは「令和5年4月1日から令和9年3月31日まで」と記載しています。実はこの制度、当初は令和7年3月31日までの措置でしたが、国が2年延長して令和9年3月31日までとしました。日立市のページは、この延長をきちんと反映して令和9年3月31日と書いてあるのです。

なぜこれを強調するかというと、自治体によっては、国が延長したのにページの日付が古いまま(令和7年3月31日のまま)になっていることが、実際にあるからです。着工のタイミングを見誤ると、せっかくの減額を取り逃がしかねません。その点、日立市は日付が正確なので、安心して計画が立てられます。とはいえ制度は動くものですから、着工前には必ず資産税課に一本電話を入れて、最新の期限を確認してください。これは念のため、どの街でも私がお願いしていることです。

「認定」か「助言・指導」――減額を受けるための2つのルート

減額を受けるには、対象マンションが次のいずれかである必要があります。

ひとつは、管理計画認定マンションであること。制度1で説明した認定を取り、その管理計画に定めた大規模修繕工事を行った場合です。多くの管理組合が目指すのは、こちらのルートになります。

もうひとつは、市から助言・指導を受けた管理組合の管理者等に係るマンションであること。ただし市が明記しているとおり、この助言・指導は「管理組合が十分に機能していないと考えられるマンションに対し、市が実施するもの」で、希望して受けられるものではありません。ですから、実務的には認定ルートを目指すのが王道です。ここでも制度1と制度2がつながっているのがわかります。

そのほか共通の要件として、居住用専有部分を有すること、新築から20年以上経過していること、総戸数が10戸以上であること、そして大規模修繕工事より前に「外壁塗装等工事・床防水工事・屋根防水工事」の3つすべてを1回以上行っていること、さらに令和3年9月1日以降に修繕積立金の平均額を認定基準以上へ引き上げていること、が求められます。

工事完了後は、3か月以内の申告が必要です。ここを逃すと減額が受けられません。工程表に「竣工→3か月以内に資産税課へ申告」と赤字で書き込んでおいてください。窓口は総務部 資産税課(電話 0294-22-3111 家屋係 内線233・234、IP電話 050-5528-5054/050-5528-5055)です。


制度3:大規模修繕の「発注相談窓口」――日立市が用意してくれた守りの制度

冒頭で触れた、日立市らしい制度です。市は「マンション大規模修繕工事の発注等に関する相談窓口について」というページを設け、次の2つの窓口を案内しています。

ひとつは、公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)。電話は03-3556-5147です。ここでは建築士等による発注のアドバイスに加えて、施工費用の「見積チェックサービス」を無料で行っています。つまり、業者から出てきた見積書が妥当な水準かどうかを、第三者の建築士に無料で見てもらえるのです。

もうひとつは、公益財団法人 マンション管理センター。電話は03-3222-1519で、建物・設備の維持管理の相談に乗ってくれます(こちらは見積チェックは行っていません)。

正直に言えば、私たちのような施工会社にとって、第三者が見積をチェックする仕組みは「怖い制度」に見えるかもしれません。でも私はまったく逆に考えています。見積の中身に自信があるなら、チェックされて困ることは何もない。むしろ、こうした窓口を堂々と使ってもらえる関係でこそ、長いお付き合いができます。日立市の管理組合には、ぜひこの無料の見積チェックを使っていただきたい。そのうえで私たちの見積も並べて比べていただければ、それでいいのです。


制度4:住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資(すまい・る融資)

積立金が計画額に届かない、という管理組合は少なくありません。日立市の認定制度のページでも、外部リンクとして住宅金融支援機構の「マンション共用部分リフォーム融資」が紹介されています。

これは管理組合が共用部分の工事のために借りられる公的な融資です。ポイントは、管理計画の認定を受けているなどの条件を満たすと、融資金利の引下げが受けられる場合があること。ここでも認定が効いてきます。さらに、機構の「マンションすまい・る債」を積み立ててきた組合には利率上乗せの仕組みもあり、返済期間も条件によって長期に設定できます。返済はマンション管理センターの債務保証を利用する形が一般的です。

借入は最後の手段のように思われがちですが、私は「工事の質を落として積立金の範囲に無理やり収める」よりも、必要な工事をきちんとやって融資で平準化するほうが、結果的に建物にも住民にも優しいと考えています。詳しい条件は年度ごとに更新されますので、機構の最新の案内を確認してください。


制度5・6:木造耐震・省エネ補助――「使えるもの」と「使えないもの」を正直に

ここは期待させてしまうと申し訳ないので、正直に線を引きます。

日立市木造住宅耐震化支援事業助成金は、昭和56年5月31日以前に建築された木造戸建て住宅を対象に、耐震診断(助成率16分の15・限度3万円)、耐震改修計画(3分の1・限度10万円)、耐震改修工事(3分の1・限度30万円)を段階的に助成する、とても良い制度です。ただし対象は木造戸建て。RC造・SRC造の分譲マンションの共用部は対象外です。ここは誤解のないようにお伝えします。

とはいえ、旧耐震のマンションが打つ手がないわけではありません。耐震改修促進法という別の法律に、要耐震改修認定を受けると共用部分の耐震改修の決議要件が「各4分の3以上」から「各過半数」に緩和されるという仕組みがあります。旧耐震で建て替えも視野に入るような物件では、この決議緩和が現実的な武器になります。

日立市脱炭素化促進事業補助(蓄電システム・ZEH)も、市が用意している良い制度ですが、基本は個人の住宅(自ら居住する住宅)向けです。蓄電システムは発電出力10kW未満の住宅用太陽光と連系し、自宅で使う電力が対象、といった条件で、分譲マンションの共用部にそのまま使うのは難しいのが実情です。共用部でLED化や高効率設備を検討する際に、管理組合名義での申請が可能かどうかは、環境推進課へ個別に確認するのが確実です。安易に「使えます」とは言わず、要確認とお伝えしておきます。


日立市という街の「立地」と大規模修繕――なぜ工法選びが効くのか

制度の話が続いたので、ここで現場屋としての視点を挟ませてください。

日立市は、日立製作所や三菱重工業の企業城下町として発展した、茨城県北部の中核的な街です。人口は県内でも上位で、JR常磐線の日立駅・多賀駅・大甕駅などを軸に市街地が広がっています。地形の特徴は、海(太平洋)と山(多賀山地)が近く、平地が細長いこと。そして海に面した地区では、内陸より塩害の影響が出やすいことです。

この立地は、大規模修繕の工事計画に直接効いてきます。海側のマンションでは、バルコニーの手すりや鉄部の腐食、塗膜の早い劣化が起きやすい。斜面地・高低差のある敷地に建つマンションでは、足場を組むこと自体にコストと手間がかかります。企業城下町ゆえに、社宅を分譲に転用した物件や、駅前に建つ中高層の物件など、建物のタイプもさまざまです。

こういう「一律ではない」街だからこそ、工法を建物ごとに選べるかどうかで、コストと工期が大きく変わります。次章で、その工法の話をします。


足場・ロープアクセス・ハイブリッド――日立市の建物にどれが合うか

私たち明誠は、大規模修繕を3つの工法から、建物にとってベストなものを提案できる、日本でも数少ない会社です。

通常の足場工法は、建物の全面に仮設足場を組む、いちばんオーソドックスなやり方です。作業の安定性が高く、全面的な補修や複雑な形状の建物に向きます。一方で、足場の架設・解体にコストと期間がかかり、足場が組みにくい斜面地や隣地との距離が近い敷地では、そもそも設置が難しいこともあります。

ロープアクセス工法(無足場工法)は、産業用ロープで作業員が壁面を昇降しながら施工する方法です。足場を組まないため、足場費を大きく削減でき、工期も短くなります。居住者の生活への影響(窓がふさがれる、日当たりが遮られる、防犯上の不安)も最小限に抑えられます。日立市のように、海沿いの鉄部補修を定期的に挟みたい物件や、高低差のある敷地の物件では、この工法が最も効く場面が多くあります。

ハイブリッド工法は、足場とロープアクセスを部位ごとに使い分けるやり方です。たとえば劣化の激しい面や全面補修が必要な面には足場を組み、部分補修で足りる面や足場が組みにくい面はロープアクセスで対応する。大規模で複雑な建物ほど、この組み合わせで総合コストを最適化できます。

大切なのは「どれが一番か」ではなく「この建物にはどれが合うか」です。1つか2つの工法しか持たない会社は、自社が持つ工法に合わせて提案せざるを得ません。3つ持っているからこそ、建物に合わせて選べる。ここが私たちの強みです。詳しくはロープアクセス工法のご紹介大規模修繕工事のご紹介をご覧ください。なぜ高品質でありながら価格を抑えられるのかは、明誠が低価格を実現できる理由にまとめています。


モデルケースで考える――日立市の2つの典型パターン

数字はあくまで一般的な目安で、実際の金額は建物の規模・劣化状況・仕様で変わります。考え方の道筋としてお読みください。

ケースA:日立駅周辺・築28年・11階建て・48戸(新耐震)

海がやや近い立地で、鉄部の劣化が早めに進んでいるマンションを想定します。全面足場で見積を取ると、大規模修繕工事費はおよそ9,000万円。ここで、足場が組みにくい面や鉄部中心の面をロープアクセスに切り替えるハイブリッドにすると、足場費が圧縮でき、工事費はおよそ7,800万円。差額は約1,200万円、率にして約13%です。48戸で割ると、1戸あたり約25万円の差になります。

さらにこのマンションが管理計画認定を取り、要件を満たして大規模修繕を行えば、翌年度の固定資産税が2分の1に。工事費の圧縮と税の減額が、両方効いてくる形です。

ケースB:海側地区・築44年・5階建て・18戸(旧耐震)

小規模で、積立金にも余裕がない旧耐震マンションを想定します。全面足場だと3,200万円ほどかかるところ、部分補修中心でロープアクセスを主体に組み立てると、およそ2,600万円まで抑えられる見込みです。旧耐震ですから、耐震改修促進法の要耐震改修認定を取れば、共用部の決議要件が各過半数に緩和され、合意形成のハードルも下げられます。積立金が足りない分は、機構のすまい・る融資で平準化する。こうして「小規模でも、無理なく次の一手が打てる」道をつくります。


修繕積立金が足りない――日立市の管理組合が打てる4つの手

積立金不足は、どの街でも共通の悩みです。日立市の管理組合が現実的に打てる手を、4つ挙げます。

ひとつめは、工法の見直しでコスト側を下げること。ロープアクセスやハイブリッドで足場費を圧縮すれば、必要な積立額そのものが下がります。ふたつめは、長寿命化促進税制で翌年度の固定資産税を取り戻すこと。区分所有者一人ひとりの負担が軽くなり、増額への理解も得やすくなります。みっつめは、機構のすまい・る融資で資金を平準化すること。工事の質を落とさずに、負担を時間で分散します。よっつめは、長期修繕計画を7年以内に見直し、積立金の水準を段階的に是正すること。これは認定の要件でもあり、避けて通れません。

この4つは、どれか1つではなく、組み合わせて使うものです。そして、その組み合わせを考える出発点が、やはり制度1の認定なのです。


合意形成を進める3つのコツ

制度が整っていても、総会で決まらなければ工事は動きません。私が現場で見てきた、うまくいく管理組合の共通点を3つ。

第一に、「なぜ今か」を数字で示すこと。塩害や高経年で劣化が進むと、先送りするほど工事範囲が広がり、総額が膨らみます。「今やれば◯円、5年後は◯円」という比較を出すと、話が前に進みます。第二に、制度のメリットを一人あたりに落とすこと。「固定資産税が半分」「工法見直しで1戸25万円の差」と、自分ごとの金額にすると、賛成が集まります。第三に、第三者の目を入れること。日立市が案内する無料の見積チェックを使い、「専門家も妥当と言っている」という材料を添えると、反対意見が和らぎます。


逆算カレンダー――認定と税制減額を両取りするために

理事会でそのまま使える、時間の流れです。竣工から逆算して動きましょう。

まず着工の1年〜1年半前に、長期修繕計画を見直し、修繕積立金の水準を認定基準以上へ引き上げる決議をします(税制の要件でもあります)。次に着工の半年〜1年前、マンション管理センターの支援サービスで事前確認を受け、事前確認適合証を取得、市の住政策推進課へ認定申請します。並行して、業者選定の段階で日立市案内の住まいるダイヤルの無料見積チェックを使い、工法(足場・ロープアクセス・ハイブリッド)を含めて見積を比較します。そして竣工後3か月以内に、資産税課へ長寿命化促進税制の減額申告を行う。この最後の申告を忘れないことが、減額を確実に取るための肝です。


よくあるご質問(日立市の管理組合向け)

Q. 日立市には大規模修繕工事費への直接の現金補助はありますか。
2026年7月時点で、市が工事費そのものに現金を出す補助は確認できませんでした。代わりに、管理計画認定・長寿命化促進税制(固定資産税2分の1減額)・発注相談窓口・機構融資が、実質的な支援として用意されています。

Q. 認定を取るのに市へお金はかかりますか。
市の認定に係る手数料は無料です。ただし事前確認を行うマンション管理センターの支援サービスには、システム利用料と事前確認審査料がかかります。

Q. 長寿命化促進税制は、いつまでの工事が対象ですか。
日立市のページは、対象工事の期間を令和5年4月1日から令和9年3月31日までと記載しています。着工前には資産税課へ最新の期限を確認してください。

Q. 旧耐震のマンションですが、耐震の補助は使えますか。
日立市の耐震化助成は木造戸建てが対象で、RC造・SRC造マンションの共用部は対象外です。ただし耐震改修促進法の要耐震改修認定を取れば、共用部の決議要件が各過半数に緩和されます。

Q. 見積が妥当かどうか、誰かに見てもらえますか。
日立市が案内している住まいるダイヤル(03-3556-5147)で、施工費用の見積チェックサービスを無料で受けられます。

Q. 管理組合の運営に不安があります。相談先はありますか。
公益財団法人マンション管理センター(03-3222-1519)や、公益財団法人日本マンション管理士会連合会の相談ダイヤル(03-5801-0858)が利用できます。茨城県のマンション管理適正化推進計画(令和6年3月策定)の枠組みでも、県と市が管理適正化を後押ししています。


私たち明誠について

私たち明誠は、マンション・ビル・ホテルの大規模修繕を専門とする建設会社です。通常の足場工法、ロープアクセス工法(無足場工法)、そして両者を組み合わせたハイブリッド工法という3つの工法から、建物にとってベストなものを提案できる、日本でも数少ない会社です。

また、ロープアクセス工事としては日本で初めてとなるフランチャイズ展開も行っており、塗装・防水・タイル・電気・看板工事など各分野の専門職が加盟しています。専門職が直接施工することで、中間マージンを削り、高品質と低価格を両立しています。詳しくは加盟店ネットワークのご紹介をご覧ください。

あわせて、私どもはJCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)を運営しています。全国の建設業者に向けて経営支援情報の発信、オンラインセミナー、リアル交流会、ビジネスマッチングを行っている団体です。茨城県内の同業の方で、大規模修繕の技術や経営に関心のある方は、こちらものぞいてみてください。

日立市のマンションについて、「うちはどの工法が合うのか」「この制度は使えるのか」といったご相談は、お問合せフォームからお気軽にどうぞ。見積もりの前段階、総会に出す資料の整理だけでも、お力になれることがあります。

最後に、もう一度だけ。日立市は、市が管理組合の味方をしてくれている街です。認定を取り、税制で取り戻し、無料の相談窓口を使い、工法で無駄を削る。この4つを順につないでいけば、大切な資産を、無理なく、確実に守っていけます。その道筋づくりを、私たちにお手伝いさせてください。


出典・参考(すべて2026年7月時点)

  • 日立市「日立市マンション管理計画認定制度のご案内」 https://www.city.hitachi.lg.jp/kurashi_tetsuzuki/sumai/1002171/1009846/1012596.html
  • 日立市「長寿命化に資する大規模修繕工事を行ったマンションに対する固定資産税の減額制度」 https://www.city.hitachi.lg.jp/kurashi_tetsuzuki/zeikin/1002097/1002119/1013184.html
  • 日立市「マンション大規模修繕工事の発注等に関する相談窓口について」 https://www.city.hitachi.lg.jp/kurashi_tetsuzuki/sumai/1002171/1009846/1016501.html
  • 日立市「茨城県マンション管理適正化推進計画(令和6年3月策定)」 https://www.city.hitachi.lg.jp/kurashi_tetsuzuki/sumai/1002171/1009846/1012144.html
  • 日立市「日立市木造住宅耐震化支援事業助成金」 https://www.city.hitachi.lg.jp/machizukuri_kankyo/kenchiku/1016230.html
  • 日立市「蓄電システム補助金」 https://www.city.hitachi.lg.jp/machizukuri_kankyo/kankyo/1011622/1014422/1019090.html
  • 国土交通省「マンション長寿命化促進税制(固定資産税の特例措置)」 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000121.html
  • 住宅金融支援機構「マンション共用部分リフォーム融資」 https://www.jhf.go.jp/loan/yushi/info/mansionreform/index.html
  • 公益財団法人マンション管理センター https://www.mankan.or.jp/