大規模修繕はロープアクセスが提案可能な東京の明誠へ

創業から6000棟超の施工実績

川根本町のマンション補助金|大規模修繕2026年度版

川根本町のマンション補助金|大規模修繕2026年度版

この記事で答える質問:静岡県榛原郡川根本町の分譲マンション・保養所型区分所有建物の管理組合が、2026年度(令和8年度)の大規模修繕で使える補助金はどれか。そして、山間地・積雪ありという環境下で、共用部の工事に本当に届く制度はいくつあるのか。

結論から申し上げます。川根本町には「マンションの大規模修繕にお金を出します」という直接の補助金はありません。町のサイトに掲載されている住宅系の補助金は、その大半が木造住宅または居住者が申請者となる住宅改修を前提に設計されています。人口5,350人、県内最大面積496.68㎢の山あいの町ですから、これは制度設計として当然の姿です。

そのうえで、私がこの連載で180の自治体を1つずつ読んできて、川根本町だけの切り口が3つあります。

  1. 静岡県内で唯一「山間部×積雪あり×林業の町」という気候・地勢条件を持つこと
  2. 分譲マンションの大半が別荘・保養所型の区分所有で、区分所有者が首都圏や名古屋圏に散っていること
  3. マンション管理計画認定制度の窓口が、町ではなく静岡県であること

この3つを土台に、川根本町の管理組合が「今週やること」まで落とし込みます。

最終更新:2026年9月9日


この記事の結論:川根本町で共用部に効く制度は「静岡県側にしかない」

先に全体像を出します。川根本町の住宅系の制度を、分譲マンションの共用部の工事に使えるかどうかで仕分けた結果が下の表です。

制度名 共用部への適合 補助率・限度額 令和8年度の受付状況 窓口
川根本町プロジェクト「TOUKAI-0⁺(プラス)」総合支援事業費補助金 ×(木造住宅のみ 木造耐震補強は工事費の4/5と115万円の少ない方 2026年12月25日まで 建設課 建設事業室(0547-56-2227)
川根本町定住・移住促進住宅改修事業費補助金 ×(居住者本人の住宅) 工事費の1/3・上限20万円 受付終了 経営戦略課 定住・移住推進室
川根本町空家等除却事業費補助金 ×(除却が前提) 受付終了 建設課 建設事業室
感震ブレーカー等設置推進補助金 △(分電盤/ただし賃貸集合住宅は居住者本人のみ 2/3以内・上限5万円(特例世帯10/10・上限10万円) 令和8年7月3日に予算上限で終了 危機管理課 危機管理室(0547-56-2237)
合併処理浄化槽設置整備事業費補助金 ×(5〜10人槽まで・季節使用の住宅は対象外) 5人槽332,000円/6〜7人槽414,000円/8〜10人槽548,000円 受付中 くらし環境課 生活環境室(0547-56-2236)
令和8年度クリーンエネルギー機器導入促進事業費補助金 ×(自ら居住する住宅・事業用不可 太陽光2万円/kW上限10万円ほか、複数機器で上限20万円 受付中(予算残額96万円/2026年9月1日現在) くらし環境課 環境政策室(0547-56-2236)
マンション管理計画認定制度 ◎(工事ではなく体制) 手数料4,000円〜 通年 静岡県 住まいづくり課
マンション共用部分リフォーム融資 ◎(借入) 金利引き下げあり 通年 住宅金融支援機構
長寿命化促進税制(固定資産税減額) ◎(税制) 翌年度固定資産税を1/6〜1/2減額 令和9年3月31日までに工事完了 川根本町 税務住民課

(出典:川根本町 補助金一覧川根本町プロジェクト「TOUKAI-0⁺」総合支援事業費補助金合併処理浄化槽設置整備事業費補助金について感震ブレーカー等設置推進補助金のご案内令和8年度クリーンエネルギー機器導入促進事業費補助金について

はっきり書きます。川根本町の「町の補助金」で、分譲マンションの共用部の工事費に直接届くものは、現時点で確認できません。

だからこの記事は、多くの自治体で行うような「町の要綱を読み解く」構成ではなく、「町にないものは県と国から取りにいく」という組み立てで進めます。理事会の時間は有限です。◎の3つを確実に取りにいって、×の制度には1分も使わない。これが今日の記事の使い方です。

私はいつも理事長さまに、「制度がないことと、打ち手がないことは別です」とお伝えしています。川根本町は、まさにそのパターンでした。


川根本町の分譲マンションが置かれている前提を3つの数字で

制度の話に入る前に、町の状況を数字で押さえます。ここを飛ばすと、総会で説明するときの土台が弱くなります。

項目 数値 出典・時点
人口 5,350人(男2,602人・女2,748人) 令和8年8月1日現在
世帯数 2,571世帯 令和8年8月1日現在
1世帯あたり人員 約2.08人 上記から算出
面積 496.68㎢静岡県内で最大 川根本町公式

(出典:川根本町の人口・世帯数(2026年8月1日現在)

1世帯あたり2.08人、町の全人口は5,350人。この規模は、政令指定都市の1つの中学校区より少ない人数です。

そのうえで、川根本町の管理組合が置かれている前提は、他の自治体と2つ異なります。

1つ目:分譲マンションの大半が「別荘・保養所型」です。

寸又峡温泉・接岨峡温泉・南アルプスの玄関口という立地上、常時居住ではなく保養・週末利用を目的とした区分所有建物が中心です。区分所有者の住民票は町外・県外にあり、通常総会の出席率は都市部の分譲マンションを大きく下回ります。

2つ目:面積496.68㎢は、東京23区(約628㎢)に迫る広さです。

大井川に沿って集落が点在し、寸又峡温泉・千頭・崎平・接岨峡と、施工会社が現場に入るための移動時間が長い。足場部材を積んだ大型車の搬入経路は、この地形上、大きな論点になります。

この2点は、大規模修繕の議案づくりと工法選定に、直接効いてきます。ここから先の話は、すべてこの前提の上に載っています。

総会の定足数が、工事の工程を決めてしまう

私が伊豆・箱根・南アルプスといった観光地の管理組合とお付き合いして痛感するのは、「工事が遅れるのではなく、決議が遅れる」ということです。

区分所有者が首都圏や関西に散っていると、通常総会の出席者は限られます。委任状と議決権行使書の回収に、都市部のマンションの2倍以上の時間がかかります。

大規模修繕の実施決議は、多くの管理規約で普通決議(区分所有法第39条第1項に基づき、規約に別段の定めがなければ議決権の過半数)ですが、いずれにせよ「議案書を郵送し、返送を待ち、集計する」という時間は動かせません。

私が川根本町の理事会に申し上げるのは、この1点です。

議案の作成を、都市部のマンションより半年前倒しにしてください。

補助金の申請期限も、税制の期限も、この「半年」の中に埋まっています。


【背骨①】町の制度は「木造」「居住者本人」に振り切っている

ここからが本題です。川根本町の補助金一覧ページを1件ずつ開いていくと、どの制度も想定対象が非常に明確に絞り込まれていることが分かります。

プロジェクト「TOUKAI-0⁺(プラス)」総合支援事業費補助金

町の耐震関連の中核制度です。2026年から事業名称が「TOUKAI-0⁺(プラス)」に改められ、減災化支援のメニューが追加されました。この連載で180の自治体を読んできて、名称に「⁺」が付いたのを確認したのは川根本町が初めてです。静岡県が2001年から続けてきた耐震化事業の系譜にある制度で、2026年は「命を守る対策」を軸に組み替えられています。

ただし対象は一貫して「1981(昭和56)年5月31日より前に建築された、既存の木造住宅」であり、鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨造(S造)の分譲マンションは対象外です。

メニューごとの中身は次のとおりです。

メニュー 対象 補助額 申込期限
わが家の専門家診断事業 1981年5月31日より前の木造住宅 無料(静岡県耐震診断補強相談士が訪問) 2026年12月25日(金)
木造住宅耐震補強助成事業(補強計画一体型) 上部構造評点1.0未満→補強後1.0以上(0.3以上向上) 工事費の4/5115万円の少ない方 2026年12月25日(金)
ブロック塀等撤去事業 道路に面し高さ80cm以上のブロック塀等 撤去費と(延長×8,000円/m)と15万円の少ない方の2/3以内・1敷地上限10万円 2026年12月25日(金)
耐震シェルター整備事業 評点0.7未満・2階以下の木造住宅 1/2以内・上限40万円(65歳以上の者等が居住する世帯は50万円) 2026年12月25日(金)
防災ベッド等整備事業 評点0.7未満・2階以下の木造住宅 1/2以内・上限40万円(同上50万円) 2026年12月25日(金)

(出典:川根本町プロジェクト「TOUKAI-0⁺」総合支援事業費補助金

ここで、この連載を続けて読んでくださっている方に、1つ注記しておきます。木造住宅耐震補強助成事業の補助限度額について、町のページには「2026年から、一般世帯と高齢者世帯等の補助限度額を、一律115万円とします」と明記されています。近隣の松崎町は一般60万円・高齢者世帯等80万円という二段構えでした。川根本町は世帯属性による差をなくして一律に引き上げたことになります。木造の別荘や併用住宅をお持ちの区分所有者には、伝える価値のある変更です。

管理組合として押さえておくべきなのは、次の1点です。

町のTOUKAI-0⁺は、木造の別荘や事務所併用住宅の区分所有者「個人」が使う制度。管理組合の議案には乗せない。

なお、ブロック塀等撤去事業は、敷地の外周に古いブロック塀が残っている物件では検討の余地があります。ただし補助対象者は塀の所有者であり、共用部の外構としてのブロック塀を管理組合名義で申請できるかは、建設課 建設事業室(0547-56-2227)に個別確認が必要です。要綱上、明確に「管理組合が申請できる」と読める記載は見当たりませんでした。

川根本町定住・移住促進住宅改修事業費補助金

町が力を入れている定住・移住政策の1本です。

項目 内容
対象 町内に定住移住を希望する者が、自己の居住する住宅の改修等を行う場合
補助率 工事費用の3分の1、上限20万円(子供部屋の改修には加算あり)
申込 先着順。予算がなくなり次第終了
令和8年度 受付終了(町のサイトに「令和8年度の受付は終了しました」と掲載)
窓口 経営戦略課 定住・移住推進室

(出典:令和8年度「川根本町定住・移住促進住宅改修事業費補助金」の受付は終了しました定住に向けて住宅の賃貸費用及び購入費用を補助

これも、申請者が管理組合ではなく居住者個人であり、共用部の工事には届きません。

ただし、大規模修繕の説明会の資料に「町内に定住する区分所有者向けの制度がある(次年度以降)」と1ページ入れておく価値はあります。別荘所有者のうち、川根本町を気に入って移住を検討している人に情報が届きます。理事会の評価が変わる、こういう小さな配慮の話です。

川根本町空き家改修事業費補助金・空家等除却事業費補助金

こちらも、対象は個人所有の一戸建て・空き家です。マンションの共用部工事には使えません。令和8年度の空家等除却事業費補助金は、町のサイトで「受付終了」と表示されています。町内の空き家対策の1本として動いている制度で、区分所有建物の管理と直接の接点はありません。

(出典:川根本町空き家改修事業費補助金交付要綱【受付終了】令和8年度川根本町空家等除却事業費補助金

感震ブレーカー等設置推進補助金

大地震時の通電火災を防ぐ感震ブレーカーの設置費用を補助する制度です。町のページには、2024年1月1日に発災した能登半島地震の輪島市大規模火災について、総務省消防庁消防研究センターの調査で屋内電気配線に溶けた痕跡が認められたことが記載されており、制度の背景として通電火災への問題意識が示されています。

項目 内容
補助率・限度額 購入及び設置工事費の2/3以内上限5万円(1,000円未満切り捨て)
新築の場合 1万円
特例世帯 補助対象経費の10/10以内上限10万円(新築は1万5,000円)
特例世帯の範囲 要介護3以上・身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳の交付を受けた方がいる世帯
対象機器 日本配線システム工業会の感震機能付住宅用分電盤規格に該当、または日本消防設備安全センターの認証を有するもの
手続き 必ず工事開始前に町へ申請(見積書添付)、交付決定後に着工。機器購入後の申請は受付不可
令和8年度 2026年7月3日に予算上限に達し、受付終了

(出典:感震ブレーカー等設置推進補助金のご案内

ここに、この記事でいちばんお伝えしたい一文があります。補助対象者の定義に、こう書かれています。

川根本町内にある住宅を所有し又は居住し、当該住宅に感震ブレーカー等を設置しようとする者(ただし、賃貸目的の集合住宅への設置については、当該住宅の居住者に限る。

つまり、賃貸マンション・賃貸アパートのオーナーが、自分の名義でこの補助金を申請することはできません。申請できるのは、その部屋に住んでいる入居者本人です。私はこの連載で180の自治体の要綱を読んできましたが、括弧書きでここまで明確に「賃貸集合住宅はオーナーではなく居住者」と書き切っている町は、川根本町が初めてでした。

賃貸オーナーの方には、次の実務がそのまま使えます。

  1. 補助金は入居者名義でしか使えないと理解する
  2. 入居者へ「町の補助金でご自身の分電盤に感震機能を付けられます」と案内する(受付再開時)
  3. 建物全体の共用分電盤の更新は、補助金とは切り離して修繕計画に載せる

分譲マンションの共用部の分電盤についても、対象者の定義が「住宅を所有し又は居住し」となっており、管理組合を主語にした記載がありません。共用部の分電盤への適用可否は、危機管理課 危機管理室(0547-56-2237)への事前確認が前提とお考えください。


【川根本町だけの論点】町の制度に共通する「3つの除外条項」

ここからが、川根本町の記事でどうしても書いておきたい部分です。

町の補助金の要綱を1件ずつ読んでいくと、分譲マンション、とくに別荘・保養所型の区分所有建物を、意図的にではないにせよ結果として除外する条項が、3つの制度に共通して入っています。これを知らずに申請準備を進めると、書類をそろえた最後の段階で止まります。

除外条項①:「季節的に使用する住宅」は対象外(合併処理浄化槽)

合併処理浄化槽設置整備事業費補助金の交付対象外に、こう書かれています。

季節的に使用する住宅に合併処理浄化槽を設置する者

別荘・保養所型の区分所有建物は、この一文にまっすぐ当たります。加えて「居住部分のない建物」も対象外です。

補助基本額そのものも確認しておきます。

人槽区分 補助基本額 県費加算(汲取槽の撤去) 県費加算(単独槽の撤去) 宅内配管工事費
5人槽 332,000円 90,000円 120,000円 上限300,000円
6〜7人槽 414,000円 90,000円 120,000円 上限300,000円
8〜10人槽 548,000円 90,000円 120,000円 上限300,000円

(出典:合併処理浄化槽設置整備事業費補助金について

人槽区分が10人槽で止まっています。この連載で直前に扱った西伊豆町は31〜50人槽で2,797,000円、松崎町は8〜50人槽の区分がありました。共同住宅サイズの浄化槽は、川根本町の別表には行そのものがありません。川根本町の浄化槽補助は、戸建て住宅を前提に設計されていると読むのが素直です。

一方で、提出書類には「代表者選任届(住宅所有者が共有の場合)」「住宅等を借りている者は、賃貸人の承諾書」が用意されています。共有・賃貸のケースは想定されているということです。10人槽以下に収まる小規模な共同住宅であれば、相談の余地はあります。くらし環境課 生活環境室(0547-56-2236)へご確認ください。

除外条項②:「賃貸目的の集合住宅は居住者に限る」(感震ブレーカー)

前節で詳述したとおりです。賃貸オーナー名義での申請ができません。

除外条項③:「自ら居住する住宅」「事業用は不可」(クリーンエネルギー機器)

令和8年度クリーンエネルギー機器導入促進事業費補助金の対象者は、次のように定義されています。

自ら居住する、または居住予定の町内の住宅に未使用品の補助対象機器を設置する方(事業用・中古品は不可)

共用部への太陽光発電システムや蓄電池の導入は、管理組合=共用部=「自ら居住する住宅」ではないため、そのままでは読み込めません。

制度の中身は次のとおりです。

対象機器 補助額
太陽光発電システム 出力1kWあたり2万円・上限10万円(合計出力3kW以上・余剰売電契約が条件)
太陽熱温水器 設置費用の1/2以内・上限5万円(BL部品認定が必要)
ヒートポンプ型給湯器 設置費用の1/2以内・上限5万円
潜熱回収型給湯器(ガス・石油) 設置費用の1/2以内・上限3万円
ハイブリッド給湯器 設置費用の1/2以内・上限10万円
住宅用リチウムイオン蓄電池システム 設置費用の1/2以内・上限10万円
複数機器の組み合わせ 上限20万円

(出典:令和8年度クリーンエネルギー機器導入促進事業費補助金について

この制度で、川根本町にはもう1つ特筆すべき運用があります。町のページに予算残額が金額で公開されています。

令和8年度予算額 2,500,000円/予算残額 960,000円(2026年9月1日現在)

180の自治体を読んできて、残額を数字で常時更新している町は川根本町だけでした。先着順の補助金で「まだ枠があるか」を電話せずに判断できるというのは、実務上とても大きい。区分所有者の方が専有部で太陽熱温水器やヒートポンプ給湯器を入れるとき、このページを見てから動けます。理事会の資料に、このURLだけ載せておく価値があります。

3つの除外条項が意味すること

まとめると、こうなります。

制度 除外の理由 分譲マンション共用部への帰結
合併処理浄化槽 季節使用の住宅・居住部分のない建物を除外、人槽は10人槽まで 別荘型は対象外。小規模共同住宅のみ相談余地
感震ブレーカー 賃貸集合住宅は居住者本人に限定 オーナー名義・管理組合名義は不可(要確認)
クリーンエネルギー機器 自ら居住する住宅に限定・事業用不可 共用部への太陽光・蓄電池は読み込めない

町を責める話ではまったくありません。人口5,350人・約2,600世帯の町で、制度の主たる対象を戸建ての定住者に置くのは、行政として合理的な判断です。私たちがすべきことは、この線引きを正確に把握したうえで、県と国の側に打ち手を取りにいくことです。次章からがその話になります。


【背骨②】管理計画認定の窓口は「静岡県」です

ここでよく混乱が起きるので、はっきり書きます。

川根本町の分譲マンションの管理計画認定は、町ではなく静岡県が窓口です。

マンション管理計画認定制度は、マンションの管理の適正化の推進に関する法律にもとづき、管理組合が作成した管理計画が一定の基準を満たす場合に認定を受けられる制度です。静岡県のページには「対象:県内の町域」と明記されています。市の区域は各市が、町の区域は県が担当します。川根本町は「町」ですから、静岡県の担当になります。

認定申請手数料は令和8年4月1日に改定されました

事前確認適合証 長期修繕計画数 令和8年3月31日まで 令和8年4月1日から
有り 1 3,800円 4,000円
有り 2以上 3,800円+1,700円×(計画数−1) 4,000円+1,800円×(計画数−1)
無し 1 26,900円 28,100円
無し 2以上 26,900円+15,500円×(計画数−1) 28,100円+16,200円×(計画数−1)

(出典:静岡県 マンションの管理。認定の更新の手数料も同額です)

適合証の有無で7倍の差が出ます。事前確認適合証とは、公益財団法人マンション管理センターが交付する、法第5条の14各号の基準に適合することを証する書面のことです。

現実的なルートは1つです。公益財団法人マンション管理センターの管理計画認定手続支援サービスで事前確認適合証を取ってから、県に申請する。県へ直接申請すると28,100円になります。

認定を取ると何が変わるのか

管理組合の総会で「認定を取りましょう」と提案すると、決まって「それで何が得なのか」と聞かれます。答えは3つです。

  1. 固定資産税の減額(長寿命化促進税制)の入口になる(後述)
  2. フラット35の金利引き下げ
  3. 住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資の金利引き下げ

3つ目は、川根本町のように別荘型の区分所有建物で修繕積立金の水準にばらつきが出やすい建物では重要です。認定が税制に間に合わなくても、マンション共用部分リフォーム融資の金利が下がるだけで、借入をする組合には実額の効果が出ます。


【2026年の新しい論点】マンション管理適正化支援法人という制度ができました

これは今年から始まった話なので、まだご存じない理事長さまが多いはずです。

令和7年5月30日に「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律」(令和7年法律第47号)が公布され、同年11月28日に一部が施行されました。これにより、マンションの管理の適正化の推進に関する法律に「マンション管理適正化支援法人」の登録制度が新設されました。

一般社団法人・一般財団法人・特定非営利活動法人などの民間団体が都道府県等の登録を受けることで、公的な立場からマンション管理の専門的支援を行う仕組みです。

支援法人の業務区域 登録主体
市の区域
町の区域

川根本町は町ですから、登録主体は静岡県になります。

そして、静岡県のページには現時点でこう書かれています。

静岡県は、現段階では、登録制度は実施していません

(出典:静岡県 マンションの管理

つまり、川根本町の管理組合が今すぐ支援法人のサービスを受けられるわけではありません。ここは正直に書きます。

ただ、区分所有法そのものが改正された年である、ということは知っておく価値があります。老朽化マンションの管理と再生を円滑にする方向で法律が動いている。理事会で「今年は何か変わったのか」と聞かれたときに答えられる材料として、頭の隅に置いておいてください。

あわせて、国土交通省は令和7年にマンション標準管理規約を改正しています。静岡県のページから改正パンフレットが公開されていますので、規約の見直しを検討している組合は目を通しておくと議論が早く進みます。


固定資産税の話:長寿命化促進税制は、町のページになくても使える

長寿命化促進税制について書きます。

これは、一定の要件を満たす大規模修繕工事を行ったマンションの翌年度の固定資産税を6分の1〜2分の1(参酌基準3分の1)減額する制度です。1戸あたり床面積100㎡までが対象になります。

主な要件は次のとおりです。

要件の種類 内容
建物 築20年以上・総戸数10戸以上
ルートA(認定ルート) 令和3年9月1日以降に修繕積立金の引上げを決議し、管理計画認定を受けている
ルートB(助言・指導ルート) 助言・指導を受けて長期修繕計画を見直し、積立金額が基準額以上等
工事 過去に長寿命化工事を実施済み、かつ今回の工事が要件を満たす
申告 工事完了後3か月以内に市町村へ申告
期限 令和9年3月31日までに工事完了

(出典:国土交通省 マンション管理計画認定制度

期限まで、この記事の公開時点で約18か月です。

川根本町の税務ページに、専用の説明はない

川根本町の税務住民課のページを見ました。長寿命化促進税制の専用ページは、現時点で確認できません。私はこの連載で、静岡県内の市町のサイトを「長寿命化促進税制がどこに書かれているか」で3つの型に分類してきました。専用ページがある型、住宅ページの中に書かれている型、そしてどこにも書かれていない型。

川根本町は3つ目です。

ここで大事なことを申し上げます。ページがないことと、使えないことは別です。

長寿命化促進税制は地方税法にもとづく全国共通の制度です。町のサイトに説明ページがないのは、町の広報上の優先順位の問題であって、制度の適用可否とは別の話です。

確かめ方は電話1本です。税務住民課に、こう聞いてください。

「分譲マンションの大規模修繕工事について、地方税法のマンション長寿命化促進税制による固定資産税の減額の申告を受け付けていますか。申告書の様式と、必要な添付書類を教えてください。」

制度名を正確に言うことが大事です。「大規模修繕の減税」では通じないことがあります。

総会での説明は「固定資産税」と言い切る

長寿命化促進税制で減額されるのは固定資産税です。総会で「税金が3分の1になります」と言うと、区分所有者は自分が払っている税額の総額をイメージします。「固定資産税が」と言ってください。この一言で、後日の質問と苦情が減ります。


川根本町の建物が受けている、山間地ならではの劣化条件

ここから工事の話に入ります。まず環境の話から。

川根本町は静岡県の海沿いの自治体とは、建物の劣化要因が根本的に違います。この連載で扱った東伊豆町・湖西市の記事とは、方位別の重点が変わります。

方位・部位 主な劣化要因 重点的に診るべき部位
北面 冬季の放射冷却と積雪残雪。凍結融解のサイクル 外壁の凍害(微細なひび割れの拡大)、コンクリートの爆裂、藻・カビの発生
南面 大井川からの照り返しと紫外線 塗膜のチョーキング、シーリングの伸縮疲労
西面 山影の急激な日陰化による温度差 サッシまわりのシーリング破断
建物基部・擁壁側 山の湿気と地下水。傾斜地に近接する建物では擁壁のクラックと排水 擁壁の目地、水抜き孔、法面の排水
屋根・屋上 冬季の積雪荷重と、春の融雪水 防水層のふくれ、笠木の腐食、ドレン詰まり
内装・木部 湿度と、桧・杉の内装建材へのシロアリ・カビ 共用廊下・階段室・共用居室の木部と、床下

川根本町ならではの、3つの重点項目

1つ目:北面の凍結融解。

これは海沿いの伊豆半島にはなかった論点です。コンクリートの微細なひび割れに水が入り、凍結によって膨張し、割れが広がり、また水が入る。この繰り返しで、10年で目に見えるひび割れになります。中性化と鉄筋腐食の起点になりやすい部位ですから、劣化診断では方位別に分けた報告書を必ずもらってください。

2つ目:屋根・屋上の積雪荷重。

川根本町の年間積雪深は、平野部の自治体と比較になりません。屋上防水のふくれ・押し傷、笠木や役物の荷重変形、ドレン周辺の融雪水の集中、いずれも積雪地ならではの劣化パターンです。屋上に上がって撮った写真1枚が、次の長期修繕計画の見直しの根拠になります。

3つ目:木部のシロアリ・カビ対策。

川根本町は林業の町です。共用部にも桧・杉といった無垢材が意匠として使われている建物があります。屋外に近い階段室・共用廊下の木部は、湿度と気温差でカビが発生しやすい。防カビ・防蟻塗装を長期修繕計画に組み込んでいるか、確認してください。

海沿いの塩害対策と、山間地の凍害・積雪・木部対策では、長期修繕計画のチェックポイントが変わります。「県内の他の管理組合の計画書と揃える」という発想ではなく、川根本町の建物のための計画書を作る必要があります。


ここから先は、株式会社明誠のサービスの話を含みます

制度の話はここまでです。ここからは工法とコストの話に入りますが、私自身が改修会社の代表ですので、利益相反があることを先に開示します。そのうえで読んでいただければと思います。

まず「見積書のどこにお金が乗っているか」の話から

大規模修繕の見積書で、多くの管理組合が素通りしてしまう行があります。仮設工事です。

一般的に、大規模修繕工事の総額に占める仮設足場の割合は15〜25%程度です。金額にすると、こうなります。

工事総額 仮設足場の概算(15〜25%)
3,000万円 450万〜750万円
5,000万円 750万〜1,250万円
8,000万円 1,200万〜2,000万円

私が現場で20年見てきて思うのは、20万円の植栽剪定は真剣に議論されるのに、750万円の「仮設工事一式」の1行はそのまま可決される、ということです。

理事の皆さまが不真面目なのではありません。判断材料が渡されていないだけです。

見積書を受け取ったら、この1文を工事会社に伝えてください。

仮設工事を、架面積の平米単価とリース期間に分解して出してください。

これだけで、金額の根拠が見えます。断られるようなら、それも1つの情報です。

ロープアクセス工法という選択肢

足場を組まずに、屋上からロープで作業員が下降して外壁の調査・補修・塗装・シーリング打ち替えを行う工法があります。ロープアクセス工法(無足場工法)といいます。

産業用の登山技術を応用したもので、命綱とは別に必ずバックアップのロープを取る二重系統が基本です。ロープアクセス工法の安全基準や技術的な解説は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムにまとめています。

そして、川根本町の建物には、この工法が効きやすい条件がそろっています

川根本町の立地条件 足場工法での問題 ロープアクセスの効き方
大井川に沿った傾斜地・崖地に建つ建物が多い 足場の脚部を水平に組むための地盤処理・段差処理に費用と工期がかかる 屋上からの下降なので地盤の条件に左右されにくい
集落間の狭い山道が多く、大型車の搬入が難しい 足場部材を積んだ4t車が現場に入れない 資材量が大幅に少なく、軽トラック規模で搬入できる
積雪期は搬入路の通行止めが発生する 足場材の搬入時期が読みにくい 資材が軽量で、少量ずつ小分けに搬入できる
敷地に余裕がなく、駐車場が建物に近接 全周に足場を組むと駐車場が長期間使えない 面ごとに施工でき、駐車場の閉鎖期間を短くできる
区分所有者の在宅率が低い(別荘・保養利用) 足場とメッシュシートが長期間かかることへの説明機会が少ない 工期そのものが短くなる

2つ目の「狭い山道」は、営業トークではなく物流の話です。足場部材が現場に届かない立地では、そもそも足場という選択肢が成立しません。川根本町の場合、大井川鐵道沿いの旧道・県道を通ることになる現場が多く、対向車の待避所を数えながら搬入計画を立てる必要があります。

正直に申し上げます。ロープアクセスは万能ではありません

ここは毎回、同じことを書いています。

私が「今回は足場でいきましょう」と申し上げる現場は、普通にあります。

足場工法が有利な条件
外壁タイルの張り替え面積が大きく、材料の荷揚げが大量に発生する
屋上防水の全面改修で、資材の搬入量が多い
バルコニーの手すりや隔て板を全戸交換するなど、水平方向の移動が多い工事
外壁の欠損が広範囲で、足場上での面的な作業が必要
積雪地では、冬季に足場上で保温養生を行う必要がある工事

そのうえで、部位ごとに足場とロープアクセスを使い分けるハイブリッド工法が、多くの建物で最も合理的な着地点になります。3つの工法から選べることの意味は、大規模修繕工事のご紹介ロープアクセス工法のご紹介のページにまとめています。ロープアクセスドットコムでは、川根本町のような山間地の物件も含めた施工実績をご覧いただけます。


川根本町のマンションで、モデルケースを2つ

実在の建物を特定できない形で、川根本町の一般的な条件をもとに試算します。

ケース1:千頭駅圏/築30年・4階建て・24戸(傾斜地)

項目 全面足場 ハイブリッド工法
工事総額 4,800万円 4,050万円
差額 ▲750万円
1戸あたり 200万円 約169万円(▲約31万円)
工期 5か月 3.5か月

大井川鐵道沿いの狭い搬入路を考慮し、道路側と大井川側の高層部をロープアクセス、低層部と搬入量の多い面を足場、という配分です。

ケース2:寸又峡温泉圏/築35年・3階建て・18戸(山側傾斜地)

項目 全面足場 ロープアクセス主体
工事総額 3,600万円 2,950万円
差額 ▲650万円
1戸あたり 200万円 約164万円(▲約36万円)
工期 4.5か月 3か月

18戸で3,600万円は、1戸あたり200万円です。同じ工事を150戸のマンションでやれば1戸あたり40万円前後になります。

戸数が小さいほど、工法の選定が1戸あたりの負担に効きます。

川根本町の分譲マンションは、都市部と比べて総戸数が小さい建物が中心です。だからこそ、工法の話を設計段階で持ち出す価値があります。

そして、これが最も大事な点です。

工法は、設計を発注したあとでは実質的に選べません。着工の15〜13か月前に決めてください。


修繕積立金が足りないときの4つの打ち手

川根本町のように、区分所有者の高齢化と町外居住が重なる建物では、積立金の不足は現実的な課題です。打ち手は4つあります。

打ち手 内容 注意点
1. 工事範囲の絞り込み 劣化診断にもとづき、次期に送れる部位を分ける 送った部位の劣化進行を長期修繕計画に反映する
2. 工法の見直し 仮設費を圧縮する 設計発注前でないと選べない
3. 借入 住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資 管理計画認定で金利引き下げ
4. 一時金または積立金の増額 総会決議 議案書に「一時金50万円」と「月々3,000円」の両方を載せる

4つ目について補足します。人は「50万円」という数字を見ると身構えますが、「月3,000円」なら判断できます。同じ金額を2通りの見せ方で議案書に載せるだけで、可決率が変わります。

そして、段階施工には注意点があります。仮設費は施工の回数分かかります。2回に分ければ足場代も2回。さらに、長寿命化促進税制の「3点セット一体で行う工事」の要件を外してしまう可能性もあります。安く見えて高くつく、という典型例です。


見積書のチェック5点【川根本町版】

私が管理組合にお渡ししているチェックリストです。5点目まで、そのまま使ってください。

1.下地補修の「仮定数量」を超えた分の単価を、契約前に契約書へ明記する

これが最重要です。外壁のひび割れ補修やタイル浮きの数量は、足場を架けるまで正確には分かりません。だから見積書には「仮定数量」が入ります。問題は、超過した分の単価が契約書にないケースです。

工事が始まって足場が架かった状態で、管理組合が対等に交渉することはできません。

契約書に入れる文例です。

「下地補修工事について、仮定数量を超過した場合の精算単価は、見積書記載の単価と同一とする。数量の確定は、監理者立会いのもと計測により行い、写真および計測記録を添付するものとする。」

これを嫌がる会社は、そこで分かります。

2.高圧洗浄の排水計画

川根本町は大井川に向かって傾斜する地形です。洗浄水は下へ流れます。大井川は静岡県中部の重要な水源でもあります。排水の経路と養生の方法を書面で出してもらってください。これは環境の話であると同時に、近隣住民との関係の話です。

3.予備日の設定と、超過した場合の費用負担

山あいの立地では、降雨・降雪・霧で作業が止まる日が読みにくい。冬季の凍結による塗装の中止も発生します。見積書に予備日が何日設定されているか、そして予備日を超過した場合の足場リース延長費用は誰の負担になるかを、契約前に確認してください。

4.工事監理者と施工会社の資本関係

設計監理方式を採るなら、監理者が施工会社と資本関係にないことを確認します。「第三者の目」を入れるための費用ですから、そこが独立していなければ意味がありません。

5.搬入経路と近隣説明

これは川根本町ならではです。狭い山道での資材搬入は、地元の観光バスや林業関係の車両との調整が必要になります。大井川鐵道の踏切を通過するルートでは、時刻表を踏まえた搬入時間の設計も必要です。見積書に「近隣説明費」「交通誘導員」の項目があるか、確認してください。


工事の適期はいつか【川根本町版】

時期 向き不向き 理由
3〜4月 山間部は朝晩の冷え込みが残り、塗装の乾燥時間に影響。桜の観光シーズンは搬入路が混む
5〜6月 気温・湿度とも徐々に安定。ただし6月下旬から梅雨で予備日を7〜10日多めに
7〜8月 気温は安定するが、観光ピークで大井川鐵道・SL周辺の交通量増加に注意
9〜10月 最も条件が良い。台風の通過後は要注意だが、気温・湿度が塗装に最適
11月 紅葉シーズン。寸又峡・接岨峡の観光客増加に伴う搬入路の混雑あり
12〜2月 × 積雪・凍結により塗装作業の中止日が多発。屋外の高所作業は現実的でない

川根本町で特徴的なのは、観光シーズンと工事工程の関係です。SL・寸又峡温泉・接岨峡温泉の観光ピークは、町内の交通量が普段と変わります。資材搬入の時間帯を工程表に書き込んでおくと、後で揉めません。


着工18か月前からの逆算カレンダー

長寿命化促進税制の期限(令和9年3月31日完了)から逆算すると、こうなります。

時期 やること
18〜16か月前 劣化状況調査の発注。管理計画認定の準備開始(事前確認適合証のルート)
15〜13か月前 工法を決める(ここを過ぎると設計が固まり、実質的に選べなくなる)
12か月前 定時総会で工事実施と予算を決議
9〜6か月前 施工会社の選定・相見積
3か月前 補助金の交付申請(該当制度がある場合、着手前が原則)
着工直前 改修前の写真撮影(高圧洗浄後は二度と撮れません)
完了後3か月以内 固定資産税の減額申告

律速になるのは工事ではなく、総会です。

川根本町のように区分所有者が町外に多い建物では、ここにさらに数か月の余裕を見てください。

証明書まわりの落とし穴を3つ

  1. 建築士との契約書に「大規模の修繕等証明書の発行」を明記する。あとから頼むと追加費用になったり、そもそも発行できないと言われたりします。
  2. 着工前の写真は、高圧洗浄をした瞬間に撮れなくなります。議事録に「改修前の写真撮影を、高圧洗浄着手前に完了させること」と3行書いておいてください。
  3. 前回の施工会社が廃業していると、過去の工事内容の証明が難しくなります。前回の工事の書類(契約書・仕様書・完了報告書・写真)が管理室にあるか、今週中に確認してください。

今週できること(合計1時間かかりません)

所要時間 やること
5分 川根本町 建設課へ電話。「非木造分譲マンションの共用部工事に、町独自の補助制度があるか」
5分 川根本町 税務住民課へ電話。「マンション長寿命化促進税制の申告について」
5分 静岡県 住まいづくり課へ電話。「町域のマンション管理計画認定の申請手順について」
15分 屋上に上がる。防水層の状態と、笠木の変形、ドレン周りの融雪水の跡を見る
15分 北面の外壁を目視。凍害(うろこ状のひび割れ)と、コンクリート爆裂の有無を見る
10分 静岡県のマンション管理士無料派遣の申込書をダウンロードする

電話3本は今日中に。予算枠は年度ごとで、先着順の制度もあります。


よくある質問(FAQ)

Q1. 川根本町に、分譲マンションの大規模修繕そのものに使える町の補助金はありますか?
A. 現時点で、共用部の工事費を直接補助する町独自の制度は確認できません。町のTOUKAI-0⁺は木造住宅対象、定住・移住促進住宅改修事業費補助金は居住者個人の住宅対象、空き家関連も一戸建てが対象です。共用部の工事費については、県・国の制度(管理計画認定を通じた融資金利引き下げ・長寿命化促進税制による固定資産税減額)を組み合わせるのが基本方針になります。(出典:川根本町 補助金一覧

Q2. 管理計画認定の申請先はどこですか?
A. 静岡県です。マンション管理計画認定制度の対象は、市の区域は各市、町の区域は県と整理されています。川根本町は町なので、静岡県くらし・環境部建築住宅局住まいづくり課が窓口です。手数料は令和8年4月1日改定で、事前確認適合証がある場合4,000円、ない場合28,100円です。(出典:静岡県 マンションの管理

Q3. 長寿命化促進税制は、川根本町でも使えますか?
A. 使えます。長寿命化促進税制は地方税法にもとづく全国共通の制度で、市町村のサイトに説明ページがあるかどうかは、制度の適用可否とは関係ありません。工事完了後3か月以内に、川根本町 税務住民課へ申告してください。期限は令和9年3月31日までに工事完了です。

Q4. 区分所有者の多くが町外に住んでいます。総会が成立しません。
A. 別荘型・保養所型の区分所有建物で最も多いご相談です。実務としては、(1)議案書の発送を通常より2か月前倒しする、(2)委任状と議決権行使書の両方の様式を同封する、(3)返信用封筒に切手を貼る、(4)議案の要約を1枚にまとめて同封する、の4点で回収率が変わります。

Q5. 川根本町の建物は、海沿いのマンションと工事内容が違いますか?
A. 違います。海沿いは飛来塩分による鉄部の腐食が最大要因ですが、川根本町は冬季の凍結融解による外壁のひび割れ・爆裂積雪荷重による屋上部材の変形山からの湿気による木部・共用部のカビ・シロアリが主な要因になります。長期修繕計画のチェック項目を、海沿いの雛形から山間地の雛形へ組み替える必要があります。

Q6. ロープアクセス工法は、傾斜地や山道の狭い立地でも使えますか?
A. むしろ有利な条件です。足場は地盤の上に組むため、傾斜地や擁壁際では脚部の処理に費用と工期がかかります。また、足場部材を運ぶ大型車が入れない現場では、そもそも足場という選択肢が成立しません。ロープアクセスは屋上から下降するため、地盤の条件に左右されにくく、資材も軽トラック規模で搬入できます。ただし、外壁タイルの大面積張り替えなど資材の荷揚げが大量に発生する工事は足場が合理的です。部位ごとに使い分けるハイブリッド工法を含めてご検討ください。技術的な解説はロープアクセスドットコムにまとめています。

Q7. 積雪期に工事はできますか?
A. 高所作業は原則として避けるべきです。塗装は気温5℃以上・湿度85%以下が施工条件の目安で、積雪・凍結期は乾燥不良と付着不良の原因になります。川根本町では、9〜10月を工事の中心期に設定し、遅くとも11月末までに屋上・外壁の主要工程を終える工程計画が現実的です。

Q9. 賃貸マンションのオーナーですが、感震ブレーカーの補助金は自分の名義で申請できますか?
A. できません。川根本町の感震ブレーカー等設置推進補助金は、補助対象者の定義に「ただし、賃貸目的の集合住宅への設置については、当該住宅の居住者に限る」と明記されています。申請できるのは入居者ご本人です。なお令和8年度は2026年7月3日に予算上限に達し、受付を終了しています。(出典:感震ブレーカー等設置推進補助金のご案内

Q10. 別荘として使っているマンションでも、町の浄化槽の補助金は使えますか?
A. 合併処理浄化槽設置整備事業費補助金の交付対象外の項目に「季節的に使用する住宅に合併処理浄化槽を設置する者」が含まれています。別荘・保養所としての利用が前提の建物は、この条項に当たると読むのが自然です。また補助基本額の人槽区分は8〜10人槽までで、共同住宅サイズの浄化槽の行がありません。個別の判断はくらし環境課 生活環境室(0547-56-2236)へご確認ください。(出典:合併処理浄化槽設置整備事業費補助金について

Q8. 前面道路が狭くて足場が組めるか不安です。
A. 施工計画書の段階で「架設計画図」「搬入計画書」「交通誘導計画」を提出してもらってください。狭あい道路では、隣接する敷地の所有者に道路使用の承諾を得るケースがあります。この調整に2〜3か月かかる場合があるので、工程表に組み込んでおく必要があります。


この記事のポイントまとめ

  • 川根本町の「町の補助金」で、分譲マンションの共用部の工事費に直接届くものは、現時点で確認できない
  • 2026年から町の耐震事業は「TOUKAI-0⁺(プラス)」に改称。木造耐震補強は一律115万円に統一
  • 感震ブレーカー補助は「賃貸集合住宅は居住者本人に限る」と明記。オーナー名義では申請できない
  • 合併処理浄化槽補助は8〜10人槽までで、「季節的に使用する住宅」は対象外
  • クリーンエネルギー機器補助は町のページに予算残額が公開されている(2026年9月1日現在96万円)
  • TOUKAI-0⁺は木造住宅のみ、定住・移住促進住宅改修事業費補助金は居住者個人のみが対象(令和8年度は受付終了)
  • 管理計画認定の窓口は町ではなく静岡県。手数料は適合証ありで4,000円
  • 令和7年法律第47号でマンション管理適正化支援法人制度が新設された(静岡県は現時点で未実施)
  • 令和7年にマンション標準管理規約が改正された
  • 町の税務ページに長寿命化促進税制の専用ページはないが、地方税法の共通制度として使える
  • 川根本町は面積496.68㎢、人口5,350人、静岡県内で最大面積の町
  • 分譲マンションの大半が別荘・保養所型で、区分所有者は町外・県外居住
  • 山間地の劣化要因は「凍害」「積雪荷重」「湿度」「木部のカビ・シロアリ」で、海沿いとは方位別の重点が違う
  • 大井川鐵道沿いの狭い山道での資材搬入は、工法選定の実務論点
  • 傾斜地・狭道の物件では、ロープアクセス工法が特に効きやすい
  • 積雪期を避けて9〜10月を工事中心期に設定するのが現実的
  • 総会の定足数確保が工程の律速。議案作成は都市部より半年前倒しに
  • 長寿命化促進税制は令和9年3月31日までに工事完了で、翌年度固定資産税が減額される

主なお問い合わせ先

窓口 電話番号 主な担当
川根本町 建設課 建設事業室 0547-56-2227 TOUKAI-0⁺(耐震診断・耐震補強・ブロック塀等撤去・耐震シェルター・防災ベッド)
川根本町 くらし環境課 生活環境室 0547-56-2236 合併処理浄化槽設置整備事業費補助金
川根本町 くらし環境課 環境政策室 0547-56-2236 クリーンエネルギー機器導入促進事業費補助金
川根本町 危機管理課 危機管理室 0547-56-2237 感震ブレーカー等設置推進補助金
川根本町 経営戦略課 定住・移住推進室 0547-56-1111(代表) 定住・移住促進住宅改修事業費補助金
川根本町 税務住民課 0547-56-1111(代表) 固定資産税・長寿命化促進税制の申告
川根本町役場(代表) 0547-56-1111 〒428-0313 静岡県榛原郡川根本町上長尾627(開庁 8時15分〜17時)
川根本町役場 総合支所 0547-59-3111 〒428-0411 静岡県榛原郡川根本町千頭1183-1
静岡県 くらし・環境部建築住宅局住まいづくり課 054-221-3084 管理計画認定・県セミナー
一般社団法人静岡県マンション管理士会 ファクス 0544-27-6561 マンション管理士無料派遣の申込
一般社団法人日本マンション管理士会連合会 相談ダイヤル 03-5801-0858 管理全般の相談

実務メモ:川根本町役場は、大井川鐵道 千頭駅から車で約10分の上長尾地区にあります。開庁時間は月曜日から金曜日の8時30分から17時15分までです。


川根本町の建物のこと、まずはご相談ください

株式会社明誠は、マンション・ビル・ホテルの大規模修繕を専門とする改修会社です。通常の足場仮設工事、無足場のロープアクセス工事、その両方を組み合わせたハイブリッド工法という3つの選択肢から、建物にとって最適な工法をご提案します。

  • 傾斜地・山道沿いに建っていて、足場が組めるのか分からない
  • 北面の外壁にひび割れが増えている。凍害の可能性を確認したい
  • 屋上防水のふくれが気になる。積雪荷重の影響を診てほしい
  • 補助金が使えるのか、まず建物を見てほしい
  • 相見積の条件がそろっているか、第三者の目で見てほしい

こうしたご相談に、無料の現地調査・お見積りで対応しています。お問い合わせフォームからご連絡ください。管理組合向けのサービス会社の方針・実績についても承ります。

総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。


執筆者:本間 幸紘(株式会社明誠 代表取締役)
専門領域:マンション・ビル・ホテルの大規模修繕/ロープアクセス工法(無足場工法)/建物長寿命化計画
実務経験:建設・改修業界 20年以上
所属:一般社団法人 全国建設業支援協会(JCSA)

株式会社明誠について:東京都東大和市を拠点に、東京・関東一円と全国のフランチャイズ加盟店を通じて、ロープアクセス工法・足場工法・ハイブリッド工法の3つを提案できる改修会社。ロープアクセス工事として日本初のフランチャイズを展開し、塗装・防水・タイル・電気・看板など各分野の専門職が加盟しています。

最終更新:2026年9月9日

注記:本記事は2026年9月9日時点で公開されている情報にもとづいて作成しています。補助制度は年度途中で内容・金額・受付状況が変更されることがあります。また、要綱の解釈や適用の可否は個別の建物の条件によって異なります。申請にあたっては、各制度の公式ページと窓口で最新の内容をご確認ください。本記事は法務・税務の助言を目的としたものではありません。


出典・参考資料


関連記事