大規模修繕はロープアクセスが提案可能な東京の明誠へ

創業から6000棟超の施工実績

四街道市の賃貸マンション・アパート補助金|オーナー向け2026年版

四街道市の賃貸マンション・アパート補助金|オーナー向け2026年版

最終更新:2026年9月5日

千葉県四街道市に賃貸マンション、アパート、戸建賃貸をお持ちのオーナーさまから、この夏よくいただいた質問があります。

「四街道市の補助金、自分の投資用物件でも使えるんですか?」

結論から申し上げます。四街道市の住宅系補助金の多くは「自分が住んでいる住宅」が要件で、投資用物件には原則使えません。ただし、オーナーが直接使える制度が2本、はっきり残っています。しかも片方は、2026年10月30日という現実的な締切が目の前に来ています。

この記事では、四街道市の賃貸物件オーナーが「実際に取りに行ける補助金」だけを、市の一次情報にあたって整理しました。使えない制度は「使えない」と明記します。そのうえで、市で足りない分を国の制度でどう埋めるか、そして受給した補助金がNOI(実質賃料収入)と出口価格にどう効いてくるかまで、数字で追いかけます。

私は建設・改修の現場に20年近くおります。補助金の話は、正直に申し上げると「使える・使えない」の線引きが8割です。ここを曖昧にしたまま工事を進めて、着工後に「対象外でした」と分かる。この事故が一番もったいない。だから今日は、線引きから入ります。


1. 結論:四街道市で賃貸オーナーが直接使えるのは、この2本

先に答えを出します。2026年度(令和8年度)時点で、四街道市の制度のうち投資用・賃貸用の物件でオーナー自身が申請できる可能性が高いのは、次の2本です。

制度名 補助率・上限 オーナー適合性 2026年度の受付状況
危険コンクリートブロック塀等安全対策事業補助金 除却1/2+設置1/2、合計上限10万円 ◎ 居住要件なし。「個人所有」が条件 事前調査申請は2026年10月30日まで、交付申請は11月30日まで先着
木造住宅耐震改修工事費補助金 4/5・上限115万円(2026年度から増額) ○ 一戸建て・併用住宅のみ。共同住宅は対象外 2026年11月30日まで予算の範囲で先着
(参考)木造住宅耐震診断費補助金 2/3・上限8万円 ○ 上と同じ建物要件 同上

(出典:四街道市 危険コンクリートブロック塀等安全対策事業補助金制度四街道市 木造住宅耐震診断費補助制度・木造住宅耐震改修工事費補助制度

逆に、名前だけ見ると使えそうで、実は投資用物件に使えない制度もあります。

制度名 使えない理由
四街道市住宅リフォーム補助金(10%・上限10万円) 「補助対象住宅を自ら所有し、かつ、現に居住している者」が要件。加えて2026年度は受付終了
四街道市住宅用設備等脱炭素化促進事業補助金(蓄電池・EV・V2H) 申請者が居住する住宅に太陽光が設置されている方のみ」等の居住要件あり

(出典:四街道市 住宅リフォーム補助金制度四街道市 住宅用設備等脱炭素化促進事業補助制度(令和8年度)

ここが四街道市の特徴です。市の制度は「定住促進」の色が濃く、投資用物件には門戸が狭い。だからこそ、使える2本を確実に取りに行き、足りない分は国の制度で埋める。この二段構えが、四街道市の賃貸オーナーにとって現実的な戦略になります。

「取りこぼし額」を先に見ておく

10万円、115万円と聞くと小さく感じるかもしれません。ただ、オーナーの判断材料は「補助額の絶対値」ではなく「持ち出しがいくら減るか」です。

たとえば、ブロック塀の除却+軽量フェンス設置に税抜40万円かかったとします。補助が10万円上限まで出れば、持ち出しは30万円。実質25%オフです。加えて、この工事は修繕費として損金算入できる可能性が高い(後述)。法人実効税率を30%とすれば、税効果を含めた実質負担は21万円前後まで下がる計算になります。

40万円が21万円になる。しかも、道路際の危険物が消える。ここを「面倒だから」で放置している物件が、四街道市内にはまだかなりあります。


2. 【締切が近い】危険コンクリートブロック塀等安全対策事業補助金

四街道市の賃貸オーナーにとって、2026年度に最も「今すぐ動く価値がある」制度がこれです。

制度の中身

四街道市は、地震時に危険なコンクリートブロック塀等による被害を防ぐため、道路等に面した危険なブロック塀を除却する工事等の費用の一部を補助しています。

項目 内容
対象工事A(除却) 危険コンクリートブロック塀等の全部を除却、または高さを概ね60cm以下に減じる工事
対象工事B(設置) 除却後の代替として必要な軽量フェンス等の設置(除却と併せて行う工事に限る)
補助額 A・Bそれぞれ補助対象経費の1/2(千円未満切り捨て)、合計10万円が限度
対象となる塀 個人が所有するもの ②道路等に面し、道路面からの高さが1.2mを超えるもの ③事前調査で危険と判定されたもの
除外 建築基準法に明らかに違反しているものは対象外

(出典:四街道市 危険コンクリートブロック塀等安全対策事業補助金制度、2026年5月8日更新)

オーナーにとっての最大のポイント:居住要件がない

この制度の要綱には、「その塀のある土地に自分が住んでいること」という要件が書かれていません。対象者として定められているのは次の5つです。

  1. 道路等に面した危険コンクリートブロック塀等を所有する個人
  2. 土地又は建物の販売を目的として補助対象工事を行わないこと
  3. 市税等を滞納していないこと
  4. 四街道市暴力団排除条例に規定する暴力団員等に該当しないこと
  5. 同一敷地内において、過去にこの告示による補助金を受けていないこと

つまり、四街道市内のアパート敷地や駐車場の境界に危険なブロック塀を持つ個人オーナーは、自分が住んでいなくても対象になり得るということです。

ただし注意点が2つ。

①「個人」が対象。 資産管理法人名義の物件については、この「個人」要件をどう扱うか、建築課(043-421-6144/6147)に事前確認が必要です。法人所有だと対象外になる可能性があります。個人名義と法人名義の物件が混在しているオーナーさまは、まず名義の棚卸しから始めてください。

②「販売目的の工事は不可」。 売却前に物件を整えるための工事は対象外と読めます。出口(売却)の直前ではなく、保有中に手を打つのが正しい使い方です。

2026年度は「今なら残額を先着で取れる」状態

ここが今回いちばんお伝えしたい話です。四街道市の公式ページには、こう書かれています。

期間(令和8年4月6日から5月7日まで)を設けて募集した結果、予算枠を超えなかったため、抽選は行われませんでした。残額については、先着順で受付いたします。

(出典:四街道市 危険コンクリートブロック塀等安全対策事業補助金制度

つまり、春の募集で予算が埋まらなかったため、いま申し込めば先着で入れる可能性がある。これは毎年そうなるとは限りません。

そして締切は現実的に迫っています。

手続き 期限(2026年度)
事前調査申請書の提出 2026年10月30日(金)
事前調査後の補助金交付申請書 2026年11月30日(月)
実績報告書の提出 補助対象年度の1月末日まで
補助金交付請求書 補助対象年度の2月末日まで

この記事を公開している2026年9月5日から、事前調査申請の締切まで残り約8週間です。しかも事前調査 → 危険判定 → 交付申請 → 交付決定 → 契約 → 着工、という順番を踏む必要があります。

絶対にやってはいけない「先に契約する」

要綱には太字でこう書かれています。「事前契約されますと補助の対象になりません」、そして「施工業者との契約締結は、市の補助金交付決定後に行われることが補助要件です」

私が現場で一番悔しい思いをするのが、この事故です。「業者に見積を出させて、そのまま発注してしまった」。この瞬間に補助金は消えます。見積は取っていい。契約書に判を押すのは、市の交付決定通知が届いてから。ここだけは順番を絶対に守ってください。

賃貸オーナーがこの制度を使う実務的な意味

「たかがブロック塀」と思われるかもしれません。オーナー視点で見ると、この工事は3つの意味を持ちます。

第一に、賠償リスクの遮断です。 民法717条の工作物責任は、所有者が無過失でも責任を負う構造になっています。道路に面した1.2m超のブロック塀が地震で倒れて通行人が負傷した場合、責任は所有者に向かいます。四街道市が「危険」と判定した塀を放置していた事実は、その判断において不利に働き得ます。この制度は、補助金であると同時に「市が危険を判定してくれる無料の診断機会」でもあります。

第二に、募集時の第一印象です。 内見に来た入居希望者が最初に目にするのは、室内ではなく敷地の外構です。ひび割れて傾いたブロック塀は、それだけで「管理されていない物件」という印象を与えます。軽量フェンスに替えると敷地が明るくなり、防犯面の印象も上がる。募集単価を1,000円上げる交渉より、この印象改善の方が決まりやすいことがあります。

第三に、出口での指摘事項が1つ減ります。 売却時のエンジニアリングレポートや買主側のデューデリジェンスで、既存不適格のブロック塀は必ず指摘されます。指摘は値引き交渉の材料になります。保有中に補助金で処理しておけば、その材料が消える。10万円の補助で、将来の数十万円の値引き交渉を1つ潰せるという見方もできます。


3. 木造戸建賃貸を持つオーナーへ:耐震改修が4/5・上限115万円に増額

四街道市には木造戸建の賃貸物件、いわゆる「戸建賃貸」を運用しているオーナーさまが少なくありません。この層に効くのが耐震補助です。

2026年度からの変更点が大きい

四街道市は2026年度(令和8年度)から、耐震改修工事費補助金の上限を115万円に引き上げました(あわせて補助対象項目から設計費を除外)。

制度 補助率 上限 対象建物
木造住宅耐震診断費補助金 診断費用の2/3 8万円 在来工法・一戸建てまたは併用住宅・地上2階以下・建築確認済証が平成12年5月31日以前に交付
木造住宅耐震改修工事費補助金 補助対象経費の4/5 115万円 上記+診断で「倒壊する可能性がある/高い」と判定され、改修後に「倒壊しない/一応倒壊しない」が見込めること

(出典:四街道市 木造住宅耐震診断費補助制度・木造住宅耐震改修工事費補助制度、2026年5月8日更新)

補助率4/5は、全国の自治体の耐震改修補助と比べてもかなり手厚い水準です。税抜143万円の耐震改修なら、115万円が補助され、持ち出しは28万円という計算になります。

対象者要件が「所有者」で止まっている

耐震改修の補助対象者として要綱が定めているのは、次の2つだけです。

  1. 補助対象住宅を自ら所有している者
  2. 市税等を滞納していない者

住宅リフォーム補助金のような「現に居住している者」「10年以上居住する意思」といった居住要件が、ここには書かれていません。したがって、平成12年5月31日以前に確認済証が交付された木造の戸建賃貸を所有しているオーナーは、対象になり得ます。

ただし建物要件で明確な線が引かれています。「一戸建て住宅又は併用住宅であること」。つまり、木造アパートのような共同住宅は対象外です。ここは誤解しやすいので、はっきり書いておきます。

  • ○ 昭和・平成初期の木造戸建を賃貸として貸している → 対象になり得る
  • ○ 1階が店舗・2階が住居の併用住宅を貸している → 対象になり得る
  • ✕ 木造2階建てのアパート(共同住宅) → 建物要件で対象外
  • 軽量鉄骨造・RC造 → 在来工法木造ではないため対象外

判断に迷う物件は、建物の登記上の用途と確認済証の交付日を手元に用意して、建築課に照会するのが最短です。

「2000年5月31日」という線の意味

補助対象が「建築確認済証が平成12年5月31日以前」で切られているのは、いわゆる2000年基準(新耐震のさらに強化版)の前後で木造住宅の耐震性能に差があるためです。1981年6月の新耐震基準だけでなく、2000年6月の改正で地耐力に応じた基礎の仕様、柱頭・柱脚の金物、耐力壁のバランス配置が明確化されました。

四街道市で1980〜1990年代に供給された木造戸建は、この線の手前に入るものが多い。「新耐震だから大丈夫」と思っていた物件が、実は2000年基準を満たしていないというケースは、私の経験上かなりあります。診断費用の2/3・上限8万円が出るうちに、まず診断だけでも受けておく価値はあります。

受付は2026年11月30日まで、先着

耐震補助についても市はこう告知しています。「期間(令和8年4月6日から5月7日まで)を設けて募集した結果、予算枠を超えなかったため、抽選は行われませんでした。残額については、先着順で受付いたします」。受付期間は2026年11月30日(月)まで、予算の範囲内で先着順です。

こちらも事前契約は不可。「これらはすべて事前契約されますと補助対象になりません」と明記されています。


4. 「使えない制度」をはっきりさせる — ここで時間を無駄にしない

補助金記事でありがちなのが、制度名を並べるだけで「あなたが使えるか」に触れないパターンです。オーナーの立場では、使えない制度を早く捨てられることの方が価値があると私は思っています。

四街道市住宅リフォーム補助金 — 投資用は対象外、しかも受付終了

外壁塗装や屋根工事の情報サイトでよく紹介される制度ですが、賃貸オーナーは使えません。

要綱の補助対象者は次のとおりです。

  1. 申請時において、1年以上継続して本市に住所があり、かつ、住民基本台帳に記録されている者
  2. 補助対象住宅を自ら所有し、かつ、現に居住している者
  3. 補助対象住宅に10年以上居住する意思を有する者
  4. 市税等を滞納していない者
  5. 以前にこの告示による補助金を受けていない者

(出典:四街道市 住宅リフォーム補助金制度、2026年8月4日更新)

2号と3号で、投資用物件は明確に締め出されています。補助対象住宅の定義も「一戸建て住宅、共同住宅(専有部分のみ)又は併用住宅(自己居住部分のみ)」です。加えて2026年度の受付はすでに終了しており、市は「令和9年度については、内容が決まり次第、掲載いたします」としています。

なお、この制度には「市内に本店を有する施工業者によるリフォーム工事」という要件もあります。自宅を持つオーナーが翌年度に使う場合は、業者選定の段階からこの条件が効いてくる点は覚えておいてください。

住宅用設備等脱炭素化促進事業補助金 — 窓は「要綱確認」、蓄電池・EVは居住要件で不可

2026年度の四街道市住宅用設備等脱炭素化促進事業補助金は、予算1,000万円に対し、2026年8月18日時点で申請36件・256万8,000円(消化率およそ26%)と、残枠に余裕がある状態です。受付は2027年1月29日(金)まで、先着順。

対象設備 補助額
家庭用燃料電池システム(エネファーム) 上限10万円
定置用リチウムイオン蓄電システム 上限7万円
窓の断熱改修 補助対象経費の1/4(上限8万円、マンション管理組合の場合は8万円×改修戸数)
電気自動車・PHV V2H併設あり15万円/なし10万円
V2H充放電設備 補助対象経費の1/10(上限25万円)

(出典:四街道市 住宅用設備等脱炭素化促進事業補助制度(令和8年度)、2026年8月18日更新)

このうち蓄電池・電気自動車・PHV・V2Hは、「申請者が居住する住宅に住宅用太陽光発電設備が設置されている方のみ」が明記されており、投資用物件では使えません。

窓の断熱改修については、要件として示されているのは「既築住宅かつ既存窓であること」「窓全体の熱貫流率Uwが1.9以下であること」(2026年度からの追加要件)で、居住要件は明示されていません。ただし「このほか、補助対象設備の要件は、補助金交付要綱を必ず確認してください」とされており、賃貸物件で使えるかは要綱と環境政策課(043-421-6131)への事前確認が必須です。ここは断定しません。「使えるかもしれないから確認する価値がある」という温度感で捉えてください。

なお、この補助は設置後の申請であり、申請する年度内に着工から完了・支払いまでを終える必要があります。年度末ギリギリの工事は間に合いません。また、窓の断熱改修には10年の財産処分制限期間が設定されている点も、売却を検討中のオーナーには関係してきます。


5. 市で足りない分は国で取る:賃貸オーナー専用の国庫補助が2本ある

四街道市の制度が投資用物件に狭いぶん、国の制度で埋めるのが2026年度の現実解です。特に次の2本は、賃貸集合住宅のオーナーを正面から対象にしています。

5-1. 賃貸集合給湯省エネ2026事業(経済産業省・資源エネルギー庁)

正式名称は「既存賃貸集合住宅用小型省エネルギー型給湯器導入促進事業費補助金」。名前のとおり、賃貸集合住宅専用の補助です。

項目 内容
予算 35億円(令和7年度補正予算)
補助対象者 賃貸集合住宅のオーナー等で、給湯器交換工事の発注者(リース利用含む)。賃貸住戸を2戸以上所有する区分所有者も対象
対象建物 1棟に2戸以上の賃貸住戸を有し、建築から1年以上経過(または居住実績がある)建物
補助額(基本額) エコジョーズ/エコフィール:追い焚きなし5万円/台、追い焚きあり7万円/台(1住戸1台まで)
補助額(加算額) ドレン排水関連工事で3万円/台を加算 → 最大10万円/台
交付申請期間 受付開始〜予算上限まで(遅くとも2026年12月31日)。予約は遅くとも2026年11月16日まで
着工期間 2025年11月28日以降

(出典:賃貸集合給湯省エネ2026事業 事業概要(経済産業省)

2026年9月4日午前0時時点で、予算に対する補助金申請額の割合は39%(出典:賃貸集合給湯省エネ2026事業 公式サイト)。まだ6割残っていますが、給湯器の交換需要は冬に向けて跳ね上がります。10月〜11月の駆け込みで一気に消化される可能性は見ておくべきです。

数字で考えてみます。四街道市内に20戸の賃貸マンションを持ち、追い焚き機能付き給湯器を20台まとめて交換した場合。

  • 基本額7万円 × 20台 = 140万円
  • ドレン排水工事の加算が全戸で認められれば3万円 × 20台 = 60万円
  • 合計で最大200万円

給湯器交換の工事費が1台20万円だとすると総額400万円。その半分が国から戻る計算です。しかも入居者にとっては「給湯器が新しい」「ガス代が下がる」という実利があり、退去抑止に直結します。

ひとつ実務上の注意です。オーナーが直接申請することはできません。申請手続きは、あらかじめ登録された「賃貸集合給湯省エネ事業者(施工業者またはリース事業者)」が行い、補助金はオーナーに還元される仕組みです。したがって業者選定の段階で「登録事業者かどうか」を必ず確認してください。登録のない事業者と契約すると補助対象になりません。

なお、国内に所有または管理する既存賃貸集合住宅の住戸数が200戸以上の事業者は、事務局に申請して認められれば自ら手続きできる例外もあります。規模のあるオーナー法人は検討の余地があります。

5-2. 先進的窓リノベ2026事業(環境省)

窓の断熱改修に対する、金額規模が最も大きい国庫補助です。

項目 内容
予算 1,125億円(令和7年度補正予算)
補助額 最大100万円/戸
中高層集合住宅(4階建以上)の上限 1棟につき100万円 × 総戸数
下限 1申請あたりの合計補助額が5万円未満は申請不可
申請期限 遅くとも2026年12月31日(予算消化により前倒しの可能性)

(出典:先進的窓リノベ2026事業 事業概要(環境省)

2026年9月4日午前0時時点の予算消化率は21%(出典:先進的窓リノベ2026事業 公式サイト)。給湯器の39%より余裕がありますが、こちらも年末に向けて加速します。

窓の断熱改修は、オーナーにとって「入居者の光熱費を下げつつ、賃料を維持する」という珍しい種類の投資です。同じ築年数の競合物件と比べて、内窓が入っているだけで内見時の説明材料が1つ増える。特に四街道市のように新築戸建の供給が続き、賃貸が新築と比較されやすいエリアでは、この差は効いてきます。

こちらも申請は登録事業者(窓リノベ事業者)経由です。オーナーの直接申請はできません。

市と国、どちらを先に動かすか

四街道市の制度と国の制度は、併用の可否が制度ごとに異なります。一般論として、同一の工事に対して国と市の補助を二重取りすることはできません。四街道市の住宅リフォーム補助金には「本市で実施している他の補助金又は助成金の制度がない工事」という要件が明記されているとおりです。

私が提案するのは、工事の部位ごとに補助金を割り当てる組み方です。

  • 給湯器 → 国(賃貸集合給湯省エネ2026)
  • 窓・ドア → 国(先進的窓リノベ2026)
  • ブロック塀 → 市(危険コンクリートブロック塀等安全対策)
  • 木造戸建賃貸の構造補強 → 市(木造住宅耐震改修)
  • 外壁・屋上防水・シーリング → 補助対象外。自己資金または借入で計画的に

こう整理すると、補助対象外の外壁・防水こそが、オーナーの持ち出しが最も大きい領域だと分かります。ここをどう圧縮するかが、次の話です。


6. 補助対象外の外壁・防水を、足場を組まずに直すという選択肢

四街道市の物件で、オーナーの持ち出しが最も大きくなるのは外壁塗装と屋上・バルコニー防水です。ここに補助金はほぼ効きません。だからこそ、工法選択がそのままキャッシュフローに跳ね返ります。

私が20年やってきて確信しているのは、大規模修繕の総費用のうち、仮設足場が占める割合は決して小さくないという事実です。物件形状や高さによりますが、外壁改修工事において足場の仮設・解体費が全体の2〜3割に及ぶケースは珍しくありません。しかも足場は、建物を1ミリも良くしない費用です。

ロープアクセス工法(無足場工法)という選択

株式会社明誠は、大規模修繕を3つの工法からご提案しています。

工法 内容 向いている物件
通常足場工法 従来型の仮設足場を架設して施工 中低層、形状が複雑、全面的な改修
ロープアクセス工法(無足場工法) 産業用ロープで作業員が懸垂降下し、足場を組まずに施工 高層、足場架設が困難、部分補修、コスト最重視
ハイブリッド工法 部位ごとに足場とロープアクセスを使い分け 大規模・複雑な物件で総合コストを最適化したいケース

賃貸オーナーにとって、ロープアクセス工法の価値はコストだけではありません。

入居者の生活影響が桁違いに小さいことが、実務上はむしろ効きます。足場を架設すると、外壁全面が数か月にわたって養生シートで覆われます。バルコニーは使えず、窓は開けられず、日照は落ちる。そして何より、足場は防犯上の侵入経路になります。この間に「工事がうるさいから」「洗濯物が干せないから」という理由で退去が出ると、原状回復費と募集費用と空室損失が同時に発生します。

入居率1%の差が、20戸・平均賃料7万円の物件で年間およそ8.4万円のキャッシュフロー差になります。工事を機に2戸が退去し、それぞれ2か月空室になれば、それだけで28万円が消える。足場代の削減額より、退去による損失の方が大きくなることは十分あり得ます。

ロープアクセスは、必要な部位に、必要な期間だけ人が降りてくる工法です。バルコニーは基本的に使えます。工期も短い。「入居者に気づかれにくい大規模修繕」が成立します。

ロープアクセス工法の技術情報・安全基準・施工事例は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムに詳しくまとめています。工法の適合判断でお悩みのオーナーさまは、こちらもあわせてご覧ください。

明誠は、ロープアクセス工事として日本で初めてのフランチャイズ展開を行っており、塗装・防水・タイル・電気・看板といった各分野の専門職が加盟しています。中間マージンを重ねない体制で、高品質と低価格の両立を実現しています。工法の詳細はロープアクセス工法のご紹介、大規模修繕の全体像は大規模修繕工事のご紹介をご覧ください。


7. 税務:補助金は「もらって終わり」ではない

オーナー記事なので、ここは避けて通れません。補助金の受給は、税務上のイベントです。

7-1. 補助金は雑収入として課税される

受け取った補助金は、原則として受給した事業年度の雑収入(益金)に計上します。10万円の補助を受けたら、その10万円に税金がかかるということです。法人実効税率30%なら、手残りは7万円。「10万円もらえる」ではなく「実質7万円」で計算するのが、オーナーの正しい読み方です。

なお、固定資産の取得に充てた国庫補助金等については、一定の要件のもとで圧縮記帳により課税を繰り延べる制度があります(法人税法第42条等)。ただし適用可否は補助金の性質と資産計上の有無で変わります。必ず顧問税理士に確認してください。私は税理士ではありませんので、ここでは制度の存在をお伝えするに留めます。

7-2. 資本的支出か、修繕費か

オーナーにとって補助金額より影響が大きいのが、この区分です。

区分 会計処理 キャッシュフローへの影響
修繕費 支出年度に全額損金算入 その年の課税所得を大きく圧縮。節税効果が即効性を持つ
資本的支出 資産計上し、耐用年数にわたり減価償却 節税効果が長期に分散。単年度のキャッシュフローは改善しにくい

大まかな考え方として、原状回復・維持管理のための支出は修繕費価値を高める・使用可能期間を延長する支出は資本的支出とされます。

  • 危険ブロック塀の除却 → 修繕費として処理できる可能性が高い
  • 除却後の軽量フェンス新設 → 新たな構築物として資本的支出になり得る
  • 既存と同等の外壁塗り替え → 修繕費の余地が大きい
  • 断熱性能を新たに付加する窓改修・耐震補強 → 資本的支出と判断されやすい

同じ工事でも、見積書の記載の仕方ひとつで判断が分かれることがあります。「外壁改修工事一式」とだけ書かれた見積書は、税務上いちばん困ります。私が見積書を作るとき、部位別・工種別に分けて記載するようにしているのは、この理由です。見積の粒度は、そのまま税務の柔軟性です。

7-3. 出口価格への効き方

収益還元法では、物件価格はおおむねNOI ÷ キャップレートで決まります。四街道市のような千葉県北西部の住宅系エリアで、仮にキャップレートを5.5%とします。

年間NOIが10万円改善すれば、理論上の物件価値は10万円 ÷ 5.5% ≒ 約182万円上がる計算になります。

給湯器交換で光熱費の訴求ができ、退去が年1戸減った。窓の断熱で賃料を据え置いたまま更新が進んだ。塀を直して内見の印象が上がり、空室期間が2週間短くなった。ひとつひとつは地味です。しかし積み上がったNOIは、キャップレートで割り戻された瞬間に、桁の違う数字になります。

これが、私が「補助金は単年度の得ではなく、出口までの設計だ」と申し上げる理由です。


8. 四街道市という市場を、オーナー視点でどう読むか

制度の話から少し離れて、エリアの話をします。

四街道市は、JR総武本線で千葉駅から一駅、東京都心へも通勤圏という立地から、子育て世代の流入が続いてきたベッドタウンです。新築一戸建てが比較的取得しやすい価格帯で供給されており、住宅着工も一定量が続いています。

このエリア特性は、賃貸オーナーにとって両刃です。

プラス面は、賃貸需要の母数が安定していること。転入してくる世帯が、持ち家を取得するまでの数年間を賃貸で過ごす。この「持ち家までの助走期間」の需要が、四街道市の賃貸市場を支えています。

マイナス面は、競合が新築戸建になることです。「もう少し出せば家が買える」という判断が働きやすい市場では、築20年、築30年の賃貸物件は、価格ではなく「暮らしの質」で選ばれないと生き残れません。給湯器、窓、外構。今回取り上げた制度が効く部位が、まさにその「暮らしの質」の入口にあたります。

もう一点。四街道市は隣接する千葉市(若葉区・稲毛区)、佐倉市、八街市と入居者を取り合う関係にあります。近隣自治体では、たとえば千葉市が分譲マンション向けの耐震診断・耐震改修補助を持つなど、制度の設計が自治体ごとに異なります。複数の自治体に物件を分散して持っているオーナーさまは、「物件ごとにどの市の制度が効くか」を一覧化しておくことをおすすめします。私がお手伝いする場合も、まずこの一覧作りから始めます。


9. 2026年秋、四街道市のオーナーが今週やるべきこと

締切から逆算します。今日は2026年9月5日です。

時期 やること
9月中 ①所有物件の名義(個人/法人)を棚卸し ②道路に面したブロック塀の高さを実測(1.2m超か) ③木造戸建賃貸の確認済証の交付日を確認(平成12年5月31日以前か)
9月〜10月上旬 四街道市建築課(043-421-6144/6147)へ事前相談。法人名義の可否、建物用途の該当性をここで潰す
〜2026年10月30日 ブロック塀の事前調査申請書を提出(★この締切が最優先★)
〜2026年11月30日 ブロック塀の補助金交付申請書/木造耐震の申請を提出。交付決定前の契約は厳禁
10月〜11月 給湯器・窓は国の制度へ。登録事業者かどうかを確認して見積を取得。予算消化率を随時チェック
12月〜2027年1月 工事完了、実績報告(1月末)交付請求(2月末)

太字にした10月30日が、この記事でいちばん重要な日付です。

この順番を守れなかった瞬間に、補助金はゼロになります。逆に言えば、順番さえ守れば、書類の難易度はそれほど高くありません。市の様式はすべて公式サイトからダウンロードできます。


よくある質問(FAQ)

Q1. 四街道市の補助金は、賃貸物件(投資用)でも使えますか?
A. 制度によります。危険コンクリートブロック塀等安全対策事業補助金木造住宅耐震診断・耐震改修補助は居住要件が明示されておらず、所有者であれば対象になり得ます。一方、住宅リフォーム補助金は「自ら所有し、現に居住している者」が要件で、投資用物件には使えません(出典:四街道市)。

Q2. 木造アパートでも耐震改修補助は使えますか?
A. 使えません。四街道市の木造住宅耐震改修工事費補助制度は、対象建築物を「一戸建て住宅又は併用住宅」と定めており、共同住宅は建物要件で対象外です。戸建賃貸・併用住宅であれば対象になり得ます。

Q3. ブロック塀の補助は、法人名義の物件でも申請できますか?
A. 要綱の対象者は「危険コンクリートブロック塀等を所有する個人」と定められています。法人名義の場合の取扱いは、四街道市建築課(043-421-6144/6147)への事前確認が必要です。個人名義であることが要件と読めるため、断定はできません。

Q4. 工事を先に契約して、あとから補助金を申請できますか?
A. できません。四街道市の要綱には「事前契約されますと補助の対象になりません」「施工業者との契約締結は、市の補助金交付決定後に行われることが補助要件です」と明記されています。見積取得は自由ですが、契約は交付決定後です。

Q5. 賃貸集合給湯省エネ2026事業は、オーナーが自分で申請できますか?
A. できません。申請は登録済みの「賃貸集合給湯省エネ事業者(施工業者またはリース事業者)」が行い、補助金がオーナーに還元される仕組みです。ただし、所有・管理する既存賃貸集合住宅が200戸以上の事業者は、事務局に申請して認められれば自ら手続きできます(出典:経済産業省)。

Q6. 受け取った補助金に税金はかかりますか?
A. 原則として雑収入(益金)として課税対象になります。固定資産の取得に充てた国庫補助金等については圧縮記帳による課税繰延べの制度がありますが、適用可否は個別判断です。顧問税理士にご確認ください。


この記事のポイントまとめ

  • 四街道市で賃貸オーナーが直接使えるのは、ブロック塀除却と木造戸建の耐震の2本
  • 危険ブロック塀の事前調査申請は2026年10月30日、交付申請は11月30日が締切
  • 木造住宅耐震改修は2026年度から4/5・上限115万円に増額(共同住宅は対象外)
  • 住宅リフォーム補助金は自己居住要件があり、投資用物件には使えない
  • 給湯器は国の賃貸集合給湯省エネ2026事業(最大10万円/台、9月4日時点で予算39%消化)
  • 窓は先進的窓リノベ2026事業(最大100万円/戸、同21%消化)で取りに行く
  • 補助対象外の外壁・防水は、足場を組まない工法選択でコストと退去リスクを圧縮する
  • 補助金は雑収入として課税。修繕費か資本的支出かの区分が手残りを左右する

四街道市に物件をお持ちで、まだブロック塀の高さを測っていないオーナーさま。まずはメジャー1本です。道路面から1.2mを超えているなら、10月30日までに動く価値があります。

私どもは、1棟の現地調査と、工法別のコスト比較シミュレーションだけでもお受けしています。補助金が使えるかどうかの見立てと、使えない部位をどう安く直すかの two-track で整理してお出しします。ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。お問合せはこちら

10月末までに動けるかどうかが、今年の分かれ目です。


執筆者:本間 幸紘(株式会社明誠 代表取締役)
専門領域:マンション・ビル・ホテルの大規模修繕/ロープアクセス工法(無足場工法)/建物長寿命化計画
実務経験:建設・改修業界 20年以上
所属:一般社団法人 全国建設業支援協会(JCSA)

株式会社明誠について:東京都小平市を拠点に、東京・関東一円でマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がける改修会社。通常足場工法・ロープアクセス工法(無足場工法)・ハイブリッド工法の3工法から、建物にとって最適な方法をご提案できる日本でも数少ない会社です。ロープアクセス工事としては日本初となるフランチャイズ展開を行い、塗装・防水・タイル・電気・看板などの専門職が加盟しています。

最終更新:2026年9月5日

(注記)本記事に記載した制度内容・金額・期日は2026年9月5日時点で公表されている情報に基づきます。予算の消化状況により受付が早期に終了する場合があります。申請前には必ず各制度の公式サイトおよび担当窓口で最新情報をご確認ください。


出典・参考資料

お問い合わせ先(四街道市)
都市部建築課:043-421-6144/043-421-6147
環境部環境政策課:043-421-6131