
大田区の理事長さまから、ここ一年で似た質問を何度も受けるようになりました。「管理計画認定って、うちも取ったほうがいいんですか」「手数料はいくらですか」「取ると何が得なんですか」。
私は大規模修繕の施工会社の人間ですので、認定申請の代行はしません。ただ、認定基準の中身は大規模修繕工事と真正面から重なっています。長期修繕計画、計画的修繕の実施、法定点検。どれも現場で毎日向き合っている項目です。だからこそ、制度の解説書には書かれていない「どこでつまずくか」を、大田区に絞ってお伝えできると思っています。
この記事では、大田区でマンション管理計画認定を取るときの手数料、大田区だけの上乗せ基準、そして認定が資金面にどう効くのかを、順を追って整理します。
結論:大田区の管理計画認定は、手数料26,300円か4,200円か。分かれ目は申請ルート
先に結論からお伝えします。
大田区でマンション管理計画認定(管理組合の管理計画が一定の基準を満たすと自治体が認定する制度)を取る場合、大田区へ直接申請すると認定申請手数料は26,300円、公益財団法人マンション管理センターの管理計画認定手続支援サービスを経由してから大田区へ申請すると4,200円です(出典:大田区「マンション管理計画認定制度」/更新日2026年5月27日)。
ただし、この「4,200円」だけを見て安いと判断すると、あとで話が合わなくなります。センター経由の場合は区への手数料とは別に、システム利用料が1申請あたり10,000円、さらに事前確認審査料が発生します(出典:(公財)マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。管理組合がセンターに直接申し込むパターンでは、事前確認審査料は長期修繕計画1計画あたり10,000円です。
つまり実際の総額はこうなります。
| 申請ルート | 大田区への手数料 | センターへの費用 | 目安の総額 |
|---|---|---|---|
| 大田区へ直接申請 | 26,300円 | なし | 26,300円 |
| センター経由(管理組合が直接申込) | 4,200円 | システム利用料10,000円+事前確認審査料10,000円 | 24,200円程度 |
| センター経由(管理会社・マンション管理士に依頼) | 4,200円 | システム利用料10,000円+事前確認審査料(個別見積) | 依頼先による |
総額はほぼ拮抗します。では何で選ぶのか。私の見方は「書類の手戻りをどれだけ嫌うか」です。センター経由なら、事前確認講習を修了したマンション管理士が国の認定基準への適合を先にチェックしてくれます。総会をやり直す事態を避けたい組合には、この安心料は高くありません。
なお、長期修繕計画が複数ある団地型などでは、大田区への手数料に直接申請で14,900円、センター経由で1,600円が加算されます。
認定主体は大田区。窓口は蒲田の区役所7階
「東京都に出すんですか、大田区ですか」。これも頻繁に聞かれます。
答えは大田区です。マンション管理適正化法に基づく認定主体は、マンション管理適正化推進計画を策定した市・特別区であり、町村部のみ都道府県が担当します(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。東京都のマンションポータルサイトにも「区市の区域のマンションの認定事務は、各区市が行います」と明記されています(出典:東京都マンションポータルサイト)。
大田区の窓口はこちらです。
- 大田区住宅・空家相談窓口(建築調整課 住宅政策担当)
- 〒144-8621 東京都大田区蒲田五丁目13番14号 大田区役所7階11番窓口
- 電話:03-5744-1343
ここで大事な点がひとつ。大田区は、直接申請でもセンター経由でも、はじめに大田区住宅相談窓口への事前相談を求めています。しかも事前相談の際には事前相談チェック票と必要書類を持参し、必要書類は2部用意する運用です。書類が不足していると受付されません。
さらに、区職員による書類審査のあとに訪問調査があります。机上の書類だけで完結しない制度だ、という前提で段取りを組んでください。
国の認定17要件を、理事長目線で並べ直す
国の認定基準は大きく5分類、細目で17項目です(出典:国土交通省「マンション長寿命化促進税制の要件」)。分類ごとに並べます。
1)管理組合の運営(3項目)
管理者等が定められている/監事が選任されている/集会(総会)が年1回以上開催されている。
2)管理規約(3項目)
管理規約が作成されている/災害等の緊急時や管理上必要なときの専有部への立ち入り、修繕等の履歴情報の管理について定めがある/管理組合の財務・管理に関する情報の書面交付(または電磁的方法による提供)について定めがある。
3)管理組合の経理(3項目)
管理費と修繕積立金の区分経理/修繕積立金会計から他会計への充当がない/直前事業年度末時点で、修繕積立金の3か月以上の滞納額が全体の1割以内。
4)長期修繕計画の作成・見直し等(7項目)
国の長期修繕計画標準様式に準拠して作成され、計画内容と修繕積立金額が総会決議されている/作成または見直しが7年以内/計画期間30年以上かつ残存期間内に大規模修繕工事が2回以上/将来の一時金徴収を予定していない/計画期間全体の修繕積立金の平均額が著しく低額でない/計画最終年度に借入金残高がない、など。
5)その他(1項目)
組合員名簿・居住者名簿を備え、1年に1回以上は内容を確認している、ほか都道府県等マンション管理適正化指針に照らして適切であること。
私の経験上、ここで最初に引っかかるのが4)の「修繕積立金の平均額が著しく低額でない」です。国の修繕積立金ガイドラインが示す下限値は、20階未満・建築延床面積5,000㎡未満で月額235円/㎡、5,000〜10,000㎡で170円/㎡、10,000〜20,000㎡で200円/㎡、20,000㎡以上で190円/㎡、20階以上は240円/㎡です(機械式駐車場分を除く、同上出典)。
大田区は六郷・羽田・大森方面に1980年代竣工の中規模マンションが多く残っています。この年代の物件で、値上げをずっと先送りしてきた組合は、まずここで止まります。
大田区の独自上乗せ基準——実は、ここで落ちる組合が一番多い
ここからが本題です。
大田区は国の認定基準に加えて、区独自の上乗せ基準を設けています(出典:大田区マンション管理計画認定制度認定基準(PDF))。国基準にはない、あるいは国基準より踏み込んでいる主な項目は次のとおりです。
理事会の運営
理事会が開催され、議事録が作成・適正保管されていること。国基準は総会年1回どまりですが、大田区は理事会の議事録まで見ます。
名簿まわりの深掘り
組合員名簿・居住者名簿に加えて要援護者名簿を備え、1年に1回以上内容を確認していること。さらに名簿の取扱いに関する規定を定め、管理組合が適正に保管・利用していること。
図書の保管
設計図書、点検記録、届出書、修繕履歴等のマンションに関する図書を適正に保管していること。
法定の検査・点検の実施
建築物および設備に係る法定の検査または点検を実施し、加えて良好な住環境を維持するために必要な日常点検等を適切に実施していること。
東京都条例に基づく管理状況の届出
「東京におけるマンションの適正な管理の促進に関する条例」に基づく管理状況の届出を行っていること。昭和58年12月31日以前に新築された、居住用独立部分6戸以上のマンションは要届出マンションですが、それ以外も任意で届出でき、大田区の認定申請には管理状況の届出が前提になります。
危機管理体制
自主防災組織の結成または防災訓練の実施、防災資機材・備蓄物資の整備、要援護者等の把握/マンションの状況に応じた危機管理マニュアルの整備/昭和56年5月31日以前に新築工事着手のマンションは耐震診断を実施し、耐震性が不足していれば耐震改修や長期修繕計画の見直しを行っていること。
コミュニティの形成
マンション内に自治会を設置しているか、地域の町会・自治会に区分所有者・居住者等が加入していること。
そして、実務上いちばん注意していただきたいのがこれです。
大田区の独自基準は、マンション管理センターのマンション管理士による事前確認の対象外です。
大田区のページにもはっきり書かれています。センターから事前確認適合証の交付を受けただけでは認定申請は完了せず、区独自の認定基準に適合しなければ認定は受けられません。センター側の案内にも「地方公共団体が独自基準を設けている場合、当該独自基準はマンション管理士による事前確認の対象外」とあります。
だから大田区は、センター経由の場合も「区独自基準に基づく必要書類のみ、あらかじめ審査する」という形で先に区の事前相談を通す運用にしているわけです。順番を間違えると、センターに2万円払ったあとで区の基準に落ちる、という最悪の展開になりかねません。
「法定の検査・点検」は、大規模修繕の現場と直結している
上乗せ基準の中で、私が施工会社としてどうしても付け加えたい項目があります。「建築物及び設備に係る法定の検査又は点検を実施していること」です。
分譲マンションで該当しやすいのが、建築基準法第12条に基づく定期報告、いわゆる12条点検です。とくに外壁については、竣工・外壁改修等から10年を超えた建物で、全面打診等の調査が求められます(令和4年の告示改正で運用が整理されました)。
ところが現場に行くと、「打診調査は足場を組まないとできない」と管理会社から言われて、報告期限だけが迫っている、という組合が本当に多い。私が一番悔しい思いをするのは、この段階で相談をいただけなかったときです。
打診調査の㎡単価は、私の感覚では250〜500円/㎡が目安です。仮に外壁面積3,000㎡なら75万〜150万円。ここに仮設足場を別途組むと、話は一気に変わります。10階建て・外周80m規模で工期3か月なら、足場だけで168万円前後が乗ってくる計算です。
ここで無足場工法であるロープアクセス工法(産業用ロープで作業員が壁面を昇降して施工する工法)を使うと、同条件で59万円前後まで下がります。差額はおよそ109万円。あくまで条件による目安で、物件形状や近隣条件で大きく変動しますが、桁がひとつ違う話ではありません。
大田区は蒲田・大森・京急沿線に敷地いっぱいに建った中層マンションが多く、隣地との離隔が取れずに足場自体が組みにくい物件が珍しくありません。こういう物件こそ、明誠のロープアクセス工法の技術詳細が効いてきます。技術面をもっと深く知りたい方は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムに工法比較や訓練体系をまとめています。
株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法での高所作業について、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。認定申請の前段として点検体制を整えたい組合には、この実績を根拠にお話ししています。
認定がもたらす3つの経済効果
認定は「表彰状」ではありません。お金に効きます。3つに分けて整理します。
1)マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)
管理計画認定マンションが長寿命化に資する大規模修繕工事を行うと、工事完了翌年度の建物部分の固定資産税額が1/6〜1/2の範囲内で減額されます。減額割合は条例で定められ、対象は専有部分のうち居住用部分、100㎡相当分までです(出典:国土交通省「マンション長寿命化促進税制の要件」)。
適用要件はマンション側・工事側の両方にあります。
マンションの要件
築20年以上/総戸数10戸以上/過去に長寿命化工事を行っている/令和3年9月1日以降に修繕積立金の額を管理計画の認定基準まで引き上げている(または引上げ予定)/管理計画の認定を取得している(または取得予定)。
工事の要件
外壁塗装等工事、床防水工事、屋根防水工事のいずれかを含むこと/令和5年4月1日から令和9年3月31日までの間に工事が完了すること。
ここに私が現場で見ている落とし穴があります。認定は、固定資産税の賦課期日(1月1日)時点と、減額措置の申告時点の両方で取得している必要があるという点です。申告期限は工事完了日から3か月以内。つまり「工事は終わったが認定がまだ」では間に合いません。
そしてもうひとつ、大田区の組合が混同しがちな点。23区の固定資産税を課税しているのは大田区ではなく東京都です。減額の申告先は都税事務所(大田都税事務所)になります。認定の窓口は区、税の窓口は都。ここを最初に整理しておくと、後半がずいぶん楽になります。
なお、国土交通省の令和8年度税制改正概要では、本特例を5年間(令和8年4月1日〜令和13年3月31日)延長し、対象住宅の床面積要件の下限を40㎡(現行50㎡)に緩和する旨が示されています(出典:国土交通省「令和8年度税制改正概要」(PDF))。一方で、国交省の制度概要資料には工事完了期限が令和9年3月31日と記載されたままの箇所もあります。申告を検討される際は、国土交通省マンション税制のページと大田都税事務所の最新情報をあわせてご確認ください。
2)【フラット35】の金利引下げと【フラット50】
管理計画認定マンションは、住宅金融支援機構の【フラット35】維持保全型による借入金利の一定期間引下げを受けられます。また、返済期間が最長50年となる【フラット50】を利用できます(出典:国土交通省「管理計画認定を取得することのメリット」、住宅金融支援機構)。
これは購入者側のメリットです。つまり、売却時に「認定済み」であることが買い手のローン条件を良くする。資産価値の話として理事会で説明すると、区分所有者の理解が一気に進みます。
3)共用部分リフォーム融資の金利引下げと、すまい・る債の利率上乗せ
管理組合側の直接メリットはこちらです。住宅金融支援機構のマンションすまい・る融資(マンション共用部分リフォーム融資)の金利引下げ、そしてマンションすまい・る債の利率上乗せを受けられます(出典:同上)。
修繕積立金が不足していて大規模修繕を借入で賄う組合にとって、共用部分リフォーム融資の金利引下げは実額で効きます。30戸規模のマンションの大規模修繕は総額3,500万〜5,000万円がひとつのレンジで、そのうち仮設足場が15〜25%を占めます。借入額が大きいほど、金利差の絶対額も大きくなる。大規模修繕の料金の考え方と合わせて検討すると、判断材料が揃います。
大田区の認定実績は20件。この数字をどう読むか
大田区が公表している管理計画認定マンション一覧には、令和8年3月24日現在で20件が掲載されています(公表に同意したマンションのみ、出典:大田区管理計画認定マンション一覧)。
中身を見ると示唆があります。プラウドシティ大田六郷(634戸)や東京マスタープレイス(434戸)のような大規模物件だけでなく、パーク・コート山王(18戸)、朝日クレス・パリオ仲池上(21戸)、プラウド山王二丁目(23戸)といった20戸前後の小規模マンションが複数含まれているのです。
「うちは小さいから無理だろう」という思い込みは、この一覧を見る限り当たりません。むしろ小規模だからこそ、理事会で意思決定が早く、名簿や規約の整備も現実的だという側面があります。
一方で、建設年月を見ると1982年、1986年、1991年といった高経年物件も並んでいます。築40年超でも認定は取れる。ただしその場合、旧耐震(昭和56年5月31日以前着手)に該当すれば、大田区独自基準として耐震診断の実施と、耐震性不足時の対応が求められます。
令和9年4月1日から認定基準が変わる。逆算スケジュールを引く
ここは今年いちばん重要な情報です。
令和7年のマンション関係法改正を受けて、令和8年国土交通省令第70号および令和8年国土交通省告示第1017号が令和8年7月31日に公布され、令和9年4月1日に施行されます。分譲事業者が申請者となる仕組みの導入に伴い、管理組合の管理者等が申請者となる場合の認定基準も見直されました(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」令和9年4月1日施行関係)。
国交省は「地方公共団体への申請日が令和9年4月1日以降となる場合は、見直し後の認定基準が適用されます」と明記しています。つまり、申請日がいつになるかで適用される基準が変わる。
これを踏まえた逆算スケジュールを、大田区の運用に合わせて引くとこうなります。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 今すぐ(2026年9月〜10月) | 大田区住宅相談窓口(03-5744-1343)へ電話。事前相談チェック票と必要書類の一覧を入手 |
| 2026年10〜11月 | 東京都条例に基づく管理状況の届出を確認・実施。名簿(組合員・居住者・要援護者)と名簿取扱い規定の整備 |
| 2026年11〜12月 | 長期修繕計画を標準様式に準拠して見直し。修繕積立金の平均額がガイドライン下限を上回るか試算 |
| 2026年12月〜2027年1月 | 危機管理マニュアル・防災訓練・備蓄の実績を整理。旧耐震なら耐震診断の状況を確認 |
| 2027年1〜2月 | 区へ事前相談(書類2部持参)→区職員の書類審査→訪問調査 |
| 2027年2〜3月 | 総会(または臨時総会)で認定申請と長期修繕計画・修繕積立金額を決議 |
| 2027年3月まで | 大田区へ認定申請。手数料納付書を受領し納付 |
総会決議が必要な点を見落とさないでください。大田区のページにも「管理計画の認定申請にあたっては、その旨を集会で決議を得ておく必要があります」と書かれています。定時総会が春の組合なら、実質的に逆算の起点は総会です。
そして、忘れられがちなのが更新です。認定の有効期間は5年間で、更新申請をしないと失効します。しかも大田区は「区からは有効期間満了に関する通知等は行いません」と明言しています。認定日を管理規約の付属資料や引継ぎ書に書き込み、理事会の年間スケジュールに組み込んでおくことをおすすめします。
認定と大規模修繕は、別々に走らせない
最後に、施工会社としての提案です。
私はこれを、いつもワンセットで提案するようにしています。長期修繕計画の見直しと、次回大規模修繕の工法検討を、同じタイミングで動かすという段取りです。
理由は単純で、認定基準の4)は「長期修繕計画に基づく大規模修繕工事等の計画的修繕が実施されていること」を含むからです。計画だけ立派で、工事が実行されていなければ意味がない。逆に、工法を先に決めて工事費を下げられれば、修繕積立金の引上げ幅を抑えながらガイドライン下限をクリアできる可能性が出てきます。
具体的な単価感をお伝えします。外壁塗装は3,500〜4,500円/㎡、屋上・バルコニー防水は5,000〜8,000円/㎡が目安です。ここに仮設費が乗る。総工費の15〜25%を占める仮設足場を、ロープアクセス工法やハイブリッド工法(足場とロープアクセスを部位ごとに使い分ける工法)で圧縮できれば、その分を長寿命化工事の質に回せます。
そしてもう一点。長寿命化促進税制の対象工事は「外壁塗装等工事、床防水工事及び屋根防水工事」です。大規模修繕の中核そのものです。工事仕様を組むときに税制要件を意識しておけば、証明書取得の段取りもスムーズになります。工法の技術的な比較検討はロープアクセスドットコムにまとめていますので、設計事務所や管理会社と議論する際の材料にお使いください。
管理組合さま向けのご相談メニューは管理組合向けサービスのご案内に、これまでの施工事例(約6,000棟)は施工事例一覧からご覧いただけます。
まとめ|大田区の管理組合が今週動くこと3点
長くなりましたので、今週できることに絞ります。
1. 大田区住宅相談窓口(03-5744-1343)に電話して、事前相談チェック票を入手する
直接申請とセンター経由でチェック票が分かれています。どちらのルートを検討しているかを伝えて、必要書類一覧を先に手元に置いてください。
2. 東京都条例に基づく管理状況の届出を済ませているか確認する
大田区の認定申請の前提条件です。未届なら、ここが最初のボトルネックになります。
3. 直近の長期修繕計画を引っ張り出して、3点だけ確認する
計画期間は30年以上か。残存期間に大規模修繕が2回以上入っているか。見直しから7年以内か。この3点が揃っていなければ、認定より先に計画の見直しです。
大田区は、分譲マンション管理セミナーや個別相談会を年2回、マンション管理無料相談会を事前予約制で開いています。無料の窓口から入るのが、いちばん損の少ない順番だと私は思っています。
10月から12月にかけての理事会が分かれ目です。理事会の議題に1分でもこの話題を出してみてください。工法の選択肢で工事費が変わる余地があるかどうかは、図面と現状写真があれば概算でお答えできます。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。お問合せフォームからお気軽にお声がけください。
よくあるご質問
Q. 大田区の管理計画認定の手数料は、結局どちらが安いですか?
A. 大田区へ直接申請すると26,300円、マンション管理センター経由だと区への手数料は4,200円ですが、システム利用料10,000円と事前確認審査料が別途かかります。管理組合が直接センターに申し込むパターンでは総額24,200円程度となり、直接申請とほぼ同水準です。書類の手戻りを避けたいならセンター経由、自組合で書類を固められるなら直接申請、という選び方が現実的です。
Q. マンション管理センターの事前確認適合証をもらえば、大田区の認定は通りますか?
A. 通るとは限りません。大田区は国の基準に加えて独自の上乗せ基準を設けており、その独自基準はマンション管理士による事前確認の対象外です。センターへ申請する前に大田区住宅相談窓口へ事前相談し、区独自基準に関する書類を先に審査してもらう流れになっています。
Q. 築40年を超えていますが、認定は取れますか?
A. 大田区の認定マンション一覧には1982年築や1986年築の物件も掲載されています。ただし昭和56年5月31日以前に新築工事に着手したマンションは、区独自基準として耐震診断の実施と、耐震性が不足する場合の耐震改修または長期修繕計画の見直しが求められます。
Q. 小規模マンションでも認定は現実的ですか?
A. 大田区の一覧には18戸、21戸、23戸といった小規模マンションも含まれています。戸数の下限要件はありません。ただし長寿命化促進税制の適用には総戸数10戸以上という別要件がありますので、税制メリットまで狙う場合はご注意ください。
Q. 固定資産税の減額は、大田区の窓口に申告するのですか?
A. いいえ。東京23区の固定資産税は東京都が課税していますので、減額の申告先は都税事務所(大田区であれば大田都税事務所)です。認定の窓口は大田区、税の窓口は東京都、と分かれています。申告期限は工事完了日から3か月以内です。
Q. 認定を取ると大規模修繕の費用は安くなりますか?
A. 認定そのものが工事費を下げるわけではありません。ただし共用部分リフォーム融資の金利引下げが受けられるため、借入を伴う場合の総支払額は下がります。工事費自体を下げるには工法の選択が効きます。10階建て・外周80m・工期3か月の条件では、仮設足場168万円前後に対しロープアクセス工法で59万円前後という比較になり、差額はおよそ109万円です。あくまで条件による目安で、物件により変動します。
Q. 打診調査だけでも依頼できますか?
A. お受けしています。打診調査の単価は250〜500円/㎡が目安です。ロープアクセス工法なら足場を組まずに調査でき、調査で見つかった不具合の補修まで同じ体制で一貫して進められます。12条点検の報告期限が迫っている場合は、残り期間を伺ったうえで段取りをご提案します。
Q. 認定の更新は自動ですか?
A. 自動ではありません。有効期間は認定日から5年間で、満了日までに更新申請をしないと失効します。大田区からは有効期間満了に関する通知は行われませんので、理事会の年間スケジュールに更新時期を組み込んでおくことをおすすめします。更新手数料は直接申請で26,300円、センター経由で4,200円です。
出典・参考資料
- 大田区「マンション管理計画認定制度」(更新日:2026年5月27日)
- 大田区「大田区マンション管理計画認定制度認定基準(PDF)」
- 大田区「大田区管理計画認定マンション一覧」(令和8年3月24日現在)
- 大田区「大田区管理計画認定制度に関するQ&A(PDF)」
- 国土交通省「マンション管理計画認定制度」(令和9年4月1日施行関係を含む)
- 国土交通省「マンション長寿命化促進税制の要件(PDF)」
- 国土交通省「マンション税制」
- 国土交通省「令和8年度税制改正概要(PDF)」
- (公財)マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」
- 東京都マンションポータルサイト「マンション管理計画認定制度」
- 独立行政法人 住宅金融支援機構「公式サイト」
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月17日時点で公表されている大田区および国土交通省・東京都の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず大田区および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年9月17日


