大規模修繕はロープアクセスが提案可能な東京の明誠へ

創業から6000棟超の施工実績

ナフサ危機で外壁・防水工事が「止まる」——大規模修繕の発注を凍らせる前に、理事長が今すぐ押さえるべき5つの実務対策【2026年5月最新】

1. 何が起きているのか——2026年5月14日に並んだ3つのニュース

まず、今週の業界を揺らした3つのニュースを、感情を抑えて時系列で並べます。私はいつも理事長さまに、ネット記事の見出しに反応する前に「誰が、いつ、何を発表したのか」を表に並べてから議論することをお勧めしています。今回もそれをします。

ひとつ目。鹿児島県の発表です。中東情勢の影響でナフサ原料の建築資材が不足し、県営住宅や職員宿舎などの改修工事6件で作業が一時中断していることが、5月14日に明らかになりました。当初4月に発注予定だった県営住宅の屋根防水工事についても、発注が見送られているとされています(出典:Yahoo!ニュース「【中東情勢の影響】ナフサ原料の建築資材が不足―県営住宅・職員宿舎6件で外壁改修が一時中断」(2026年5月14日))。私はこの記事を最初に目にしたとき、「ついに公共工事の発注側が動けなくなる事態に踏み込んだのか」と背筋が伸びる思いでした。県営住宅は、地方自治体が住民に対して責任を負う居住空間です。そこに手を入れる工事の停止は、軽い意思決定ではありません。

ふたつ目。塗料メーカー大手の日本ペイントが、塗料類全般および直送運賃の価格を6月1日出荷分から改定すると発表しました(出典:新建ハウジング「日本ペイント、塗料類全般を値上げ 6月1日出荷分から」(2026年5月13日))。塗料の値上げは、私たち施工側にとっては、見積もりを出し直さなければならないほどのインパクトを持つ事象です。マンション大規模修繕は、外壁塗装が工事費全体の3〜4割を占めるからです。

みっつ目。ダイヤモンド・オンラインが、断熱材で40%、塗料で80%という高騰を伝えました。建材ごとに上昇率の差はあるものの、住宅のほぼ全領域に影響が及んでおり、木造に限らず鉄骨造やRC造、新築だけでなくリフォームも、すべてが影響圏内にあるとされています(出典:ダイヤモンド・オンライン「断熱材40%、塗料80%高騰…家づくり総額が数百万円上がる『ナフサ危機』新築・リフォーム前に確認したい影響」(2026年5月14日))。マンション管理組合の理事長さまは「うちは新築じゃないから関係ない」と思われるかもしれませんが、ここはぜひ受け止めていただきたい点です。RC造のリフォームも、塗料も防水も影響圏内です。むしろ既存マンションの大規模修繕は、新築よりも材料費が工事費に占める割合が大きい——だからこそ、価格高騰のしわ寄せが直撃しやすい構造にあります。

3行でまとめます。第一に、外壁改修・防水工事の現場で、ナフサ系資材の不足を理由とした「工事中断」が現実に発生し始めた。第二に、塗料メーカーが正式に値上げを発表し、6月以降に動く工事の見積もり前提が一段階引き上がる。第三に、これは新築だけの話ではなく、既存マンションの大規模修繕の発注プロセスにもまもなく波及する。

ここからが本題です。理事長さまにとっては「うちのマンションでは何をすればいいのか」が一番気になるところだと思います。順を追って整理していきます。


2. 「ナフサ危機」とは何か——理事会で言葉の定義をそろえる

ここで一度、専門用語の補足をさせてください。ニュース報道で頻出するようになった「ナフサ」という言葉ですが、理事会の議論で、私が最初にお願いしているのが「言葉の定義をそろえること」です。

ナフサ(粗製ガソリン)とは、原油を蒸留して得られる軽質留分のひとつで、主に石油化学工業の原料として使われます。プラスチック、合成樹脂、塗料、接着剤、断熱材(ウレタンフォーム)、防水材の主原料となるエチレン・プロピレン・ベンゼンといった石油化学基礎製品の親元です。経済産業省の資源エネルギー庁は、ナフサ価格は中東情勢、原油価格、為替の3要素で決まると整理しています(出典:資源エネルギー庁「石油精製・石油化学」)。今回の高騰は、中東情勢の悪化と為替の円安が同時に効いた結果です。

ここで大事なポイントを2つだけ強調させてください。第一に、ナフサ価格の上昇は、すぐに製品価格に反映されるわけではありません。塗料メーカーや断熱材メーカーは、ナフサから原料樹脂を作り、樹脂から建材を作るという2段階の工程を経るため、ナフサ高騰から建材値上げまでには通常2〜6か月のタイムラグがあります。今回、5月時点で値上げが発表されているのは、半年前のナフサ上昇を反映したものです。逆に言えば、いまの中東情勢が悪化したままだと、年末から来春にかけてさらに第2波・第3波の値上げが続く可能性があります。

第二に、ナフサ危機は「あった/なかった」の二元論ではなく、「いつまで続くか」の問題です。私の経験上、過去のナフサショック(2008年、2022年)でも、上昇局面は半年から1年半続きました。理事会で「もう少し待てば落ち着く」と判断するのは危険です。下がらない前提で発注計画を組み直すほうが、結果的に組合の損失を抑えられます。

正直に申し上げます。私はこれまで20年近く現場をやってきて、「待っていれば下がる」と言い続けて結局3年間発注を引き延ばし、最終的に当初の1.5倍の予算で発注せざるを得なくなった管理組合をいくつも見てきました。だからこそ、今回のような報道があったタイミングで、理事会が「動かす前提」「動かさない前提」の両方をシミュレーションすることが大事だと、私は思っています。


3. 影響を受ける建築資材の全体像——マンション大規模修繕の何が高くなるのか

ここで一度、マンション大規模修繕で使われる建築資材のうち、ナフサ危機の影響を受けるものを整理しておきます。理事会で「うちの工事のどこに効くのか」を共有できるよう、分類して並べました。

第一カテゴリは塗料です。外壁塗装に使われるアクリル樹脂塗料、ウレタン樹脂塗料、シリコン樹脂塗料、フッ素樹脂塗料は、いずれも合成樹脂を原料としており、その樹脂はナフサ由来です。ダイヤモンド・オンラインの報道では塗料80%高騰とされており(出典:ダイヤモンド・オンライン)、グレードによって上昇幅は異なるものの、塗料費全体で見て3〜5割の上昇は織り込んでおく必要があります。塗料は外壁塗装で大規模修繕の総工事費の25〜30%を占めるため、塗料費1.5倍は、総工事費の10〜15%押し上げに相当します。

第二カテゴリは防水材です。屋上やバルコニーの防水工事に使われるウレタン防水、塩ビシート防水、アスファルト防水のうち、ウレタン防水と塩ビシート防水はナフサ由来の樹脂を多く含みます。鹿児島県が屋根の防水工事の発注を見送ったとされる背景(出典:Yahoo!ニュース)も、ここに直結しています。アスファルト系の改質アスファルトシートは比較的影響が小さいものの、施工に使われる接着剤やプライマーはやはりナフサ由来です。

第三カテゴリは断熱材です。外断熱改修やバルコニー床改修で使われる硬質ウレタンフォーム、押出法ポリスチレンフォーム、ビーズ法ポリスチレンフォームは、いずれもナフサ由来の樹脂を原料とします。断熱材40%高騰の報道(出典:ダイヤモンド・オンライン)は、これらすべてを含んだ平均値です。マンション大規模修繕で外断熱工事を予定している組合は、特に影響が大きくなります。

第四カテゴリは接着剤・シーリング材です。タイル張替工事に使う有機系接着剤、外壁目地のシーリング材(ウレタン系、変成シリコン系、ポリサルファイド系)も、いずれもナフサ由来の合成樹脂を原料とします。シーリングの全面打ち替えは大規模修繕の標準工程ですから、これも避けて通れません。

第五カテゴリは配管材です。給排水管の更新工事に使う塩ビ管、ポリブテン管、架橋ポリエチレン管は、すべて樹脂製品です。給排水管更新を大規模修繕に組み込んでいる組合では、ここも上昇圧力にさらされます。

私はいつも理事長さまに、「大規模修繕の見積書を見るときは、塗料・防水・シーリングの3つの単価変動を必ずチェックしてください」とお伝えしています。この3つが工事費の半分以上を占めるからです。ナフサ危機の局面では、この3つが同時に上がる——これが理事会にとって最も厄介な構造です。


4. 大規模修繕への波及シナリオ——3つのリスクを時系列で並べる

ニュースの整理と資材の整理を終えたうえで、いよいよ「では、マンション大規模修繕にどう波及するのか」を時系列で考えてみます。私の経験上、これから6〜18か月で、3つのリスクが順に顕在化する可能性があります。

第一のリスクは、見積書の有効期限切れです。一般的に大規模修繕の見積書は、提出から60〜90日が有効期限とされます。今年2〜3月に取った見積書をベースに、夏の総会で予算承認を取り、秋に契約締結——というスケジュールを組んでいる組合は要注意です。日本ペイントの6月1日値上げ(出典:新建ハウジング)が反映された見積もりが、契約直前に提示されると、当初想定よりも工事費が大幅に膨らむ事態が起こり得ます。私はいつも理事長さまに、「見積書の有効期限と発注時期の関係を、契約前に必ず確認してください」とお伝えしています。

第二のリスクは、工事中断・工期延長です。鹿児島県のケース(出典:Yahoo!ニュース)が示すように、資材が入手できなければ工事は止まります。マンション大規模修繕でも、塗料・防水材・断熱材の納入遅延が発生すれば、足場架設を済ませた状態で工事が止まるという最悪のシナリオがあり得ます。足場のリース料は1日単位で発生するため、工事が止まっているのに足場代が積み上がるという、組合にとって耐え難い構造になりかねません。私の経験上、これは資材高騰そのものよりも、組合の財務に打撃を与えやすい事象です。

第三のリスクは、長期修繕計画の前提崩壊です。多くの管理組合が、5年前または10年前に策定した長期修繕計画をベースに、修繕積立金の額を決定しています。しかし、ナフサ危機が常態化すれば、その計画上の単価では工事ができなくなります。すると、修繕積立金を一気に増額するか、一時金を徴収するか、工事内容を圧縮するかのいずれかを選ばざるを得ません。国土交通省の調査では、すでに修繕積立金が10年で平均5割増加しているとの報道もあり(出典:Yahoo!ニュース「分譲マンション『修繕積立金』10年間で平均5割『負担増』」(2026年5月14日))、組合員の負担余力は決して大きくありません。

ここからが本題です。3つのリスクを並べた上で、では理事長さまが今すぐ取れる行動は何か。次の章で5つに整理します。


5. 理事長が今すぐ取れる5つの実務対策

ここからは、私が実際に管理組合さまにお伝えしている対策を、優先度の高い順に5つ並べます。今週の理事会で1つ、来月までにあと2つ、というペースで進めていただければ十分です。

対策1:既存の長期修繕計画を「資材高騰」前提で再シミュレーション

最初にやっていただきたいのは、いまの長期修繕計画書を引っ張り出して、「資材費1.3倍」「資材費1.5倍」の2パターンで再シミュレーションすることです。専用のツールは要りません。Excelでも十分です。塗料・防水・シーリング・断熱材の項目に1.3〜1.5倍を掛け、残りの労務費・足場費・諸経費はそのままで合計を出すだけです。

これをやると、いま予定している大規模修繕の総額が、楽観シナリオでもプラス5〜8%、悲観シナリオでプラス10〜15%膨らむことが目に見えてきます。次回の総会で「いまの修繕積立金で足りるのか」「足りないなら、いつから・いくら積み増すのか」を議論する素材になります。私の経験上、数字を見ないまま「とりあえず据え置き」を続けると、3年後に必ず深刻な議論が押し寄せます。

対策2:見積書の有効期限を短縮し、再見積もり前提で契約条項を整える

第二に、すでに大規模修繕の見積書を取っている組合は、その有効期限を確認してください。発注予定日が有効期限を超える場合は、施工会社に早めに連絡し、再見積もりのスケジュールを擦り合わせるのが安全です。

それ以上に大事なのが、契約書の「材料費スライド条項」の確認です。公共工事では当然のように使われるスライド条項(材料費が一定割合以上上昇した場合に契約金額を見直す条項)が、民間の大規模修繕では入っていないケースが少なくありません。スライド条項がない契約で工事中に材料費が急騰した場合、施工会社が泣くか、組合が追加負担を飲むか、最悪のケースでは工事が止まるかの3択になります。

私はいつも理事長さまに、「契約書ひな型にスライド条項を最初から組み込み、上下5%・10%・15%の3段階で『どこから組合と協議するか』を明文化しておくのが、結果的にお互いにとって安全」とお伝えしています。これは押し売りでも何でもなく、組合と施工会社の双方を守る発想です。

対策3:設計コンサルタント・施工会社に「材料調達ルート」を質問項目として渡す

第三に、業者選定や設計監理契約のヒアリング項目に、「材料の調達ルート」を必ず加えてください。具体的には、塗料・防水材・断熱材それぞれについて、メーカーと商社・問屋の関係、在庫保有月数、納期見通し、代替メーカーの有無、を質問するのです。

これは、工事中断リスクを発注前にスクリーニングする最も実務的な手段です。複数メーカーと直接の取引関係を持つ施工会社、特定問屋に強い施工会社、フランチャイズや連合体で在庫情報を共有している施工会社は、納期遅延リスクをある程度コントロールできます。一方、小規模な施工会社のなかには、目の前の問屋にしか発注ルートを持っておらず、その問屋で品切れが起きたら一緒に止まってしまうケースもあります。

正直に申し上げます。これまで管理組合さまは、施工会社選定で「価格」と「実績」を重視されてきました。これからの局面では、それに「調達力」を加えていただきたいのです。明誠でも、ロープアクセスのフランチャイズ加盟店ネットワークを通じて、塗料・防水材の調達情報を共有する仕組みを少しずつ整えています。詳しくはロープアクセス工法のご紹介もご参照ください。

対策4:足場費の圧縮で、資材高騰分を吸収する設計を検討する

第四に、ぜひ検討していただきたいのが、足場仮設費の圧縮です。大規模修繕の総工事費に占める足場仮設費の割合は、建物形状や階数にもよりますが10〜20%にも達します。ここを圧縮できれば、資材高騰分の一部または全部を吸収できる可能性があります。

具体的な選択肢は3つあります。第一に、すべての作業を従来型の枠組足場で行う通常工法。第二に、外壁塗装や調査などを産業用ロープアクセス工法で行う無足場工法。第三に、足場が必要な部位(タイル張替、大規模なシーリング打ち替え、笠木交換など)は足場、それ以外(点検、補修、塗装の一部)はロープアクセスで行うハイブリッド工法です。

明誠では、この3つの工法から、建物の形状・階数・工事内容・近隣条件に応じて最適なご提案ができる体制を整えています。日本のなかで、この3つを自社で扱える会社は実は多くありません。たとえば10階建てのマンションで全面足場をかけると、足場費だけで3,000万円を超えるケースが珍しくありませんが、適切な部位でロープアクセスを併用すると、足場費を1,500〜2,000万円に抑えられることがあります。差額の500〜1,500万円は、そのまま資材高騰分の吸収原資になります。

私はいつも理事長さまに、「資材費を下げるのは難しい。労務費を下げるのはもっと難しい。でも、足場費は工法の選択で大きく変えられる」とお伝えしています。これは、私の20年の現場経験で得た数少ない確信のひとつです。

対策5:補助金・補正予算情報を継続的に追う仕組みを作る

第五に、補助金・補正予算の情報を継続的に追ってください。2026年5月14日には、政府が物価高対策で補正予算編成を検討しているとの報道が出ています(出典:TBS NEWS DIG「物価高対策で補正予算編成を検討 電気ガス補助金7月から再開」(2026年5月14日))。電気・ガス補助だけでなく、住宅・建築関連の支援策が組み込まれる可能性があります。

国の常設制度としては、国土交通省の「マンションストック長寿命化等モデル事業」が長期修繕計画の策定や先進的な修繕工事を支援しています(出典:国土交通省「マンションストック長寿命化等モデル事業」)。また、東京都および23区・市町村レベルでは、分譲マンションの修繕に対する助成制度が整備されています(出典:東京都マンションポータルサイト)。ナフサ危機を受けて拡充される可能性もあるため、年に数回はチェックする習慣をつけていただきたいのです。

私の経験上、補助金は「いつでも申請できる」ものではなく、「予算枠到達で締切」になる制度がほとんどです。情報を待つのではなく、取りに行く姿勢が結局は組合の利益につながります。詳しくは大規模修繕工事のご紹介のなかでも継続的に発信していきます。


6. 明誠の3工法×フランチャイズで何ができるか——施工側からの率直な話

ここから少しだけ、私たち施工側からの話をさせてください。押し売りにならないよう、事実だけを淡々と書きます。

明誠は、マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事を主な業務としています。通常足場工法、ロープアクセス工法(無足場工法)、両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つを、自社で扱える数少ない会社のひとつです。日本のなかで、この3工法を1社で提案できる会社は片手で数えられるほどしかありません。

なぜこれが今回のナフサ危機の文脈で意味を持つのか、3つの理由を挙げます。

第一に、工法の選択肢が多いほど、コスト最適化の余地が大きいからです。先ほどの対策4で書いた通り、足場費の圧縮は資材高騰分の有力な吸収手段になります。1工法しか持たない会社は、足場の有無を切り替えられません。

第二に、ロープアクセス工法のフランチャイズ展開を日本で初めて行っている会社として、各分野の専門職(塗装、防水、タイル、電気、看板)と全国で連携できる仕組みを持っているからです。この連携網は、資材調達の局面でも機能します。複数の加盟店が異なるメーカー・問屋と取引関係を持つため、特定の品目で在庫が逼迫しても、別ルートを探す余地があります。

第三に、JCSA(一般社団法人全国建設業支援協会)の運営を通じて、業界全体の情報収集と発信に関わっているからです。ナフサ危機のような業界横断的な事象では、特定の会社だけでなく業界全体の動きを掴むことが、発注側にも施工側にも価値を持ちます。

繰り返しになりますが、これは押し売りではありません。私は、組合さまが他社さまから見積もりを取ることを止めません。むしろ、複数社に同条件で見積もりを依頼し、価格・実績・調達力の3軸で比較していただくのが、組合員さまにとって最も誠実な発注プロセスだと考えています。そのうえで、もし「3つの工法を組み合わせて見積もりを取ってみたい」「いまの長期修繕計画を資材高騰前提で見直したい」というご要望があれば、お問合せフォームからご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。


7. 補助金・公的支援との組み合わせ——いま追っておくべき5本

最後に、ナフサ危機の局面で追っておくべき補助金・公的支援を5本に絞ってご紹介します。それぞれ、年度や予算枠で内容が変わるため、最新情報は必ず一次情報サイトで確認してください。

第一に、国土交通省「マンションストック長寿命化等モデル事業」(出典:国土交通省)。先進的な改修工事や、長期修繕計画の策定支援に充てられる事業です。

第二に、国土交通省「住宅・建築物省エネ改修推進事業」(出典:国土交通省 住宅・建築物の省エネルギー対策)。外断熱改修や窓改修など、省エネ性能の向上を伴う改修工事に活用できる支援制度の総称です。

第三に、東京都「分譲マンション総合相談窓口・各種助成」(出典:東京都マンションポータルサイト)。長期修繕計画の作成、修繕工事、管理状況の届出に応じた助成や相談支援が用意されています。

第四に、23区・市町村レベルの分譲マンション修繕助成。区によって名称・対象・上限額が異なります。たとえば千代田区、中央区、港区などはマンション施策に力を入れています。お住まいの自治体名と「マンション 修繕 助成」で検索するのが最短ルートです。

第五に、政府の補正予算動向(出典:TBS NEWS DIG)。電気・ガス補助の文脈で語られていますが、物価高対策として住宅・建築関連の臨時支援が組み込まれる可能性があります。補正予算は通年制度ではないため、発表のタイミングで一気に動く必要があります。

私の経験上、補助金は「うちのマンションは対象だろうか」と迷っているうちに締切になります。年度初頭の4月、補正予算の検討が始まる秋、年度末の駆け込み——この3つのタイミングで一度ずつ自治体の助成ページを覗いていただくだけで、機会損失は大きく減ります。


8. 出典・参考資料


最後に一言だけ。私は、この種の業界ニュースを目にするたびに、現場で会う組合員のみなさまのお顔が浮かびます。理事長を引き受けてくださっているのは、たいていの場合「やってもいいよ」と手を挙げてくださった善意の方です。そんな方に、ナフサ危機の細かい話まで全部を負わせるのは、私たち施工側にも申し訳ない気持ちがあります。だからこそ、私たちが情報を整理し、選択肢を並べて差し出す——それが施工会社としての本分だと、私は思っています。次回も、現場で本当に使える話だけをお届けします。