大規模修繕はロープアクセスが提案可能な東京の明誠へ

創業から6000棟超の施工実績

春日部市で使える賃貸オーナー向け補助金活用ガイド|企業向け太陽光・蓄電池補助と旧耐震アパートの耐震改修で収益物件と自社ビルの手残りを守る2026年度

春日部市で使える賃貸オーナー向け補助金活用ガイド|企業向け太陽光・蓄電池補助と旧耐震アパートの耐震改修で収益物件と自社ビルの手残りを守る2026年度

春日部市内で賃貸マンション・アパート、あるいは自社ビルや事業所を運用されているオーナーさまから、私はこの一年、こんなご相談を受けることが増えました。「共用部の電気代が上がり続けて、手残り(NOI)を圧迫している」「築40年近いアパートの耐震が気になるが、費用のかけどころが分からない」「屋上に太陽光を載せて光熱費を下げたいが、投資として見合うのか判断がつかない」。

いずれも、放っておけば入居率・賃料単価、そして売却時の物件価値(収益還元価格)に静かに効いてくる話です。ただ2026年度(令和8年度)は、こうした投資に使える補助金が、国・埼玉県・春日部市の三層でそろっています。しかも春日部市は、事業者・法人オーナーが主役になれる市独自の制度が厚いという、他市にはない特徴を持っています。この記事では、春日部市で収益不動産や事業用建物を持つオーナーさまの視点から、「どの制度が、いくらまで、誰の申請で使えるのか」を整理してお伝えします。

私は春日部を含む埼玉県東部・首都圏で、大規模修繕の現場に20年近く立ってきました。補助金は「使える人が、期限内に、正しい手続きで動いた場合だけ」現金として戻ってきます。そして春日部市には、「自宅居住者しか使えない制度」と「事業者・法人オーナーが主役になれる制度」がはっきり分かれるという構造があります。ここを取り違えないことが、手残りを守る第一歩です。ここから本題に入ります。

まず全体像:春日部市の賃貸・ビルオーナーが向き合う補助金の四つの入口

はじめに全体像を整理します。春日部市で収益不動産・事業用建物を持つオーナーさまが関わる補助金は、大きく四つの入口に分かれます。

一つ目は国の「住宅省エネ2026キャンペーン」。窓・給湯器・断熱といった省エネ改修を対象に、賃貸物件でも使える枠が用意されています。二つ目は埼玉県の上乗せ補助で、国の窓補助にさらに上乗せする「埼玉県窓断熱リフォーム支援事業」が代表格です。三つ目が春日部市の事業者向け制度で、ここが春日部ならではの厚みを持っています。「企業等における太陽光発電設備・蓄電池設置補助金」という、法人オーナー・自社ビルオーナーが主役になれる制度です。四つ目が春日部市の耐震改修補助で、これは旧耐震(昭和56年以前)の共同住宅・アパートを持つ築古物件オーナーにとって、意外に見落とされがちな受け皿になります。

オーナー視点で先に結論を申し上げます。2026年度に春日部で「賃貸集合住宅の共用改修」に最も現実的に効くのは、国の先進的窓リノベ2026事業と、それに県が上乗せする埼玉県窓断熱リフォーム支援事業の組み合わせです。給湯器の更新期を迎えた物件には「賃貸集合給湯省エネ2026事業」を重ねます。そして、自社ビルや事業所を保有する法人オーナーであれば、春日部市の企業向け太陽光・蓄電池補助という、他市ではなかなか見ない事業者枠が有力な選択肢になります。加えて、旧耐震のアパート・共同住宅をお持ちなら、市の耐震改修補助(1棟上限200万円)も検討の俎上に載せるべきです。

一方で、正直にお伝えしておくべき点もあります。春日部市の「住宅リフォーム助成制度」や「個人住宅の太陽光・蓄電池補助」は、オーナーが自ら所有し居住する住宅が前提で、投資用の賃貸物件には原則使えません。ここを期待して計画を組むと、あとで狂います。使える制度だけでなく、使いにくい制度も正直にお伝えするのが、この記事の役割です。

① 春日部ならではの目玉:企業向け太陽光・蓄電池設置補助金

まず、春日部市が法人オーナー・自社ビルオーナーにとって際立つポイントから入ります。多くの市町村では、事業用の太陽光や蓄電池の補助は「県か国へ」で終わります。ところが春日部市は、環境省の「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金(重点対策加速化事業)」を財源に、市が独自に事業者向けの補助制度を用意しているのです(出典:春日部市 令和8年度企業等における太陽光発電設備・蓄電池設置補助金)。

補助額の設計は、オーナーにとって分かりやすく、かつ手厚いものです。太陽光発電設備は1kWあたり5万円で、上限なし。太陽光パネルの出力か、パワーコンディショナーの出力の、小さいほうの値で計算します。蓄電池は1kWhあたり5万円、上限は100万円または補助対象経費の3分の1のいずれか低い額で、太陽光発電設備と一体的に導入することが条件です。たとえば自社ビルの屋上に出力50kWの自家消費型太陽光を載せれば、単純計算で250万円規模の補助が視野に入ります。「上限なし」という設計は、規模の大きい事業用物件を持つオーナーにとって、特に効きます。

対象は、市内にある自らの事業所に、未使用の対象設備を設置する民間事業者で、市税の滞納がないこと、暴力団関係でないことが条件です。要件として、発電した電力を一定割合以上自家消費することが求められます。具体的には、設置後1年分の自家消費割合を市に報告する必要があり、自家消費割合が30%未満で、かつ自家消費分を含めて50%以上を埼玉県内で消費できない場合、補助金の決定が取り消される場合があるとされています。売電目的ではなく、あくまで自社の光熱費削減(=運営コスト圧縮)が制度の趣旨だと理解してください。

注意すべきは手続きの順番です。この制度は公募式で、審査順位が高い事業者から順に補助金を交付し、交付決定後に契約・工事着工することが絶対条件です。決定前に発注してしまうと対象外になります。さらに、春日部市の他の補助金や、国庫が原資となる他の補助金と重複しては受けられない点も、計画段階で押さえておく必要があります。

受付期間も要注意です。2026年度の第1回交付申請は令和8年5月18日から5月29日まで第2回は令和8年6月22日から7月3日までを予定とされ、第1回で予算額に達した場合は受付を終了します。予算は太陽光発電設備1,200万円、蓄電池375万円と限りがあります。導入を検討されるなら、年度替わり直後の早い動きが欠かせません。実績報告の最終期限は令和9年2月19日です。最新の予算残額や公募状況は、市の環境政策課ゼロカーボンシティ推進担当(直通048-736-1136)にご確認ください。

② 国の先進的窓リノベ2026事業:賃貸でも使える、金額の大きい本命枠

次に、賃貸マンション・アパートの共用改修で金額のインパクトが最も大きい枠です。先進的窓リノベ2026事業(環境省)は、既存住宅の窓を断熱改修した場合に補助が出る国の制度で、賃貸物件やマンションにも適用できます(出典:環境省 先進的窓リノベ2026事業)。

窓は、住まいの熱の出入りが最も大きい部位です。埼玉県の資料でも「冬に流出する熱の約6割、夏に流入する熱の約7割が窓などの開口部から」とされています(出典:埼玉県 窓断熱リフォーム支援事業)。ここを断熱化すると、入居者の体感が変わり、冷暖房効率が上がり、結露やカビによるクレームも減ります。

補助額の目安は次の通りです。内窓(既存の窓の内側にもう一枚窓を付ける工法)の設置は1箇所あたり最大14.0万円、外窓交換(カバー工法。既存枠を残して新しい窓をかぶせる工法)は最大23.9万円、戸建てで上限100万円。中高層の集合住宅の内窓では、サイズに応じて1箇所あたり15.2万円・9.8万円・6.4万円などの区分があります。

賃貸オーナーにとって嬉しいのは、戸数の多い物件ほど「戸あたり×窓箇所数」で補助総額が積み上がる点です。1棟20戸、各戸に2箇所の内窓を入れれば、単純計算で数百万円規模の補助が視野に入ります。

ただし2026年度は要件が一段厳しくなりました。内窓の設置は熱貫流率(窓の断熱性能を示す数値。小さいほど高性能)Uw1.5以下の高性能グレードのみが対象で、旧来のグレードは対象外です。また、この事業単独で申請する補助額は5万円以上が最低ラインです。製品選定を誤ると補助がゼロになりかねないので、対象製品での見積りが欠かせません。

③ 埼玉県窓断熱リフォーム支援事業:国の窓補助への「上乗せ」

ここが、春日部市のオーナーさまにとって他県より一歩得なポイントです。埼玉県は、国の「先進的窓リノベ2026事業」または「みらいエコ住宅2026事業」を使って県内住宅の窓断熱改修を行った場合に、費用の一部をさらに上乗せ補助します(出典:埼玉県 窓断熱リフォーム支援事業)。

この制度は、戸建て・マンション・アパートを問わず、また持ち家・賃貸を問わず対象とされている点が、賃貸オーナーにとって大きな意味を持ちます。上乗せの目安は国の補助額の2分の1まで。しかも、国と県を合わせた補助額が工事費の90%を超えない範囲という設計です。つまり、国の窓補助を土台にすれば、実質負担が大きく圧縮される可能性があります。

対象は、令和8年3月2日以降に埼玉県内の事業者と工事契約を締結したものとされ、施工は県内のリフォーム業者に依頼することが条件です。申請の流れとしては、まず国の「先進的窓リノベ2026事業」の交付決定を受けた上で、県の事業に申請します。申請受付は令和8年5月18日開始、受付期間は令和9年2月28日まで、予算がなくなり次第終了とされています。専用の事務局(埼玉県住宅供給公社内)が置かれ、申請は事務局ホームページのフォームから行います(出典:埼玉県窓断熱リフォーム支援事業 事務局)。

一点、正直にお伝えします。県の補助金交付申請の手引きには、補助対象者・対象工事の詳細な条件が定められています。賃貸物件でオーナー名義でどう申請するかは、必ず手引きと事務局で個別にご確認ください。私は「たぶん大丈夫」で工事を進めるのが一番危ないと考えています。国と県の二階建てを狙うなら、着工前の対象確認が絶対条件です。

④ 賃貸集合給湯省エネ2026事業:オーナーが主役の給湯器補助

給湯器の更新期を迎えている物件には、賃貸集合給湯省エネ2026事業(経済産業省)が候補です。これは賃貸集合住宅のオーナー等が補助対象者となる、まさにオーナー向けの制度です。

特徴的なのは、オーナーが直接申請するのではなく、登録事業者である「賃貸集合給湯省エネ事業者」が申請と還元を行う仕組みだという点です(出典:経済産業省 賃貸集合給湯省エネ2026事業)。ですから、まず登録事業者に相談するのが入口になります。

対象は、従来型の給湯器からエコジョーズ・エコフィール等の小型の省エネ型給湯器への交換で、補助額の目安は1台あたり上限5万〜7万円程度です。ここは注意が必要で、エコキュートや電気温水器などは、この事業の補助対象には該当しません。ご自身の物件の給湯方式(ガスか電気か)によって、使える・使えないが分かれます。

戸数の多い物件で給湯器の更新時期が重なっているなら、まとめて交換することで補助を効率的に取りにいけます。退去のたびに1台ずつ交換するより、計画的にまとめたほうが、工事単価も補助手続きも有利になりやすい、というのが私の実感です。春日部市は東武スカイツリーライン(伊勢崎線)と東武アーバンパークライン(野田線)が交わるターミナルで、北千住・大手町方面や大宮・柏方面へ通勤する単身・ファミリー双方の賃貸需要が厚く、給湯器の一斉更新期を迎えたワンルーム・ファミリー物件が少なくありません。

⑤ 見落とされがちな受け皿:旧耐震アパート・共同住宅の耐震改修補助

ここは、賃貸オーナーの記事ではあまり語られませんが、春日部で築古の共同住宅・アパートを持つオーナーさまにこそ知っていただきたい制度です。春日部市の既存建築物耐震改修等補助制度は、令和8年に要綱が改正され、より使いやすくなりました(出典:春日部市 既存建築物耐震改修等補助制度)。

重要なのは、補助対象建築物に「長屋・共同住宅」や「分譲マンション」が含まれている点です。つまり、住宅として使われている賃貸アパート・共同住宅も、対象になり得ます。対象は昭和56年5月31日以前に建築確認を受けて建築した、いわゆる旧耐震基準の建物です。

補助額を整理します。耐震診断は、長屋・共同住宅・分譲マンションの場合、費用の3分の2、または「5万円×戸数」のいずれか低い額で、1棟あたり上限100万円耐震改修工事は、長屋・共同住宅・分譲マンションの場合、費用の23%相当で、1棟あたり上限200万円です。旧耐震の1棟アパートの耐震補強は、費用がかさむだけに、この200万円枠は無視できない金額です。

要件としては、木造の場合は上部構造評点が1.0未満のものを改修後1.0以上にすること、木造以外は構造耐震指標Isが0.6未満のものを改修後0.6以上にすることが求められます。また、建設業法上の許可を受け、原則として市内に営業所を有する建設業者が施工し、診断資格者(共同住宅の耐震補強設計・工事監理)が関与することが条件です。申請には事前相談が必要で、事業は年度末の3月15日までに完了させる必要があります。

一点、正直に補足します。一戸建て住宅の耐震改修補助は「居住しているもの」という要件がありますが、長屋・共同住宅については対象者が「区分所有者または区分所有者の団体の集会において決定された代表者」と定められています。1棟丸ごと単独所有の賃貸アパートでオーナー名義でどう申請できるかは、要綱の解釈が関わる部分ですので、着手前に必ず市の建築課建築安全担当(直通048-796-8046)に事前相談してください。旧耐震物件は、耐震性という「出口(売却)で必ず問われる要素」を抱えています。補助を使えるかどうかにかかわらず、耐震の棚卸しは早めにやっておく価値があります。

⑥ 春日部市の住宅リフォーム助成・個人向け太陽光は「自宅」前提と正直にお伝えします

「春日部市にもリフォーム補助や太陽光補助があるのでは」とお考えのオーナーさまへ、市の住宅向け枠について正直にお伝えします。

春日部市には住宅リフォーム助成制度があり、市内の自己所有住宅をリフォームする際に、工事費の10%(上限10万円)を助成します。市内業者への発注が条件で、受付は年度当初(令和8年度は5月中旬受付開始)から予算がなくなり次第終了とされています(出典:春日部市 住宅リフォーム助成制度)。予算枠が小さく、例年早期に締め切られる傾向がありますので、自宅にお使いになる場合も年度当初の早い動きが必要です。

また春日部市には個人住宅における太陽光発電設備・蓄電池設置補助金もあり、令和8年度も電子申請で受付が行われます(出典:春日部市 令和8年度個人住宅における太陽光発電設備・蓄電池設置補助金)。

ただし、いずれも申請者が自ら所有し居住する住宅が前提です。要するに、オーナーが居住しない投資用の賃貸物件には、これらの市の住宅向け枠は原則使えません。純粋な投資用物件の再エネ導入は、前述の企業向け太陽光・蓄電池補助金(事業者枠)を軸に検討するのが筋道です。「住宅向けの市の枠は自宅向け、事業用は事業者向けの市の枠へ」という切り分けを、まず頭に入れてください。

賃貸では「使いにくい」税制も正直にお伝えします

もう一つ、賃貸オーナーが誤解しやすいのがマンション長寿命化促進税制です。これは、一定の大規模修繕(外壁塗装等工事・床防水工事・屋根防水工事のすべて)を行った分譲マンションについて、工事完了の翌年度分の固定資産税を2分の1軽減する制度です(出典:国土交通省 マンション長寿命化促進税制)。数字は魅力的ですが、対象要件が「築後20年以上・10戸以上」かつ「マンション管理適正化法に基づく管理計画の認定を受けている」ことです。

管理計画の認定は、区分所有で管理組合があるマンションを前提とした仕組みです。そのため、オーナー一人が一棟を所有する賃貸マンション・アパートは区分所有ではなく、この税制は基本的に適用できません。この特例の適用期限も年度ごとの税制改正で変わりますので、分譲を区分所有でお持ちのオーナーさまは、最新の期限を春日部市の資産税担当にご確認ください。名前だけ見て計画に織り込むと、あとで狂います。

補助金を使うオーナーが必ず押さえるべき税務の注意点

ここは、管理組合向けの記事では深く触れませんが、オーナーさまには外せない論点です。補助金は、受給した年度に「雑収入」として計上され、課税対象になります。工事費の一部が戻ってくる感覚でいると、思わぬ課税で手残りが目減りします。顧問税理士と受給年度の損益を必ずすり合わせてください。

もう一つが、修繕費(損金)になるか、資本的支出(減価償却)になるかの区分です。原状回復・維持のための工事は修繕費としてその年に損金算入できますが、物件の価値を高めたり耐用年数を延ばしたりする工事は資本的支出として資産計上し、数年から数十年かけて減価償却します。同じ「外壁の工事」でも、内容と規模で税務処理が変わり、キャッシュフローへの効き方がまるで違います。

私はオーナーさまへのご提案の際、「この工事は税務上どちらに寄るか」を必ず設計段階で論点に上げるようにしています。補助金・損金算入・固定資産税の三つをどう組み合わせるかで、同じ工事でも手残りが変わるからです。ここは税理士の領域なので断定は避けますが、工事の意思決定と税務判断はワンセット、とだけお伝えしておきます。

数字で見る:入居率1%・退去1件が、春日部の物件でどれだけ効くか

補助金の話を、オーナーさまの財布の感覚に翻訳してみます。

たとえば春日部市内で、家賃6.2万円・18戸の賃貸マンションを想定します。満室の年間賃料収入は6.2万円×18戸×12か月=約1,339万円です。ここで入居率が1%下がると、年間で約13.4万円の減収。空室が1戸、次の入居まで3か月空けば、6.2万円×3か月=18.6万円がそのまま消えます。

窓の断熱改修や計画的な給湯器更新、そして事業用建物の省エネ投資は、単なるコストではありません。「冬が寒い」「結露がひどい」「お湯の出が悪い」「共用部が暗い・暑い」といった不満は、更新のたびに賃料交渉や退去の口実になります。逆に、快適性が上がれば、家賃を下げずに入居を決めやすくなり、退去率も下がります。補助金で初期投資を圧縮しつつ、入居率と賃料単価を守る——これがオーナー視点での補助金活用の本質です。

春日部市は都心・大宮方面へのアクセスがよく、ファミリーから単身まで賃貸需要の層が厚いエリアです。だからこそ、競合物件との差は「築年数」よりも「住み心地」で付きやすい。そして出口。売却を見据えたとき、収益還元価格はNOI(実質賃料収入)で決まります。目先の利回りより、物件価値そのものを底上げする修繕投資のほうが、出口で効いてくる場面を、私は現場で何度も見てきました。補助金は、その投資判断を後押ししてくれる追い風です。

工法で変わるコスト:足場・ロープアクセス・ハイブリッドの比較

補助金で対象になるのは主に「工事の中身」ですが、オーナーさまの手残りを大きく左右するのは、実は工事の足場のかけ方です。窓・給湯器・外壁・防水・耐震、いずれの工事も、どうやって職人が施工箇所に到達するかでコストと工期が変わります。

明誠では、建物の特性に応じて三つの工法から最適なものをご提案しています。一つ目は通常の足場を組む工法。中低層や形状が複雑な物件に向きます。二つ目がロープアクセス工法。産業用ロープで職人が施工する無足場工法で、足場の設置費用を抑え、工期を短縮でき、居住者の生活への影響も小さく済みます。高層物件や、足場の架設が難しい立地、コストを最重視する物件で強みを発揮します。三つ目がハイブリッド工法で、部位ごとに足場とロープアクセスを使い分けます(詳しくはロープアクセス工法のご紹介をご覧ください)。

賃貸オーナーにとって、足場費の圧縮は補助金と同じくらいインパクトがあります。入居者に長期間ネットと足場で囲まれる不快感を与えずに済む点も、退去防止という意味で見逃せません。私は、補助金の対象工事と工法選定をセットで組み立てることを、いつもお勧めしています(大規模修繕工事のご紹介マンション・ビルオーナーさま向けページもご参照ください)。

みらいエコ住宅2026事業という選択肢

窓リノベ・給湯省エネと並ぶ国の柱がみらいエコ住宅2026事業(国土交通省・環境省)です。断熱改修や省エネ改修を幅広く対象とする制度で、埼玉県の窓断熱リフォーム支援事業は、この「みらいエコ住宅2026事業」を使った窓改修にも上乗せ対象としています(出典:みらいエコ住宅2026事業)。

複数の国の制度は、対象部位が重ならなければワンストップ申請でまとめて使える設計になっています(住宅省エネ2026キャンペーン全体の窓口:住宅省エネ2026キャンペーン)。どの部位をどの制度に割り当てると補助総額が最大化するかは、物件ごとに変わります。ここは経験がものを言う部分です。窓は窓リノベ、給湯器は賃貸集合給湯省エネ、その他の断熱はみらいエコ住宅、と役割分担を整理してから見積りに入ると、取りこぼしが減ります。

病院・介護施設・自社ビルのオーナーさまへ

ここまでは賃貸マンション・アパートを念頭に書いてきましたが、春日部市にはクリニック・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)・特別養護老人ホームを運営される医療法人・介護事業者のオーナーさまや、自社ビルを保有される企業のオーナーさまも多くいらっしゃいます。これらの建物でも、窓断熱や給湯・空調の省エネ改修は補助制度の対象になり得ます。

とりわけ春日部は、前述の企業向け太陽光・蓄電池補助(太陽光1kWあたり5万円・上限なし、蓄電池1kWhあたり5万円・上限100万円)という受け皿がある点で、事業用建物のオーナーに有利です。医療・介護施設の場合、太陽光と蓄電池を組み合わせれば、平常時の光熱費圧縮に加えて、停電時にも一定の電源を確保でき、BCP(事業継続計画)の観点でも意味を持ちます。入居者・患者の療養環境を左右する空調・給湯の安定は、施設の評価にも直結します。加えて、外壁や屋上防水の劣化を放置すると、漏水が電気設備や医療機器に及ぶリスクがあり、ここも見過ごせません。私は介護施設の現場で、屋上防水の小さな劣化から始まった漏水が、最上階の居室を一時的に使えなくして稼働率を落とした例を見たことがあります。

自社ビルのオーナーさまであれば、テナントの快適性が賃料維持と空室対策に直結します。省エネ改修や自家消費型太陽光の導入は、テナントへの訴求材料にもなります。施設の用途によって使える制度が変わりますので、まずは物件ごとの棚卸しからご一緒させてください。

よくある質問(春日部市の賃貸・ビルオーナーから多い相談)

Q. 賃貸物件のオーナーでも国の窓補助は使えますか。
A. 先進的窓リノベ2026事業は、賃貸物件やマンションにも適用できるとされています。埼玉県の上乗せも、持ち家・賃貸を問わず対象とされていますが、対象者要件は手引きでご確認ください。

Q. 自社ビルの屋上に太陽光を載せたいのですが、春日部市の補助はありますか。
A. 春日部市には企業等における太陽光発電設備・蓄電池設置補助金があり、太陽光は1kWあたり5万円(上限なし)、蓄電池は1kWhあたり5万円(上限100万円等)です。市内に事業所を有する事業者が対象で、公募式・交付決定後の契約が条件です。予算に限りがあり、受付は令和8年5月18日からの第1回で締め切られる可能性があります。

Q. 築古の賃貸アパートの耐震改修に補助はありますか。
A. 昭和56年5月31日以前に建築確認を受けた旧耐震の長屋・共同住宅は、既存建築物耐震改修等補助制度の対象になり得ます。改修工事は費用の23%・1棟上限200万円です。ただし賃貸1棟でのオーナー名義の申請可否は、建築課への事前相談が必要です。

Q. 春日部市の住宅リフォーム助成は投資用の賃貸に使えますか。
A. 対象は市内の自己所有住宅で、市内業者への発注が条件です。オーナーが居住しない投資用の賃貸物件には原則使えないとお考えください。

Q. 補助金は課税されますか。
A. 受給した年度に雑収入として計上され、課税対象になります。受給年度の損益を税理士とすり合わせてください。

まとめ:春日部市のオーナーが2026年度にやるべきこと

正直に申し上げます。春日部市のオーナーさまにとって、2026年度は「二正面」で動くのが最も現実的です。

賃貸集合住宅の入居者向け改修は、国の先進的窓リノベ2026事業を土台に、埼玉県窓断熱リフォーム支援事業の上乗せを重ね、給湯器更新期の物件には賃貸集合給湯省エネ2026事業を合わせる。これが基本形です。そして自社ビル・事業所を持つ法人オーナーであれば、春日部市の企業向け太陽光・蓄電池補助金(太陽光1kWあたり5万円・上限なし)という、他市では見かけない厚い事業者枠が使えます。さらに、旧耐震の共同住宅・アパートをお持ちなら、市の耐震改修補助(改修23%・1棟上限200万円)も検討の価値があります。

一方で、住宅リフォーム助成や個人向けの太陽光・蓄電池補助は自宅居住が前提で、投資用の賃貸には原則使えないこと、マンション長寿命化促進税制も一棟所有の賃貸には基本的に適用できないことも、あらかじめ押さえておいてください。「使えると思っていた」で計画が狂うのが、一番もったいないからです。

いずれの制度も予算と期限があり、多くが交付決定後の契約を条件とすること、そして補助金は雑収入として課税されることを、投資判断の前提に置いてください。数字が合えば、補助金は入居率と物件価値を守る強力な追い風になります。

お持ちの物件で、まだこの補助金の検討を始めていないオーナーさまは、ぜひ一度お問合せください。1棟の現地調査と、補助金を織り込んだ利回り改善シミュレーションだけでも、ご相談を承ります(お問合せフォームはこちら)。制度の期限が来る前に、動けるかどうかが分かれ目です。次回も、現場で本当に使える話だけをお届けします。

出典・参考資料

※本記事は2026年7月7日時点の公開情報をもとに作成しています。補助率・上限額・受付期間・対象要件は年度や予算状況により変更されます。申請前に必ず各制度の公式サイトと春日部市・埼玉県の窓口で最新情報をご確認ください。