
入間市で賃貸マンション・賃貸ビルをお持ちのオーナーさまへ。この記事は、令和8年度(2026年度)に入間市で賃貸オーナーさまが実際に使える制度だけを、正直に整理したものです。
結論から申し上げます。入間市は、これまで当ブログで取り上げてきた狭山市・富士見市・ふじみ野市などと違い、「賃貸共同住宅」という言葉が条文や補助要綱に名指しで載っている現金補助を、市独自には持っていません。木造住宅の耐震診断・改修補助は戸建て・兼用住宅限定で共同住宅は対象外、太陽光・蓄電池のゼロカーボン補助は自ら居住する住宅限定で賃貸・事業用は対象外、しかも令和8年度分はすでに予算上限に達しています。
「では入間市の賃貸オーナーには何もないのか」というと、そうではありません。入間市には、大規模修繕を実施すると翌年度の固定資産税が3分の1減額される制度と、令和7年4月に始まったばかりのマンション管理計画認定制度があります。現金がその場で振り込まれる補助金ではありませんが、保有期間中ずっと効いてくる税制優遇であり、NOI(実質賃料収入)への効き方で見ると、むしろ安定した武器になります。この記事では、その仕組みと、個人オーナー限定で使える小口の補助(ブロック塀撤去)、そして12条点検の窓口が市役所ではなく埼玉県になる「限定特定行政庁」という入間市特有の構造まで、順に整理します。
入間市で賃貸オーナーが押さえるべき制度【令和8年度・一覧】
先に全体像です。入間市は現金がその場で出る補助金より、保有中ずっと効く税制優遇が主戦場になる市です。
| 制度名 | 種類 | 申請できる人 | 効果・補助額 | 令和8年度の状況 |
|---|---|---|---|---|
| 大規模修繕マンションの固定資産税特例 | 税制優遇 | 築20年以上・10戸以上のマンション所有者 | 翌年度の固定資産税を専有部分100㎡まで3分の1減額 | 工事完了:令和5年4月1日〜令和9年3月31日 |
| マンション管理計画認定制度 | 認定制度(間接効果) | 分譲マンションの管理組合・区分所有オーナー | 固定資産税特例の前提資格+融資金利引下げの入口 | 令和7年4月1日開始 |
| 危険ブロック塀等撤去工事補助金 | 現金補助 | ブロック塀を所有・管理する個人 | 撤去費の50%or1m上限1万円の低い方・上限10万円 | 先着順・予算枠あり |
| ゼロカーボンシティ推進設備設置費補助(太陽光・蓄電池・V2H) | 現金補助 | 自ら居住する市内住宅の所有者 | 太陽光1kWあたり7万円等 | 賃貸・事業用は対象外/令和8年6月25日時点で予算上限到達済み |
| 木造住宅耐震診断・改修・防災ベッド補助 | 現金補助 | 木造戸建て・兼用住宅の所有者 | 診断1/2上限5万円・改修23%上限20万円 | 共同住宅(賃貸マンション)は対象外 |
※太字は本記事の核心です。上位2つが賃貸オーナーさまにとっての本命、下位3つのうち使えるのはブロック塀撤去のみ、残り2つは正直に「対象外」と申し上げます。金額・条件は本文中に出典リンクを付けて詳述します。
この一覧を見て「補助金が薄い市だ」と感じられたなら、その感覚は正しいです。ただし、これは入間市が不利な市という意味ではありません。入間市は令和7年度に始まったマンション管理計画認定制度と、その先にある固定資産税1/3減額を、まだ多くのオーナーが使いこなせていない「動き出しの好機」の市、というのが私の見立てです。
入間市は「限定特定行政庁」|12条点検は市役所ではなく埼玉県の窓口
まず、入間市の建築行政の構造から押さえておきます。入間市は「特定行政庁」ではなく、建築基準法第6条第1項第4号の小規模建築物だけを市が扱う「限定特定行政庁」です。
賃貸マンション・賃貸ビルのように規模の大きい建築物(同項第1号〜第3号)については、入間市開発建築課ではなく、埼玉県川越建築安全センター(川越市新宿町1-23-17、電話049-243-2746)が建築確認・中間検査・完了検査・そして建築基準法第12条に基づく定期報告(12条点検)の受付まで一括して担当します。川越建築安全センターの管轄は、入間市のほか朝霞市・坂戸市・志木市・鶴ヶ島市・飯能市・東松山市・日高市・富士見市・ふじみ野市・和光市など22市町村にまたがる広域体制です。
これは、当ブログでこれまで取り上げてきた狭山市(特定行政庁のため12条点検も補助金相談もすべて狭山市役所1本)とは対照的な構造です。埼玉県内で特定行政庁を置いているのはさいたま市・川口市・川越市・所沢市・越谷市・上尾市・草加市・春日部市・狭山市・新座市・熊谷市・久喜市の12市に限られ、入間市はそこに含まれません。
オーナーさまにとって、これが何を意味するか。外壁の打診調査(12条点検の全面打診)で「要是正」が出た場合の窓口は、入間市役所ではなく川越建築安全センターです。一方で、固定資産税の特例やブロック塀の補助といった市税・市の補助制度は入間市役所の各担当課が窓口になります。「点検は県、税と補助は市」という二段構えを最初に理解しておくと、相談先を間違えて時間を無駄にすることがありません。
12条点検では、竣工または外壁改修から10年を超えた建物について外壁全面の打診等調査が求められます(令和4年の告示改正で10年周期が明確化)。この全面打診が、賃貸オーナーさまにとって最初のまとまった出費になりがちです。調査のためだけに足場を組むと調査費より仮設費のほうが高くなる逆転が起きやすいため、この点は後段のロープアクセス工法の項で詳しく扱います。
正直な話|入間市には「賃貸共同住宅」向けの耐震現金補助が見当たりません
ここは、読者の皆さまに正直にお伝えしなければならない部分です。
入間市には「多数の者が利用する民間建築物の耐震診断・耐震改修補助金等関連情報」というページがあります。しかし内容を確認すると、このページは2023年3月31日更新のまま止まっており、埼玉県のページへのリンクが3件並んでいるだけです。埼玉県側の「埼玉県内の住宅・建築物の耐震診断・耐震改修に関する補助制度等のご案内」ページも、「補助制度を持つ市町村一覧」というPDFへの誘導にとどまり、入間市が賃貸共同住宅(特定既存耐震不適格建築物)向けの補助制度を独自に持っているかどうかは、この記事の執筆時点で公式サイト上に明記が見当たりませんでした。
一方、市が明確に案内している耐震補助は「木造住宅耐震診断・耐震改修・防災ベッド等補助制度」です。しかしこちらは対象が明確に「一戸建ての住宅又は兼用住宅」と定義されており、共同住宅・賃貸マンションは対象外です。補助額は耐震診断が費用の2分の1・上限5万円、耐震改修が23%・上限20万円、防災ベッド設置が2分の1・上限10万円(先着順・予算枠あり・契約前申請必須)ですが、RC造・SRC造の賃貸マンションや木造の賃貸アパートには、そもそも使えません。
これは、当ブログで以前ご紹介した狭山市(賃貸共同住宅が補助対象の表に名指しで載っている)とは明確に違う構図です。同じ入間川流域の隣接市でも、これだけ制度の作り込みに差があります。「補助対象の表に賃貸共同住宅と書いてあるはずだ」という前提で入間市の窓口に行くと、期待外れに終わる可能性が高い、というのが取材を通じての率直な感触です。
この構図が生まれる背景には、前段で述べた「限定特定行政庁」の構造があります。規模の大きい賃貸マンションの建築行政そのものが埼玉県川越建築安全センターの所管であるため、市が独自に大規模建築物向けの耐震補助制度を整備するインセンティブが働きにくい、と見ることもできます。もし今後、市が制度を新設した場合は、当ブログでも追ってご案内します。
唯一ここは狙える|大規模修繕を実施すると効く固定資産税1/3減額
現金補助が薄いなかで、入間市の賃貸オーナーさまが実際に狙える最大の武器が、この固定資産税の特例措置です。
入間市の「大規模修繕工事を行ったマンションに対する特例措置」は、次の要件をすべて満たすマンションについて、翌年度分の固定資産税額を、専有部分の床面積100㎡までの範囲で3分の1減額する制度です。
- 築後20年以上が経過していること
- 10戸以上の区分所有マンションであること
- 外壁塗装・床防水・屋根防水のすべてを過去に1回以上適切に実施していること
- その上で、2回目以降の長寿命化工事を令和5年4月1日から令和9年3月31日までの間に完了していること
- 国が定める管理計画認定を受けているか、国土交通大臣・都道府県知事等の助言・指導の対象となっていること
減額は1度限りで、対象は固定資産税のみ(都市計画税は対象外)。耐震改修・バリアフリー改修・省エネ改修による他の固定資産税減額措置とは、同一年度内の併用ができません。申告は工事完了日から3か月以内に、建築士やマンション管理士による証明書類を添えて資産税課へ提出する必要があります。
数字で考える
固定資産税の税額は物件の評価額や築年数によって大きく変わりますが、仮に専有部分100㎡換算で年間の固定資産税相当額が18万円の区分所有住戸があるとすれば、3分の1減額で年間6万円、対象戸数が多いマンション全体では相当な額が、翌年度1年分だけとはいえ軽くなります。単年度の効果は限定的でも、大規模修繕という数千万円規模の支出に対して、公的に「やって当然の資産形成」と認められた証しが付くという意味合いのほうが、実務上は大きいと私は考えています。20年以上この業界で数多くの大規模修繕に携わってきた実感として、こうした「数字にしにくい信用」が、次の融資や売却の場面で効いてくる場面を何度も見てきました。金融機関に融資相談をする際、管理計画認定と固定資産税特例の実績は、物件の管理レベルを客観的に示す材料になります。
問い合わせ先:入間市 総務部 資産税課(入間市豊岡1-16-1/電話 04-2964-1111 代表)
令和7年開始のマンション管理計画認定制度|区分オーナーの入口
固定資産税特例の前提となる「管理計画認定」は、入間市では令和7年4月1日から始まったばかりの新しい制度です。分譲マンションの管理組合が主体となって申請しますが、複数区分を保有する投資家オーナーさまにとっても、資産価値と出口戦略に直結する制度ですので押さえておいてください。
認定基準は大きく5分野です。
| 分野 | 主な基準 |
|---|---|
| 管理組合の運営 | 管理者・監事の設置、年1回以上の総会開催 |
| 管理規約 | 作成必須、緊急時の対応・情報提供に関する規定 |
| 経理の状況 | 修繕積立金と管理費の会計区分の明確化、修繕積立金の滞納が総戸数の1割以内 |
| 長期修繕計画 | 7年以内に作成・見直し、計画期間30年以上、大規模修繕工事を2回以上含む |
| その他 | 区分所有者名簿の適正な維持、年1回以上の確認 |
申請には、公益財団法人マンション管理センターが発行する「事前確認適合証」が必要で、市への申請自体は無料ですが、事前確認や評価サービスの利用には別途費用がかかります。認定の有効期間は5年で、更新が必要です。
投資家オーナーさまへの意味合いは明確です。認定を取得している、あるいは取得を目指して長期修繕計画を整備しているマンションは、管理不全リスクが低いという公的なお墨付きがついた物件として、売却時の指値交渉や、住宅金融支援機構の融資条件で有利に働きます。認定を受けたマンションの管理組合が共用部リフォーム融資を利用する場合、融資金利が年0.2%引き下げられ、融資保証料も2割引になる制度が住宅金融支援機構にあります。区分を複数お持ちで、これから大規模修繕の議決を控えている物件があれば、管理組合に対して「まず管理計画認定の事前確認を取ってはどうか」と働きかけることも、資産防衛の一手です。
問い合わせ先:入間市 都市整備部 都市計画課(電話 04-2964-1111 代表)
個人オーナー限定で使える|危険ブロック塀等撤去工事補助金
小口ですが、条件が合えば実際に使える現金補助もあります。入間市危険ブロック塀等撤去工事補助制度です。
対象は、道路または多くの市民が利用する市有地に面し、道路等に面する側の地盤面からの高さが1.2メートル以上で、点検調査により倒壊の危険性が確認された補強コンクリートブロック造・組積造の塀や門柱です。補助額は撤去費用の50%、または塀の長さ1メートルあたり1万円を掛けた額のいずれか少ないほうで、限度額は10万円。所有者全員の同意と、市税の滞納がないことが条件です。
ここで注意が必要なのは、入間市公式サイトの申請者要件が「ブロック塀等を所有・管理する個人」と明記されている点です。狭山市の同種制度が「法人を含む」と明記していたのとは対照的に、入間市のページ上では個人限定と読めます。法人名義で賃貸物件を所有されているオーナーさまは、申請前に必ず開発建築課へ法人での申請可否を直接ご確認ください。この記事では、公式サイトの記載を正確に反映する立場から、断定を避けてお伝えします。
賃貸物件の敷地境界のブロック塀は、地震時に倒壊して通行人を負傷させた場合、工作物責任(民法第717条)で所有者が損害賠償責任を負う可能性があります。10万円の補助が出るかどうかより、そのリスクを外せるかどうかの話です。申請前に必ず現地確認が入る流れですので、まずは開発建築課(04-2964-1111)へ一報を入れてください。契約・工事着手の前に申請書を提出しないと、補助は一切出ません。
使えない制度を正直に|ゼロカーボン設備補助は賃貸に使えず、予算も尽きています
太陽光発電・蓄電池・V2Hに補助が出る「入間市ゼロカーボンシティ推進設備設置費補助事業」は、令和8年度も実施されています。しかし、賃貸オーナーさまには二重の理由で使えません。
1つ目は対象者要件です。補助の対象は「自ら居住している市内の既存住宅・新たに建築又は取得する市内の住宅に設備を設置する方」と明記されており、賃貸・事業用は明確に対象外です。狭山市の同種制度(クリーンエネルギー推進補助制度)には「事業所用」の区分があり、アパート経営者も申請対象になっていたのとは対照的です。
2つ目は予算です。令和8年度分の総予算は約2,600万円でしたが、令和8年6月25日時点で、太陽光発電・蓄電池・V2Hのすべての区分で予算上限に達し、以降の申請は補欠扱いになっています。仮に入間市が将来、対象を事業用にも広げたとしても、令和8年度分についてはすでに間に合わない状態です。
共用部への太陽光・蓄電池の導入をご検討中のオーナーさまは、入間市の制度ではなく、国のZEH-M関連補助や、埼玉県の家庭向け補助制度の事業者向け枠の有無を別途ご確認いただくことをおすすめします。「制度があるから」ではなく「使えるかどうか」で判断する姿勢が、無駄な期待と時間のロスを防ぎます。
補助金・税制優遇を受け取ったあとの税務|3つの論点
金額と税制の話をしたあとは、必ず税務の話をします。ここで差がつきます。
1. 現金補助は雑収入として課税されます
自治体から受け取るブロック塀撤去補助などの現金補助は、原則として受給した事業年度の雑収入(益金)に計上されます。10万円が入れば、その分だけ課税所得が増えます。「10万円まるごと手元に残る」という前提で資金計画を立てると、翌期の納税でずれます。
2. 固定資産税の減額は「収入」ではなく「支出削減」です
本記事の中心である固定資産税1/3減額は、現金補助と違って課税所得を直接増やしません。支払うべき税額そのものが減るため、税引き後キャッシュフローへの効き方が現金補助とは異なります。減額分を雑収入として計上する必要がない代わりに、圧縮記帳のような特例の対象にもなりません。単純に、毎年の固定資産税という固定費が1年だけ下がる、とご理解ください。
3. 修繕費か資本的支出かで、手取りが変わります
外壁塗装・屋上防水の塗り替えは、原状回復の範囲であれば修繕費として一括損金算入できる可能性があります。一方、建物の耐用年数を延ばしたり価値を高めたりする工事は、資本的支出として資産計上し、減価償却していくのが原則です。同じ1,000万円の支出でも、修繕費なら当期に1,000万円の損金、資本的支出なら年間数十万円の償却にしかなりません。見積書を工種別に分けて計上しておくことが、税務上の区分と、将来の固定資産税特例の証明書類作成の両方で効いてきます。適用可否や具体的な区分は、必ず顧問税理士にご確認ください。
入間市の住宅密集地で足場が建てにくい理由と、工法別のコスト比較
ここからは、工事の話です。
入間市は面積約45.36平方キロメートル、人口約14.4万人。西武池袋線(入間市駅・仏子駅・東飯能駅方面)とJR八高線が通り、池袋まで約40分という通勤圏に、狭山茶の産地としての農地と、住宅密集地が入り組んで広がっているのが特徴です。米軍ハウスを活用した観光地「ジョンソンタウン」に代表されるように、狭い区画に建物が密集したエリアも多く、大規模修繕の現場で次のような問題が具体的に起こります。
- 隣地との離隔が狭い:外壁面から隣地境界まで60cmを切る箇所があると、通常の枠組足場(幅60cm前後+壁つなぎ)が物理的に建ちません
- 前面道路が狭い:資材搬入車両が付けられず、人力小運搬が増えて仮設費が膨らみます
- 1階に店舗・テナントが入っている:足場と養生シートで看板が隠れると、テナントから営業補償を求められることがあります
- 駐車場が潰れる:敷地内の平面駐車場に足場を建てると、入居者の車を工事期間中よそに移す必要があり、その費用はオーナー負担になります
つまり、入間市のような住宅密集地では、足場が「建てられない」または「建てると採算が合わない」物件が一定割合で存在します。私自身、現場に入るたびに「この敷地なら足場より先にロープアクセスを検討すべきだった」と感じる物件に何度も出会ってきました。
株式会社明誠は、通常足場工法・ロープアクセス工法(無足場工法)・両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つから、建物の形状・立地・工事内容に応じて最適な工法をご提案できる、日本でも数少ない会社です。工法の技術的な背景は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムで詳しく解説しています。
仮設費の比較(目安)
8階建て・外周70m・工期2.5か月の賃貸マンションを想定した場合の、仮設部分のみの概算です。
| 項目 | 通常足場工法 | ロープアクセス工法 |
|---|---|---|
| 仮設費(概算) | 約142万円 | 約51万円 |
| 差額 | — | 約91万円の圧縮 |
| 設置・解体期間 | 各3〜4日 | 当日開始可能 |
| 駐車場の使用 | 必要(区画が潰れる) | ほぼ不要 |
| 防犯リスク | 足場からの侵入懸念あり | 該当なし |
※あくまで目安・参考値です。実際の金額は建物形状、施工面積、工事内容、仕様、時期により大きく変動します。必ず現地調査のうえ個別にお見積りいたします。
工種別の㎡単価の目安
| 工種 | 単価の目安 |
|---|---|
| 外壁塗装 | 3,500〜4,500円/㎡ |
| 外壁打診調査(12条点検) | 250〜500円/㎡ |
| 屋上・バルコニー防水 | 5,000〜8,000円/㎡ |
25戸規模の賃貸マンション1棟の大規模修繕は、総額で3,000万〜4,500万円のレンジに入ることが多く、そのうち仮設足場が15〜25%を占めます。仮設費を100万円近く圧縮できるかどうかは、固定資産税特例(1年で数万円〜十数万円規模)よりもむしろ大きな金額になることが多く、工法選択こそが入間市の賃貸オーナーさまにとって最も即効性のある「節約策」だと私は考えています。料金の考え方は大規模修繕の料金の考え方にまとめています。
工期と入居者への影響
ロープアクセス工法は、足場工法の約60%の工期で完了します。前述の8階建て・外周70mであれば、足場2.5か月に対しロープアクセスは1.5か月前後が目安です。
工事期間中はバルコニーが使えず、洗濯物が干せず、窓を開けられず、養生シートで日当たりが落ちます。入居者にとっては純粋な生活の質の低下であり、退去を検討するきっかけになります。
数字にしてみます。25戸・平均賃料6.5万円の物件で、工事を機に2戸が退去し、次の入居まで平均2.5か月空いたとします。
- 空室損失:6.5万円 × 2戸 × 2.5か月 = 32.5万円
- 原状回復・募集費用(AD含む):1戸18万円として 36万円
- 合計:68.5万円
仮設費の差額約91万円に、この68.5万円が上乗せされる可能性があると考えると、工法選択の重みが変わってきます。足場を架けない工事は、入居者に「工事をしていることに気づかれにくい」という、賃貸経営に固有の価値を持っています。
明誠のロープアクセス工法の技術詳細と、収益不動産オーナーさま向けのサービスもあわせてご覧ください。ロープアクセス工法での高所作業について、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。安全管理の考え方は明誠の安全管理体制に記載しています。
なお、12条点検の全面打診調査だけを先行して行う場合も、ロープアクセス工法なら足場を架けずに実施できます。調査で要是正が出た箇所だけをピンポイントで補修し、次回の大規模修繕までの時間を稼ぐという判断も可能です。無足場工法の適用範囲や技術基準については、ロープアクセスドットコムに専門的な解説をまとめています。
株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。IRATA(国際産業ロープアクセス協会)水準の技能訓練を受けた作業員が施工し、ISO9001品質マネジメントシステムを運用、日本ロープ高所作業協会の事務局も担当しています。また、日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部として、塗装・防水・タイル・電気・看板の各分野の専門職が加盟しており、中間マージンを圧縮した価格でご提供できる体制を整えています。実際の施工の様子は明誠の施工事例からご覧いただけます。
令和8年度の締切カレンダー(入間市・オーナー向け)
| 期日 | 対象 |
|---|---|
| 随時(先着順・予算枠に達し次第終了) | 危険ブロック塀等撤去工事補助金 |
| 令和9年2月26日 | ゼロカーボンシティ推進設備補助の実績報告最終期限(※新規受付は令和8年6月25日時点で終了) |
| 令和9年3月31日まで | 固定資産税特例の対象となる大規模修繕工事の完了期限(令和5年4月1日〜) |
| 工事完了後3か月以内 | 固定資産税特例の申告期限(資産税課) |
| 随時 | マンション管理計画認定の事前確認・申請(都市計画課) |
申請のタイミングにご注意ください。ブロック塀補助は「交付決定前に契約・着工してはいけない」タイプ、固定資産税特例は「工事完了後に申告する」タイプです。この順序を間違えると、それだけで優遇がゼロになります。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 入間市に賃貸共同住宅向けの耐震補助金はありますか?
A. 本記事の執筆時点で、市の公式サイト上に明記された賃貸共同住宅(特定既存耐震不適格建築物)向けの現金補助は確認できませんでした。市の木造住宅耐震補助は戸建て・兼用住宅限定で共同住宅は対象外です。最新の制度新設の有無は、入間市開発建築課(04-2964-1111)へ直接ご確認ください。
Q2. 現金補助が薄いなら、入間市の賃貸オーナーには何もメリットがないのですか?
A. いいえ。大規模修繕を実施したマンションへの固定資産税1/3減額(専有部分100㎡まで、工事完了は令和9年3月31日まで)と、令和7年に始まったマンション管理計画認定制度という2つの税制・認定面での優遇があります。現金がその場で振り込まれるわけではありませんが、保有期間中の実質的な負担軽減につながります。
Q3. 太陽光発電や蓄電池を賃貸マンションの共用部に導入する場合、市の補助は使えますか?
A. 使えません。入間市ゼロカーボンシティ推進設備設置費補助事業は「自ら居住している市内の住宅」が対象で、賃貸・事業用は明確に対象外です。加えて令和8年6月25日時点で予算上限に達し、新規受付は事実上終了しています。
Q4. 法人名義で所有するブロック塀の撤去でも補助は使えますか?
A. 入間市公式サイトの記載では申請者要件が「所有・管理する個人」とされています。法人名義での申請可否は明記が見当たらないため、必ず事前に開発建築課(04-2964-1111)へ直接ご確認ください。
Q5. 12条点検で外壁の要是正が見つかった場合、どこに相談すればいいですか?
A. 賃貸マンション・賃貸ビルなど建築基準法第6条第1項第1号〜第3号に該当する規模の建物は、入間市役所ではなく埼玉県川越建築安全センター(電話049-243-2746)が定期報告の窓口です。補修工事の施工会社選定については、明誠までお気軽にご相談ください。
Q6. 固定資産税の減額を受けるには、マンション管理計画認定が必須ですか?
A. 管理計画認定を受けているか、国土交通大臣または都道府県知事等の助言・指導の対象となっていることのいずれかが要件です。認定を取得していなくても、助言・指導の対象であれば特例の対象になり得ますので、詳細は資産税課(04-2964-1111)へご確認ください。
Q7. 工期はどれくらいですか?入居者への影響が心配です。
A. ロープアクセス工法なら足場工法の約60%の工期で完了します。8階建て・外周70mの賃貸マンションであれば、足場2.5か月に対しロープアクセス1.5か月前後が目安です。足場と養生シートを架けないため、入居者の生活への影響が大幅に軽減され、工事を理由とした退去のリスクを下げられます。
この記事のポイントまとめ
- 入間市に賃貸共同住宅名指しの耐震現金補助は現時点で見当たらない
- 木造耐震補助は戸建て限定、共同住宅は対象外
- 最大の武器は大規模修繕マンションの固定資産税1/3減額(令和9年3月末完了分まで)
- 令和7年開始の管理計画認定制度が固定資産税特例と融資優遇の入口
- ブロック塀撤去補助は上限10万円・個人限定(法人は要確認)
- ゼロカーボン設備補助は賃貸不可・令和8年度分は予算上限到達済み
- 12条点検の窓口は市役所でなく埼玉県川越建築安全センター
入間市の賃貸オーナーさまへ
正直に申し上げます。入間市は、現金がその場で振り込まれる補助金という切り口だけで見れば、当ブログでこれまで取り上げてきた自治体の中で、賃貸オーナーさまにとって決して手厚い市ではありません。
それでも私がこの記事で一番お伝えしたいのは、「補助金がない」と「メリットがない」はイコールではないということです。大規模修繕を実施し、管理計画認定という公的なお墨付きを取りに行くことは、固定資産税の減額だけでなく、金融機関からの評価、売却時の指値交渉、そして何より入居者に選ばれ続ける物件であり続けるための土台になります。
築年数なりの劣化は、賃料の下落圧力として静かに効いてきます。外壁のチョーキング、タイルの浮き、シーリングの切れは、内見に来た方の第一印象を確実に下げます。出口を見据えた修繕投資は、単年度の利回り改善より、物件価値そのものを底上げします。
入間市で賃貸マンション・貸しビルをお持ちで、まだ修繕計画の検討を始めていないオーナーさまは、ぜひ一度お問い合わせください。1棟の現地調査と、足場工法・ロープアクセス工法・ハイブリッド工法の3案を並べたコスト比較シミュレーションだけでも、ご相談を承ります。固定資産税特例の完了期限(令和9年3月31日)から逆算した工事計画のご提案も可能です。
▼ロープアクセス工法・無足場工法の詳細解説はこちら
ロープアクセスドットコム|無足場工法専門メディア
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月23日時点で公表されている入間市および埼玉県・国土交通省の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請・申告される前に、必ず入間市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年9月23日
出典(入間市・埼玉県公式ウェブサイト)
- 大規模修繕工事を行ったマンションに対する特例措置(更新日:2025年4月1日)
- マンション管理計画認定制度(更新日:2026年1月28日)
- ブロック塀等撤去工事補助制度について(更新日:2026年4月1日)
- 令和8年度入間市ゼロカーボンシティ推進設備設置費補助事業について(更新日:2026年6月25日)
- 木造住宅耐震診断・耐震改修・防災ベッド等補助制度について(更新日:2026年4月1日)
- 多数の者が利用する民間建築物の耐震診断・耐震改修補助金等関連情報(更新日:2023年3月31日)
- 開発・建築・道路等についての参考情報(建築基準法等について)
- 川越建築安全センター(埼玉県)


