大規模修繕はロープアクセスが提案可能な東京の明誠へ

創業から6000棟超の施工実績

大規模修繕の履歴が、収益物件の「売り時」を左右する——中古マンション在庫が動く2026年、オーナーが出口の前に確認すべき5つの実務

大規模修繕の履歴が、収益物件の「売り時」を左右する——中古マンション在庫が動く2026年、オーナーが出口の前に確認すべき5つの実務

「そろそろ、この一棟を手放そうか」。
収益物件をお持ちのオーナーさまから、私がいま一番よくいただくのが、この出口(売却)のご相談です。
そして、ほぼ必ずセットで出てくるのが「大規模修繕は、売る前にやるべきか、やらずに売るべきか」という問いです。

正直に申し上げます。これは、物件によって答えが正反対になります。
ですが、判断の「ものさし」は共通しています。それが、本日お伝えする修繕履歴という考え方です。

私は外壁・防水の現場で20年やってきて、足場を組む工事も、ロープでぶら下がる無足場の工事も、その両方を見てきました。その立場から、いまの市場で収益物件のオーナーさまが損をしないために、出口の前に確認すべきことを整理します。

結論から先に申し上げます。出口で得をするオーナーさまに共通しているのは、特別なことではありません。「自分の建物の状態を、数字と記録で説明できる」——ただそれだけです。逆に、ここが曖昧なまま売りに出ると、本来の価値より安く見られてしまう。本日は、その差がどこで生まれるのかを、現場の言葉でお話しします。


1. 2026年のいま、中古マンション市場で起きていること

まず、足元の市場を私なりに整理させてください。判断の前提が変わってきているからです。

都心の高額帯では「売却の長期化」、ただし首都圏全体の在庫は減少基調

2026年に入ってから、一部のメディアで「山手線の内側で中古マンションの在庫が増えている」「都心離れが始まった」という指摘が出ています。高額帯の物件で売却までの期間が延び、需要が周辺県へ動いている、という見立てです。

一方で、公的な統計を見ると、景色は少し違います。
東日本不動産流通機構(東日本レインズ)のまとめでは、2026年2月の首都圏中古マンションの在庫件数は4万5,112件で、前年同月比0.2%減と、7か月連続で減少しています。成約件数は4,241件(前年同月比2.1%増)、成約平均価格は5,458万円(同9.5%上昇)で、㎡単価は70か月連続の上昇です(出典:東日本レインズ 不動産市場動向)。

つまり、「全体としては在庫が増えて値崩れしている」のではなく、一部の高額帯・特定エリアで売れ行きにばらつきが出ている、というのが実態に近い。私はこの差を、現場の感覚でこう読んでいます。
「市場全体が悪いのではなく、物件ごとの“選ばれる/選ばれない”の差が、はっきり値段と日数に出るようになった」。

ここが、修繕履歴の話につながります。買い手が選別を始めた局面では、建物のコンディションが、いままで以上に価格と売却スピードを左右するのです。

一棟収益ビルが「大規模修繕工事中」のまま売りに出る時代

もう一つ、私が最近目にして「なるほど」と思った動きがあります。
一棟もの(建物を丸ごと一棟保有する収益物件)の販売情報で、「大規模修繕工事中」「下地補修・シーリング工事・外壁塗装・防水工事を実施」といった条件を、わざわざ前面に出して売り出すケースが増えてきました。

これは売り手が、修繕を「コスト」ではなく「セールスポイント(買い手の安心材料)」として使い始めた、ということです。
かつては「修繕したばかり=出費した直後で利回りが下がる」とネガティブに見られがちでした。いまは逆に、「直近で大規模修繕済み=当面の大きな出費が読める」と、ポジティブに評価する買い手が増えています。

私はこの変化を、とても良い兆候だと思っています。建物を丁寧に直してきたオーナーさまが、その努力をきちんと値段で回収できる時代になりつつある、ということだからです。

現場で見た「履歴がある建物」と「ない建物」の差

少し、現場の話をさせてください。
以前、ある一棟ビルのオーナーさまから「売却を考えているが、外壁が気になる」とご相談を受けたことがあります。築20年を超え、タイルの一部に浮き(タイルが下地から剥がれかけ、叩くと空洞音がする状態)が出ていました。図面も、過去の修繕の記録も、ほとんど残っていない物件でした。

私が一番困ったのは、劣化そのものよりも「これまで何をしてきたか分からない」ことでした。
記録がないと、買い手は最悪を想定します。「下地までやられているかもしれない」「配管も限界かもしれない」と。結果として、本来は健全な部分まで割り引かれて値踏みされてしまう。これは、オーナーさまにとって本当にもったいない話です。

逆に、修繕の記録をきちんと残してきた建物は、強い。
「12年目に外壁と防水を一式やり、シーリングは18年目に打ち替えた」という履歴が一枚あるだけで、買い手の不安は一気に下がります。現場で20年やってきて、私が一番悔しい思いをするのは、丁寧に管理してきたオーナーさまが、記録がないというだけで安く買い叩かれる場面です。
だから私は、工事そのものと同じくらい、「記録を残すこと」を大切にしてください、とお伝えしています。


2. なぜ「修繕履歴」が収益物件の価格と速さを左右するのか

ここからが本題です。なぜ修繕履歴が、それほど効くのか。理由はシンプルです。

買い手が本当に見ているのは「これからいくらかかるか」

収益物件の買い手は、投資家です。投資家が見ているのは、表面的な利回りだけではありません。
「買った後、何年で、いくらの修繕費が追加でのしかかるか」——この将来コストの見通しこそが、買い手にとっての最大のリスクです。

ここで、国土交通省の調査が一つの目安になります。
国交省が200社・818件の工事事例を集計した「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」によると、戸あたりの工事金額で最も多かったのは100万〜125万円/戸の価格帯でした(出典:国土交通省 マンション大規模修繕工事に関する実態調査)。

仮に30戸の物件なら、単純計算で3,000万〜3,750万円。これだけのまとまった出費が「いつ来るか分からない」のと、「直近でやったばかりで、次は10年以上先」とでは、買い手の安心感がまったく違います。
修繕履歴とは、この将来コストの不確実性を下げる証明書なのです。だから価格と売却スピードに効きます。

区分所有なら、修繕積立金と長期修繕計画の整合も見られる

一棟ものではなく、区分マンション(建物の一室単位で保有する形態)を収益物件としてお持ちの場合は、もう一段見られるポイントがあります。管理組合の修繕積立金長期修繕計画(将来の修繕を時系列で見積もった計画書)の状態です。

国土交通省は2024年6月に「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」を改定しました。
段階的に積立金を増やしていく「段階増額積立方式」について、計画初期の額は均等積立とした場合の基準額の0.6倍以上、最終額は1.1倍以内に収める、という考え方が新たに示されています(出典:国土交通省 修繕積立金ガイドライン改定)。

これは裏を返せば、積立金が極端に安く据え置かれている物件は、「いずれ大幅値上げか一時金徴収が来る」と買い手に警戒される、ということです。
区分の収益物件を売るなら、修繕積立金が計画に対して健全か、直近の大規模修繕がいつ行われたかを、買い手は必ず確認してきます。

売却査定の現場で、修繕履歴はこう効く

もう少し具体的にお話しします。
不動産会社が収益物件を査定するとき、外壁や屋上防水の状態は、査定額の調整項目として必ずチェックされます。「外壁に大きなひび割れがある」「屋上の防水が切れていて雨染みがある」となれば、買い手は補修費用を見込んで指値(値引き交渉)をしてきます。

このとき、修繕履歴があると交渉の景色が変わります。
「外壁・防水は3年前に一式実施済み、保証書もあります」と一枚の資料で示せれば、買い手は補修費の上乗せ分を差し引く理由を失います。つまり、修繕履歴は指値をはね返す盾になるのです。

私は、これを「攻めの履歴管理」と呼んでいます。工事をするだけでなく、いつ・どこを・どんな仕様で直したかを記録として残し、売却時にそのまま渡せる形にしておく。これだけで、同じ建物でも数十万円から、規模によってはそれ以上、手残りが変わってきます。


3. 「修繕してから売る」か「現状のまま売る」か——4つの判断軸

では、本丸の問いです。出口の前に大規模修繕をやるべきか、やらずに売るべきか。
私はいつもオーナーさまに、次の4つの軸で一緒に整理しましょう、とお伝えしています。

判断軸の比較

判断軸 「修繕してから売る」が有利 「現状のまま売る」が有利
建物の劣化状況 外壁のひび割れ・タイル浮き・雨漏りなど、見て分かる劣化がある 劣化が軽微で、買い手が「すぐ直す必要なし」と判断できる
買い手の層 実需に近い・修繕を嫌う個人投資家が中心 自分で直す前提のプロ・買取再販業者が中心
市場の状況 在庫が多く、差別化が必要な局面 売り手有利で、現状でも複数の買い手がつく局面
資金と時間 工事資金があり、売却を急がない 手元資金を使いたくない・早期に現金化したい

ざっくり言えば、「劣化が目に見えていて」「修繕を嫌う買い手が相手で」「急がない」なら、直してから売る方が有利になりやすい。逆に、プロが相手で早く現金化したいなら、現状のまま価格を調整して売る方が合理的なこともあります。

ただし、こういうケースは「修繕してから」が不利になる

両論併記でお伝えします。修繕してから売れば必ず得、というわけではありません。

第一に、かけた工事費がそのまま売値に上乗せできるとは限らないケースです。買取再販のプロが相手だと、「修繕済みでも自社基準でやり直す」ため、工事費を評価してもらえないことがあります。この場合、修繕は持ち出しになりかねません。

第二に、売却を急ぐのに工事期間を待てないケースです。大規模修繕は足場を組む一般的な工法だと、規模にもよりますが数か月かかります。その間に市況が変わるリスクもあります。

第三に、過剰な修繕です。出口が決まっているのに、20年先まで見据えた仕様で直してしまうと、回収できない投資になります。出口前の修繕は「買い手が安心する最小限」に絞るのが、私の考えです。

だからこそ、出口の前の修繕は「やるか・やらないか」の二択ではなく、「どこまでやるか・いくらで・どの工法で」まで含めて設計する必要があるのです。


4. 大規模修繕のコストを、出口から逆算して最適化する

「やる」と決めた場合、次は中身です。出口前の修繕は、コストの最適化がそのまま手残りに直結します。

工事費の約2割を占める「仮設足場」をどう削るか

ここで、多くのオーナーさまが見落としがちな数字をお伝えします。
先ほどの国交省の実態調査では、工事費に占める仮設工事費の割合は約22.8%でした(建築工事は約60.3%)(出典:国土交通省 マンション大規模修繕工事に関する実態調査)。

仮設工事の中心は、建物の周りに組む足場です。つまり、工事費のおよそ5分の1が、直接「直す」ためではなく「作業の足場を作る」ためのコストだということです。
戸あたり100万円の工事なら、ざっと20万円強が足場関係。これは「直した結果」として建物に残るものではありません。

出口を見据えるなら、ここを削れるかどうかは大きい。だから私は、足場をどう扱うかを最初に考えます。

ロープアクセス(無足場工法)という選択肢

そこで登場するのが、ロープアクセス工法です。
これは、産業用ロープで作業員が建物の上から吊り下がり、足場を組まずに外壁の補修や塗装、防水を行う「無足場工法」のことです(屋上などからロープで降りて作業する方法、とイメージしてください)。

足場を組まない分、仮設費を抑えられ、工期も短くできるケースが多い。さらに、足場がないことで居住者・テナントの生活や営業への影響が小さく、防犯面(足場を伝った侵入リスク)でも安心という副次的なメリットもあります。

ただし、ロープアクセスが万能というわけではありません。広い面を一気に塗る作業や、大量の資材を扱う工事では、足場の方が効率的なこともあります。だから私は、足場・ロープアクセス・その両方を部位ごとに使い分けるハイブリッド工法の3つを、建物ごとに比較してご提案するようにしています。
(工法の詳しい考え方はロープアクセス工法のご紹介、修繕全体の進め方は大規模修繕工事のご紹介をご覧ください。)

私はこれを、必ずワンセットで提案するようにしています。なぜなら、「足場ありき」で見積もると、削れたはずのコストが見えないまま埋もれてしまうからです。出口を控えたオーナーさまにとって、この差は手残りそのものです。

戸あたり換算で、自分の財布で考える

数字を、もう一度オーナーさまの財布感覚に落とし込みます。
戸あたり100万〜125万円という工事費のうち、約2割が仮設足場。仮にロープアクセスやハイブリッドで仮設の一部を圧縮できれば、戸あたり数万円〜十数万円の差が出ることもあります。30戸なら、その差は数十万円〜数百万円規模です。

もちろん、これは建物の形状や劣化状況によって大きく変わりますので、断定はできません。
ですが、「足場が当たり前」という前提を一度外して比較するだけで、出口の手残りが変わる可能性がある——この点だけは、ぜひ頭の片隅に置いていただきたいのです。

数字でイメージする——あくまで一例として

具体的なイメージを持っていただくために、あくまで一例として簡単な試算をしてみます。
築20年・30戸の一棟マンションで、外壁塗装・防水・シーリングを中心に大規模修繕を行うとします。先ほどの国交省データの戸あたり100万円を仮の基準にすると、工事費はおよそ3,000万円。このうち仮設工事が約2割なら、足場関係は600万円前後という計算になります。

ここで、建物の形状や立地が無足場施工に向いていて、仮設の一部をロープアクセスやハイブリッドに置き換えられたとします。仮に仮設費の一部を圧縮できれば、全体で数十万円から、条件次第では百万円単位の差が生まれることもあります。

繰り返しますが、これはあくまで前提を置いた一例で、実際の金額は建物ごとにまったく異なります。断定はできません。
私がお伝えしたいのは、金額の大小そのものではなく、「足場という前提を疑ってみる価値がある」ということです。出口を控えたオーナーさまにとって、この一手間が、最後の手残りを左右します。


5. なぜ私は「足場ありきの一社見積もり」を勧めないのか

工法の話をすると、必ずいただく質問があります。「結局、どの会社に頼めばいいのか」。
ここは利益相反になりますので、見出しで区切ったうえで、私の考えを正直に申し上げます。

相見積もりは、工法をまたいで取る

大規模修繕の見積もりは、複数社から取る「相見積もり」が基本です。これは多くのオーナーさまがご存じです。
ですが、見落とされがちなのは、工法をまたいで比較するという視点です。足場前提の会社ばかり3社に声をかけると、3社とも仮設足場のコストを前提にした見積もりが並びます。比べているようで、実は同じ土俵の中でしか比べていない。

私がおすすめしたいのは、足場前提の見積もりと、ロープアクセスやハイブリッドを含む見積もりを、並べて比べることです。そうして初めて、「この建物は、どの工法が一番コスト効率が良いのか」が見えてきます。出口を控えているなら、この一手間が手残りに直結します。

「安かろう悪かろう」を避ける仕組み

とはいえ、安ければいいという話ではありません。安い見積もりの裏で、下地補修の数量がごまかされていたり、塗料のグレードが落とされていたりすれば、結局すぐに再劣化します。それでは、売った後にトラブルの種を残すことにもなりかねません。

私たちは、塗装・防水・タイル・シーリングといった各分野の専門職が連携する体制で施工しています。各工程に専門の職人が責任を持つことで、「無足場でコストは抑えつつ、品質は落とさない」を両立させる——これが、私が現場でこだわってきたことです。
価格と品質は、本来トレードオフではありません。工法の選択と、職人の組み方しだいで、両立できる余地があるのです。


6. 出口の前に、オーナーが確認すべき5つの実務

最後に、読み終えたら何をすべきか。具体的なチェックリストにします。

  1. 直近の修繕履歴を一枚にまとめる。 いつ・どこを・いくらで直したかを時系列で整理する。これが買い手への「将来コストの見通し」になります。区分なら長期修繕計画と修繕積立金の状況も添える。
  2. 建物診断(劣化調査)を受ける。 いまの建物が「直してから売る」べき状態か、「現状で売れる」状態かを、客観的に把握する。主観で決めない。
  3. 修繕の範囲を「出口仕様」に絞る。 20年先までではなく、買い手が安心する最小限に。過剰修繕は回収できません。
  4. 複数の工法で見積もりを取る。 足場前提だけでなく、ロープアクセス・ハイブリッドを含めて比較し、仮設費を見える化する。
  5. 「修繕してから売る/現状で売る」を数字で比較する。 第3章の4つの軸に、工事費・想定上乗せ額・工期を当てはめ、手残りで判断する。

このうち、私が特にお伝えしたいのは4番です。
工法を比較するだけで、出口の手残りが変わることがある。けれど、足場前提の一社見積もりだけでは、その差はそもそも見えません。

「うちの建物は、足場とロープ、どちらが向いているのか」。
それだけでも、お問合せフォームからご相談いただければ、現場目線で一緒に整理します。売る前提でも、まだ売らない前提でも構いません。判断材料を増やすことが、オーナーさまの損を防ぐ一番の近道だと、私は考えています。


7. 6月は「総会・予算」の季節——出口の話を切り出す好機

ここで、季節の話を一つ。
6月は、マンション管理組合の通常総会が集中する時期です。区分の収益物件をお持ちの方なら、ちょうど管理組合から決算や修繕の議案が届いている頃でしょう。一棟ものでも、年度初めの予算を見直すには良いタイミングです。

私は、この6月という時期を、出口を考えるオーナーさまにこそ活用してほしいと思っています。理由は二つあります。

一つは、情報が手元に揃うからです。総会資料には、長期修繕計画の進捗、修繕積立金の残高、次回の大規模修繕の予定時期が書かれています。これは、買い手が見たがる「将来コストの見通し」そのものです。総会のタイミングで一度整理しておけば、いざ売るときの資料がそのまま使えます。

もう一つは、判断に使える時間があるからです。仮に「修繕してから売る」と決めても、工事の計画から完了までには時間がかかります。秋から冬の工事を狙うなら、夏前のいまから工法の比較や見積もりを始めるくらいで、ちょうど良い。慌てて決めた修繕ほど、過剰になったり割高になったりしがちです。

総会の議案を眺めながら、「この建物、あと何年で次の大規模修繕が来るのか」「そのとき、足場とロープ、どちらが合うのか」を一度考えてみてください。
理事会や管理会社との会話の中で、1分だけでもこの話題を出しておくと、半年後・1年後の判断がずいぶん楽になります。


8. よくある質問(FAQ)

Q. 大規模修繕をしてから売ると、工事費はそのまま売値に上乗せできますか。
A. できるとは限りません。実需に近い買い手なら評価されやすい一方、買取再販のプロが相手だと自社基準でやり直すため、評価されないこともあります。買い手の層を見極めることが先決です。

Q. ロープアクセス(無足場工法)は、足場を組む工事より必ず安くなりますか。
A. 必ずではありません。仮設足場の費用を抑えられるケースは多いですが、広い面を一気に施工する工事などでは足場の方が効率的なこともあります。建物ごとに比較するのが前提です。

Q. 売却を急いでいます。それでも修繕してから売るべきですか。
A. 急ぐ場合は、現状のまま価格調整で売る方が合理的なことが多いです。大規模修繕は規模により数か月かかるため、工期と市況変動のリスクを天秤にかけてください。

Q. 区分(一室)の収益物件です。何を準備すればよいですか。
A. 管理組合の長期修繕計画と修繕積立金の健全性が見られます。積立金が計画に対して不足していないか、直近の大規模修繕の実施時期を確認し、資料として用意しておくと売却がスムーズです。

Q. まだ売るか決めていません。それでも相談していいですか。
A. もちろんです。むしろ、出口を決める前に建物の状態と工法の選択肢を把握しておくことが、後悔しない判断につながります。

Q. 修繕履歴の資料は、どの程度まとめておけば十分ですか。
A. 完璧な書類でなくて構いません。実施時期・工事箇所・おおよその金額・施工会社・保証の有無が一枚で分かれば、買い手の不安は大きく下がります。見積書や工事写真が残っていれば、あわせて保管しておくとより安心です。


出典・参考資料


ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
出口の前にやるべきことは、突き詰めれば「自分の建物の状態を、客観的な数字で把握しておく」——ただそれだけです。
売る・売らないにかかわらず、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会や売却の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。次回も、現場で本当に使える話だけをお届けします。