大規模修繕の費用は、いま「静かに」上がり続けている
「前回の大規模修繕から12年。そろそろ二回目を、と長期修繕計画を開いたら、積み立てているお金では足りそうにない」。私が理事長さまからいちばん多くいただくご相談が、まさにこれです。
理由ははっきりしています。工事そのものの値段が、この数年で確実に上がっているからです。しかも、テレビのニュースで大きく騒がれるわけではなく、数字の上で静かに、しかし着実に上がり続けている。だからこそ、計画を立てた当時の見積もりと、実際に発注する段になっての見積もりのあいだに、大きな開きが生まれます。
一般財団法人 建設物価調査会が2026年8月10日に公表した最新の「建設物価 建築費指数」(東京、2015年平均=100)を見ると、その傾向がはっきり表れています。2026年7月時点で、集合住宅(鉄筋コンクリート造)の工事原価は146.5となり、前月比で0.6%上昇しました。事務所(鉄骨造)は145.3で前月比1.0%上昇、工場(鉄骨造)は143.8で0.8%上昇、木造住宅は152.3で0.5%上昇。つまり、代表的な四つの建物種類がそろって上がっているのです(出典:一般財団法人 建設物価調査会「建設物価 建築費指数」)。
この記事では、大規模修繕の費用がなぜ上がっているのかという背景を整理したうえで、コストを抑えるための三つの視点を、現場で20年やってきた私の言葉でお伝えします。マンション管理組合の理事長さまはもちろん、収益物件をお持ちのオーナーさまにも役立つ内容にしたつもりです。まずは、いま起きている事実から見ていきましょう。
2026年7月の建築費指数が示している事実
建築費指数というのは、資材の価格や職人さんの手間賃(労務費)などを組み合わせて、「工事の値段そのもの」がどう動いているかを示す物価の一種です。2015年の平均を100とすると、集合住宅(RC造)は146.5。ざっくり言えば、2015年に比べて工事原価が約46%上がっている、ということです。
ここで大切なのは、これは一時的な跳ね上がりではなく、毎月じわじわと更新され続けているという点です。前月比プラス0.6%は小さく見えるかもしれません。しかし、こうした小さな上昇が積み重なった結果が、いまの「約46%増」という水準です。次回の8月分は2026年9月10日に公表予定とされていますが、私の実感では、当面この流れが急に止まる気配はありません。
管理組合の長期修繕計画は、数年前、場合によっては10年以上前に立てられていることが珍しくありません。その当時の単価で積み立ててきたお金と、いまの工事原価。この二つのあいだに開きが生まれるのは、ある意味で当然のことなのです。
なぜ「工事原価」が理事会の想定を超えるのか
もう一つ知っておいていただきたいのが、国が公表している「建設工事費デフレーター」という指標です。これは国土交通省が毎月まとめているもので、名目上の工事費を基準年の実質的な価値に置き換えるための物差しです(出典:国土交通省「建設工事費デフレーター」)。
私がこの二つの公的な指標をあえてご紹介するのは、「値上がりは、うちの会社が勝手にそう言っているわけではありません」ということをお伝えしたいからです。理事会で「今回はずいぶん見積もりが高いですね」という声が上がったとき、感覚論ではなく、公的機関の数字を根拠にご説明できる。これは理事長さまが総会で住民のみなさまに説明されるときにも、必ず力になります。正直に申し上げます。値上がりの現実からは、誰も逃げられません。だからこそ、次に大事になるのが「その中でどう費用を抑えるか」なのです。
建築費が上がっている三つの背景
「なぜ上がっているのか」を理事会でひと言で説明できると、住民のみなさまの納得感がまるで変わります。背景は大きく三つに分けられます。
背景①:資材価格の上昇
まず、工事に使う材料そのものの値段です。鉄筋やコンクリート、外壁の塗料、防水シート、シーリング材。これらの多くは原油価格や為替、海外の需給の影響を受けます。私が現場に入り始めた頃と比べると、同じ品質の塗料でも仕入れ値は明確に上がりました。
材料費は工事費の中でも大きな割合を占めますから、ここが上がると全体を押し上げます。「前回と同じ仕様でお願いします」と言っても、材料の単価が変わっている以上、総額は同じにはなりません。これは、どの施工会社に頼んでも同じことです。
背景②:職人不足と労務費の上昇
二つ目が、人の問題です。建設業界は高齢化と担い手不足が長く言われてきました。腕のいい職人さんほど引く手あまたで、当然、手間賃も上がります。
私が現場で20年やってきて一番痛感しているのは、「良い工事は、良い職人さんがいて初めて成り立つ」ということです。値段を無理に叩けば、その皺寄せはどこかに出ます。だからこそ、適正な労務費はきちんとお支払いしたい。ただ、その分が工事費に反映されるのは避けられません。労務費の上昇は、品質を守るための必要なコストでもあるのです。
背景③:法改正と「2024年問題」の影響
三つ目が、制度面です。2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が本格適用されました。いわゆる「2024年問題」です。働き方が是正されるのは良いことですが、一人あたりの労働時間に上限ができれば、同じ工事に必要な人員や工期の組み方は変わります。これも、間接的に工事費へ効いてきます。
資材・労務・制度。この三つが同時に効いているのが、いまの建築費上昇の正体です。ひとつが落ち着いても、別のひとつが押し上げる。だから「静かに、しかし着実に」上がり続けているわけです。
費用が上がる時代に、修繕積立金が追いつかない現実
工事費が上がる一方で、多くのマンションでは修繕積立金(将来の大規模修繕にそなえて毎月積み立てるお金)が、計画どおりでも足りなくなりつつあります。ここには、制度側の見直しも関係しています。
国のガイドライン改定で「30年・大規模修繕2回分」へ
国土交通省は2024年6月に、「長期修繕計画作成ガイドライン」と「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」を改定しました。大きな変更点の一つが、既存マンションの長期修繕計画の対象期間を「25年以上」から「30年以上」へと延ばし、大規模修繕工事を2回分含めることを標準としたことです(出典:国土交通省「住宅:マンション管理(長期修繕計画・修繕積立金ガイドライン)」)。
なぜ30年・2回分なのか。一回目の修繕は比較的軽く済んでも、二回目には給排水管の更新や、大がかりな防水のやり直しなど、費用のかさむ工事が重なりやすいからです。つまり、長い目で見て「本当に必要になるお金」を、早い段階から見積もっておきましょう、という趣旨です。
段階増額積立方式の落とし穴
修繕積立金の積み立て方には、大きく二つあります。計画期間を通じて毎月の額を一定にする「均等積立方式」と、最初は安く、あとから段階的に引き上げていく「段階増額積立方式」です。
新築時の販売現場では、月々の負担を軽く見せたい事情から、段階増額方式が選ばれがちです。ところが、いざ引き上げの局面になると総会での合意が得られず、値上げが先送りされる。その間にも工事費は上がっていく。気づけば、計画で想定した積立額そのものが、いまの工事費水準に足りていない——。私が現地調査でうかがう築古のマンションで、この構図は本当によく目にします。
ここで悲観する必要はありません。「積立金が足りないなら、工事費のほうを賢く抑える」という発想があるからです。ここからが、この記事の本題です。
コストを抑える視点①:工法を選んで「足場費」を圧縮する
大規模修繕の見積書を開いたとき、多くの理事長さまが驚かれるのが「仮設足場」の金額です。実は、この足場が総工事費に占める割合は決して小さくありません。ここに、コストを抑える最初の大きなヒントがあります。
足場費が総工事費に占める割合
一般的なマンションの大規模修繕では、外壁を塗り替えたり防水をやり直したりする「本体の工事」とは別に、まず建物のまわりを覆う仮設足場を組む必要があります。この足場の設置・解体・レンタル費用が、工事全体のかなりの部分を占めることがあります。
しかも足場は、組んでいる間じゅう費用がかかります。工期が延びれば延びるほど、足場の負担も膨らむ。私はいつも理事長さまに、「本体の工事だけでなく、足場という“土台のコスト”にも目を向けてください」とお伝えしています。
ロープアクセス(無足場工法)という選択肢
そこで有効なのが、ロープアクセス工法です。これは産業用のロープを使い、作業員が屋上から吊り下がって外壁の補修や塗装、防水、シーリングの打ち替えなどを行う「無足場工法」です。文字どおり、足場を組まずに施工します。
足場を架けない分、仮設にかかる費用と時間を大きく圧縮できるのが最大の利点です。加えて、足場がないので建物の景観や日当たりへの影響が少なく、足場を伝った侵入といった防犯上の不安も減らせます。工期が短く済めば、居住者や入居者のみなさまの生活へのストレスも小さくなります。
もちろん、万能ではありません。建物の形状や工事の範囲によっては、足場を組んだほうが合理的なケースもあります。そこは正直にお伝えします。大事なのは「最初から足場ありきで考えない」という姿勢です。
現場で見てきた、ある築古マンションの話
以前、私がうかがった高層のマンションでは、一部の外壁のひび割れとタイルの浮きだけが問題になっていました。理事会では「また全面に足場を組むのか」と、費用と工期の両面でため息が漏れていたのを覚えています。
このケースでは、傷んでいる箇所を狙ってロープアクセスで補修する方針をご提案しました。全面足場を前提にした当初の想定と比べ、仮設まわりの負担を抑えられ、工期も短くできた。理事長さまから「足場を組まないという発想が、そもそも頭になかった」と言われたのが、いまでも印象に残っています。私はこの工法を、条件が合えば必ず選択肢の一つとしてご提案するようにしています。
ロープアクセス工法の詳しい仕組みは、ロープアクセス工法のご紹介ページにまとめています。あわせてご覧ください。
コストを抑える視点②:3工法から「建物に最適」を選ぶ
視点①でお伝えしたロープアクセスは強力な選択肢ですが、それ一本槍でも不十分です。本当に費用を抑えるコツは、「足場」「ロープアクセス」「その両方の組み合わせ」という三つの工法から、その建物にいちばん合うやり方を選ぶことにあります。
足場・ロープアクセス・ハイブリッドの比較
三つの工法の特徴を、ざっくり整理するとこうなります。
- 通常足場工法:建物全体を足場で覆う従来型。作業が安定し、大量の工程を同時に進めやすい一方、仮設の費用と工期がかさむ。中低層や複雑な形状の建物に向く。
- ロープアクセス工法(無足場):足場を組まずロープで施工。仮設費と工期を圧縮でき、居住者・入居者への影響が小さい。高層や、足場を架けにくい物件、コストを最重視する物件に向く。
- ハイブリッド工法:足場とロープアクセスを、建物の部位ごとに使い分ける。大規模で複雑な物件の、総合的なコスト最適化に向く。
私の会社が大切にしているのは、この三つを「建物ごとに組み合わせて提案できる」ことです。たとえば、低層部やバルコニー側は足場、上層のフラットな外壁はロープアクセス、というように部位で分ける。これがハイブリッドの考え方です。三つの工法を持っているからこそ、「この建物なら、ここまで仮設を減らせます」という具体的な提案ができます。
デメリットや向き不向きも、正直にお話しします
工法選びで一番やってはいけないのは、「うちはこれしかできないから、これでいきましょう」という提案です。足場しか持たない会社なら足場を、ロープしか持たない会社ならロープを勧めることになりがちで、それが本当に建物にとって最適とは限りません。
ロープアクセスにも不向きな場面はあります。たとえば、外壁の全面をまとめて改修する必要があり、同時に多くの職人を投入したほうが早い、というケースでは足場が合理的です。逆に、傷みが局所的で、全面足場が過剰投資になる場面ではロープが効きます。こうした「向き・不向き」を両論できちんとお伝えできるかどうかが、施工会社の誠実さの分かれ目だと私は思っています。
3工法を使い分ける考え方や、大規模修繕全体の進め方については、大規模修繕工事のご紹介ページで詳しくご説明しています。
コストを抑える視点③:発注の仕方とタイミングで差がつく
工法の次に効いてくるのが、「どう発注するか」と「いつ動くか」です。ここは、理事会の進め方ひとつで結果が変わる部分です。
相見積もりは「仕様を揃えて」比べる
複数の会社から見積もりを取る「相見積もり」は基本です。ただ、ここで落とし穴があります。各社がバラバラの仕様・数量で見積もると、金額だけを並べても正しく比べられないのです。安く見える見積もりが、実は必要な工事を省いているだけ、ということも起こり得ます。
私がおすすめしているのは、工事の範囲や使う材料のグレード、数量の前提をできるだけ揃えたうえで比較することです。可能なら、第三者のコンサルタントや、信頼できる会社に「見積もりの読み解き方」を相談するのも良い方法です。値段の裏にある中身まで見て初めて、本当のコスト比較になります。
先送りが、いちばん高くつく
もう一つ、声を大にしてお伝えしたいことがあります。建築費が上がり続けているいま、「もう少し様子を見よう」という先送りは、多くの場合いちばん高くつきます。
理由は二つ。一つは、これまで見てきたとおり工事費そのものが毎月上がっていること。もう一つは、劣化を放置すると、傷みが下地まで進んで工事の範囲が広がり、結果として費用が膨らむからです。ひび割れから雨水が入り、内部の鉄筋が錆びてコンクリートを押し割る「爆裂」まで進むと、簡単な補修では済まなくなります。雨漏りが出てからでは、対応の選択肢も費用も、条件が悪くなる一方です。
「今年は見送って、来年に」と判断された理事会が、翌年さらに高い見積もりを前にため息をつく——。私は、この場面を何度も見てきました。だからこそ、まずは現状を正確に把握することから始めていただきたいのです。漏水や雨漏りの兆候が気になる場合は、漏水・雨漏り調査のご案内もご確認ください。
工期の短縮が、見えないコストまで下げる理由
工法を語るとき、私はいつも「工期」の話をセットでします。工期の長短は、見積書に載る金額だけでなく、そこに載らない“見えないコスト”にも効いてくるからです。
足場がある期間は、それ自体がコスト
前にもお伝えしたとおり、仮設足場は組んでいるあいだじゅう費用が発生します。工期が1か月延びれば、そのぶん足場のレンタル期間も延びる。ここは見積書に金額として表れる、わかりやすいコストです。
ロープアクセスやハイブリッドで工期を圧縮できれば、この仮設まわりの負担を素直に減らせます。私が現場で「まず工期を短くできないか」を考えるのは、それが金額に直結すると知っているからです。
居住者・入居者にかかる「見えない負担」
もう一つ、金額には出にくいけれど確実に存在するのが、住んでいる方・借りている方への負担です。足場が長く架かっていれば、その間は窓を開けづらく、洗濯物も外に干しにくい。日当たりもさえぎられます。防犯面の不安を口にされる住民の方も少なくありません。
マンションの管理組合であれば、この負担は住民の不満となって理事会に返ってきます。賃貸物件のオーナーさまであれば、工事期間中の住み心地の悪化が、更新をためらう入居者を生むこともあります。工期が短いということは、こうした見えない負担を小さくするということでもあるのです。私はこれを、金額の話と切り離さず、必ずワンセットでご説明するようにしています。
明誠が3工法とフランチャイズで実現していること
ここまで「工法を比べて選ぶことが大事」と繰り返してきました。では、なぜそれを一つの会社でできるのか。最後に、私たちの取り組みを少しだけご紹介させてください。手前味噌にならないよう、事実だけをお話しします。
私の会社は、通常の足場を使う工事、無足場のロープアクセス工事、そしてその両方を組み合わせるハイブリッド工法の三つを、建物に応じて選んでご提案できる、日本でも数少ない会社です。多くの施工会社は、いずれか一つか二つの工法しか手元に持っていません。だから、どうしても「自社ができる工法」に寄った提案になりがちです。三つとも持っているからこそ、私たちは建物の側に立って「この物件なら、この組み合わせがいちばん無駄がありません」と言えます。
加えて、ロープアクセス工事としては日本で初めてとなるフランチャイズ展開も行っています。塗装・防水・タイル・電気・看板といった各分野の専門職が加盟しており、それぞれの得意を持ち寄ることで、高い品質と抑えた価格の両立をめざしています。専門職がそれぞれの領域に責任を持つ体制は、仕上がりの確かさにもつながります。私たちの強みや考え方は、明誠の3工法・コンセプトのご紹介にもまとめていますので、あわせてご覧いただければと思います。
収益物件オーナーの視点:NOIと出口を見据えた修繕投資
ここまでは主に管理組合の理事長さま向けにお話ししてきましたが、賃貸マンションやビルをお持ちのオーナーさまには、もう一段、経営目線での視点を加えさせてください。
オーナーさまにとって修繕は、単なる支出ではなく「NOI(実質的な賃料収入)と物件価値を守るための投資」です。外壁が傷んで見た目が古びれば、内見時の印象が落ち、空室期間の長期化や賃料の下落圧力として静かに効いてきます。入居率が1%変わるだけで、年間のキャッシュフローには無視できない差が生まれます。適切なタイミングでの修繕は、この下落圧力を抑える打ち手です。
税務面も見逃せません。工事の内容によって、その年の経費(修繕費)として損金算入できるものと、資産計上して減価償却していく「資本的支出」に分かれます。どちらに当たるかで、その年の手残りは大きく変わります。判断は税理士のご確認が必要ですが、発注前に「これは修繕費か、資本的支出か」を意識しておくだけでも、資金計画の精度が上がります。
そして出口。売却を見据えるなら、修繕の履歴と建物のコンディションは、収益還元で評価される物件価値そのものを底上げします。工法を工夫して仮設費を抑えられれば、同じ予算でより本質的な部分に手をかけられる。これは利回りの改善というより、資産価値の維持・向上に直結する話です。ビルやマンションを保有されているオーナーさま向けの考え方は、マンション・ビルオーナーさま向けページにもまとめています。
まとめ:費用が上がる今こそ、工法と計画を見直す
最後に、今日の話を整理します。
建築費は静かに、しかし着実に上がり続けています。2026年7月時点で、集合住宅(RC造)の工事原価は2015年比で約46%の水準に達し、代表的な四つの建物種類がそろって上昇しました。この流れの中で、修繕積立金が計画に追いつかないマンションは少なくありません。
けれど、打つ手はあります。第一に、ロープアクセス(無足場工法)を選択肢に入れ、大きな割合を占める足場費を圧縮すること。第二に、足場・ロープアクセス・ハイブリッドの三つの工法から、建物にいちばん合うやり方を選ぶこと。第三に、仕様を揃えた相見積もりで中身を比べ、そして何より、先送りせずに早く動くこと。
私はいつも理事長さまに、そしてオーナーさまに、こうお伝えしています。「値上がりは止められません。でも、工法と計画の見直しで、支払う金額はまだ抑えられます」と。これは、現場で20年見てきた私の、嘘偽りのない実感です。
お持ちの建物で、まだ工法の比較検討を始めていない管理組合さま・オーナーさまは、ぜひ一度お声がけください。現地調査と、足場を減らせるかどうかの見立てだけでも承ります。総会や資金計画の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。ご相談はお問合せフォームから遠慮なくどうぞ。次回も、現場で本当に使える話だけをお届けします。
よくある質問(FAQ)
Q. 大規模修繕の費用は、これからも上がり続けるのですか。
A. 断定はできませんが、資材・労務・制度の三つの要因が同時に効いており、当面は上昇基調が続く可能性が高いと考えられます。建設物価調査会の建築費指数は毎月更新されており、2026年7月時点でも前月比で上昇しました。最新の動向は公的な指標でご確認いただくのが確実です。
Q. ロープアクセス工法にすれば、必ず安くなりますか。
A. 「必ず」とは申し上げられません。足場費を圧縮できるためコストを抑えやすい工法ですが、建物の形状や工事範囲によっては足場のほうが合理的な場合もあります。だからこそ、複数の工法を比較して建物ごとに最適解を選ぶことが大切です。
Q. 修繕積立金が足りない場合、どうすればよいですか。
A. 積立金の見直しと並行して、工事費そのものを抑える工夫が有効です。工法の選択、仕様を揃えた相見積もり、劣化が広がる前の早期着手などで、支払う総額を抑えられる余地があります。まずは現状把握のための調査からお勧めします。値上げの合意形成が難しい局面でも、工事側で抑えられる部分があると分かるだけで、理事会の議論は前に進みやすくなります。
Q. ハイブリッド工法とは、具体的にどういうものですか。
A. 一棟の建物の中で、部位ごとに足場とロープアクセスを使い分ける工法です。たとえば低層部やバルコニー側は足場で安定して作業し、上層のフラットな外壁面はロープアクセスで仮設を減らす、といった組み合わせ方をします。建物の形状や劣化の分布に合わせて設計するため、全面足場や全面ロープよりも無駄を減らせる場合があります。どの組み合わせが最適かは、現地調査のうえでご提案します。
Q. 調査や見積もりだけの相談でも受けてもらえますか。
A. もちろんです。現地調査と、足場を減らせるかどうかの見立てだけでも承っています。工事を前提としないご相談でも構いません。総会や資金計画の前に、いまの建物の状態と概算の見通しを整理しておくことは、その後の判断を大きく助けます。
出典・参考資料
- 一般財団法人 建設物価調査会「建設物価 建築費指数®(2026年7月分)」(2026年8月10日公表)
- 国土交通省「建設工事費デフレーター」
- 国土交通省「住宅:マンション管理(長期修繕計画作成ガイドライン/マンションの修繕積立金に関するガイドライン)」(令和6年6月改定)


