大規模修繕はロープアクセスが提案可能な東京の明誠へ

創業から6000棟超の施工実績

羽村市の賃貸マンション補助金|オーナー向け2026年版

羽村市の賃貸マンション補助金|オーナー向け2026年版

2026年8月19日 更新

この記事で答える質問:東京都羽村市で賃貸マンション・アパートを1棟持っているオーナーは、2026年度にどの補助金を使えて、どれが使えないのか?

先に結論から申し上げます。羽村市が独自に持っている耐震補助は、要綱の時点で「賃貸を目的とする住宅を除く」と明記されており、投資用物件のオーナーは入口で対象外です。一方で、市の「環境配慮事業助成制度」は共同住宅や事業所も対象家屋に含めてきた制度で、賃貸物件でも入口はあります。ただしこの制度は現金ではなくエコポイントという独特の形で支給されます。

そして、羽村市のオーナーにとって本命は市ではなく東京都の「賃貸住宅の断熱・再エネ集中促進事業(令和8年度)」です。省エネ診断が補助率10/10・上限120万円/棟、高断熱窓が2/3・上限30万円/戸。1棟所有の個人または法人が申請者になれる、賃貸オーナーのための制度です(出典:クール・ネット東京)。

私は株式会社明誠の本間と申します。20年近く、マンションやビルの外壁・防水の現場に立ってきました。この記事では羽村市の賃貸オーナーさま向けに、使える制度と使えない制度を一次情報で線引きし、税務処理と工事の進め方まで一気に整理します。


1. 2026年、羽村市の賃貸市場は「工場の主が替わる年」

羽村市の賃貸経営を語るとき、この話を外すわけにはいきません。

日野自動車は2025年8月21日、羽村工場を管轄する新会社を設立し、その全株式をトヨタ自動車へ譲渡すると発表しました。新会社は「トヨタ自動車羽村株式会社」として、2026年4月1日付でトヨタ自動車の傘下に入っています(出典:日野自動車 IR資料)。羽村工場ではダイナやランドクルーザー250などが生産されてきました。

羽村市は、戦後から高度成長期にかけて自動車工場の誘致とともに人口を伸ばしてきた街です。総人口は令和2年国勢調査時点で54,783人(出典:国土交通省資料)。市域の規模に対して、工場に紐づく単身・ファミリーの賃貸需要が厚く形成されてきた地域だと、私は現場を回っていて感じます。

ここで正直に申し上げます。工場の経営主体が替わることは、賃貸オーナーにとって「上振れも下振れもある変数」です。生産体制が拡充されれば需要は堅い。逆に配置転換や機能移転が起これば、特定エリアの空室が一気に動きます。どちらに転ぶかを私が予言することはできません。

私が申し上げたいのはひとつだけです。変数が動く年に、築古のまま何もしない物件がいちばん弱い。 需要が締まったとき、真っ先に選ばれなくなるのは「見た目が古い」「夏暑くて冬寒い」物件です。そして今年は、その2つを公費で直せる制度が並んでいます。


2. 【結論の表】羽村市のオーナーが使える制度・使えない制度

まず全体像を1枚で押さえてください。

制度 実施主体 1棟所有の賃貸オーナー 補助率・上限
賃貸住宅の断熱・再エネ集中促進事業 東京都 ◎ 本命 省エネ診断10/10・120万円/棟、高断熱窓2/3・30万円/戸
既存住宅における省エネ改修促進事業 東京都 △(分譲住戸の所有者向けが中心) 上限200万円/住戸(令和8年度に増額)
環境配慮事業助成制度 羽村市 ○(共同住宅・事業所も対象家屋) エコポイント方式。上限は要確認
中小企業経営基盤強化助成金 羽村市 ○(市内に事業所を持つ法人・個人) 2/3・全体で法人25万円/個人15万円
木造住宅耐震診断・耐震改修補助 羽村市 × 対象外 「賃貸を目的とする住宅を除く」
マンション長寿命化促進税制 △(分譲住戸を賃貸中なら余地あり) 建物部分の固定資産税を1/6〜1/2減額

以下、1つずつ根拠を示していきます。


3. 羽村市の耐震補助は、なぜ賃貸オーナーが使えないのか

Q. 羽村市の耐震改修補助(上限50万円)は、所有する賃貸アパートに使える?
A. 使えません。 補助対象住宅の定義に「賃貸を目的とする住宅を除く」と明記され、補助対象者も「自己の住宅の用途に供する補助対象住宅を所有する個人」に限定されています(出典:羽村市 木造住宅耐震診断および耐震改修補助制度)。

制度の中身自体は手厚いものです。

区分 補助率 上限
耐震診断 経費の1/2以内 5万円
耐震改修 経費の1/2以内 1棟1回・50万円
耐震改修(65歳以上の所有者が居住) 経費の6/10 50万円

対象は昭和56年5月31日以前に軸組工法で建築された2階建て以下の一戸建て木造住宅で、延床面積の1/2以上を住宅に供しているもの。市税等を完納していることも条件です。診断の実費は15万円以上かかるとされています。

私はこの「自己居住要件」を、羽村市に限らず多くの自治体で見てきました。オーナーさまから「うちのアパートも耐震補助が出るんじゃないの」とご相談をいただくことがありますが、多摩地域の市レベルの耐震補助は、ほぼ自己居住の戸建てを想定して設計されています。ここで時間を溶かすより、都の制度に照準を合わせたほうが早い。これが私の実務上の判断です。

なお、耐震改修そのものを行った場合、所得税の特別控除や固定資産税の減額を受けられる場合があります。市のページでは所得税は青梅税務署、固定資産税は市民部課税課資産税係が問い合わせ先と案内されています。補助金は出なくても税制は別ルートで効く、という発想は持っておいて損がありません。


4. 【本命】東京都「賃貸住宅の断熱・再エネ集中促進事業」令和8年度

ここからが本題です。この制度は、そもそも賃貸住宅のオーナーのためだけに作られています。都の報道発表のタイトルからしてそうです。「断熱改修等による賃貸住宅の資産価値向上を強力に支援します!」(出典:クール・ネット東京 令和8年度事業ページ)。

4-1. 誰が申請できるか

助成対象者は、助成対象住宅を1棟所有している個人または法人です。建物の登記事項証明書で所有権者として証明できることが条件。1棟のうち、オーナーの3親等以内の親族による区分登記がある物件も対象になります。設備をオーナーに貸与するリース事業者が共同申請することも可能です。

助成対象住宅は「普通賃貸借契約を締結し、貸し出される既存の住宅」。専用住宅であることが必要で、1つの住戸を店舗用と居住用で兼用している場合、その部屋は対象外です。1階が店舗の物件をお持ちの方は、住戸部分だけで組み立てることになります。

4-2. 令和8年度で変わったポイント

私がこの制度を見ていて「今年は動くべきだ」と思う理由が、変更点にあります。

  • 賃貸集合住宅の所有者住戸(オーナー及び3親等以内の親族が居住する住戸)も助成対象になった
  • 省エネ性能診断等の実施要件から「断熱改修プラン提案書の作成」が外れた

オーナー住戸込みで1棟まるごと組める。そして診断のハードルが1段下がった。制度側が明らかに使いやすさへ舵を切っています。

4-3. 助成額(ここが数字の核心)

省エネ診断等

対象 補助率 上限
省エネ診断等(省エネ性能表示含む) 対象経費の10/10 120万円/棟
省エネ診断用の現況図面作成 対象経費の10/10 10万円/戸

補助率10/10、つまり全額です。私は正直に申し上げますが、この診断枠を使わないのは相当もったいない。築古物件は図面が残っていないことが本当に多く、現況図面の作成に1戸10万円まで出るのは実務的に大きい。図面は将来の大規模修繕でも売却時のデューデリでも使えます。

断熱改修

対象 補助率 上限
高断熱窓 対象経費の2/3 30万円/戸
高断熱ドア 対象経費の2/3 27万円/戸
断熱材 対象経費の2/3 60万円/戸

技術要件も押さえておきます。高断熱ドアは熱貫流率2.3 W/(㎡・K)以下であること、かつ高断熱窓または断熱材の改修と同時に実施すること。断熱材は熱抵抗値(厚さ÷熱伝導率)が屋根2.7以上/天井2.7以上/外壁2.7以上/床2.2以上であること。窓・ドアは先進的窓リノベ2026事業やみらいエコ住宅2026事業の対象製品として登録されているものを使う必要があります(先進的窓リノベ2026事業みらいエコ住宅2026事業)。

熱貫流率とは、建物の内外で熱がどれだけ通り抜けるかを示す数値です。小さいほど熱が逃げにくい、とだけ覚えていただければ十分です。

4-4. ★ここで落とす人が本当に多い★ 3つの落とし穴

私が現場で見てきた失敗を、そのまま書きます。

落とし穴①:事前申込の前に契約・着工してしまう

要綱に明記されています。「事前申込受付前に契約又は着工したものは助成金の対象外です」。見積を取って、話が進んで、勢いで契約書に判を押した——これで全部飛びます。順番は「事前申込 → 受付確認メール受領 → 契約 → 着工」。ここだけは絶対に崩さないでください。

落とし穴②:改修前の断熱等級を把握せずに工事してしまう

これも要綱の記載どおりです。「改修前の等級を把握せずに改修を行った場合は助成対象外」。だからこそ、補助率10/10の省エネ診断を先に入れる設計になっています。診断が先、改修が後。この順序に意味があります。

落とし穴③:登録事業者以外と契約してしまう

診断も改修も、公社に登録された事業者と契約したものだけが対象です。長年お付き合いのある業者さんがいても、その会社が登録されていなければ助成は出ません。事業者登録の申請期間は令和8年5月29日〜令和9年2月27日。登録事業者一覧で確認できます。私はいつもオーナーさまに、「見積を取る前に、まず登録の有無を確認してください」とお伝えしています。

4-5. スケジュールの逆算

手順 期限・時期
事前申込 令和8年5月29日から受付中
交付申請兼実績報告 令和8年6月30日から、事前申込有効期限または令和11年3月30日のいずれか早い日まで
事前申込後の交付申請 1年以内。過ぎると事前申込が自動的に無効
不備修正の対応 150日以内。放置すると申請取下げとみなされる

事前申込は住戸ごとではなく1棟の建物ごとに1回。住戸ごとに工事時期を分けても、同じ建物なら事前申込は一度だけです。

「まず相談したい」という段階の方には、都の賃貸住宅断熱・再エネ×コンシェルジュ事務局という無料の相談窓口も用意されています。


5. 省エネ性能ラベルは「募集広告に載る」——入居率に直結する話

ここは、補助金の話に見えて実は入居率の話です。

建築物省エネ法に基づく省エネ性能表示制度により、住宅の販売・賃貸時に省エネ性能をラベルで表示する仕組みが動いています(出典:国土交通省 省エネ性能表示制度)。つまり、あなたの物件の断熱性能が、募集広告の上で数字とマークになって並ぶということです。

同じ家賃、同じ駅距離、同じ築年数で、片方にラベルが付いていて片方に何もない。入居希望者がどちらを内見するか。答えは考えるまでもありません。

そして都の制度は、このラベル作成にかかる費用まで助成対象に含んでいます(省エネ性能表示は各事業費に按分して加算されます)。診断費が10/10、ラベル費も対象、改修費が2/3。「募集力を上げる仕掛け」の費用を、ほぼ公費で作れる年だと私は捉えています。

入居率の話を数字で置き換えます。仮に20戸の物件で家賃7万円、稼働率が92%から95%へ3ポイント改善したとします。年間の賃料収入差は 7万円 × 20戸 × 12か月 × 3% = 50.4万円。これが毎年積み上がります。キャップレート5%で還元すれば、物件価値としては約1,000万円の差です。断熱改修が「利回りの改善」ではなく「物件価値そのものの底上げ」だと私が申し上げるのは、この計算があるからです。


6. 羽村市の制度:エコポイントという独特の仕組み

市の制度も、使えるものは使いましょう。

6-1. 環境配慮事業助成制度(令和8年度)

羽村市の「環境配慮事業助成制度」は、現金ではなくエコポイントで助成するという全国的にも珍しい設計の制度です。エコポイントは市内の法人・個人事業主での物品購入やサービス、工事代金の支払いに使え、使用後に領収証書を提出することで指定口座へ振り込まれます。

令和8年度の申請受付期間は令和8年6月1日〜令和9年1月31日(先着順・予算に達し次第終了)と案内されています(出典:羽村市公式サイト補助金ポータル 令和8年度掲載)。

オーナーにとって重要なのは、助成対象となる家屋に「共同住宅(2以上の住戸からなるもの、賃貸借などの方も含まれます)」「分譲マンション」「事業所」が含まれてきた点です。耐震補助のような自己居住要件がなく、賃貸物件でも入口があります。

助成メニューには、高遮熱塗装等改修工事・高断熱化改修工事・LED照明改修工事・遮熱フィルム・太陽光発電システム・蓄電池・エネルギー管理システムなどが並びます。外壁塗装を検討しているオーナーさまにとって、高遮熱塗装が対象メニューに入っているのは見逃せません。

もうひとつ、実務で効く仕組みがあります。市内事業者(優先施工者)に発注すると助成額が上乗せされる設計です。制度の趣旨が「市内消費へのインセンティブ」である以上、当然の設計とも言えます。

ただし正直に申し上げます。上限額については、公表資料によって「30万エコポイント」「21万円」など表記の差があります。年度ごとにメニューと限度額が改定される制度ですので、必ず市の環境保全課(電話 042-555-1111)に最新の要綱をご確認ください。ここを他人の要約で判断してはいけません。

6-2. 中小企業経営基盤強化助成金

法人でアパート・マンションを保有し、羽村市内に事業所があるオーナーさまには、こちらも選択肢になり得ます。

区分 補助率 上限(一社一年度)
【1】働く環境整備事業 2/3 1事業あたり 法人10万円・個人5万円
【2】DX推進事業 2/3 1事業あたり 法人10万円・個人5万円
【3】環境配慮加算 2/3 法人・個人 5万円
助成金全体 法人25万円・個人15万円

環境配慮加算の対象経費には高断熱化改修工事、LED照明の設置・改修、太陽光発電システムの導入・更新が挙げられています(出典:羽村市 中小企業経営基盤強化助成金)。

注意点を3つ。環境配慮加算は単独申請できず、【1】または【2】を申請した年度のみ追加できます市の別の助成制度との併用はできません(環境配慮事業助成制度とどちらを取るかの選択になります)。そして事業開始前の申請が必須で、実施済み・購入済みは対象外です。なお市の掲載ページは令和6年度の申請期間表記のままですので、こちらも最新年度の取扱いは産業振興課へご確認ください。


7. 税務:補助金は「もらって終わり」ではありません

オーナー読者にとって、ここが利回りに直結します。

7-1. 補助金は雑収入として課税される

これは毎回お伝えしています。受け取った補助金・助成金は、法人なら益金、個人事業者なら事業所得の総収入金額に算入されます。「120万円もらえた」と喜んでいたら、期末に課税所得が120万円増えていた、という話です。手残りベースで試算してください。

なお、固定資産の取得に充てた国庫補助金等については圧縮記帳という制度があり、課税を繰り延べられる場合があります。適用可否は補助金の性格と会計処理によりますので、必ず顧問税理士にご確認ください。私は工事のプロですが、税務の判断者ではありません。

7-2. 修繕費か、資本的支出か

Q. 断熱改修の工事費は、その年に全額経費にできる?
A. 一概には言えません。建物の価値を高めたり使用可能期間を延ばしたりする支出は「資本的支出」として資産計上し、減価償却することになります。

区分 処理 キャッシュフローへの影響
修繕費 支出年に全額損金 その年の課税所得を大きく圧縮
資本的支出 資産計上して減価償却 効果が長期に分散

国税庁は、修繕費か資本的支出か明らかでない場合の形式基準として、1件20万円未満のものおおむね3年以内の周期で行われるものなどを修繕費として扱ってよい旨を示しています(出典:国税庁 タックスアンサー No.1379 修繕費とならないものの判定)。

私の経験上、同じ工事内容でも、工事の切り分け方と見積書の書き方で区分が変わることがあります。「外壁全面をやり替える」のか「劣化部分を原状に戻す」のか。工事会社が出す見積書の書きぶりが、そのまま税務の判断材料になります。私が見積を作るときに工事内容を丁寧に分けて書くのは、この理由からです。

7-3. マンション長寿命化促進税制は、賃貸オーナーに関係あるか

国のマンション長寿命化促進税制は、大規模修繕を行ったマンションの建物部分の固定資産税を、翌年度に1/6〜1/2の範囲で減額する制度です。適用期限は令和9年3月31日まで延長されています(出典:国土交通省 マンション税制)。

ただし、この制度は管理組合の合意形成を後押しすることを目的に設計されており、区分所有マンションが前提です。1棟をまるごと所有している賃貸マンションのオーナーは、基本的に対象外と理解してください。

一方で、分譲マンションの住戸を複数お持ちで賃貸に出しているオーナーさまは話が別です。管理組合が管理計画認定を取得し、要件を満たす長寿命化工事を実施すれば、あなたが所有する住戸の固定資産税も減額対象になり得ます。この場合、管理組合の総会議案に注意を払う価値があります。保有戸数が多いほど効きます。


8. 工事の側から見た、羽村市の物件でコストを下げる方法

補助金の話ばかりしてきましたが、工事費そのものを下げなければ手残りは増えません。ここは私の本業の話です。

大規模修繕の総工事費のうち、仮設足場が占める割合は一般に2割前後になることがあります。5,000万円の工事なら1,000万円前後が「作業のための足場」に消える計算です。この部分に手を入れられるのが、無足場工法であるロープアクセス工法です。

ロープアクセス工法とは、屋上などにアンカーを取り、2本のロープで作業者が壁面を降下しながら作業する工法です。足場を組まないため、次のような違いが出ます。

項目 通常足場工法 ロープアクセス工法
仮設費 総工事費の2割前後になることも 大幅に圧縮できる
工期 架設・解体の期間が加わる 着手が早い
入居者への影響 全戸の窓前に足場・メッシュシート 該当面のみ・短時間
防犯面 足場からの侵入リスクへの配慮が必要 足場自体がない
適する工事 全面改修・大規模な補修 部分補修・シーリング・塗装・調査

賃貸オーナーにとって見逃せないのが、入居者への影響の行です。足場とメッシュシートで数か月間ふさがれると、退去の申し出が出ることがあります。1件の退去は、原状回復費と募集経費と空室期間の3つを同時に発生させます。足場を組まないという選択肢は、工事費だけでなく退去リスクにも効きます。

ロープアクセス工法の技術的な解説や安全基準については、姉妹サイトロープアクセスドットコムに詳しくまとめています。

そして私が実務でいちばん多く提案するのは、ハイブリッド工法です。傷みの激しい面や全面改修が必要な部分は足場を架け、部分補修で足りる面はロープアクセスで処理する。建物の状態に応じて工法を使い分ければ、総額を無理なく圧縮できます。工法ありきで見積を作らないこと。これが私の考える誠実な提案です。詳しくはロープアクセス工法のご紹介大規模修繕工事のご紹介をご覧ください。

補助金で断熱改修の2/3を賄い、残りの工事は工法選択で圧縮する。この2段構えが、羽村市の賃貸オーナーが2026年度に取れる最も効率のよい形だと考えています。


9. 羽村市のオーナーが今日から動く順番

私がオーナーさまにお伝えしている段取りを、そのまま置いておきます。

  1. 登記事項証明書を用意する。 都の制度は1棟所有を登記で証明します。まずここが土台です。
  2. 物件が普通賃貸借契約で貸し出されている既存住宅か確認する。 店舗兼用住戸がある場合、その部屋は対象外になります。
  3. 登録事業者を確認する。 契約先が公社の登録事業者かどうか。ここが未確認のまま見積を進めないこと。
  4. 事前申込を出す。 1棟につき1回。受付確認メールを受け取ってから契約する。順番を絶対に崩さない。
  5. 省エネ診断を先に入れる。 補助率10/10。改修前の断熱等級を把握しないまま工事すると助成対象外です。
  6. 改修と省エネ性能表示を行い、交付申請兼実績報告を出す。 事前申込から1年以内。
  7. 並行して、市の環境配慮事業助成制度の最新要綱を確認する。 高遮熱塗装など塗装系メニューの適用可否を市に直接確認します。
  8. 顧問税理士に、雑収入計上と資本的支出/修繕費の区分を相談する。 工事の切り分け方は着工前に決めておくべきです。

よくある質問(FAQ)

Q1. 羽村市の耐震改修補助(上限50万円)は、所有する賃貸アパートに使えますか?
A. 使えません。補助対象住宅から「賃貸を目的とする住宅」が除外され、補助対象者も自己の住宅の用途に供する個人に限定されています(出典:羽村市)。詳しくは本文3章をご覧ください。

Q2. 法人名義で持っている賃貸マンションでも、東京都の制度は申請できますか?
A. できます。助成対象者は「助成対象住宅を1棟所有している個人又は法人」で、建物の登記事項証明書で所有権者として証明できることが条件です(出典:クール・ネット東京)。

Q3. 先に工事契約を結んでしまいました。あとから申請できますか?
A. 対象外になります。要綱に「事前申込受付前に契約又は着工したものは助成金の対象外」と明記されています。まだ契約前であれば、事前申込を先に済ませてください。

Q4. オーナー自身が住んでいる住戸も対象になりますか?
A. 令和8年度から、賃貸集合住宅の所有者住戸(オーナー及びその3親等以内の親族が居住する住戸)も対象に追加されました。1棟まるごとで組み立てられます。

Q5. 受け取った助成金に税金はかかりますか?
A. かかる可能性が高いです。補助金・助成金は法人では益金、個人事業者では総収入金額に算入されるのが原則です。固定資産の取得に充てた場合は圧縮記帳の余地がありますので、顧問税理士にご確認ください。

Q6. 断熱改修と外壁塗装を同時にやったほうが得ですか?
A. 足場や高所作業の段取りを共有できる分、別々に行うより仮設コストを圧縮できるのが一般的です。ただし助成制度ごとに対象経費の線引きが異なるため、見積段階で工事項目を明確に分けておく必要があります。


この記事のポイントまとめ

  • 羽村市の耐震補助は「賃貸を目的とする住宅を除く」ため、投資用物件は対象外
  • 本命は東京都の賃貸住宅の断熱・再エネ集中促進事業(令和8年度)
  • 省エネ診断は補助率10/10・上限120万円/棟、高断熱窓は2/3・30万円/戸
  • 事前申込前の契約・着工、改修前の等級未把握、登録事業者以外との契約は全部アウト
  • 令和8年度からオーナー所有住戸も対象、診断プラン提案書の要件も撤廃
  • 市の環境配慮事業助成制度は共同住宅も対象家屋。ただしエコポイント方式で上限は要確認
  • 補助金は雑収入として課税。資本的支出か修繕費かで手残りが変わる
  • 工事費は足場とロープアクセスの使い分けで圧縮できる

お持ちの羽村市の物件で、まだ都の事前申込を出していないオーナーさまは、契約前の今のうちに手を打っておくべきタイミングです。1棟の現地調査と、断熱改修を含めた利回り改善シミュレーションだけでもお受けしています。図面が残っていない、どこから手をつけるか分からない、という段階のご相談で構いません。お問合せフォームからお声がけください。

制度は年度ごとに要件も予算枠も変わります。この記事の数字は執筆時点のものですので、実際に申請される際は必ず各実施機関の最新の要綱をご確認ください。


執筆者:本間 幸紘(株式会社明誠 代表取締役)
専門領域:マンション大規模修繕/ロープアクセス工法/建物長寿命化計画
実務経験:建設・改修業界 20年以上
所属:一般社団法人 全国建設業支援協会(JCSA)

株式会社明誠について:東京都小平市を拠点に、東京・関東一円でロープアクセス工法と従来足場工法の両方を提案できる改修会社。日本初のロープアクセス工事フランチャイズを展開しています。

最終更新:2026年8月19日


出典・参考資料