大規模修繕はロープアクセスが提案可能な東京の明誠へ

創業から6000棟超の施工実績

【令和8年度版】港区のマンション管理計画認定制度|区手数料4,200円・「みなと認定マンションプラス」5カテゴリの全手順

【令和8年度版】港区のマンション管理計画認定制度|区手数料4,200円・「みなと認定マンションプラス」5カテゴリの全手順

【令和8年度版】港区のマンション管理計画認定制度|区手数料4,200円・「みなと認定マンションプラス」5カテゴリの全手順

2026年9月13日 更新

「港区は、認定にランクがあるらしいと聞いたのですが」——先月、芝浦港南地区のあるマンションの理事長さまから、そう質問されました。

私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。東京都東大和市を拠点に、20年近くマンション・ビル・ホテルの外壁と向き合ってきました。足場を組む工事も、ロープ1本でぶら下がる無足場の工事も、どちらも自分の手でやってきた人間です。

結論から申し上げると、その理事長さまの情報は正しいものでした。港区の管理計画認定は、23区の中でもかなり特徴的な設計になっています。国の必須基準を満たした「みなと認定マンション」と、そこに社会貢献の取組を上乗せした「みなと認定マンションプラス」という二段構造です。

今日お話しするのは、港区にあるマンションが管理計画認定を取ると何が変わり、いくらかかり、どの順番で動けばいいのかという一点に絞ります。


結論:港区で認定を取ると何が変わり、いくらかかるか

先に全体像を表でお示しします。

論点 港区での答え
認定の主体 港区(マンション管理適正化推進計画を策定済みの特別区)
窓口 港区街づくり支援部住宅課住宅支援係(区役所6階)/電話 03-3578-2223
事前相談 予約制で、事前確認の依頼前に必要。変更申請時も必要
マンション管理センター経由 使います。「事前確認適合証」を取得してシステムから申請
独自基準 あり。必須基準+選択基準の二段構造
認定の呼称 必須基準のみ=「みなと認定マンション」/選択基準も満たす=「みなと認定マンションプラス」
区の基本手数料 4,200円(長期修繕計画が1つ増えるごとに1,600円加算)
手数料の総額目安 約24,200円(区4,200円+システム使用料10,000円+事前確認審査料おおむね10,000円程度)
有効期間 5年間(5年ごとの更新認定)
主な経済効果 長寿命化促進税制、フラット35の金利引下げ、共用部分リフォーム融資の金利引下げ、すまい・る債の利率上乗せ

(出典:港区「港区マンション管理計画認定制度」国土交通省「マンション管理計画認定制度」

ここで先に1点、正直に申し上げておきます。港区がこの制度を案内しているページの更新日は2024年(令和6年)4月2日です。令和8年9月時点で2年以上、表示上は更新されていません。手数料は区の条例で定まるものなので大きく動くとは考えにくいのですが、金額と締切は申請前に住宅課へ電話で確認いただくのが安全です。本記事でも、確認が必要な箇所はその都度明示していきます。


認定主体はどこか——港区は「区が認定する」

管理計画認定制度の認定主体は、マンション管理適正化法に基づく「マンション管理適正化推進計画」を策定した市・特別区です。市以外の町村部は都道府県が担います(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。

港区は特別区で、推進計画を策定済みです。つまり港区が認定主体です。東京都に申請するものではありません。

私はこの点を取り違えている理事会に、これまで何度も出会いました。「都に出すのか区に出すのか分からないので、とりあえず保留にしています」という管理組合が、実際にありました。港区のマンションについては、窓口は区役所6階の住宅課住宅支援係、電話は03-3578-2223です(出典:港区マンション管理適正化推進計画)。

なお、固定資産税の減額措置(後述の長寿命化促進税制)だけは話が別です。東京23区の固定資産税は東京都が課税するため、申告先は物件所在地を管轄する都税事務所になります。認定は区、減税の申告は都。この二本立てを最初に頭に入れておくと、後で慌てません。


必須基準——国の5分野が「みなと認定マンション」の土台

港区の必須基準は、国の認定基準を土台にしています。国が定める5分野は次のとおりです(出典:国土交通省「マンション管理計画認定基準」)。

1)管理組合の運営

  • 管理者等(理事長など)が定められていること
  • 監事が選任されていること
  • 集会(総会)が年に1回以上開催されていること

2)管理規約

  • 管理規約が作成されていること
  • 災害などの緊急時や管理上必要なときの専有部への立ち入り、修繕などの履歴情報の管理について定められていること
  • 管理組合の財務・管理に関する情報の書面交付(または電磁的方法による提供)について定められていること

3)管理組合の経理

  • 管理費と修繕積立金などを明確に区分して経理していること
  • 修繕積立金会計から他の会計への充当がされていないこと
  • 直前の事業年度末時点で、修繕積立金の3か月以上の滞納額が全体の1割以内であること

4)長期修繕計画の作成及び見直し等

  • 長期修繕計画が「長期修繕計画標準様式」に準拠して作成され、計画内容と修繕積立金額が総会で決議されていること
  • 長期修繕計画の作成または見直しが7年以内に行われていること
  • 計画期間が30年以上で、かつ残存期間内に大規模修繕工事が2回以上含まれていること
  • 将来の一時的な修繕積立金の徴収を予定していないこと
  • 計画期間全体での修繕積立金の総額から算定された平均額が著しく低額でないこと
  • 計画期間の最終年度において、借入金の残高のない計画となっていること

5)その他

  • 組合員名簿・居住者名簿を備え、年1回以上は内容の確認を行っていること
  • 昭和56年5月31日以前に建築確認を受けたマンションは、耐震診断を実施し、耐震性が不足している場合は耐震改修や建替えなどに向けた検討を行っていること

この必須基準を満たすと、港区は「みなと認定マンション」として認定します。

私の経験上、ここでつまずくマンションの大半は4)の長期修繕計画です。特に「一時金徴収を前提にしていないこと」と「最終年度に借入金残高がないこと」の2つ。この2条件は、修繕積立金の水準そのものに踏み込む要件です。積立金を上げずに認定は取れない、という設計になっています。逆に言えば、認定の準備がそのまま積立金不足の是正になる、ということでもあります。


港区独自の「みなと認定マンションプラス」——5カテゴリの選択基準

ここからが港区の本題です。

港区は必須基準に加えて、社会貢献の取組を評価するための選択基準を5カテゴリ設けています。このうちいずれか1つを満たすと、「みなと認定マンションプラス」として認定されます。

カテゴリ 満たすべき内容(概要)
防災対策 ア〜ウの3区分それぞれで1つ以上。ア:年1回以上の防災情報の周知または定期的な防災訓練/イ:飲料水・食料品・携帯トイレなどの備蓄、災害時資器材の備蓄/ウ:防災組織の結成、地域の防災組織への参加、安否確認方法の定め
コミュニティ形成 自治会(自治会費が管理費と明確に区分)を設置しコミュニティ活動を実施、または自治会がない場合は管理組合に認知されたコミュニティグループが活動していること
省エネ対策 共用部・敷地内でゼロカーボンに向けた取組を2つ以上。照明器具の省エネ、屋上の高反射率塗料、屋上緑化・壁面緑化・生垣、外壁塗料による省エネ、玄関扉の断熱改修、外断熱・サッシ、インバータ制御エレベーター、給水方式の変更、スマートマンション化、太陽光発電、EV充電設備
子育て対応 ア:子ども参加型イベント、子育て用品・書籍のリユース環境、情報交換環境のいずれか1つ以上/イ:キッズルーム、プレイロット、子ども用自転車置場、ベビーカー置場、エントランス・共用部の段差解消のいずれか1つ以上
高齢者対応 ア:高齢者の安否確認体制(緊急連絡先入りの居住者名簿、見守り体制など)/イ:エントランス・共用部の段差解消(エレベーター設置、スロープなど)

(出典:港区「港区マンション管理計画認定制度」認定基準

この表を初めて読んだとき、私は正直、驚きました。すでに満たしているマンションが、港区にはかなりあるはずだと思ったからです。

たとえば「コミュニティ形成」。自治会があって、年に一度でも夏祭りや懇親会をやっている。共用花壇を住民で手入れしている。それだけで要件に届く可能性があります。「高齢者対応」も、エレベーターがあってスロープが整っているマンションで、緊急連絡先を記載した居住者名簿を備えていれば、実質もう半分以上できています。

つまり「プラス」は、新しく何かを始めないと取れないものではなく、すでにやっていることを書類に落とせば取れる可能性があるものです。ここに気づくかどうかで、理事会の心理的ハードルが大きく変わります。

なお、選択基準の適合確認は事前相談の場で行われます。「みなと認定マンションプラス」を目指すなら、希望するカテゴリの要件を満たしていることが分かる書類を、事前相談に持参する必要があります。


手数料と申請ルート——港区は「マンション管理センター+区独自審査」の二本立て

港区の申請は、他区と比べてやや手数がかかります。国のシステムに加えて、区独自基準の審査書類を紙で出す必要があるからです。

手数料の内訳(認定申請・更新申請)

内容 費用 支払先
システム使用料 10,000円 (公財)マンション管理センター
事前確認審査料 おおむね10,000円程度(依頼先により異なる) 依頼先
区の手数料(基本手数料) 4,200円 港区
区の手数料(加算手数料) 1,600円(長期修繕計画が1つ増えるごと) 港区

(出典:港区「港区マンション管理計画認定制度」手数料

長期修繕計画が1つのマンションであれば、総額の目安は約24,200円です。5年で1回の支出と考えれば、年あたり5,000円弱。総戸数50戸なら、1戸あたり年100円に届きません。

区の手数料は申請受付が完了した後、区から管理組合へ納入通知書が送られ、その案内に沿って支払う流れです。先払いではありません。手数料の具体的な計算例は、区が公開している「マンション管理計画認定制度申請の手引き」のP16〜17に掲載されています。

変更認定の手数料

認定を受けた管理計画を変更する場合の手数料は、変更する項目ごとに分かれています。

変更する項目 基本手数料 加算手数料
管理組合の運営 4,300円 2,400円
管理規約 3,600円 2,400円
管理組合の経理 4,100円 2,500円
長期修繕計画の作成及び見直し等 8,600円 4,600円
組合員名簿・居住者名簿 2,700円 1,600円
その他 1,900円 800円

長期修繕計画の変更だけが8,600円と、他の項目の2倍以上に設定されています。審査の重さがそのまま金額に出ている、ということだと私は理解しています。軽微な変更に該当する場合は変更申請そのものが不要で、その線引きは手引きP19に整理されています。

申請の流れ(7ステップ)

  1. 港区へ事前相談(予約制/03-3578-2223)。第1号様式「管理計画確認書」を記入して持参。旧耐震のマンションは耐震診断結果の書類も。「プラス」を狙うならカテゴリの証拠書類も
  2. 総会決議。認定申請を行う旨を総会で決議します。事前確認の依頼前に必要です
  3. 事前確認の依頼。(公財)マンション管理センター、(一社)マンション管理業協会、(一社)日本マンション管理士会連合会などに依頼。方法は4パターンあります
  4. 事前確認適合証の発行。基準適合が確認されると、マンション管理センターから発行されます
  5. システムから港区へ認定申請。マンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」から送信します
  6. 区独自基準の書類を港区へ提出(持参または郵送)。ここを忘れると手続きは完了しません。システム送信だけでは終わらない、というのが港区の落とし穴です
  7. 手数料納付 → 審査 → 認定通知書の交付。公表に同意した管理組合は、港区とマンション管理センターのサイトで「マンション名・所在地・認定コード」が公表されます

(出典:港区「港区マンション管理計画認定制度」申請の流れ(公財)マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」

事前確認に関する問い合わせ先も公開されています。(公財)マンション管理センターは03-6261-1274、(一社)マンション管理業協会は03-3500-2721、(一社)日本マンション管理士会連合会は03-5801-0858です。制度そのものの相談は、日本マンション管理士会連合会の「マンション管理計画認定制度 相談ダイヤル」(03-5801-0858/月〜土 10:00〜17:00、祝日・年末年始を除く)が国土交通省のページでも案内されています。


認定の3つの経済効果——税・ローン・融資

認定を取ると、お金の面で3つの効果が出てきます。

1)マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)

管理計画認定マンションが長寿命化に資する大規模修繕工事を行った場合、固定資産税額が減額されます。東京23区の減額割合は2分の1で、減額期間は工事完了年の翌年度分(完了日が1月1日の場合はその年度分)です。1戸当たり100㎡の床面積相当分までが対象です。

主な要件は次のとおりです。

  • 新築された日から20年以上が経過していること
  • 総戸数10戸以上であること
  • 長寿命化工事(外壁塗装等工事、床防水工事、屋根防水工事のすべて)を過去に1度以上行っていること
  • 令和3年9月1日以降に、修繕積立金の額を管理計画の認定基準まで引き上げたこと

(出典:国土交通省「マンション長寿命化促進税制」東京都主税局「長寿命化に資する大規模修繕工事が行われたマンションに対する固定資産税の減額制度」

適用期限について、ここは重要な更新があります。この特例措置の現行の適用期間は令和5年4月1日から令和9年3月31日までですが、令和8年度税制改正で5年間の延長(令和8年4月1日〜令和13年3月31日)が示されており、あわせて対象住宅の床面積要件の下限が40㎡(現行50㎡)に緩和される方向です(出典:国土交通省「令和8年度税制改正概要」)。適用を前提に工事計画を立てる場合は、工事完了時点で有効な期限と要件を都税事務所に確認したうえで進めるのが安全です。

申告期限は工事完了日から3か月以内です。東京23区は都が課税主体なので、申告先は物件所在地を管轄する都税事務所になります。ここを区役所に持っていくと、二度手間になります。

港区のホームページには、この税制について「(予定)減税の特例措置の開始時期は未定です」という記述が残っています。これは制度開始前の表現がそのまま残っているものと考えられます。現行制度の内容は国土交通省と東京都主税局のページで確認してください。

2)フラット35の金利引下げ・フラット50の利用

認定マンションを購入する人は、住宅金融支援機構の【フラット35】維持保全型の対象となり、借入金利が当初5年間、年0.25%引き下げられます。また、返済期間が最長50年となる【フラット50】も利用できます(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」港区「港区マンション管理計画認定制度」)。

これは、売るときに効く効果です。港区のマンションは中古流通が活発なエリアです。買い手のローン金利が当初5年間下がるという事実は、販売図面に書ける材料になります。認定マンションは(公財)マンション管理センターの「管理計画認定マンション閲覧サイト」や不動産情報サイトの建物ライブラリーでも公開されるため、管理の質が外から見える状態になります。

3)マンション共用部分リフォーム融資の金利引下げ・すまい・る債の利率上乗せ

管理組合が大規模修繕工事を行う際に使えるマンションすまい・る融資(マンション共用部分リフォーム融資)では、管理計画認定の取得で金利が年0.2%引き下げられます。加えて、認定を取得している場合は返済期間を1年以上35年以内とすることが可能になります(出典:住宅金融支援機構「マンションすまい・る融資(管理組合申込みの場合)」)。

さらに、管理組合向けのマンションすまい・る債についても、認定マンションは利率の上乗せを受けられます。

私はいつも理事長さまに、こうお伝えしています。「認定は、減税のためだけの制度ではありません。借りるときの金利、売るときの評価、そして積立金の健全化——この3つが同時に動く話です」と。


令和9年4月1日から認定基準が見直されます

ここは、令和8年度に申請を検討している管理組合が知っておくべき最重要ポイントです。

令和7年5月30日に公布された「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」(令和7年法律第47号)に基づき、管理計画認定制度の見直しが令和9年4月1日に施行されます。令和8年5月15日の閣議決定で施行期日が確定し、同年5月20日に政令が公布されました(出典:国土交通省 報道発表「マンション管理・再生の円滑化等のための改正法の一部の施行期日を定める政令等を閣議決定」(令和8年5月15日))。

施行される内容は2つです。

  • 管理計画認定制度の見直し(新築時の分譲事業者による認定申請の導入)
  • 管理計画認定マンションの表示制度の創設

これに伴い、令和8年7月31日に省令と告示が公布されています。

  • マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則及び長期優良住宅の普及の促進に関する法律施行規則の一部を改正する省令(令和8年国土交通省令第70号
  • マンションの管理の適正化の推進を図るための基本的な方針の一部を改正する告示(令和8年国土交通省告示第1017号

いずれも令和9年4月1日施行です(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」令和9年4月1日施行関係)。

実務上の分かれ目は、ここです。

地方公共団体への申請日が令和9年4月1日以降となる場合は、見直し後の認定基準が適用されます。

つまり、申請日が令和9年3月31日までなら現行基準、4月1日以降なら新基準という切り分けです。改正省令の附則で経過措置も設けられています。

令和8年9月13日現在から数えると、現行基準での申請期限まで約6か月半。総会決議から事前確認、システム申請まで含めると、決して余裕のあるスケジュールではありません。現行基準で進めたい管理組合は、秋の理事会で議題に乗せる判断が必要になる時期です。

そしてもう一度申し上げますが、港区の制度案内ページの更新日は2024年4月2日のままです。令和9年4月1日施行の新基準や、区独自基準の扱いがどう整理されるかは、現時点で区のページからは読み取れません。事前相談の電話をするときに、「令和9年4月以降の申請の扱い」も一緒に確認しておくと、二度手間を避けられます。

なお、近隣区では独自基準の見直しが先に動いています。文京区は令和7年4月から独自の追加基準を、渋谷区は令和8年4月から独自の追加基準を設けています。港区も同様の流れで整理が進む可能性がありますので、事前相談の段階で最新の運用を確認する価値があります。


逆算スケジュール——総会決議から認定通知まで

港区で、令和9年3月31日までに認定申請を完了させたい場合の逆算です。所要期間は私が現場で見てきた実感ベースの目安で、区や事前確認機関の混雑状況によって前後します。

時期の目安 やること 所要の目安
9月〜10月 理事会で議題化。長期修繕計画の作成・見直しが7年以内か、計画期間30年以上・大規模修繕2回以上を満たすかを確認 1〜2か月
10月 港区住宅課へ事前相談の予約(03-3578-2223)。第1号様式「管理計画確認書」を準備。「プラス」を狙うならカテゴリの証拠書類も 予約待ちを含めて2〜4週間
10月〜11月 長期修繕計画の見直しと修繕積立金の改定案づくり。標準様式への準拠を確認 1〜2か月
11月〜12月 総会で認定申請の決議。長期修繕計画と修繕積立金額の決議も同時に 招集期間を含めて1〜2か月
12月〜1月 事前確認の依頼。事前確認適合証の取得 1〜2か月
1月〜2月 システムから港区へ認定申請+区独自基準の書類を提出 2週間〜1か月
2月〜3月 手数料納付、区の審査、認定通知書の交付 1〜2か月

一番読めないのは、総会のタイミングです。管理規約で総会の招集時期が決まっている管理組合は、そこが動かせない固定点になります。私の経験上、認定申請でスケジュールが崩れる原因の7割はここです。

臨時総会を開くか、通常総会に間に合わせるか。この判断だけは、9月〜10月のうちに理事会で決めておきたいところです。書類は後から追いつきますが、総会は追いつきません。


「省エネ対策」カテゴリと大規模修繕は、同じ工事で両方狙えます

ここからが、私が本業として一番お伝えしたい話です。

「みなと認定マンションプラス」の省エネ対策カテゴリを、もう一度見てください。

  • 屋上に高反射率塗料の活用
  • 外壁塗料による省エネ
  • 屋上緑化、壁面緑化又は生垣造成
  • 玄関扉による省エネ(カバー工法による改修など)
  • 外断熱・サッシによる省エネ

このうち上2つは、大規模修繕工事でそのまま実施できる項目です。屋上防水を打ち替えるときに高反射率塗料の仕様を選ぶ。外壁を塗り替えるときに遮熱塗料を選ぶ。この2つを採用すれば、省エネ対策カテゴリの「2つ以上」という要件に届きます。

つまり、次の大規模修繕を、そのまま「プラス」の認定材料にできるということです。認定のために別途工事を発注する必要はありません。仕様の選び方の話です。

私はこれを、必ずワンセットで提案するようにしています。理由は単純で、別々にやると二度足場を組むことになるからです。

実際にあった話をします。以前、ある管理組合で、大規模修繕の3年後に屋上だけ遮熱仕様に変えたいというご相談をいただきました。屋上だけなので工事自体は小さいのですが、資材を上げるための仮設と安全対策で、工事費の3割以上が段取り費用に消えました。3年前の大規模修繕のときに仕様を1行変えておけば、その3割は出ていません。理事長さまと一緒に見積書を眺めながら、私が一番悔しい思いをしたのはその瞬間でした。

そして、港区のマンションでもう一つ大きいのが足場の問題です。港区は、隣地との離隔が取れない敷地、前面道路が狭い立地、道路占用許可のハードルが高い場所が少なくありません。高層マンションも多く、足場を全周に組むだけで工事費が跳ね上がります。

こういう建物では、ロープアクセス工法(産業用ロープで職人が降下しながら施工する、足場を組まない工法)が効いてきます。足場費そのものが不要になり、工期も短くなります。居住者の生活への影響という点でも、窓の外に足場と養生シートが数か月かかり続ける状態を避けられるのは、かなり大きい違いです。

私たちは、通常の足場工法、ロープアクセス工法、そして部位ごとに使い分けるハイブリッド工法の3つから、建物にとって一番合う方法をご提案しています。工法の詳しい解説はロープアクセス工法のご紹介と、ロープアクセス専門サイトのロープアクセス工法の技術解説にまとめています。大規模修繕全体の進め方は大規模修繕工事のご紹介をご覧ください。

港区のように立地条件が厳しい物件での施工事例や、足場とロープアクセスを組み合わせた場合のコスト比較については、ロープアクセスによる大規模修繕の実際で具体的な数字を交えて整理しています。


まとめ:港区の管理組合が今週のうちに動けること3点

長くなりましたので、要点を3つに絞ります。

1)長期修繕計画の「7年」と「30年・2回」を確認する

いま手元にある長期修繕計画は、いつ作成または見直したものでしょうか。7年を超えていれば、認定の入口に立てません。あわせて、計画期間が30年以上あるか、残存期間内に大規模修繕工事が2回以上入っているかを見てください。この3つのチェックは、理事会の議題として5分で終わります。

2)港区住宅課へ事前相談を予約する(03-3578-2223)

港区は事前相談が予約制で、事前確認の依頼より先に済ませる順番になっています。第1号様式「管理計画確認書」を記入して持参します。このとき、「令和9年4月1日以降の申請の扱い」と「区独自基準の最新の運用」もあわせて確認しておくと、後戻りがなくなります。

3)「プラス」の5カテゴリのうち、すでに満たしているものを探す

防災訓練をやっている。自治会がある。エレベーターがあって段差がない。居住者名簿に緊急連絡先が入っている。——このどれかに心当たりがあれば、「みなと認定マンションプラス」は手が届く範囲にあります。新しい取組を始める話ではなく、いまやっていることを書類にする話です。

そして、もし次の大規模修繕が3年以内に視野に入っているなら、認定の準備と修繕の仕様検討は同時に進めたほうが得です。屋上の高反射率塗料と外壁の遮熱塗料を仕様に入れるだけで、省エネ対策カテゴリの要件に届く可能性があります。

港区は、足場が組みにくい建物が多いエリアです。工法の選択肢が1つしかない会社に相談すると、その1つの工法での見積しか出てきません。3つの工法を比べたうえで判断したいという段階のご相談だけでも、遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。お問い合わせはお問合せフォームから承っています。


出典・参考資料


本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月13日時点で公表されている港区および国土交通省・東京都の公式情報をもとに執筆しています。特に港区の制度案内ページは2024年4月2日更新のまま推移しており、手数料・様式・令和9年4月1日施行の新基準の扱いについては最新の運用が反映されていない可能性があります。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず港区街づくり支援部住宅課住宅支援係(03-3578-2223)および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。


株式会社明誠は、東京都東大和市を拠点に、マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事を手がけています。通常の足場工法、無足場のロープアクセス工法、両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つから、建物の条件に合わせた工法をご提案します。

ロープアクセス工法の詳細は、専門サイト https://rope-access-method.com/ をご覧ください。