大規模修繕はロープアクセスが提案可能な東京の明誠へ

創業から6000棟超の施工実績

【令和8年度版】新宿区のマンション管理計画認定制度|区手数料は当面無料・補助金3本で自己負担を抑える全手順

【令和8年度版】新宿区のマンション管理計画認定制度|区手数料は当面無料・補助金3本で自己負担を抑える全手順

【令和8年度版】新宿区のマンション管理計画認定制度|区手数料は当面無料・補助金3本で自己負担を抑える全手順

2026年9月13日 更新

「認定を取るのに、結局いくらかかるんでしょうか」——これは、管理計画認定の話をするときに理事長さまから必ず出てくる質問です。

私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。東京都東大和市を拠点に、20年近くマンション・ビル・ホテルの外壁と向き合ってきました。足場を組む工事も、ロープ1本でぶら下がる無足場の工事も、どちらも自分の手でやってきた人間です。

新宿区のマンションについて、この質問への答えを先に申し上げます。新宿区への申請手数料は、当面の間、無料です。 そして、マンション管理センターに払うシステム利用料と事前確認審査料には、上限5万円の補助が用意されています。

つまり新宿区は、23区の中でも「費用面のハードルが低い区」です。ところが、その事実が管理組合に届いていないと私は感じています。今日は、新宿区の管理計画認定について、いくらかかり、いくら戻ってきて、どの順番で動けばいいのかを整理します。


結論:新宿区で認定を取ると何が変わり、いくらかかるか

先に全体像を表でお示しします。

論点 新宿区での答え
認定の主体 新宿区(令和6年2月にマンション管理適正化推進計画を策定し、同月から運用開始)
窓口 新宿区都市計画部住宅課居住支援係/電話 03-5273-3567
対象 新宿区全域に立地する既存の分譲マンション
区独自の上乗せ基準 なし。国の基本方針が定める基準と同一の内容
区への申請手数料 当面の間、無料
システム利用料 10,000円((公財)マンション管理センター)
事前確認審査料 依頼先により1万円〜4万円程度
手数料の補助 上限5万円(システム利用料+事前確認審査料の合計額)
申請ルート マンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」から。変更認定申請以外は区へ直接申請できない
有効期間 5年間(5年ごとの更新認定)
主な経済効果 長寿命化促進税制、フラット35の金利引下げ、共用部分リフォーム融資の金利引下げ、すまい・る債の利率上乗せ

(出典:新宿区「新宿区マンション管理計画認定制度」(最終更新日:2026年6月1日)、国土交通省「マンション管理計画認定制度」

ここで1点、情報の鮮度について申し上げておきます。新宿区の制度案内ページの最終更新日は2026年(令和8年)6月1日です。令和8年度に入ってから更新されている、現行年度の一次情報です。本記事の金額と要件は、この令和8年度版のページと、区が公開している交付要綱に基づいています。


認定主体は新宿区——都ではなく、区に申請します

管理計画認定制度の認定主体は、マンション管理適正化法に基づく「マンション管理適正化推進計画」を策定した市・特別区です。市以外の町村部は都道府県が担います(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。

新宿区は令和6年2月に新宿区マンション管理適正化推進計画を策定し、同じ月から制度の運用を開始しました。つまり新宿区が認定主体です。東京都に申請するものではありません。

ただし、固定資産税の減額措置(後述の長寿命化促進税制)だけは別です。東京23区の固定資産税は東京都が課税するため、申告先は物件所在地を管轄する都税事務所になります。認定は区、減税の申告は都。この二本立てを最初に頭に入れておくと、あとで慌てません。

なお、認定申請そのものは(公財)マンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」経由で行います。変更認定申請を除き、区へ直接申請することはできません。区の窓口に書類を持ち込んでも受け付けてもらえない、という意味です。ここは新宿区の案内に明記されています。


認定基準は国の基準と同一——区独自の上乗せはありません

新宿区の認定基準は、国が「マンションの管理の適正化の推進を図るための基本的な方針」で定めている基準と同一の内容です。推進計画の概要版にも「(区独自の上乗せ基準なし)」とはっきり書かれています(出典:新宿区マンション管理適正化推進計画【概要版】)。

これは、実務上かなり大きな意味を持ちます。近隣区では独自基準を設ける動きがあり、たとえば文京区は令和7年4月から、渋谷区は令和8年4月から、それぞれ独自の追加基準を運用しています。区ごとに書類が変わると、管理会社もマンション管理士も手探りになります。新宿区は国基準と同じなので、全国共通の手引きと様式がそのまま使えます

具体的な基準は、次の5分野16項目です。

1)管理組合の運営

  • 管理者等(理事長など)が定められていること
  • 監事が選任されていること
  • 総会が年1回以上開催されていること

2)管理規約

  • 管理規約が作成されていること
  • 災害などの緊急時や管理上必要なときの専有部への立ち入り、修繕などの履歴情報の管理について定められていること
  • 管理組合の財務・管理に関する情報の書面交付(または電磁的方法による提供)について定められていること

3)管理組合の経理

  • 管理費と修繕積立金などを明確に区分して経理していること
  • 修繕積立金会計から他の会計への充当がされていないこと
  • 直前の事業年度末時点で、修繕積立金の3か月以上の滞納額が全体の1割以内であること

4)長期修繕計画の作成及び見直し等

  • 長期修繕計画が「長期修繕計画標準様式」に準拠して作成され、計画内容と修繕積立金額が総会で決議されていること
  • 長期修繕計画の作成または見直しが7年以内に行われていること
  • 計画期間が30年以上で、かつ残存期間内に大規模修繕工事が2回以上含まれていること
  • 将来の一時的な修繕積立金の徴収を予定していないこと
  • 計画期間全体での修繕積立金の総額から算定された平均額が著しく低額でないこと
  • 計画期間の最終年度において、借入金の残高のない計画となっていること

5)その他

  • 組合員名簿・居住者名簿を備え、年1回以上は内容の確認を行っていること

(出典:新宿区「認定基準と確認対象書類」国土交通省「マンション管理計画認定基準」

私の経験上、ここでつまずくマンションの大半は4)の長期修繕計画です。特に「一時金徴収を前提にしていないこと」と「最終年度に借入金残高がないこと」。この2条件は、修繕積立金の水準そのものに踏み込む要件です。積立金を上げずに認定は取れない、という設計になっています。

逆に言えば、認定の準備がそのまま積立金不足の是正になるということでもあります。私はこの点を、理事会でいつもお伝えしています。


新宿区のマンションの現状——「30年以上の計画」を持つのは4割

新宿区が推進計画の中で公表している数字を見ると、この基準の重さがよく分かります。

指標 現状(平成28年度実態調査) 区の目標値
管理組合があるマンションの割合 84.3% 100%
管理規約があるマンションの割合 85.6% 100%
30年以上の長期修繕計画に基づく修繕積立金額を設定している割合 41.1% 60%
居住者名簿があるマンションの割合 69.0% 100%
管理組合または自治会が地域活動を行っている割合 39.7% 60%

(出典:新宿区マンション管理適正化推進計画【概要版】、計画期間:令和5年度〜令和9年度)

注目していただきたいのが、太字の41.1%です。認定基準の「計画期間30年以上」を満たしているマンションが、新宿区では4割程度にとどまっているということです。裏を返せば、残る約6割は認定の入口に立てていない

同じ調査では、区内の分譲マンションの約3分の1が旧耐震基準で建てられていること、築20年以上のマンションの約2〜3割が長期修繕計画を策定していないことも報告されています。1970年代・1980年代竣工のストックが厚いのが、新宿区の特徴です。

この数字を見て、私は「新宿区が補助金を3本も用意している理由」がよく分かりました。区としては、まず長期修繕計画を整えてもらわないことには認定も進まない。だから作成費から補助しているわけです。


手数料と3つの補助——新宿区の支援策はここが本題です

ここからが、新宿区の管理組合にとって一番実利のある話です。

区への申請手数料は当面の間、無料

新宿区への申請手数料は、当面の間、無料とされています。港区が4,200円、中央区や千代田区もそれぞれ条例で手数料を定めている中で、新宿区は区の手数料をゼロにしています。

かかるのは、(公財)マンション管理センターへのシステム利用料10,000円と、事前確認の依頼先に支払う事前確認審査料の2つです。

(出典:新宿区「新宿区マンション管理計画認定制度」手数料

補助1:管理計画認定手続支援サービス手数料補助事業(上限5万円)

その残る2つの費用に対して、新宿区は補助を用意しています。

補助対象 金額
システム利用料 1万円
事前確認審査料ア:事前確認講習を修了したマンション管理士に依頼 上限4万円
事前確認審査料イ:管理会社等を経由し「マンション管理適正評価制度」と併せて申請 上限4万円
事前確認審査料ウ:マンション管理士会連合会を経由し「マンション管理適正化診断サービス」と併せて申請 1万円
事前確認審査料エ:マンション管理センターのサービスを利用 1万円
補助額 対象経費の合計額(消費税等を含む)/上限5万円

要件は3つです。新宿区内のマンション管理組合であること、補助金の活用について総会等で決議を経ていること、そして管理計画の認定を受けたマンションであること。認定取得後に申請する、あと払いの補助です。

(出典:新宿区マンション管理計画認定手続支援サービス手数料補助金交付要綱

ここを読み込むと、費用構造が見えてきます。たとえば「エ:センターのサービスを利用」で進めた場合、システム利用料1万円+事前確認審査料1万円=2万円。補助の上限5万円の範囲内なので、認定取得にかかった実費が補助で戻る計算になります。区の手数料は無料ですから、新宿区は費用面では極めて動きやすい区だと言えます。

ただし、あくまで補助金です。予算や要綱は年度ごとに見直される可能性がありますので、申請前に住宅課(03-5273-3567)へ令和8年度の運用を確認することをおすすめします。

補助2:長期修繕計画作成費等補助事業(上限20万円)

認定の前段階、長期修繕計画そのものの作成・見直しにも補助があります。

項目 内容
補助対象 区内のマンション管理組合が当該年度に行う長期修繕計画の作成・見直しに係る委託経費
補助額 対象経費の合計額(消費税等を除く)の2分の1上限20万円(千円未満切り捨て)
要件 区分所有者が5人以上/延べ面積の過半が住宅用途/建築後5年以上/作成・見直し後の計画期間が30年以上/総会等で決議済み ほか
完了実績報告の期限 令和9年3月31日まで

(出典:新宿区マンション長期修繕計画作成費等補助金交付要綱

この補助には、見落とすと致命的な注意点が2つあります。

※補助事業の着手(委託経費の支払い含む)は交付決定後に行う必要があります。
※既に契約をしたもの又は既に作成や見直しを実施したものは申請できません。

つまり、先に業者と契約してしまうと補助が使えません。順番は「区へ申請 → 交付決定 → 委託契約 → 作成・見直し → 完了実績報告」です。ここを逆にしてしまった管理組合を、私は他区の案件で実際に見たことがあります。あとから遡って申請することはできませんでした。

完了実績報告の期限が令和9年3月31日ということは、令和8年度中に作成・見直しを終える必要があるということです。令和8年9月13日現在から数えると、残り約6か月半。委託先の選定と総会決議を含めると、決して余裕のあるスケジュールではありません。

補助3:管理計画認定取得促進補助事業(宅配ボックス/上限20万円)

3つ目は、認定取得後のインセンティブです。

項目 内容
補助対象 宅配ボックスの製品購入費用および設置施工費用
補助額 対象経費の20%上限20万円(千円未満切り捨て)
要件 管理計画認定を受けた区内マンションの管理組合/申請時点で宅配ボックスが未設置/設置について総会等で決議済み

(出典:新宿区管理計画認定取得促進補助金交付要綱

宅配ボックスが未設置のマンションにとっては、認定を取る動機がひとつ増えます。居住者アンケートで要望が挙がりやすい設備でもありますので、認定と抱き合わせで理事会に諮ると話が通りやすい、という実務上の使い方ができます。


申請の流れ——STEP0からSTEP5まで

新宿区が示している手順は、次の6ステップです。

  1. STEP0 認定申請に係る合意。認定申請することを集会(臨時総会を含む)で決議します。ここが出発点です
  2. STEP1 事前確認の申請。マンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」から申請します(4通りの方法があります)
  3. STEP2 事前確認適合証の取得。認定基準に適合していると認められると、マンション管理センターから発行されます
  4. STEP3 新宿区へ認定申請。適合証の取得後、同じ支援サービスから新宿区へ申請します
  5. STEP4 管理計画の認定。区が審査し、基準に適合していれば認定通知書が発行されます
  6. STEP5 マンションの公表。公表に同意したマンションは、マンション管理センターの管理計画認定マンション閲覧サイトで認定コード・認定日・マンション名・所在地などが公表されます

(出典:新宿区「新宿区マンション管理計画認定制度」申請方法・手順(公財)マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」

制度そのものの相談先としては、(一社)日本マンション管理士会連合会の「マンション管理計画認定制度 相談ダイヤル」(03-5801-0858/月〜土 10:00〜17:00、祝日・年末年始を除く)が無料で使えます。区も自区のページでこの窓口を案内しています。

また新宿区には、マンション管理相談マンション管理相談員派遣という無料の支援もあります。後者は総会・理事会・専門委員会に区の相談員が来てくれる制度です。認定の話を理事会で通したいとき、外部の専門家が同席してくれるのは実務上かなり効きます。


認定の3つの経済効果——税・ローン・融資

認定を取ると、お金の面で3つの効果が出てきます。

1)マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)

管理計画認定マンションが長寿命化に資する大規模修繕工事を行った場合、固定資産税額が減額されます。東京23区の減額割合は2分の1で、減額期間は工事完了年の翌年度分です。1戸当たり100㎡の床面積相当分までが対象です。

主な要件は次のとおりです。

  • 新築された日から20年以上が経過していること
  • 総戸数10戸以上であること
  • 長寿命化工事(外壁塗装等工事、床防水工事、屋根防水工事のすべて)を過去に1度以上行っていること
  • 令和3年9月1日以降に、修繕積立金の額を管理計画の認定基準まで引き上げたこと

(出典:国土交通省「マンション長寿命化促進税制」東京都主税局「長寿命化に資する大規模修繕工事が行われたマンションに対する固定資産税の減額制度」

適用期限には重要な動きがあります。この特例措置の現行の適用期間は令和5年4月1日から令和9年3月31日までですが、令和8年度税制改正で5年間の延長(令和8年4月1日〜令和13年3月31日)が示されており、あわせて対象住宅の床面積要件の下限が40㎡(現行50㎡)に緩和される方向です(出典:国土交通省「令和8年度税制改正概要」)。適用を前提に工事計画を立てる場合は、工事完了時点で有効な期限と要件を都税事務所に確認したうえで進めるのが安全です。

申告期限は工事完了日から3か月以内です。23区は都が課税主体なので、申告先は物件所在地を管轄する都税事務所になります。ここを区役所に持っていくと二度手間になります。

2)フラット35の金利引下げ・フラット50の利用

認定マンションを購入する人は、住宅金融支援機構の【フラット35】維持保全型の対象となり、借入金利が当初5年間、年0.25%引き下げられます。返済期間が最長50年となる【フラット50】も利用できます(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」住宅金融支援機構)。

これは、売るときに効く効果です。新宿区は中古流通が活発なエリアで、区分所有者の入れ替わりも比較的早い。買い手のローン金利が当初5年間下がるという事実は、販売図面に書ける材料になります。認定マンションは閲覧サイトで公開されるため、管理の質が外から見える状態になる点も見逃せません。

3)マンション共用部分リフォーム融資の金利引下げ・すまい・る債の利率上乗せ

管理組合が大規模修繕工事を行う際に使えるマンションすまい・る融資(マンション共用部分リフォーム融資)では、管理計画認定の取得で金利が年0.2%引き下げられます。加えて、認定取得済みの場合は返済期間を1年以上35年以内とすることが可能になります(出典:住宅金融支援機構「マンションすまい・る融資(管理組合申込みの場合)」)。

さらに、管理組合向けのマンションすまい・る債についても、認定マンションは利率の上乗せを受けられます。

私はいつも理事長さまに、こうお伝えしています。「認定は、減税のためだけの制度ではありません。借りるときの金利、売るときの評価、そして積立金の健全化——この3つが同時に動く話です」と。


令和9年4月1日から認定基準が見直されます

ここは、令和8年度に申請を検討している管理組合が知っておくべき最重要ポイントです。

令和7年5月30日に公布された「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」(令和7年法律第47号)に基づき、管理計画認定制度の見直しが令和9年4月1日に施行されます。令和8年5月15日の閣議決定で施行期日が確定し、同年5月20日に政令が公布されました(出典:国土交通省 報道発表「マンション管理・再生の円滑化等のための改正法の一部の施行期日を定める政令等を閣議決定」(令和8年5月15日))。

施行される内容は2つです。

  • 管理計画認定制度の見直し(新築時の分譲事業者による認定申請の導入)
  • 管理計画認定マンションの表示制度の創設

これに伴い、令和8年7月31日に省令と告示が公布されています。

  • マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則及び長期優良住宅の普及の促進に関する法律施行規則の一部を改正する省令(令和8年国土交通省令第70号
  • マンションの管理の適正化の推進を図るための基本的な方針の一部を改正する告示(令和8年国土交通省告示第1017号

いずれも令和9年4月1日施行です(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。

実務上の分かれ目は、ここです。

地方公共団体への申請日が令和9年4月1日以降となる場合は、見直し後の認定基準が適用されます。

つまり、申請日が令和9年3月31日までなら現行基準、4月1日以降なら新基準という切り分けです。改正省令の附則で経過措置も設けられています。

新宿区の認定基準は国基準と同一ですから、この見直しはそのまま新宿区の基準の見直しになります。区の案内ページは令和8年6月1日更新で、令和9年4月1日施行の扱いについてはまだ具体的な記載がありません。事前確認の依頼前に、住宅課へ「令和9年4月以降の申請の扱い」を確認しておくと、後戻りを避けられます。

そしてもう一点。新宿区の推進計画の計画期間は令和5年度から令和9年度までです。令和9年度は計画の最終年度にあたり、次期計画の策定作業と制度見直しが重なる時期になります。支援策の内容も、このタイミングで見直される可能性があります。


逆算スケジュール——総会決議から認定通知まで

新宿区で、令和9年3月31日までに認定申請を完了させたい場合の逆算です。所要期間は私が現場で見てきた実感ベースの目安で、区や事前確認機関の混雑状況によって前後します。

時期の目安 やること 所要の目安
9月〜10月 理事会で議題化。長期修繕計画の作成・見直しが7年以内か、計画期間30年以上・大規模修繕2回以上を満たすかを確認 1〜2か月
9月〜10月 長期修繕計画の見直しが必要な場合、先に区へ補助金を申請(交付決定前の契約は対象外) 2週間〜1か月
10月〜11月 交付決定後に委託契約。長期修繕計画の見直しと修繕積立金の改定案づくり 1〜2か月
11月〜12月 総会で認定申請の決議。長期修繕計画と修繕積立金額の決議、補助金活用の決議も同時に 招集期間を含めて1〜2か月
12月〜1月 事前確認の依頼。事前確認適合証の取得 1〜2か月
1月〜2月 支援サービスから新宿区へ認定申請 2週間〜1か月
2月〜3月 区の審査、認定通知書の交付。長期修繕計画補助の完了実績報告(令和9年3月31日期限) 1〜2か月
認定後 手数料補助(上限5万円)の申請。宅配ボックス補助を使う場合もこの段階

一番読めないのは、総会のタイミングです。管理規約で総会の招集時期が決まっている管理組合は、そこが動かせない固定点になります。私の経験上、認定申請でスケジュールが崩れる原因の7割はここです。

しかも新宿区の場合、総会で決議すべき項目が複数あります。認定申請そのものの決議、長期修繕計画と修繕積立金額の決議、補助金活用の決議。これらを1回の総会にまとめられるかどうかで、全体の期間が数か月変わります。議案書を作る段階で、決議事項を洗い出しておくことをおすすめします。

臨時総会を開くか、通常総会に間に合わせるか。この判断は、9月〜10月のうちに理事会で決めておきたいところです。書類は後から追いつきますが、総会は追いつきません。


認定準備と大規模修繕は、同じ時期に進めたほうが得です

ここからが、私が本業として一番お伝えしたい話です。

認定基準の「4)長期修繕計画」を満たすには、計画期間30年以上で、残存期間内に大規模修繕工事が2回以上入っている必要があります。そして修繕積立金は、一時金徴収を前提にせず、最終年度に借入金残高が残らない水準でなければなりません。

この条件を満たす計画を作ろうとすると、次の大規模修繕にいくらかかるかという見積が必要になります。ここが曖昧なままだと、積立金の設定も逆算できません。

そして、その「いくらかかるか」は、工法の選択で大きく変わります

新宿区のマンションは、立地条件が厳しい物件が少なくありません。隣地との離隔が取れない敷地、前面道路が狭くて資材搬入の段取りに手間がかかる立地、道路占用許可のハードルが高い場所。区内には高層・超高層のマンションもあり、足場を全周に組むだけで工事費が跳ね上がるケースがあります。

こういう建物では、ロープアクセス工法(産業用ロープで職人が降下しながら施工する、足場を組まない工法)が効いてきます。足場費そのものが不要になり、工期も短くなります。居住者の生活への影響という点でも、窓の外に足場と養生シートが数か月かかり続ける状態を避けられるのは、かなり大きい違いです。

実際にあった話をします。以前、ある管理組合で、大規模修繕の3年後に屋上だけ仕様を変えたいというご相談をいただきました。屋上だけなので工事自体は小さいのですが、資材を上げるための仮設と安全対策で、工事費の3割以上が段取り費用に消えました。3年前の大規模修繕のときに仕様を1行変えておけば、その3割は出ていません。理事長さまと一緒に見積書を眺めながら、私が一番悔しい思いをしたのはその瞬間でした。

長期修繕計画の見直しに区の補助(上限20万円)を使うなら、その計画に載せる工事費の前提を、足場工法だけで組まないことをおすすめします。ロープアクセス工法やハイブリッド工法で試算すると、30年間の総額が変わり、必要な積立金の水準も変わるからです。認定基準の「著しく低額でないこと」をクリアしやすくなる可能性があります。

私たちは、通常の足場工法、ロープアクセス工法、そして部位ごとに使い分けるハイブリッド工法の3つから、建物にとって一番合う方法をご提案しています。工法の詳しい解説はロープアクセス工法のご紹介と、ロープアクセス専門サイトのロープアクセス工法の技術解説にまとめています。大規模修繕全体の進め方は大規模修繕工事のご紹介をご覧ください。

新宿区のように立地条件が厳しい物件での施工事例や、足場とロープアクセスを組み合わせた場合のコスト比較については、ロープアクセスによる大規模修繕の実際で具体的な数字を交えて整理しています。


まとめ:新宿区の管理組合が今週のうちに動けること3点

長くなりましたので、要点を3つに絞ります。

1)長期修繕計画の「7年」と「30年・2回」を確認する

いま手元にある長期修繕計画は、いつ作成または見直したものでしょうか。7年を超えていれば、認定の入口に立てません。あわせて、計画期間が30年以上あるか、残存期間内に大規模修繕工事が2回以上入っているかを見てください。新宿区でこの条件を満たしているマンションは4割程度というのが、区の調査結果です。このチェックは、理事会の議題として5分で終わります。

2)見直しが必要なら、契約より先に区へ補助申請する

長期修繕計画作成費等補助(対象経費の2分の1、上限20万円)は、交付決定前に契約や支払いをすると対象外になります。順番を間違えると、20万円がまるごと消えます。完了実績報告の期限は令和9年3月31日です。

3)新宿区住宅課へ相談する(03-5273-3567)

新宿区への申請手数料は当面の間無料で、システム利用料と事前確認審査料には上限5万円の補助があります。3つの補助の令和8年度の運用と、「令和9年4月1日以降の申請の扱い」を一度で確認しておくと、後戻りがなくなります。総会・理事会へ区の相談員を派遣してもらう制度もありますので、理事会で議論する前に一度使ってみる価値があります。

そして、もし次の大規模修繕が5年以内に視野に入っているなら、認定の準備と修繕の工法検討は同時に進めたほうが得です。長期修繕計画に載せる工事費の前提が変われば、必要な修繕積立金の水準も変わります。

工法の選択肢が1つしかない会社に相談すると、その1つの工法での見積しか出てきません。3つの工法を比べたうえで判断したいという段階のご相談だけでも、お気軽にお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。お問い合わせはお問合せフォームから承っています。


出典・参考資料


本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月13日時点で公表されている新宿区および国土交通省・東京都の公式情報をもとに執筆しています。新宿区の制度案内ページの最終更新日は2026年6月1日で、令和8年度の一次情報として確認しました。ただし補助金は予算の状況により受付が終了する場合があり、要綱も年度ごとに見直されることがあります。また令和9年4月1日には認定基準の見直しが施行されます。実際に申請される前に、必ず新宿区都市計画部住宅課居住支援係(03-5273-3567)および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。


株式会社明誠は、東京都東大和市を拠点に、マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事を手がけています。通常の足場工法、無足場のロープアクセス工法、両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つから、建物の条件に合わせた工法をご提案します。

ロープアクセス工法の詳細は、専門サイト https://rope-access-method.com/ をご覧ください。