大規模修繕はロープアクセスが提案可能な東京の明誠へ

創業から6000棟超の施工実績

埼玉県熊谷市で、マンションの大規模修繕を控えている管理組合の方に向けて、熊谷市で使える補助金と制度を2026年度(令和8年度)版で整理しました。

埼玉県熊谷市で、マンションの大規模修繕を控えている管理組合の方に向けて、熊谷市で使える補助金と制度を2026年度(令和8年度)版で整理しました。

埼玉県熊谷市で、マンションの大規模修繕を控えている管理組合の方に向けて、熊谷市で使える補助金と制度を2026年度(令和8年度)版で整理しました。

先に結論を書きます。熊谷市には、管理組合が共用部の工事で使える可能性のある補助金が2本あります。ひとつは緊急輸送道路沿いの旧耐震建築物に対する耐震診断・耐震改修補助で、改修工事は最大1,000万円。もうひとつは吹付けアスベスト等の含有調査に対する補助で、1棟25万円を上限に費用が補助されます。

そして、よく名前が挙がる「熊谷市住宅リフォーム資金補助金」は、マンションの場合は専有部分の工事しか対象になりません。共用部の大規模修繕には使えません。ここを勘違いしたまま総会に諮ると、あとで説明のやり直しになります。

私は株式会社明誠の本間です。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕を20年以上やってきました。関東と山梨・静岡の190を超える市区町村について、大規模修繕に関わる制度を1件ずつ調べて記事にしてきましたが、熊谷市は共用部に直接効く補助の金額が大きいという点で、これまで調べてきた自治体のなかでも上位に入ります。

この記事では、その2本の補助を中心に、建築基準法第12条の定期報告、マンション管理計画認定制度、そして「熊谷市だから避けて通れない暑さと建物の劣化」までを、順番に書いていきます。

熊谷市の管理組合が使える制度:まず結論の一覧

2026年9月22日時点で、熊谷市の公表情報から確認できた制度を先に一覧にします。

制度・手続き 共用部の大規模修繕に 補助の内容 窓口
緊急輸送道路閉塞建築物 耐震診断補助 使える可能性がある 費用の2/3。重点23路線は上限300万円、その他は上限100万円 建築審査課 0493-39-4809
緊急輸送道路閉塞建築物 耐震改修補助 使える可能性がある 費用の2/3。上限1,000万円 建築審査課 0493-39-4809
吹付けアスベスト等含有調査補助 使える可能性がある 費用の全額(1棟につき25万円が上限・1棟1回限り) 建築審査課 0493-39-4809
熊谷市住宅リフォーム資金補助金 使えない(専有部分のみ) 税抜20万円以上の工事費の5%・上限10万円 企業活動支援課 048-594-6820
木造住宅耐震診断・耐震改修等補助金 使えない(木造住宅が対象) ── 建築審査課
ブロック塀等撤去・生け垣設置奨励補助 敷地の塀が該当すれば可能性あり 要確認 建築審査課
建築基準法第12条の定期報告 6階以上の共同住宅は3年ごとに義務 ── 埼玉県建築安全協会(提出窓口)
マンション管理計画認定制度 認定申請ができる 市への申請手数料は無料 都市計画課 0493-39-4813
マンション長寿命化促進税制 要件を満たせば固定資産税が減額 家屋の固定資産税を1/3減額 国土交通省・市資産税課

熊谷市は自ら建築主事を置く特定行政庁で、マンション管理適正化推進計画も持っています。町村部と違って、市の窓口でほとんどの話が完結するのが特徴です。順に見ていきます。

緊急輸送道路沿いなら、耐震改修に最大1,000万円

制度の概要

熊谷市は平成25年4月1日から、震災時に緊急輸送道路を閉塞するおそれのある建築物に対して補助を実施しています。ページの更新日は2026年4月1日で、令和8年度の内容であることを確認しました。

補助の額は次のとおりです。

区分 補助率 限度額
耐震診断(県指定の重点23路線) 費用の2/3 300万円(用途・規模の制限あり)
耐震診断(その他の路線) 費用の2/3 100万円
耐震改修工事 費用の2/3 1,000万円

(1,000円未満の端数は切り捨て。出典:熊谷市 緊急輸送道路閉塞建築物耐震診断・耐震改修補助金交付制度について)

補助対象者は「当該建築物を所有しているかた」です。分譲マンションの場合、区分所有者の全員または管理組合が該当します。

自分のマンションが対象かどうかの見分け方

対象となる建築物には、3つの条件があります。

1つめ。緊急輸送道路に面していること。
埼玉県地域防災計画に定められた第一次特定緊急輸送道路、第一次緊急輸送道路、第二次緊急輸送道路のいずれかに面し、建築物の敷地がその道路に接していることが条件です。熊谷市は北関東と都心を結ぶ幹線道路を持つ市なので、該当する路線は市内に複数あります。国道17号、国道125号、国道140号、国道407号といった幹線沿いのマンションは、確認する価値があります。

県内の緊急輸送道路は、埼玉県のホームページで確認できます。

2つめ。昭和56年5月31日以前に着工していること。
いわゆる旧耐震基準の建物です。「昭和56年以前に建った」ではなく「昭和56年5月31日以前に着工した」です。竣工が昭和57年でも、着工が昭和56年5月以前なら対象になり得ます。竣工年だけで判断せず、確認済証や工事契約書の日付を確認してください。

3つめ。道路を閉塞するおそれのある高さがあること。
市のページには次の基準が図で示されています。

前面道路の幅員 対象となる建築物の高さ
12メートルを超える場合 幅員の2分の1の高さを超える建築物
12メートル以下の場合 6メートルの高さを超える建築物

6メートルを超えるということは、共同住宅ならおおむね3階建て以上が目安になります(階高3mなら2階建てで約6m、3階建てで約9m)。幅員12m以下の道路に面している3階建て以上のマンションは、該当する可能性が高いとお考えください。幅員が20mの道路なら10m超、つまり4階建て以上が目安です。

加えて、建築物の耐震改修の促進に関する法律(平成7年法律第123号)第14条第3号に規定する特定建築物であることが要件です。ここは専門的な判断になりますので、建築審査課に確認してください。

理事会がまず確認すべき3点

この補助は金額が大きい分、確認すべきことも多くなります。窓口に電話するときは、次の3点をまとめて聞いてください。

「熊谷市◯◯の分譲マンションです。前面道路は◯◯で、建物は◯階建て、着工は昭和◯年です。(1)この道路は緊急輸送道路に該当しますか。(2)該当する場合、県指定の重点23路線ですか、その他の路線ですか。(3)当マンションは耐震改修促進法第14条第3号の特定建築物にあたりますか。」

建築審査課は大里庁舎にあり、直通は0493-39-4809です。市役所本庁舎(048-524-1111)ではなく大里庁舎ですので、電話番号にご注意ください。

耐震改修と大規模修繕を同時にやる意味

ここが実務の勘所です。

耐震改修は、外壁に鉄骨ブレースを入れたり、耐震スリットを設けたり、柱に補強を巻いたりする工事です。外壁に手を入れるという点で、大規模修繕と作業の場所が重なります。

別々の年度に発注すると、仮設足場を2回かけることになります。仮設足場は総工費の15〜25%が目安ですから、30戸規模のマンションなら足場だけで500万〜1,200万円。これを2回払うのは、金額としてかなり大きな損失です。

耐震改修の補助が1,000万円出るなら、その資金計画に大規模修繕を重ねるのが合理的です。理事会での議題は「耐震改修をやるかどうか」ではなく、「次回の大規模修繕の時期に、耐震改修を合わせられないか」という立て方をおすすめします。

なお、ロープアクセス工法は外壁の塗装・防水・タイル補修には向きますが、鉄骨ブレースの設置のような構造補強には足場や重機が必要です。この場合は部位ごとに工法を使い分けるハイブリッド工法が現実的な選択になります。工法の技術的な比較は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムで詳しく解説しています。

アスベスト含有調査の補助:大規模修繕の前に必ず通る道です

熊谷市の制度

熊谷市は、民間建築物に吹き付けられたアスベスト等の含有調査を行う建築物の所有者等に対し、費用を予算の範囲内で補助しています。ページの更新日は2026年4月8日、交付要綱も令和8年4月1日施行版が公開されています。要綱から要点を拾います。

項目 内容
補助金の額 調査に要する費用の額(1,000円未満切捨て)。1棟につき250,000円が上限
回数 補助対象建築物1棟につき1回限り
申請できる人 建築物の所有者、または区分所有法第3条に規定する区分所有者の団体(=管理組合)
対象となる調査 吹付けアスベスト、吹付けロックウール、吹付けパーライト、吹付けバーミキュライト(ひる石) で石綿の重量が0.1%を超えるものが施工されているおそれがある建築物の含有調査
調査を行う者 建築物石綿含有建材調査者
その他の要件 市内に存する建築物/過去に国・自治体等から同様の補助を受けていない建築物
着手の時期 交付決定の通知を受けた後でなければ着手できない(要綱第8条)
要綱の失効 令和13年3月31日

(出典:熊谷市 吹付けアスベスト等含有調査補助金交付制度について)

管理組合にとって重要な点が2つあります。

ひとつめ。申請者に「区分所有者の団体」が明記されています。 管理組合が直接申請できるということです。ただし要綱は添付書類として「区分所有者の集会等において、当該事業を実施する決議がなされたことを証する書類」を求めています。総会の決議が必要です。理事会だけでは進みません。

ふたつめ。交付決定の前に着手できません。 市のページにも次の注意書きがあります。

補助金の交付を希望される場合は、委託業者と契約される前に、建築審査課にご相談ください。

調査会社と契約してから「そういえば補助があったな」と気づいても遅い、ということです。

対象になるのは「吹付け材」の調査だけです

ここは正確に書きます。この補助の対象は、要綱の定義により吹付けアスベスト、吹付けロックウール、吹付けパーライト、吹付けバーミキュライトの含有調査です。

つまり、外壁の仕上塗材、シーリング材、成形板(スレート等)の調査費は、この補助の対象にならない可能性が高いということです。マンションで吹付け材が使われているのは、機械室、電気室、駐車場、パイプスペース、天井裏といった部位が中心になります。

大規模修繕で必要になる石綿の事前調査は、この補助でカバーされる範囲より広い、と理解しておいてください。どこまでが補助の対象になるかは、建築審査課に図面を見せて確認するのが確実です。

なぜ大規模修繕で関係してくるのか

ここは管理組合の方にあまり知られていないので、少し丁寧に書きます。

石綿障害予防規則により、建築物の解体・改修工事を行う前には、石綿(アスベスト)の有無について事前調査を行うことが義務づけられています。有資格者による調査が必要で、一定規模以上の工事では調査結果を電子システムで報告することも義務です。

大規模修繕は「改修工事」です。外壁の塗り替え、シーリングの打ち替え、屋上防水の改修。これらはすべて事前調査の対象になります。

そして、築年数の古いマンションでは、次のような部位にアスベストが含まれている可能性があります。

部位 含有の可能性がある材料
機械室・駐車場などの天井・壁 吹付け石綿、石綿含有吹付けロックウール
外壁の仕上塗材 石綿含有仕上塗材(リシン、スタッコ、吹付けタイルなど)
目地・接合部 石綿含有シーリング材
屋上・ベランダ 石綿含有成形板(スレート、けい酸カルシウム板など)

特に注意が必要なのが外壁の仕上塗材です。これは大規模修繕でそのまま上から塗り重ねるか、除去するかで工法が変わります。除去するなら、石綿則に基づく作業が必要になり、費用も工期も大きく変わります。

見積の前にやるべきこと

私が管理組合にお伝えしているのは、次の順番です。

  1. 竣工年を確認する。おおむね平成18年(2006年)以前の建物は、事前調査が必要と考える
  2. 設計図書・仕様書に仕上材の記載があるか探す(残っていないことが多い)
  3. 機械室・電気室・駐車場・パイプスペースなど、吹付け材が使われていそうな部位を洗い出す
  4. 調査会社と契約する前に、建築審査課(0493-39-4809)に補助の相談をする。どこまでが補助対象になるかを、図面を見せて確認する
  5. 総会で調査の実施を決議する(要綱が決議の証明書を求めています)
  6. 交付決定の通知を受けてから、建築物石綿含有建材調査者に調査を依頼する
  7. 調査結果を持って、3社に見積を依頼する

調査を後回しにして見積を取ると、各社が〈アスベストがあった場合は別途〉という条件付きの見積を出してきます。そうなると金額の比較ができません。調査を先に済ませておけば、全社が同じ前提で見積を作れます。結果として、価格競争が正しく働きます。

吹付け材の調査については1棟25万円を上限に補助が出ます。全額が補助される可能性もある制度ですから、該当しそうな部位があるなら相談しておく価値は十分にあります。

熊谷市住宅リフォーム資金補助金:共用部には使えません

制度の内容

熊谷市の補助金として最もよく知られているのが、この住宅リフォーム資金補助金です。令和8年度の内容は次のとおりです。

項目 内容
受付期間 令和8年4月1日から令和9年3月31日まで
申請期限 工事完了日の翌日から起算して90日以内
補助率 税抜き20万円以上の改修工事費用の5パーセント(千円未満切捨て)
限度額 10万円
交付方法 地域電子マネー「クマPAY」(スマートフォン型/カード型を選択)
回数 一住宅につき1回限り
対象工事 屋根の改修、外壁の改修(塗装含む)、床の改修、間取りの変更、防音・断熱工事、水回りの改修など
対象外工事 新築・建替え、エクステリア(門・塀・車庫・物置・造園等)、太陽光発電装置の設置、バルコニー・ベランダの増築・設置など
窓口 市役所本庁舎7階 企業活動支援課(048-594-6820)平日9時〜16時

(出典:熊谷市住宅リフォーム資金補助金をご利用ください!)

決定的な注釈

市のページには、次の1行があります。

マンションなどの場合は、個人の専有部分の工事が対象となります。

つまり、管理組合が行う共用部の大規模修繕は対象外です。外壁の改修(塗装含む)が対象工事の例に挙がっているので期待してしまいますが、それは戸建住宅や、マンションの専有部分の話です。

もうひとつ、対象者の要件も見ておいてください。

  1. リフォームを実施した熊谷市内の住宅に居住していることが住民基本台帳で確認できること
  2. 対象住宅の所有者であること。または2親等以内の親族が所有する住宅に居住すること
  3. 市税に滞納がないこと

「居住していること」が条件ですので、賃貸に出しているオーナーの物件は対象になりません。投資用にマンションを保有されている方は、この点にご注意ください。

さらに、補助対象工事の要件に「市内の事業者(市内に本店・支店・営業所がある事業者)に依頼した改修工事であること」とあります。

正直に書いておきます。株式会社明誠は東京都東大和市の会社です。熊谷市内に本店・支店・営業所を持っていないため、当社に発注された工事はこの補助の対象になりません。自社の不利になる情報ですが、後から知って落胆されるより、先に申し上げておくべきだと考えています。

それでも、理事会が知っておく価値はあります

共用部に使えないなら関係ない、とは思わないでください。使い道が2つあります。

ひとつめ。大規模修繕に合わせて専有部分を直す住民がいます。
足場が架かるタイミングで、サッシまわりの補修や内窓の設置、バルコニーに面した部分の断熱工事を考える方は必ずいます。そういう方には、この補助が使えます。総会の資料に1行入れておくだけで、理事会が住民の側に立っていることが伝わります。

ふたつめ。「住宅省エネ2026キャンペーン」と併用できます。
市のページには「熊谷市住宅リフォーム資金補助金は、国の補助金を充当していないため、併用が可能です」と明記されています。国の住宅省エネ2026キャンペーンと市の補助を重ねられるということです。内窓の設置などは、国と市の両方から補助が出る可能性があります。

補助金が電子マネー「クマPAY」で交付されるという点も、あまり他の自治体では見かけない仕組みです。現金ではなく市内で使える電子マネーで返ってくるので、地域にお金が回る設計になっています。

熊谷市で外壁と屋上を考えるなら、暑さの話は避けて通れません

2018年7月23日、41.1℃

熊谷市は、2018年7月23日に41.1℃を観測しました。これは当時の国内観測史上最高気温でした。

念のため正確に書いておきます。その後、2025年7月30日に兵庫県丹波市柏原町が記録を更新し、さらに2025年8月5日に群馬県伊勢崎市が41.8℃を観測しています。2026年現在、国内最高気温の記録は熊谷市ではありません。それでも、熊谷市が国内有数の高温地域であることに変わりはなく、市自身が長年にわたり暑さ対策に取り組んできた都市です。

なぜこの話を大規模修繕の記事に書くのか。建物の劣化速度が違うからです。

高温が建物に与える3つの影響

1. 屋上防水の熱劣化が早い

屋上のアスファルト防水やシート防水は、紫外線と熱で劣化します。夏場の屋上表面温度は、気温が40℃なら70℃を超えることも珍しくありません。防水層は温度差で伸縮を繰り返し、これが繰り返されると、シートの継ぎ目が開いたり、アスファルトが硬化してひび割れたりします。

一般的な屋上防水の改修周期は12〜15年とされますが、熊谷市のような高温地域では、同じ仕様でも早めに点検する意識が必要です。トップコートの塗り替えは5年前後で検討する価値があります。

2. シーリングの寿命が短くなる

外壁の目地やサッシまわりのシーリング材も、熱と紫外線で硬化します。硬化すると弾性を失い、建物の動きに追従できなくなって切れます。ここが切れると雨水が入り、内部の鉄筋を錆びさせます。

シーリングの一般的な耐用年数は10年前後ですが、南面・西面の日射が強い面から先に傷みます。方位で劣化の進み方が違うことを前提に、点検の優先順位をつけてください。

3. タイルの浮きが熱膨張で進行する

タイル張りの外壁では、下地のモルタルとタイルの熱膨張率の差が問題になります。夏の日中に膨張し、夜に収縮する。これを毎日繰り返すと、接着層に疲労が蓄積します。

厄介なのは、タイルは接着層が剥離しても表面は割れないので、目視では分からないことです。打診調査をして初めて「この範囲が浮いている」と分かります。だからこそ、劣化診断では目視だけでなく打診が必要になります。

方位別に見る、熊谷市のマンションの点検ポイント

方位 主な劣化要因 重点的に見る箇所
南面 紫外線・熱 シーリングの硬化、塗膜のチョーキング、タイルの浮き
西面 夕方の強い日射・熱 最も温度が上がる面。シーリング、外壁のひび割れ
東面 朝の結露と日射 塗膜の膨れ、北寄りの部分の藻
北面 湿気・乾きにくさ 藻・カビ、シーリングの黒ずみ
屋上 熱と紫外線 防水層の継ぎ目、パラペット天端、笠木の固定、ドレン周り

熊谷市では、西面と屋上が最優先です。劣化診断を依頼するときに「西面と屋上を重点的に見てほしい」と伝えるだけで、報告書の精度が変わります。

遮熱塗料という選択肢

熊谷市は「スマートハウス補助金」など、環境・省エネの補助制度を複数持っています。マンションの共用部に直接使えるとは限りませんが、大規模修繕で塗料を選ぶときに、遮熱塗料や高耐候性塗料を検討する価値はあります。

遮熱塗料は一般的な塗料より単価が高くなりますが、屋上や最上階の室温低減に効果が期待できます。外壁塗装の㎡単価の目安は3,500〜4,500円ですが、遮熱仕様にすると1割から2割程度上がるのが一般的です。外壁全面ではなく、屋上と最上階だけ仕様を変えるという提案もできます。

このあたりは、明誠の大規模修繕の料金の考え方のページでも触れています。どこにお金をかけ、どこを抑えるかの判断材料にしてください。

12条点検:熊谷市は6階以上の共同住宅が3年ごとです

対象と報告時期

熊谷市は特定行政庁として、建築基準法第12条の定期報告制度を運用しています。共同住宅に関係する部分を抜き出します。

対象 規模の要件 報告の間隔
共同住宅(サービス付き高齢者向け住宅を除く) 6階以上の階にあるもの 3年
共同住宅(サービス付き高齢者向け住宅に限る) 3階以上の階の床面積>100㎡ など 3年
建築設備(換気・排煙・非常用照明・給排水。共同住宅の住戸に設けるものを除く) 上記の特定建築物に設けられるもの 1年
昇降機(エレベーター等) かごが住戸内のみを昇降するものを除く 1年

(出典:熊谷市 定期報告制度について)

ここで押さえておきたいのは、建物本体(特定建築物)は3年ごとでも、エレベーターと建築設備は毎年だということです。「うちは12条点検をやっている」と思っていても、エレベーターの定期検査報告しか出していないケースは珍しくありません。理事会で確認してみてください。

提出窓口は市役所ではありません

熊谷市の場合、定期調査(検査)報告書の提出窓口は一般財団法人埼玉県建築安全協会です。市役所に持って行くのではありません。

項目 内容
提出先 一般財団法人 埼玉県建築安全協会
提出部数 定期調査(検査)報告書 正副1部ずつ(計2部)+ 定期調査(検査)概要書1部
様式 埼玉県建築安全協会のホームページからダウンロード
所有者変更・除却・休業の届出 いずれも埼玉県建築安全協会が窓口

常時閉鎖式防火扉の扱いに注意してください

細かい話ですが、調査を発注するときに効いてくるので書いておきます。

令和6年6月28日および令和7年1月29日に、定期報告制度に係る国土交通省告示が改正されました。これを受けて、熊谷市は熊谷市建築基準法施行細則を改正し、令和7年7月1日から施行しています。

市のページには次のように書かれています。

本市における「常時閉鎖式防火扉」については、従来どおり「特定建築物定期調査」による調査対象とし、「防火設備定期検査」上では報告を求めないものとします。

つまり、常時閉鎖式の防火扉について、熊谷市では防火設備定期検査での報告は不要で、特定建築物定期調査の中で見る、という整理です。同様の整理は埼玉県の施行細則改正でも採られており、県内では共通の運用とみられますが、特定行政庁ごとに扱いが分かれる論点です。県外の調査会社に依頼する場合は、熊谷市の細則を確認しているかを聞いてください。

また、告示改正で報告様式が変わっています。令和7年7月1日以降に実施する調査・検査は新しい様式を使う必要があります。

12条点検と劣化診断は1回にまとめられます

これは費用に直結する話なので、毎回書いています。

特定建築物定期調査では、外壁の全面打診が必要になる場合があります(竣工または外壁改修から10年を超えたタイミングなど)。一方、大規模修繕の前には劣化診断をします。どちらも外壁を叩いて浮きを探す作業で、中身がほとんど同じです。

打診調査の㎡単価の目安は250〜500円。外壁2,000㎡なら50万〜100万円です。別々に発注すれば、単純に2倍払うことになります。

理事会での議題の立て方は、「調査を追加する」ではなく「もともと予定していた劣化診断を、12条点検に合わせて前倒しする」です。予算が増えるのではなく減る話なので、総会でも通りやすくなります。

足場を組まずに全面打診から補修まで一貫して行う方法については、明誠のロープアクセス工法の技術詳細をご覧ください。調査のためだけに足場を組む必要がなくなるというのが、この工法のいちばん分かりやすい利点です。

マンション管理計画認定制度:熊谷市は申請手数料が無料です

制度の概要

熊谷市はマンション管理適正化推進計画を策定しており、市内の分譲マンションの管理組合は、市から管理計画の認定を受けることができます。ページの更新日は2026年3月19日です。

項目 熊谷市の内容
対象 市内にある分譲マンションの管理組合
市への申請手数料 無料
別途かかる費用 管理計画認定手続支援システムの利用料および事前確認審査料
有効期間 5年(更新しない場合は効力を失う)
申請方法 公益財団法人マンション管理センターの「管理計画認定手続支援システム」から
事前確認 事前確認講習を受講したマンション管理士による事前確認が必要
窓口 都市計画課(大里庁舎)0493-39-4813

(出典:熊谷市 マンション管理計画認定制度について)

市への申請手数料が無料というのは、率直に言って大きいです。町村部を県が所管している地域では、適合証がない場合の手数料が2万5千円を超えることもあります。熊谷市は市が直接所管しているうえに手数料を取っていません。

ただし、マンション管理センターのシステム利用料と事前確認審査料は別途かかります。この金額はマンション管理センターにお問い合わせください。

申請の流れで、最初にやることは「総会の決議」です

市が示している申請の流れは次のとおりです。

  1. 管理計画の認定の申請について、総会で決議をとる
  2. 事前確認に関する情報を管理計画認定手続支援システムに入力し、添付書類をアップロードする
  3. 認定基準に適合していることが確認されると、適合通知メールが届く
  4. システム上で、事前確認適合証および認定申請書を添付して市に申請する
  5. 市が審査した後、認定通知書が届く
  6. 認定マンション閲覧サイトおよび市のホームページでマンション名が公表される(公表に同意した場合のみ)

1番目が総会の決議である点に注意してください。理事会の判断だけでは進められません。総会は年1回が普通ですから、思い立ってから最短でも数か月かかります。逆算して動いてください。

なお、熊谷市は認定を受けたマンションの一覧をPDFで公開しています。近隣で認定を取っているマンションがあるかどうかを見ておくと、総会での説得材料になります。

認定を取る本当の価値

認定を取るとフラット35の金利引き下げや税制上の優遇が受けられる、という説明がよくされます。それも事実ですが、私が管理組合にお伝えしているいちばんの価値は別のところにあります。

長期修繕計画の見直しが、認定基準に沿って強制的に進むことです。

認定基準には、長期修繕計画が7年以内に作成または見直しされていること、計画期間が30年以上かつ大規模修繕工事が2回以上含まれていること、といった要件があります。これを埋めようとすると、理事会は否応なく自分たちの修繕積立金と工事予定を直視することになります。

認定そのものより、認定基準を埋める過程で、理事会が現実を見ることに意味があります。

そして有効期間は5年です。5年ごとに同じ作業が回ってくるということは、5年ごとに長期修繕計画が棚卸しされるということでもあります。管理組合の運営という意味では、これが最大の効能だと考えています。

マンション長寿命化促進税制:令和9年3月31日まで

国の制度です。令和5年4月1日から令和9年3月31日までに、長寿命化に資する大規模修繕工事を完了したマンションについて、申告により翌年度分の家屋の固定資産税が減額されます。

ここは要件が多く、誤解されやすい制度です。熊谷市が公表している要件を漏らさず書きます。

項目 内容
工事完了の期限 令和9年3月31日
築年数の要件 新築された日から20年以上
総戸数の要件 10戸以上
用途の要件 店舗等が併存する場合、専有部分の2分の1以上が居住部分であること
工事の要件 外壁塗装等工事・床防水工事・屋根防水工事を一体として実施
工事回数の要件 過去に長寿命化工事を1回以上実施しており、令和5年4月1日〜令和9年3月31日の間に「2回目以降」の長寿命化工事を完了していること
管理体制の要件 次のいずれか。(A) 管理計画認定マンションで、令和3年9月1日以降に修繕積立金の額を認定基準まで引き上げていること。(B) 市から助言または指導を受けた管理組合で、長期修繕計画を作成または見直し、それが一定の基準に適合していること
申告の期限 工事完了日から3か月以内
減額の内容 翌年度分の家屋の固定資産税額を1/3減額(1戸あたり100㎡相当分まで)

(出典:熊谷市 長寿命化に資する大規模修繕工事を行ったマンションに係る固定資産税の減額制度について/国土交通省 マンション税制)

2026年9月22日時点で、令和9年3月31日まで残り約6か月半です。

見落とされやすい2つの要件

ひとつめ。これから初めて大規模修繕をするマンションは対象外です。
「過去に長寿命化工事を1回以上実施しており、令和5年4月1日以降に2回目以降の工事を完了する」ことが要件です。築22年で初回の大規模修繕を迎えるマンションは、この税制の対象になりません。ここを読み飛ばすと、総会で「税金が安くなります」と説明した後に取り消すことになります。

ふたつめ。管理計画認定か、市からの助言・指導のどちらかが必要です。
工事をやれば自動的に減額される制度ではありません。熊谷市は管理計画認定制度の申請手数料を無料にしていますので、この税制を狙うなら、まず管理計画認定を取りに行くのが最短ルートになります。ただし認定を取るには修繕積立金を認定基準まで引き上げている必要があり、そこにも総会の決議が要ります。

この2つを踏まえると、令和9年3月31日という期限は、2回目以降の大規模修繕を控えていて、かつ管理計画認定の準備が進んでいるマンションにとっての期限です。該当しないマンションは、この期限に振り回される必要はありません。

理事会に説明するときの注意点

「税金が3分の1になる」と説明しないでください。 減額されるのは家屋分の固定資産税だけです。土地の固定資産税は対象外ですし、都市計画税も対象外です。総会で「税金が3分の1」と説明してしまうと、翌年の納税通知書を見た区分所有者から苦情が来ます。

分割発注は要件を外すおそれがあります。 外壁塗装等・床防水・屋根防水を「一体として」実施することが要件です。予算の都合で「今年は外壁だけ、来年は屋上防水」と分けると、要件を満たさなくなる可能性があります。

申告の期限は工事完了日から3か月以内です。 工事が終わって引渡しが済み、ほっとしているうちに過ぎます。工程表を作る段階で、完了後の申告まで含めてスケジュールに入れておいてください。

なお、この税制と前述の耐震改修補助を組み合わせられるかどうかは個別の判断になります。市の資産税課(048-524-1111)と建築審査課の両方に確認してください。

熊谷市のマンションストックと、市の姿勢

熊谷市は「熊谷市マンション管理適正化推進計画」(令和5年4月〜令和15年3月)を策定しています。計画の策定資料によれば、令和3年1月時点で市内の分譲マンション(3階建て以上の居住用分譲マンション)は78棟とされています。

78棟という数字は、さいたま市や川口市に比べれば少ないですが、市が10年計画を作り、管理計画認定制度を手数料無料で運用しているという事実のほうが重要です。市として、マンションの管理水準を上げることに予算と人を割いている、ということだからです。

これは管理組合にとって追い風です。窓口に相談したときに「マンションのことはよく分からない」と言われる自治体と、推進計画を持っている自治体とでは、相談の密度がまったく違います。

そして、市自身も公共施設の長寿命化に取り組んでいます。市が公共施設に対してやっていることと、管理組合が共用部に対してやるべきことは、構造としては同じです。計画をつくり、点検し、優先順位をつけて直す。それだけのことですが、それができている管理組合とそうでない管理組合で、20年後の資産価値は大きく変わります。

管理組合向けの当社のサービスについては、管理組合向けサービスのページをご覧ください。漏水などの緊急対応は明誠の漏水対応にまとめています。

熊谷市のモデルケース:2つの立地で試算してみます

実際の見積は物件の状態により大きく変動しますので、以下はあくまで考え方を示すための参考値です。

ケースA:幹線道路沿い、旧耐震、6階建て

築45年、6階建て、32戸、国道に面する立地。緊急輸送道路沿いで耐震改修補助の対象になった場合。

項目 金額の目安
大規模修繕(足場工法) 4,200万円
耐震改修工事 2,400万円
耐震改修補助(費用の2/3・上限1,000万円) ▲1,000万円
大規模修繕をハイブリッド工法に変更 ▲600万円
実質負担の目安 5,000万円

このケースの要点は、別々にやると足場が2回分かかるということです。耐震改修と大規模修繕を同じ工期で回せれば、仮設費が1回で済みます。32戸なら1戸あたり50万円前後の差になります。

なお、6階建てですので12条点検の対象(3年ごと)にも該当します。劣化診断と打診を1回にまとめてください。

ケースB:住宅地、新耐震、4階建て

築28年、4階建て、20戸、緊急輸送道路には面していない立地。

項目 足場工法 ハイブリッド工法
工事費の目安 2,900万円 2,450万円
差額 ── ▲450万円(1戸あたり約22万円)
工期 4.5か月 3か月

こちらは耐震補助の対象外ですが、アスベスト含有調査の補助は使える可能性があります。築28年(平成10年前後)なら、外壁の仕上塗材に石綿が含まれている可能性は否定できません。調査費に補助が出るなら、先に調べておくべきです。

参考までに㎡単価の目安を再掲します。外壁塗装3,500〜4,500円/㎡、打診調査250〜500円/㎡、防水5,000〜8,000円/㎡。30戸規模のマンションの大規模修繕は総額3,500万〜5,000万円が目安で、うち仮設足場が15〜25%、金額にして500万〜1,200万円を占めます。

見積書で必ず見てほしい5点(熊谷市版)

1. アスベスト事前調査の費用がどこに入っているか

一式表記になっていないか。調査費と、石綿があった場合の除去・封じ込めの単価が分かれているか。市の補助を使う前提で見積を作ってもらえるか。

2. 遮熱仕様の提案があるか

熊谷市で施工するのに、屋上防水のトップコートの仕様が標準品のままなら、その会社は地域の条件を考えていません。遮熱仕様の場合の差額を数字で出してもらってください。

3. 仮定数量を超えた分の単価

「タイル浮き補修 ◯㎡(仮定数量)」という項目は必ず入ります。実際に調査したら想定より多かった場合の単価を、契約書に明記しておいてください。高温地域ではタイルの浮きが想定を超えることがあります。

4. 足場リース延長費の負担

工期が延びたときのリース延長費を誰が負担するのか。天候による延長は施工会社の責任か、管理組合の負担か。熊谷市は夏場の猛暑日が多く、作業員の熱中症対策で午後の作業を止める判断が必要になる日があります。この場合の工程遅延をどう扱うかを、契約前に決めておいてください。

5. 12条点検の様式改正に対応しているか

令和7年7月1日施行の様式改正と、熊谷市建築基準法施行細則の「常時閉鎖式防火扉」の扱いを知っているか。この質問への回答の速さで、その会社が熊谷市の運用を調べているかが分かります。

あわせて、工事監理者と施工会社の資本関係も確認しておいてください。監理者が施工会社の関連会社では、チェック機能が働きません。

私は施工会社の人間です:利益相反について

ここまで読んでいただいて、「ロープアクセスを売り込みたいだけだろう」と思われた方もいると思います。そのとおりです。私は施工会社の人間で、自社の工法を勧める立場にあります。その前提で読んでください。

そのうえで、正直に書きます。ロープアクセス工法は万能ではありません。私が「今回は足場でいきましょう」と申し上げる現場は、普通にあります。

足場が有利になる条件は、だいたい次の4つです。

  1. タイルの浮きが外壁面積のおおむね20%を超えている(補修量が多く、作業効率で足場が勝つ)
  2. バルコニー内部の作業が主体になる
  3. サッシなど開口部の交換を伴う
  4. 構造補強(鉄骨ブレースの設置など)を伴う

熊谷市の場合、4番目が特に効いてきます。緊急輸送道路沿いの旧耐震マンションで耐震改修をやるなら、構造補強の部分は足場が必要です。この記事で1,000万円の耐震補助を紹介しておきながら「ロープアクセスでやりましょう」と言うのは筋が通りません。部位ごとに使い分けるハイブリッド工法が、この条件では最適解になります。

もうひとつ、よく誤解される点を書いておきます。「ロープアクセスなら住戸への立ち入りはゼロです」というのは正しくありません。バルコニー内部の作業は、工法にかかわらず立ち入りが必要です。ここを曖昧にして契約すると、工事が始まってから住民に叱られるのは、施工会社ではなく、説明した理事会です。

3つの工法を持っている意味についても書かせてください。足場しか持たない会社は足場を勧めるしかありません。ロープしか持たない会社はロープを勧めるしかありません。3つ持っているから、足場を勧められます。

株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法での高所作業について、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。IRATA(国際産業ロープアクセス協会)水準の技能訓練を受けた作業員、ISO9001品質マネジメントシステム、日本ロープ高所作業協会の事務局を担当しており、日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部として、塗装・防水・タイル・電気・看板の各分野の専門職が加盟しています。安全管理の考え方は明誠の安全管理への取り組みに、これまでの施工事例は明誠の施工事例にまとめています。

同業者やフランチャイズ加盟をご検討の方向けの技術情報は、ロープアクセスドットコムのほうが詳しく書いています。

この秋、熊谷市の理事会がやることの順番

令和9年3月31日の税制期限から逆算した工程表です。

時期 やること 連絡先
9〜10月 前面道路が緊急輸送道路か確認。旧耐震なら耐震補助の対象になるか照会 建築審査課 0493-39-4809
9〜10月 アスベスト含有調査の補助を相談(調査会社と契約する前に) 建築審査課 0493-39-4809
10月 12条点検の報告年度を確認。劣化診断を前倒しで実施 埼玉県建築安全協会
10〜11月 アスベスト調査を実施。結果を見積の前提に組み込む ──
11〜12月 見積3社。遮熱仕様の差額、仮定数量超過分の単価を質問項目に ──
12〜1月 管理計画認定を取るなら、総会の議案に入れる 都市計画課 0493-39-4813
1〜3月 総会。工事契約。補助金の交付申請 ──
4月以降 着工(夏の猛暑期を避けた工程を組む) ──

窓口について、熊谷市ならではの注意点を3つ書いておきます。

ひとつ。建築審査課と都市計画課は大里庁舎にあります。 市役所本庁舎(熊谷市宮町二丁目47番地1、048-524-1111)ではありません。建築審査課の直通は0493-39-4809、都市計画課の直通は0493-39-4813です。市外局番が048ではなく0493である点にご注意ください。旧大里町の区域にあるためです。

ふたつ。住宅リフォーム資金補助金の窓口だけは本庁舎7階です。 企業活動支援課(048-594-6820)で、受付時間は平日の午前9時から午後4時までと、開庁時間より短く設定されています。

みっつ。12条点検の提出先は市役所ではなく、一般財団法人埼玉県建築安全協会です。 市に持って行っても受け取ってもらえません。

よくあるご質問

Q. 熊谷市の補助金で、マンションの大規模修繕に使えるものはありますか?

A. 一般的な大規模修繕に対する補助はありませんが、2つの制度が使える可能性があります。ひとつは緊急輸送道路沿いの旧耐震建築物に対する耐震診断・耐震改修補助(改修は費用の2/3・上限1,000万円)、もうひとつは吹付けアスベスト等含有調査補助(1棟25万円が上限)です。いずれも建築審査課(0493-39-4809)にご相談ください。

Q. 熊谷市住宅リフォーム資金補助金は、管理組合が使えますか?

A. 使えません。市のページに「マンションなどの場合は、個人の専有部分の工事が対象となります」と明記されています。共用部の大規模修繕は対象外です。ただし、区分所有者が専有部分のリフォームをする場合は対象になり得ますので、大規模修繕に合わせて専有部を直す方には案内する価値があります。

Q. うちのマンションが緊急輸送道路に面しているかどうか、どう調べますか?

A. 埼玉県のホームページで県内の緊急輸送道路を確認できます。ただし、補助の対象になるかは道路の該当性だけでなく、着工日(昭和56年5月31日以前)、建物の高さ(前面道路の幅員が12m以下なら6m超、12m超なら幅員の1/2超)、耐震改修促進法第14条第3号の特定建築物に該当するか、で決まります。住所と階数と着工年を伝えて建築審査課に照会するのが確実です。

Q. アスベストの調査は、大規模修繕で必ず必要ですか?

A. 石綿障害予防規則により、建築物の改修工事の前には有資格者による事前調査が義務づけられています。大規模修繕は改修工事にあたりますので、原則として必要です。熊谷市には吹付け材の含有調査への補助制度(1棟25万円が上限・1棟1回限り)がありますので、調査会社と契約する前に建築審査課にご相談ください。なお外壁の仕上塗材やシーリング材の調査は、この補助の対象外となる可能性が高い点にご注意ください。

Q. 足場を組まないロープアクセス工法だと、どれくらい安くなりますか?

A. 物件の条件により大きく変わりますが、仮設足場は総工費の15〜25%が目安です。30戸規模で総額3,500万〜5,000万円の工事なら、足場だけで500万〜1,200万円になります。本記事のモデルケースでは、4階20戸でハイブリッド工法により約450万円の差が出る計算になりました。無料で概算のお見積りを出せますので、お気軽にご相談ください。

Q. 熊谷市は暑いですが、工事は夏を避けたほうがよいですか?

A. 塗装工事は気温5℃以上・湿度85%未満が一般的な施工条件で、上限側の制約は塗料の種類によります。ただし、熊谷市で夏場に施工する場合は、品質より先に作業員の安全の問題が出ます。猛暑日には午後の作業を止める判断が必要になり、その分工期が延びます。工期に余裕があるなら、春(4〜6月)または秋(9〜11月)の着工をおすすめします。工程表を見るときは、真夏に塗装工程が入っていないかを確認してください。

Q. 12条点検は何階建てから対象になりますか?

A. 熊谷市では、共同住宅(サービス付き高齢者向け住宅を除く)は6階以上の階にあるものが対象で、報告の間隔は3年です。5階建て以下なら特定建築物としての定期報告の対象外ですが、エレベーターと建築設備(換気・排煙・非常用照明・給排水。住戸内のものを除く)は毎年報告が必要です。階数だけで「うちは関係ない」と判断しないでください。

Q. マンション管理計画認定の申請には、いくらかかりますか?

A. 熊谷市への申請手数料は無料です。ただし、公益財団法人マンション管理センターの「管理計画認定手続支援システム」の利用料と、事前確認審査料が別途かかります。金額はマンション管理センターにお問い合わせください。なお、申請の最初のステップは総会での決議ですので、逆算して準備してください。認定の有効期間は5年です。

Q. 耐震改修と大規模修繕は、同時にやったほうがよいですか?

A. 緊急輸送道路沿いで耐震補助の対象になるなら、同時をおすすめします。理由は仮設足場です。別々の年度に発注すると足場を2回かけることになり、30戸規模なら500万〜1,200万円を2回払うことになります。工期が長くなり住民の負担は増えますが、金額の差は大きくなります。

出典・参考資料


本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月22日時点で公表されている熊谷市および国土交通省・埼玉県の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。特に補助金は予算の範囲内での交付となるため、年度後半には枠が残っていない場合があります。実際に申請される前に、必ず熊谷市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

大規模修繕の工法の選び方、概算のお見積りについては、お問い合わせからお気軽にご相談ください。熊谷市を含む埼玉県全域は、株式会社明誠の施工エリア内です。


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この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年9月22日