大規模修繕はロープアクセスが提案可能な東京の明誠へ

創業から6000棟超の施工実績

点検商法の相談が年19,696件で高止まり|屋根リフォーム詐欺5人逮捕から、オーナーと管理組合が「点検」を検証する5つの方法【2026年9月】

点検商法の相談が年19,696件で高止まり|屋根リフォーム詐欺5人逮捕から、オーナーと管理組合が「点検」を検証する5つの方法【2026年9月】

この記事で答える質問:訪問してきた業者の「点検結果」が本当かどうか、オーナーと管理組合はどうやって確かめればいいのか?

2026年9月4日 更新/執筆:株式会社明誠 代表取締役 本間幸紘(大規模修繕・ロープアクセス工法 実務20年)

2026年9月2日、神奈川県警が屋根のリフォーム工事をめぐる詐欺の疑いで、リフォーム会社の実質的経営者ら5人を逮捕したと報じられました。報道によれば、逮捕容疑は2024年10月、川崎市の男性に補修の必要がないのに「屋根の部品が外れているのは中の木が腐っているから」などとうそを言い、工事代金25万3千円をだまし取ったというものです。グループは首都圏の1都3県で約3億2000万円を売り上げていたとみられ、県警は匿名・流動型犯罪グループ、いわゆる「匿流(とくりゅう)」の関与も視野に捜査していると報じられています(いずれも容疑段階の報道であり、事実関係は今後の捜査・裁判で確定します)。

正直に申し上げます。この手のニュースを見るたび、私は同じ業界にいる人間として、うまく言葉にできない悔しさを感じます。私たちが1棟1棟、ロープにぶら下がって外壁を叩いて回っている横で、「見えない場所」の嘘だけで3億円が動く。しかも被害に遭うのは、一人暮らしの高齢者や、建物のことを相談する相手が身近にいないオーナーさんです。

ここからが本題です。この記事は「悪い業者に気をつけましょう」で終わらせません。点検商法という商売がなぜ成立するのか、その構造を分解したうえで、オーナーさま・管理組合さまが「目の前の点検結果は検証可能か」を判定するための具体的な手順を、公的な一次情報とあわせて整理します。


1. 結論:点検商法は「点検を検証できない」ことを突く商売。防ぐ鍵は”記録”の3条件

先に結論を申し上げます。

Q. 点検商法を防ぐ、いちばん効く方法は何ですか?
A. 「その場で契約しない」ことと、「点検の記録が第三者に検証できる形で残っているか」を確認することの2つです。

点検商法が成立する条件は、実はたった1つです。依頼者が、点検された場所を自分の目で確かめられない——これに尽きます。屋根、屋上、外壁の高い位置、バルコニーの外側、屋上の防水層の立ち上がり。どれも、はしごをかけて上がるか、足場を組むか、ロープで降りるかしなければ、所有者本人が見に行けない場所です。

見に行けないから、業者が持ってきた1枚の写真を信じるしかない。ところがその写真は、本当にあなたの建物のものかどうかを、あなたには確かめようがない。ここに嘘の入り込む余地が生まれます。

だから、対抗手段も裏返しです。点検の「記録」が次の3条件を満たしているかどうかを見てください。

条件 具体的に確認すること なぜ効くのか
①位置が特定できる 写真に「北面3階west側・柱型」など部位表記があるか。立面図や部位番号と紐づいているか 他物件の写真の流用を防げる
②連続していて全体像がある 「悪い箇所」だけでなく、健全な箇所も含めて面全体が撮られているか 都合の悪い部分の切り取りを防げる
③第三者が追試できる 打診(叩き)音の記録、日付、調査者名、調査方法(打診/赤外線/近接目視)の明示があるか 別の会社が同じ手順で再点検して照合できる

私はいつも理事長さまに、「点検結果に納得できないときは、同じ場所をもう一度、別の会社に見てもらってください」とお伝えしています。まっとうな点検であれば、追試されて困ることは何ひとつありません。追試を嫌がる時点で、それは点検ではなく営業です。


2. 何が起きたのか|屋根リフォーム詐欺で5人逮捕、1都3県で約3億2000万円

まず、今回の事案を事実として整理します。報道内容の範囲でまとめます。

  • 逮捕日:2026年9月上旬(神奈川県警)
  • 容疑:詐欺
  • 主な逮捕容疑の内容:2024年10月、川崎市の男性(58)に対し、補修工事の必要がないのに「屋根の部品が外れているのは中の木が腐っているから」などとうそを言い、工事代金25万3千円をだまし取った疑い
  • グループの規模:首都圏1都3県で約3億2000万円の売上があったとみられる
  • 主な標的:一人暮らしの高齢者が住む、築年数の古い戸建て住宅
  • 手口:直接訪問し、屋根などの不具合を指摘して不安をあおり、リフォームを持ちかける

注目していただきたいのは、1件あたりの金額が25万3千円という点です。数百万円の詐欺ではありません。「まあ、それくらいなら」と財布が緩む金額に、意図的に設定されています。

これは私の経験上、非常によくできた設計です。理由は3つあります。

  1. 建設業の許可がいらない金額帯である。建設業法では、工事1件の請負代金の額が500万円に満たない工事(建築一式工事は1,500万円未満など)は「軽微な建設工事」として、建設業許可がなくても請け負えます(建設業法施行令第1条の2)。つまり「許可がないこと自体は違法ではない」帯を狙っている。
  2. 被害者が声を上げにくい金額である。数十万円だと、「騒ぐほどでもない」「自分が悪かった」と泣き寝入りしやすい。
  3. 回数を稼げる。1件25万円でも、1,000件回れば2億5,000万円になります。実際、報じられた3億2000万円という数字はその規模感と整合します。

つまりこれは、単発の悪人による犯行ではなく、回数で稼ぐようにチューニングされたビジネスモデルです。だからこそ、個別の「悪い業者を見分ける」発想だけでは足りません。構造で防ぐ必要があります。


3. 数字で見る現在地|訪問販売リフォームは減り、点検商法は増えている

ここは公的な一次情報で確認します。独立行政法人 国民生活センターが公表している、全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO-NET)の相談件数です。

表:訪問販売によるリフォーム工事/点検商法の相談件数の推移(年度別)

年度 訪問販売によるリフォーム工事 点検商法
2023年度 11,879件 12,550件
2024年度 9,839件 19,249件
2025年度 5,544件 19,696件
2026年度(5月31日まで) 602件(前年同期680件) 2,193件(前年同期2,012件)

(出典:国民生活センター「訪問販売によるリフォーム工事/点検商法」/件数は2026年5月31日現在。消費生活センター等からの経由相談は含まれていません。2026年7月31日更新)

この表は、2つのことを同時に語っています。

ひとつめ。「訪問販売によるリフォーム工事」の相談は、2023年度の11,879件から2025年度の5,544件へと、2年で半分以下になりました。 数字だけ見れば改善です。

ふたつめ。ところが「点検商法」の相談は、同じ期間に12,550件から19,696件へと、約1.57倍に増えています。 そして2026年度も、5月末までの累計で2,193件と、前年同期の2,012件を約9%上回っています。

私はこの2つを、別々の現象とは思っていません。「リフォームを売りに来ました」という入り方が通用しなくなったので、「点検に来ました」という入り方に移動した——そう読むのが素直です。売っているものは同じでも、入口のラベルが変わった。だから「訪問販売リフォーム」という統計では捕まえきれなくなり、「点検商法」の統計が膨らんでいる。

国民生活センターが挙げている最近の相談事例にも、次のようなものが並びます。

  • 突然訪問した業者に「屋根の瓦がずれている」と言われ、承諾したら足場を組んで高額な契約を迫られた
  • 「無料で点検します」と言われて上がらせたところ、別の会社が同席していて高額な工事を勧められた
  • 「近所で工事をしている」と言って訪問し、点検が必要と言われた

(出典:同上/国民生活センター「訪問販売によるリフォーム工事・点検商法」の最近の事例より要旨)

「無料」「近所で工事中」「今日だけ」。この3語がそろったら、いったん止まってください。これは私が20年間、数え切れないほど後始末をしてきた入口の言葉です。


4. なぜ「屋根・屋上・外壁の上のほう」ばかりが狙われるのか

答えは単純です。そこが、所有者にとって最も検証コストが高い場所だからです。

キッチンの水漏れなら、施主は自分の目で見られます。床の傾きも、ビー玉を転がせば分かります。ところが屋根と屋上と外壁の高所は、見に行くこと自体に費用と危険が伴う。

ここで、ひとつ業界の実情をお話しします。従来、建物の高所を「ちゃんと見る」ためには、足場を架けるのが唯一の方法でした。 そして足場は高い。大規模修繕工事の総額のうち、仮設足場が占める割合は、建物形状や階数にもよりますが、私の実感で総額の2割前後になることが珍しくありません。

つまりこういう構造です。

見に行くのに数百万円かかる場所は、嘘をつかれても検証されない。

点検商法は、この経済的な非対称性の上に立っています。悪意ある業者が意図的に高所を選んでいるのは、そこが「安全地帯」だからです。

そして、ここが本題につながります。この非対称性を崩す技術が、無足場工法、なかでもロープアクセス工法です。

ロープアクセス工法(産業用ロープアクセス/無足場工法。作業者が2本のロープで屋上から下降し、外壁面に直接アプローチして調査・施工する技術)は、足場を架けずに、人の手と目で外壁に触れられます。つまり、打診(テストハンマーで壁面を叩き、音の違いから浮きや剥離を判定する調査方法)を、足場代を払わずに実施できる。ロープアクセス工法の一般的な安全基準や技術的な背景については、姉妹サイトのロープアクセスドットコムで詳しく解説しています。

これは「工事が安くなる」という話にとどまりません。検証のコストが下がると、嘘のコストが上がる。 セカンドオピニオンが現実的な選択肢になるからです。私がロープアクセスをこの業界に広げたいと思っている理由の、決して小さくない部分がここにあります。


5. 賃貸オーナー・管理組合にも、同じ手口は来る|共用部で起きる3パターン

「今回の逮捕は戸建ての話でしょう」と思われたかもしれません。私の実感では、そうとも言い切れません。マンション・アパート・テナントビルには、戸建てとは別の形で同じ手口が入ってきます。よくあるのは次の3パターンです。

パターンA:入居者経由で管理会社・オーナーに話が上がる

「お住まいのアパートの屋根が傷んでいます」と入居者に声をかけ、不安になった入居者からオーナーに連絡が入る形です。オーナーからすると「入居者からのクレーム」の顔をして届くので、断りにくい。

対処:入居者へは事前に「建物に関する業者の訪問は、必ず管理会社を通します。直接の対応は不要です」と一斉通知しておくのが最も効きます。これは1通のメール/掲示で済みます。

パターンB:総会・理事会の直前に「無料診断」が届く

管理組合の場合、大規模修繕の検討時期は登記や築年数からある程度推測できます。そのタイミングを狙って「無料診断」のチラシや訪問が集中することがあります。

対処:診断の依頼先は、理事会で「複数社に同一条件で依頼する」と決めてから動く。飛び込みで来た1社だけに診断させて、そのまま見積もりまで進むのが、いちばん比較ができなくなる流れです。

パターンC:台風・地震のあとの「火災保険が使えます」

9月は台風期です。災害後には「保険金で自己負担なく直せます」という勧誘が増えます。国民生活センターも、災害に便乗した住宅修理サービスのトラブルについて繰り返し注意喚起を行っています。

対処:保険が使えるかどうかを判断するのは保険会社であって、工事業者ではありません。先に保険会社・代理店に連絡する。順番を逆にしないでください。

なお、賃貸オーナーさまに1点補足します。公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターの推計では、2025年の住宅リフォーム市場規模は7兆4200億円(広義では8兆6700億円)と過去最高でした。ただしこの推計には注記があり、分譲マンションの大規模修繕等の共用部分のリフォーム、および賃貸住宅所有者による賃貸住宅のリフォームは含まれていません(出典:住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住宅リフォームの市場規模(2021年〜2025年)」)。

つまり、私たちが日々関わっている共用部・賃貸の修繕市場は、この7.42兆円の「外側」にあるわけです。統計に出にくい分野だからこそ、相場情報も出回りにくく、比較がしづらい。ここも、悪質業者にとっては都合のよい環境だということです。


6. 「本物の点検」と「点検商法」を分ける5つの検証ポイント

ここが、この記事でいちばん持ち帰っていただきたい部分です。表にしました。理事会や社内でそのまま使っていただいて構いません。

# 確認すること 本物の点検 点検商法の疑いが濃い
1 訪問の経緯 こちらから依頼した/管理会社経由 突然の訪問・「近所で工事中」「無料点検」
2 写真の作り 部位表記・立面図との紐づけ・健全部も含む連続撮影 損傷部のクローズアップ数枚のみ、位置が不明
3 調査方法の明示 打診/近接目視/赤外線/ドローンなど手法と範囲を書面で明記 「見れば分かる」「専門家だから」
4 契約を迫る速度 見積もり提示後、検討期間を置くのが当然という態度 「今日中なら」「足場代がタダになるのは今だけ」
5 相手の身元 商号・所在地・建設業許可の有無・所属団体を自ら開示 名刺のみ、携帯電話番号だけ、法人所在地が曖昧

5つのうち、どれか1つでも引っかかったら

その場で契約しない。これだけで、被害の大半は防げます。

私はこれを、必ずワンセットでお伝えするようにしています。「断る」のは勇気が要ります。でも「今日は決めません」と言うだけなら、誰でも言えます。断らなくていい。決めなければいい。 まっとうな業者は、それで一切困りません。

「建設業許可がないから悪徳」とは限らない点に注意

ここは正確に書きます。前述のとおり、請負金額500万円未満(建築一式工事は1,500万円未満等)の軽微な建設工事は、建設業許可がなくても請け負えます。許可がないこと自体は違法ではありません。 地域の優良な小規模事業者にも、許可を持たない会社は普通にあります。

ですから、許可の有無は「あれば安心材料が1つ増える」程度に扱ってください。より実務的なのは、国土交通省の住宅リフォーム事業者団体登録制度に登録された団体の構成員かどうかを確認することです。この制度は、要件を満たす住宅リフォーム事業者団体を国が登録・公表し、団体を通じて事業者の業務の適正な運営を確保しようとするもので、平成26年9月1日に告示公布・施行されています。


7. 制度で身を守る|クーリング・オフ、建築基準法第12条、そして記録

7-1. 訪問販売なら、クーリング・オフは「8日間」

契約してしまった場合でも、訪問販売であれば特定商取引法に基づくクーリング・オフができます。法律で定められた事項が正しく記載された書面(申込書面または契約書面)を受け取った日から8日間、無条件で契約を解除できます。通知は電磁的記録(メール等)でも可能です(出典:消費者庁「特定商取引法ガイド」)。

実務上、非常に重要なポイントを1つ。書面に不備がある場合、「正しく記載された書面を受け取った」ことにはならないため、8日間の起算が始まりません。 つまり、契約から日が経っていても、書面が不備だらけなら、まだクーリング・オフができる可能性があります。「もう8日過ぎたから無理だ」と自己判断で諦めず、消費者ホットライン(電話番号 188)や地域の消費生活センターに相談してください。

7-2. 一定規模以上の建物には、そもそも公的な点検ルールがある

マンション・ビル・ホテルのオーナーさま、管理組合さまには、こちらのほうが実務的に重要です。建築基準法第12条の定期報告制度です。

  • 特定建築物の定期調査:おおむね1〜3年ごと(対象・周期は特定行政庁が指定)
  • 外壁の全面打診等調査:竣工または外壁改修から10年を超えて最初の調査時、および以降10年以内ごと(平成20年国土交通省告示第282号)

(出典:国土交通省「建築基準法に基づく定期報告制度について」。対象建築物の範囲・報告周期は特定行政庁ごとに異なるため、必ず所在地の特定行政庁の指定をご確認ください)

この制度の存在は、点検商法対策として2つの意味を持ちます。

  1. 「公的に定められた調査の型」があるということ。訪問業者の「点検」が、この型(調査範囲・手法・報告様式)に照らしてどうなのかを問える。
  2. 定期報告の履歴そのものが、建物の記録になるということ。前回いつ・どこを・どの手法で調べたかが残っていれば、「急に危険な状態になった」という主張の妥当性を、自分たちで判断できます。

私が申し上げたいのは、制度を守るためだけに定期報告をするのはもったいない、ということです。あれは、あなたの建物についての公的な履歴書です。使ってください。


8. 私が現場でやっていること|「記録に残る点検」を、足場なしでつくる

正直に申し上げます。私たちのような改修会社が、今回のようなニュースに対してできる最大の貢献は、「悪い業者に気をつけて」と言うことではありません。検証可能な点検を、安く、当たり前にすることだと思っています。

数年前、都内の築28年・68戸のマンションで、こんなことがありました。理事会に「外壁タイルが危険な状態です」という他社の診断書が持ち込まれていました。写真は5枚。すべて損傷部のアップで、どの面のどの高さかは書かれていません。提示された概算は、足場を含めて総額で1億円を超えていました。

私はロープアクセスで、南面と東面の全数打診をさせていただきました。作業員2名、実働3日です。結果、浮きが確認されたのは主に東面の4階から6階の窓まわりに集中しており、南面は健全でした。写真は部位番号を振って320枚、打診記録は面ごとに集計してお渡ししました。

最終的にその年に実施したのは、東面の部分補修とシーリングの打ち替えで、金額は当初提示の3分の1以下です。理事長さまが最後におっしゃった言葉を、私は今でも覚えています。「やっと、うちの建物のことが自分の言葉で説明できるようになりました」と。

これが、私がロープアクセスにこだわる理由です。技術そのものより、技術がもたらす説明可能性のほうが大事だと思っています。

明誠が提案できる3つの工法(自社サービスのご案内)

※ここからは当社サービスのご紹介です。中立的な情報をお求めの方は、前章までをご参照ください。

当社は、建物の条件に応じて3つの工法から最適な組み合わせをご提案しています。

工法 主な特徴 向いている建物
通常足場工法 従来型の仮設足場。作業範囲が広く、大量の面積を一度に施工しやすい 中低層、形状が複雑、施工面積が大きい
ロープアクセス工法(無足場工法) 産業用ロープで下降し、足場を架けずに調査・施工。足場費の削減、工期短縮、居住者・利用者の生活影響を最小化 高層、足場架設が困難、部分補修、稼働を止められないホテル・テナントビル
ハイブリッド工法 部位ごとに足場とロープアクセスを使い分け、総コストを最適化 大規模・複雑形状で、総額の最適化が必要な物件

3つを比較して提案できる会社は、日本ではまだ多くありません。当社はロープアクセス工事において日本初のフランチャイズ展開を行っており、塗装・防水・タイル・電気・看板など各分野の専門職が加盟しています。大規模修繕工事のご紹介もあわせてご覧ください。賃貸マンション・ビル・ホテルなど用途別のご相談はオーナーさま向けページからどうぞ。

セカンドオピニオンだけのご依頼も承ります。 他社の診断書を持ち込んでいただいて、「この写真はどの部位のものか」「この工法は妥当か」を一緒に読むだけでも構いません。お問合せフォームからお気軽にどうぞ。


9. 万一、契約してしまったら|最初の72時間でやる4つの手順

慌てないでください。順番があります。

  1. 工事を止める。着工前なら「検討し直します」と伝える。口頭で構いません。まず止める。
  2. 書面をすべて確保する。契約書、申込書、見積書、パンフレット、名刺、受け取った日付が分かるもの(封筒・メール)。写真も撮っておく。
  3. クーリング・オフの通知を出す。訪問販売なら書面受領日から8日間。ハガキ(特定記録郵便や簡易書留が確実)または電磁的記録で。文面は消費者庁の特定商取引法ガイドに例があります。
  4. 消費者ホットライン188に相談する。8日を過ぎていても、書面不備・不実告知(うその説明)があれば取消しを主張できる場合があります。自己判断で諦めない。

法的な判断は個別の事情によりますので、最終的には消費生活センターや弁護士等の専門家にご相談ください。私はこの記事で法的助言をするつもりはありませんが、「相談先が公的に用意されている」ことだけは知っておいていただきたいのです。


よくある質問(FAQ)

Q1. 「無料点検」は全部あやしいのですか?
A. いいえ。無料点検そのものは、まっとうな会社も行っている正当な営業活動です。問題は「無料点検」+「突然の訪問」+「その場で契約を迫る」の組み合わせです。この3つがそろったときだけ警戒してください。

Q2. 点検商法の相談は、いま増えているのですか?
A. 増えています。国民生活センターのPIO-NET登録件数では、点検商法の相談は2023年度12,550件→2025年度19,696件。2026年度も5月31日までで2,193件と、前年同期の2,012件を上回っています(出典:国民生活センター)。

Q3. 屋根や屋上を自分で確認できないのですが、どうすればいいですか?
A. ロープアクセス工法やドローン等を使えば、足場を架けずに近接での調査・撮影が可能です。重要なのは「見に行けること」より「部位が特定できる形で記録が残ること」です。調査を依頼する際は、部位表記付きの写真と調査方法の明記を条件にしてください。

Q4. 建設業許可がない会社は避けるべきですか?
A. 一概には言えません。請負金額500万円未満(建築一式工事は1,500万円未満等)の軽微な建設工事は、建設業許可がなくても請け負えます。許可の有無より、国土交通省の住宅リフォーム事業者団体登録制度の登録団体に所属しているか、記録の残し方が適切か、のほうが実務的な判断材料になります。

Q5. 契約から10日経ってしまいました。もう手遅れですか?
A. 諦めるのはまだ早いです。訪問販売のクーリング・オフは「法律で定められた事項が正しく記載された書面を受け取った日」から8日間で、書面に不備があればその起算が始まっていない可能性があります。消費者ホットライン188、または地域の消費生活センターにご相談ください。


この記事のポイントまとめ

  • 屋根リフォーム詐欺で5人が逮捕。1件25万3千円×回数で稼ぐビジネスモデル
  • 点検商法の相談は2025年度19,696件。訪問販売リフォームは減り、点検商法へ移動
  • 点検商法が成立する条件は「所有者が点検箇所を検証できない」ことのみ
  • 防ぐ鍵は、位置特定・連続撮影・第三者追試の3条件を満たす「記録」
  • 訪問販売のクーリング・オフは書面受領から8日間。書面不備なら起算しない
  • 賃貸・共用部の修繕は7.42兆円統計の「外側」。相場が見えにくい分野

執筆者:本間 幸紘(株式会社明誠 代表取締役)
専門領域:マンション・ビル・ホテルの大規模修繕/ロープアクセス工法(無足場工法)/建物長寿命化計画
実務経験:建設・改修業界 20年以上
所属:一般社団法人 全国建設業支援協会(JCSA)

株式会社明誠について:東京都小平市を拠点に、東京・関東一円でロープアクセス工法・通常足場工法・ハイブリッド工法の3工法から最適な提案ができる改修会社。ロープアクセス工事において日本初のフランチャイズを展開しています。

最終更新:2026年9月4日

※本記事の制度・統計情報は執筆時点のものです。制度は変更される場合がありますので、最新の内容は必ず各公式サイトでご確認ください。また、本記事は法的助言を目的としたものではありません。


出典・参考資料


関連リソース

最後に一言だけ。私は、建物を直す仕事は「不安を売る仕事」であってはならないと思っています。不安ではなく、記録と根拠をお渡しする。それができる会社が増えれば、今回のような事件は減っていくはずです。次回も、現場で本当に使える話だけをお届けします。