大規模修繕はロープアクセスが提案可能な東京の明誠へ

創業から6000棟超の施工実績

建築基準法施行令の改正政令が本日9月16日公布|11月1日施行「4つの合理化」を、マンションオーナー・管理組合はどう読むか【2026年9月】

建築基準法施行令の改正政令が本日9月16日公布|11月1日施行「4つの合理化」を、マンションオーナー・管理組合はどう読むか【2026年9月】

2026年9月16日 更新

Q. 本日(2026年9月16日)公布される建築基準法施行令の改正で、私たちが所有・管理しているマンションの大規模修繕は何か変わるのでしょうか。

A. 結論から申し上げます。今回の改正4項目は、いずれも新築・供給側の手続きを軽くする方向の合理化です。既存マンションの大規模修繕の工事内容そのものを変える改正ではありません。ただし「建築規制は合理化の流れにある」という一点だけを切り取って、維持保全の義務まで緩んだと誤解するのは危険です。むしろ外壁落下に関する国の技術的助言は、この2026年に入ってからも更新され続けています。

株式会社明誠の本間です。今日は、本日公布の政令の中身を正確に押さえたうえで、「オーナー・管理組合の実務では何が変わり、何が変わらないのか」を切り分けてお話しします。


1. 結論先出し:今回の改正で「変わること」と「変わらないこと」

まず全体像を1枚の表にします。

論点 今回の改正で 管理組合・オーナーへの実務影響
型式適合認定の類型追加 変わる(拡充) 新築・建替え時の審査で影響。既存改修は原則対象外
採光規制の対象 変わる(除外対象を追加) 児童福祉施設等が中心。共同住宅の住戸には直接効かない
防火・避難規制の対象 変わる(除外対象を追加) 既存建物の改修・用途変更で緩和の可能性。告示待ち
用途地域の危険物総量規制 変わる(除外対象を追加) 燃料電池等の新設備導入で影響しうる。告示待ち
維持保全義務(建築基準法第8条) 変わらない 所有者・管理者の責任は従前どおり
定期報告・全面打診(同法第12条) 変わらない おおむね10年に一度の全面打診等は継続

出典:国土交通省「『建築基準法施行令の一部を改正する政令』を閣議決定」(令和8年9月11日報道発表)

私が理事会でこの手の話をするとき、いちばん気をつけているのは「規制が緩くなった=点検も手を抜いていい」という受け取られ方をさせないことです。今回は、緩和されたのは入口(つくるとき)の手続き、緩和されていないのは出口(持ち続けるとき)の責任、という整理をしていただくのが正確だと考えています。


2. 何が変わるのか:改正政令の4項目を整理する

国土交通省の報道発表によれば、政令の概要は次の4点です。公布は令和8年9月16日(水)、施行は令和8年11月1日(日)を予定しています。

2-1. 型式適合認定の類型の追加

現行の型式適合認定(あらかじめ国の認定を受けた型式について、建築確認の審査を省略できる制度)の類型は、①建築物全体、②建築物全体から建築設備を除いたもの、③建築設備、の3つでした。

ここに、「建築物の構造耐力に係る規定の適合についての型式」が追加されます。

なぜこれが必要になったのか。報道発表の背景欄には「近年の建築資材の供給環境の変化」と明記されています。つまり、認定を取った型式のうち特定の建材だけが調達できなくなったとき、これまでは全体の型式が使えなくなる可能性がありました。今後は構造耐力部分の審査省略は維持したまま、調達できなくなった資材だけを個別に確認審査にかけるという柔軟な運用が可能になります。

2-2. 採光規制の対象の合理化

採光規制の対象となる児童福祉施設等から、「利用者の滞在時間が短いことその他の理由により衛生上支障がないものとして国土交通大臣が定めるもの」を除外します。具体的な基準は別途告示で規定されます。

2-3. 防火上及び避難上の規制の対象の合理化

建築基準法施行令第109条の2の2、ならびに第112条第1項・第4項・第5項・第11項の規制対象となっている建築物のうち、「その構造及び用途並びに周囲の状況を考慮して(避難上及び)防火上支障がないものとして国土交通大臣が定めるもの」を除外します。こちらも具体的な基準は告示で規定されます。

令第112条は防火区画(火災の延焼を区切るための壁・床・防火設備による区画)に関する条文の中心です。共同住宅の改修や用途変更で、この条文が壁になって計画が進まない——という場面を、私も現場で何度か見てきました。

2-4. 用途地域における危険物の総量規制の合理化

圧縮ガス又は可燃性ガスを燃料として使用する設備等のうち、「安全上及び防火上支障がないものとして国土交通大臣が定める基準に適合する設備」によって貯蔵・処理されるものについては、用途規制における危険物から除外されます。

報道発表のタイトルにある「新たな設備の導入を促進するため」というのは、主にここを指しています。


3. 「告示待ち」であることの実務上の意味

ここが今回いちばん大事な実務ポイントです。4項目のうち3項目(採光・防火・危険物)は、具体的な基準が「別途告示で規定」とされています。

つまり、9月16日に政令が公布されても、11月1日の施行日時点で告示の内容を確認しないと、自分の物件が除外対象に当たるかどうかは判断できません。

私はこれを、設計事務所や施工会社に対して次のように確認するようお勧めしています。

  1. 検討中の改修・用途変更計画が、令第112条や令第109条の2の2に抵触しているか
  2. 抵触している場合、今回の告示で除外対象になり得る性格のものか
  3. 告示の公表時期と、それを待って計画を組み直す場合のスケジュール影響

「法律が変わったから安くなる」と早合点して工期を組み替えると、告示の中身次第では逆に遅れます。正直に申し上げますが、私はこの手の前のめりで痛い目を見た現場を、20年近いなかで何度も見てきました。制度は、条文と告示がそろって初めて実務になります。


4. では、大規模修繕への影響はどこにあるのか

読者のみなさまが知りたいのは、ここだと思います。私の見立ては次のとおりです。

4-1. 直接の影響は限定的

外壁改修、屋上防水、鉄部塗装、シーリング打ち替え、タイル補修といった一般的な大規模修繕の工事項目に、今回の改正が直接効くことはほぼありません。これらは建築確認を要しない修繕・模様替えに該当することが多く、型式適合認定とも採光規制とも接点が薄いためです。

自社に有利な方向に話を膨らませるつもりはありません。「法改正で大規模修繕が安くなります」といった営業トークを見かけたら、その根拠条文を聞いてみてください。

4-2. 間接の影響が出うる3つのケース

一方で、次のようなケースでは影響が出る可能性があります。

ケース 関係する改正項目 想定される影響
1階店舗部分の用途変更を伴う改修 防火・避難規制の合理化 防火区画の要求が緩和され、工事範囲が縮小する可能性
共用部への燃料電池・非常用発電設備の導入 危険物総量規制の合理化 用途地域の制約で断念していた設備が検討可能になる可能性
建替え・一部建替えの検討 型式適合認定の類型追加 建材調達難による計画停止のリスクが下がる可能性

いずれも「可能性」までで、告示を待たなければ確定的なことは申し上げられません。


5. 合理化が進んでも緩まないもの——維持保全と定期報告

ここからが本題です。

建築基準法第8条は、建築物の所有者・管理者・占有者に対して、建築物とその敷地・設備を常時適法な状態に維持するよう努めることを求めています。これは今回の改正で何も変わっていません。

そして第12条の定期報告制度。国土交通省の解説によれば、①建築物、②建築設備、③昇降機等、④防火設備について、一定条件を満たす建築物等の所有者・管理者の義務として、専門技術を有する資格者に調査・検査をさせ、結果を特定行政庁へ報告することが定められています(出典:国土交通省「建築基準法に基づく定期報告制度について」)。

5-1. 外壁の「10年に一度の全面打診」は継続

外壁調査の要求水準は、以下のとおりです。

外装仕上げ材等におけるタイル、石貼り等(乾式工法によるものを除く。)、モルタル等の劣化及び損傷の状況の調査については、平成20年国土交通省告示第282号において、おおむね6ヶ月から3年以内に一度の手の届く範囲の打診等に加え、おおむね10年に一度、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分の全面的な打診等を行うこととされています。

出典:国土交通省「定期報告制度における外壁のタイル等の調査について

さらに同ページによれば、令和4年1月18日付けで告示第282号が一部改正され、打診以外の調査方法として、無人航空機(ドローン)による赤外線調査であって、テストハンマーによる打診と同等以上の精度を有するものが明確化されています。同等以上の精度の判定にあたっては、一般財団法人日本建築防災協会が取りまとめたガイドラインを参照することとされています。

5-2. 2026年に入ってからも更新が続いている

注目していただきたいのは、この分野の技術的助言が今も更新中だという事実です。同じ国交省のページには、令和7年6月30日付「建築物の定期調査報告における落下防止措置付き外壁タイルの取扱いについて(技術的助言)【最終改正】」、そして令和8年7月21日付事務連絡「落下防止措置付き外壁タイルの性能検証法について」が掲載されています。

つまり、入口(新築の手続き)は合理化の方向に動いている一方で、出口(外壁の落下防止)はむしろ精緻化されているわけです。私はこの非対称を、オーナー・管理組合のみなさまに知っておいていただきたいと思っています。


6. 数字で見る「なぜ今、維持保全なのか」

制度の話が続いたので、ストックの数字を確認します。

指標 数値 時点 出典
分譲マンションストック総数 約723.6万戸 2025年末 国土交通省
うち旧耐震基準ストック 約103万戸 1981年5月31日以前建設分 同上(グラフ注記)
築40年以上のマンション 約158.8万戸 2025年末 国土交通省
10年後(2035年末)の築40年以上 約313.1万戸(約2.0倍) 推計 同上
20年後(2045年末)の築40年以上 約503.6万戸(約3.2倍) 推計 同上

いずれも国土交通省が2026年8月31日に更新した最新版の資料です。

築40年以上が10年で2.0倍、20年で3.2倍。これは「いずれ来る話」ではなく、今まさに始まっている話です。単純に言えば、今後10年で築40年以上の戸数が今より約154万戸増える計算になります。点検・診断の需要が積み上がっていくなかで、それを実際に見て回る職人の数が追いつくかどうか。私が業界の内側でいちばん現実的に心配しているのは、そこです。

数字を戸あたりに直すと実感が湧くかもしれません。総戸数100戸のマンションで、大規模修繕の総額が1億5,000万円だとすると1戸あたり150万円。このうち仮設足場費が全体の2割を占めるなら、1戸あたり30万円が「工事そのものではない費用」ということになります。もちろん建物の形状と規模で比率は大きく動きますので、これは考え方の例としてお受け取りください。


7. 現場から:10年に一度の全面打診を、どう組み立てるか

ここからは制度解説ではなく、私の現場での実感をお話しします。

全面打診等が必要になったとき、選択肢は大きく3つあります。

7-1. 足場仮設による打診

もっとも確実で、そのまま補修工事に移行できるのが強みです。ただし足場費が先に発生するため、「調査のためだけに足場を架ける」という判断は、コスト面でどうしても重くなります。修繕工事と同時に実施する前提なら、これが第一候補になります。

7-2. ロープアクセス工法(無足場工法)による打診

産業用ロープで職人が壁面に直接アクセスし、テストハンマーで打診していく方法です。足場を架けないため仮設費を大きく抑えられ、居住者のバルコニー前に足場が立たないので生活への影響も小さく済みます。一方で、庇や入隅が複雑な形状、上部にアンカーを取れない構造では適用が難しくなります。万能ではないというのが、私が現場で20年近く見てきた率直な結論です。ロープアクセス工法の技術的な背景や安全基準は、姉妹サイトロープアクセスドットコムに詳しくまとめています。

7-3. ドローンによる赤外線調査

前述のとおり、告示改正で打診と同等以上の精度を有するものが明確化されました。広い面を短時間でスクリーニングできるのが利点です。ただし、天候・日射条件・撮影角度の制約があり、ガイドラインに沿った実施体制が求められます。私の経験上、ドローンで面を絞り、怪しい箇所をロープアクセスで打診するという組み合わせが、費用と精度のバランスが取りやすい場面が多いと感じています。

7-4. 私が理事長さまにいつもお伝えしていること

3つの工法を持っている会社と、1つしか持っていない会社では、出てくる提案がまるで変わります。足場しか持たない会社は足場の見積を出し、ロープしか持たない会社はロープの見積を出す。当たり前のことですが、これが見積比較を難しくしている最大の理由です。

明誠では、通常の足場仮設・ロープアクセス工法・その両方を部位ごとに使い分けるハイブリッド工法の3つから、建物の形状と予算に合わせて組み立てるようにしています。詳しくはロープアクセス工法のご紹介大規模修繕工事のご紹介をご覧ください。

なお、この章は自社サービスの紹介を含みます。判断の材料としてお読みいただき、他社の提案と比較していただくのが健全だと考えています。

7-5. 3つの工法を、コストと制約で比べる

判断の材料として、3つの手法を同じ軸で並べておきます。数値は建物の形状・階数・立地で大きく変動しますので、傾向としてお読みください。

手法 仮設費 居住者への影響 精度 向かないケース
足場仮設+打診 高い(比率は建物ごとに大きく異なります) 大きい(バルコニー前の視界・防犯・日照) 高い。そのまま補修に移行できる 調査のみを目的とする場合
ロープアクセス工法+打診 低い(足場を架けない) 小さい(作業時間帯のみ) 高い。触って確かめられる 上部にアンカーを取れない構造、庇や入隅が複雑な形状
ドローン赤外線調査 低い ほぼない スクリーニング向き。ガイドライン準拠が前提 悪天候、日射条件が取れない面、飛行制限区域

私がいちばんもったいないと感じるのは、「調査のために足場を架けるのは高いから」という理由で、全面打診等の実施そのものを先送りしてしまうケースです。先送りしているあいだにタイルの浮きが進行し、いざ工事となったときに補修数量が跳ね上がる——これは私が現場で何度も見てきた、いちばん悔しいパターンです。足場が高いなら、足場を使わない方法を検討するという選択肢が、今はあります。

7-6. 発注者が見積時に確認したい3点

工法を問わず、高所作業を伴う調査・工事を発注する際に、発注者側で確認しておきたい項目です。

  1. 作業員の保有資格:どの資格を持つ技術者が、何名配置されるか
  2. 墜落制止用器具・アンカーの計画:どこに、どのように支点を取るか
  3. 安全管理体制と保険:作業手順書の有無、労災保険・請負業者賠償責任保険の加入状況

これらを書面で提示できない業者は、価格が安くても候補から外していただいて構わないと私は考えています。安全にかかる費用は、削ってはいけない部分です。


8. 今回の改正で外壁の全面打診は不要になる?→いいえ、継続します

よく聞かれる論点を、Yes/Noで答えられる形に整理します。

質問 答え 補足
今回の改正で大規模修繕の工事費は下がる? いいえ 新築・供給側の手続き合理化が中心
施行は今日から? いいえ 公布が2026年9月16日、施行は2026年11月1日予定
除外対象かどうかは今わかる? いいえ 採光・防火・危険物の3項目は告示待ち
外壁の全面打診は不要になる? いいえ 告示第282号の枠組みは継続
ドローン調査は打診の代わりになる? 条件付きで可 打診と同等以上の精度とガイドライン準拠が前提
分譲マンションは全て定期報告の対象? いいえ 対象は規模・用途等により特定行政庁が指定

最後の行は誤解が多いところです。定期報告の対象となる建築物(特定建築物)の範囲は、政令で定めるもののほか特定行政庁が指定します。つまり、同じ規模のマンションでも、東京都と他県、あるいは区によって扱いが異なることがあります。ご自身の物件がどうかは、所在地の特定行政庁(都道府県または建築主事を置く市区)の建築指導課にご確認いただくのが確実です。


9. 管理組合・オーナーが、この9月にやっておきたい5つのこと

読み終えたあと何をすればいいのか。5つに絞ります。

(1)前回の定期調査報告書を引っ張り出す

全面打診等を最後に行ったのがいつか。報告書の「外装仕上げ材等」の欄に日付が入っています。10年を超えていないか、まずそこを確認してください。

(2)台風期を越えたあとの目視点検を予定に入れる

9月は台風シーズンです。強風のあとは、外壁タイルの浮きやシーリングの破断、笠木の浮き上がりが顕在化しやすくなります。エントランス上部、バルコニー先端、庇の裏側——人が通る場所の真上を、まず見てください。

(3)長期修繕計画に「調査費」の行があるか確認する

修繕工事費は載っていても、調査・診断費が抜けている計画書をよく見ます。全面打診等を足場で行う前提なのか、無足場で行う前提なのかで、計画上の金額は変わります。

(4)11月1日以降、告示の内容を設計者に確認する

用途変更や大掛かりな改修を検討中の管理組合・オーナーは、施行日以降に告示の中身を設計事務所に照会してください。今の時点で結論を出す必要はありません。

(5)見積は「工法が違う3社」から取る

同じ工法の3社から取っても、比べているのは単価だけです。工法そのものの選択肢を比べられる形にしておくと、判断材料が一段増えます。


10. よくある質問(FAQ)

Q1. 建築基準法施行令の改正政令は、いつ施行されますか。

A. 公布が令和8年(2026年)9月16日(水)、施行は令和8年11月1日(日)を予定しています(出典:国土交通省報道発表)。ただし採光規制・防火避難規制・危険物規制の3項目については、具体的な基準が別途告示で規定されるとされており、告示の内容確認が実務上の前提になります。

Q2. 今回の改正で、マンションの大規模修繕の補助金が増えることはありますか。

A. 今回の政令改正は建築規制の合理化を内容とするもので、補助制度の改正ではありません。補助金・助成金は国の予算事業や各自治体の制度として別途運用されていますので、そちらの募集要項をご確認ください。年度によって補助率・上限額・受付期間が変わることがあります。

Q3. 「型式適合認定」とは何ですか。素人にもわかるように教えてください。

A. あらかじめ国(または指定認定機関)が「この型式なら建築基準法の規定に適合している」と認定しておく制度です。認定を受けた型式を使う建築物は、建築確認の審査でその部分の審査を省略できます。工業化住宅やプレハブ工法などで広く使われています。今回、この認定の単位に「構造耐力に係る規定への適合」という類型が追加されました。

Q4. 外壁の全面打診を、ドローンだけで済ませることはできますか。

A. 平成20年国土交通省告示第282号は令和4年1月に一部改正され、打診以外の調査方法として、無人航空機による赤外線調査であってテストハンマーによる打診と同等以上の精度を有するものが明確化されました。同等以上の精度の判定にあたっては、一般財団法人日本建築防災協会が設置した委員会で取りまとめられたガイドラインを参照することとされています。したがって「ドローンなら何でも可」ではなく、ガイドラインに沿った実施体制が前提になります。詳細は所在地の特定行政庁にご確認ください。

Q5. ロープアクセス工法は足場より安全性が劣るのではないですか。

A. どちらが安全かを一般論で断じることはできません。ロープアクセス工法は、二重のロープ系統(作業用と墜落制止用)を基本とし、アンカーの設置強度、資格を持つ技術者の配置、作業手順書の整備といった条件が満たされて初めて成立する工法です。逆に言えば、それらの条件が満たされているかどうかを発注者側が確認しないまま安さだけで選ぶと、リスクは上がります。見積を取る際は、作業員の保有資格、アンカーの設置計画、安全管理体制の3点を書面で確認されることをおすすめします。


11. 出典・参考資料

※本記事は2026年9月16日時点で公表されている情報にもとづいています。制度は変更される可能性がありますので、最新の内容は各公式サイトでご確認ください。また、個別の物件が定期報告の対象となるかどうか、告示の除外対象に当たるかどうかの判断は、所在地の特定行政庁および設計者にご確認ください。本記事は法的助言を目的としたものではありません。


おわりに

制度が合理化されるのは、基本的には良いことだと私は思っています。使えない規制が現場を縛り続けても、誰も得をしません。

ただ、合理化のニュースが流れると、決まって「もう点検しなくていいらしい」という話が独り歩きします。今回の改正は入口の手続きの話で、みなさまが持ち続けている建物の責任の話ではありません。ここだけは、混ぜずに読んでいただきたいと思います。

10年に一度の全面打診が近いかもしれない、長期修繕計画に調査費が入っていないかもしれない——そう思い当たった方は、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。お問合せフォームからどうぞ。

次回も、現場で本当に使える話だけをお届けします。


株式会社明誠 代表取締役 本間 幸紘
東京都知事認可(般-29)第148121号
専門分野:マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事、ロープアクセス工法(無足場工法)、ハイブリッド工法による工法最適化提案
実務経験:建設業界20年近く。首都圏を中心に大規模修繕工事を手がけ、日本で初めてロープアクセス工事のフランチャイズ展開を行う。一般社団法人全国建設業支援協会(JCSA)代表理事。


▼ロープアクセス工法・無足場工法の詳細解説はこちら
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