大規模修繕はロープアクセスが提案可能な東京の明誠へ

創業から6000棟超の施工実績

磐田市のマンション補助金|大規模修繕2026年度版

磐田市のマンション補助金|大規模修繕2026年度版

磐田市で分譲マンションの理事長をされている方に、この記事でお答えしたい質問は1つです。「磐田市には、うちの大規模修繕に使える制度が本当にあるのか」

結論から申し上げます。磐田市には、外壁塗装や外壁改修そのものに現金が出る市の補助金はありません。これは私の推測ではなく、磐田市が公式サイトのよくある質問で「磐田市では、現在お住まいの住宅に行う外壁塗装、外壁改修等に対する助成制度(補助金等)はありません」とはっきり書いています(出典:磐田市 よくある質問「外壁塗装等の助成制度はありますか」)。

ここで記事を閉じてしまえば、それまでの話です。ただ、私はこの連載で静岡県内の市町を1つずつ調べてきて、磐田市で初めて出会った事実があります。磐田市は、政令指定都市ではない普通の市でありながら、マンション管理計画認定制度を自前で運用していて、しかも市に支払う手数料がゼロです。

これがどれだけ珍しいことかは、あとで数字で示します。先に申し上げたいのは、磐田市の管理組合にとって、いま最も費用対効果の高い行動は「補助金を探すこと」ではなく「無料で取れる認定を取って、固定資産税の減額につなげること」だということです。

私は東京都東大和市を拠点に、マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事を20年近くやってきました。足場を架ける工事も、ロープアクセス工法(産業用ロープで職人が下りながら施工する無足場工法)も、その両方を組み合わせるハイブリッド工法も自社で提案できる立場から、磐田市の管理組合が今日から動ける形で整理します。

最終更新:2026年8月31日


この記事の結論|磐田市の管理組合が今週やるべきことは3つ

長い記事になりますので、先に結論を3行で置きます。

  1. 磐田市 建設部 建築住宅課 住宅管理グループ(0538-37-4851)に電話し、管理計画認定の申請手順を聞く。 市に払う手数料はゼロです。
  2. 着工前の写真を撮る段取りを、施工会社との契約に書き込む。 足場が架かって高圧洗浄が終わったら、改修前の状態はこの世に存在しなくなります。
  3. 補助金を探す時間を、工法の比較と業者の相見積りに振り替える。 磐田市に外壁の補助金はありません。削れるのは仮設費です。

以下、この3つの根拠を1つずつ説明していきます。


Q. 磐田市のマンションは、管理計画認定をどこに申請するのか

A. 磐田市に申請します。静岡県ではありません。

これは制度の設計上、とても大きな意味を持ちます。マンション管理計画認定制度は、マンションの管理組合が管理計画を自治体に申請し、一定の基準を満たしていれば「適正に管理されているマンション」として認定を受けられる制度です。認定を出せるのは、マンション管理適正化推進計画を作成した都道府県または市町村に限られます。

静岡県のページを見ると、見出しからして「マンション管理計画認定制度(対象:県内の町域)」と書かれています(出典:静岡県 マンション管理・分譲マンション対策)。つまり静岡県が認定事務を行うのは町の区域だけで、市の区域は各市が自分で認定権者になっているかどうかで決まります。

この連載で私が扱ってきた静岡県内の市町を並べると、構図が見えてきます。

自治体 区分 管理計画認定の申請先 市町に払う手数料
長泉町・清水町・函南町 静岡県 4,000円(事前確認適合証あり)/28,100円(なし)
牧之原市・島田市・菊川市・御前崎市 公開情報からは申請先を確認できず
浜松市 政令指定都市 浜松市 電子申請なら令和9年3月31日まで0円
磐田市 市(政令市ではない) 磐田市 0円

(出典:静岡県磐田市 マンション管理浜松市 マンション管理計画認定制度

磐田市のページには、こう書かれています。

「管理計画の認定基準は、国の基本的な方針で定められています。※磐田市独自の基準は設けていません。」
「申請には、(公財)マンション管理センターが発行する事前確認適合証が必要です。」
「市に支払う手数料等はありません。」

(出典:磐田市 マンション管理、更新日2026年8月21日)

私はこの3行を読んで、正直に言うと少し驚きました。人口16万人規模の市が、独自基準を設けず国の基準そのままで、手数料も取らずに認定制度を回している。県の町域なら28,100円かかるケースがある手続きが、磐田市では市への支払いがゼロです。


磐田市マンション管理適正化推進計画|目標は「15棟の認定」

磐田市が認定権者になれているのは、磐田市マンション管理適正化推進計画を策定しているからです。計画期間は令和6年4月1日から令和16年3月31日までの10年間で、目標として「15棟のマンションの管理計画の認定」が掲げられています(出典:磐田市マンション管理適正化推進計画 PDF)。

この「15棟」という数字を、私は2つの意味で読みました。

1つ目。市が本気で数を追いかけている。 目標を掲げている以上、担当課には認定を増やしたい動機があります。管理組合から相談が来ることを、市は歓迎する立場にあるということです。理事長が電話をかけて迷惑がられる話ではありません。

2つ目。まだ認定件数が多くない可能性がある。 10年で15棟という目標設定は、決して大きな数字ではありません。裏を返せば、いま相談すれば窓口の担当者と丁寧にやり取りできる可能性が高いということです。認定が殺到している自治体では、こうはいきません。

私はいつも理事長さまに、「制度は、使う人が少ないうちが一番使いやすい」とお伝えしています。行列ができてから並ぶより、行列ができる前に窓口に行ったほうが、教えてもらえる情報の密度が違います。


認定を取るには何が要るのか|事前確認適合証が入口

磐田市の認定申請には、(公財)マンション管理センターが発行する事前確認適合証が必要です。これは市独自のルールではなく、多くの自治体が採用している「管理計画認定手続支援サービス」という仕組みです。

流れはこうなります。

  1. マンション管理センターの電子システムに、管理組合の情報と長期修繕計画の内容を入力する
  2. 事前確認講習を修了したマンション管理士が、国の認定基準に適合しているかを事前に確認する
  3. 適合していれば事前確認適合証が発行される
  4. その適合証を添えて、磐田市に認定申請する(市への手数料は0円)

(出典:(公財)マンション管理センター 管理計画認定手続支援サービス

費用がかかるのは、市ではなくセンター側です。システム利用料が1申請あたり10,000円(税込)、これに事前確認審査料が加わります。センターに直接申し込むパターンや日本マンション管理士会連合会の適正化診断サービスを併用するパターンでは、事前確認審査料は長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)です(出典:同上)。

つまり長期修繕計画が1本の一般的な管理組合なら、合計20,000円前後で認定申請までたどり着ける計算になります。県の町域で事前確認適合証なしに申請すると28,100円かかることを思えば、磐田市の管理組合が置かれた条件はかなり良い部類です。

なお、申請できるのは申請者本人か、委任を受けた代理人(行政書士に限る)のみです。管理会社に丸投げできる手続きではない点は、理事会で共有しておいてください。

認定基準についての注意点を1つ。 令和7年のマンション関係法改正により、令和9年4月1日から管理計画認定制度が拡充され、認定基準も見直されることが公表されています(出典:国土交通省 マンションの管理計画認定制度)。長期の準備を進める組合は、令和9年4月以降の申請には新しい基準が適用されることを頭に置いてください。


マンション長寿命化促進税制|期限は令和9年3月31日、残り約19か月

認定を取ることの実利は、固定資産税にあります。マンション長寿命化促進税制です。

この税制は、一定の要件を満たすマンションが長寿命化に資する大規模修繕工事を行った場合に、工事完了の翌年度分の固定資産税(建物部分)を、1戸あたり100㎡相当分まで減額するというものです。減額の割合は市町村の条例で1/6から1/2の範囲内で定められ、国が示す参酌基準は1/3です(出典:国土交通省 マンションに関する税制令和8年4月1日 国住参マ第306号 PDF)。

磐田市のページにも、明確に書かれています。

「一定の要件を満たすマンションについて、令和9年3月31日までに、長寿命化に資する大規模修繕工事(長寿命化工事)を行った場合、固定資産税の一部が減額されます。」
「※減額措置の対象になるためには、申告前かつ工事完了年度の賦課期日(1月1日)までに管理計画の認定を受ける必要があります。」

(出典:磐田市 マンション管理

工事完了の期限は令和9年3月31日です。この記事を公開している2026年8月31日から数えて、残り約19か月しかありません。

対象となる工事は3点セット

対象になる長寿命化工事は、次の3つです。

# 工事の種類 補足
1 外壁塗装等工事 外壁の塗替え・タイル補修等
2 床防水工事 開放廊下・バルコニー等の床防水
3 屋根防水工事 屋上・屋根の防水

(出典:国土交通省 マンションに関する税制

この3つを、同一の工事請負契約など一体として実施することが要件です。 ここが実務で最も落とし穴になります。

私は現場で何度も見てきました。積立金が足りないという理由で、「今回は外壁と廊下の床までにして、屋上防水は5年後にやりましょう」という結論になる理事会が本当に多い。判断としては理解できます。ただ、その決定をした瞬間に、この税制の対象から外れる可能性が出てきます。

設計の段階で工事範囲を決めるとき、税制のことを誰も口にしないまま議案が固まってしまう。これが一番もったいないパターンです。工事の見積りを取る前に、「長寿命化促進税制の3点セットを一体で施工した場合と、分割した場合で、税制の適用がどう変わりますか」と設計事務所に一言聞いておくだけで、選択肢が残ります。

なお、共通の要件として、①築20年以上、②総戸数10戸以上、③過去に長寿命化工事の実績があること、が必要です(出典:同上)。


2つのルートの分かれ目は「修繕積立金の引き上げ」

長寿命化促進税制を使うには、上の共通要件に加えて、次のどちらか一方のルートを通る必要があります。

ルートA:管理計画認定ルート ルートB:助言・指導ルート
前提 管理計画の認定を取得している 法第5条の2に基づく助言・指導を受けている
積立金の要件 令和3年9月1日以降に、長期修繕計画期間全体の修繕積立金平均額を認定基準の引上げ基準額まで引き上げたこと(20階未満・5,000㎡未満なら235円/㎡月など) 修繕積立金の平均額が基準額(20階未満・5,000㎡未満なら91円/㎡月など)以上であること
主な必要書類 認定通知書の写し/修繕積立金引上証明書/過去工事証明書/大規模の修繕等証明書 助言・指導内容実施等証明書/過去工事証明書/大規模の修繕等証明書
総会との関係 積立金の引き上げ決議が必要になる可能性が高い 引き上げは必須ではない

(出典:国土交通省 概要PDF(認定ルート)概要PDF(助言・指導ルート)

2つのルートの実質的な分かれ目は、修繕積立金を引き上げる決議が要るかどうかです。 そしてこれは、管理組合にとって総会運営の話に直結します。

積立金の値上げは、どこの組合でも最も通しにくい議案です。一方で、助言・指導ルートなら引き上げそのものは要件ではありません。ただし、長期修繕計画の期間が30年以上あること、残存期間中に長寿命化工事等が2回以上計画されていること、一時金の徴収予定がないこと、最終年度に借入金残高がないことなど、計画の中身に条件がつきます。

どちらが自分の組合に向いているかは、長期修繕計画書を1冊開けばだいたい判断がつきます。理事会で1時間取って、計画の作成年月日と計画期間、そして修繕積立金の月額(㎡あたりに割り戻した数字)を確認してみてください。

なお、様式と記入例はすべて国土交通省のサイトで公開されています。理事会で「制度がよく分からない」という話になったら、記入例のPDFを1枚印刷して回すのが一番早いです。

助言・指導内容実施等証明書は誰が出すのか

助言・指導ルートを選ぶ場合、「助言・指導内容実施等証明書」を誰が発行するのかという疑問が必ず出ます。

国土交通省の通知には「助言・指導内容実施等証明書を発行できるのは、都道府県等とされています」と書かれています(出典:令和8年4月1日 国住参マ第306号 PDF)。この「都道府県等」は、マンション管理適正化法の定義上、市の区域内にあっては当該市を指します。したがって磐田市のマンションであれば、発行者は磐田市になると読めます。

ただし、磐田市のサイトに「当市が発行します」という直接の記載は見つかりませんでした。推測で埋めずに、窓口に確認してください。 電話で読み上げる質問文を用意しておきます。

「磐田市の分譲マンションの管理組合です。マンション長寿命化促進税制の助言・指導ルートを検討しています。助言・指導内容実施等証明書は、磐田市が発行していただけるものでしょうか。申請の窓口と、必要な書類の一覧をいただけますか。工事はこれからです。」

最後の「工事はこれからです」を必ず添えてください。 理由は3つあります。着工前でなければ撮れない写真があること、様式を先に知っていれば施工会社に必要書類の準備を指示できること、そして工事が始まってからでは間に合わない手続きがあることです。

問い合わせ先は、建設部 建築住宅課 住宅管理グループ 0538-37-4851(西庁舎2階)です。税の申告そのものについては、企画部 資産税課 家屋グループ 0538-37-4809(本庁舎1階)が窓口になります。磐田市は建築住宅課が西庁舎、資産税課が本庁舎と、建物が分かれています。訪問する場合は要注意です。


証明書の落とし穴3つ|着工前の写真は二度と撮れない

この連載で毎回書いていることですが、磐田市の理事長さまにも同じことをお伝えします。制度そのものより、証明書が取れなくなる事故のほうが、はるかに現実的なリスクです。

落とし穴1:大規模の修繕等証明書の発行が、建築士との契約に入っていない

この証明書は建築士等が発行します。ところが、設計監理を依頼する契約書の業務範囲に「大規模の修繕等証明書の発行」が書かれていないことがあります。工事が終わってから頼むと、追加費用や日程調整で揉めます。契約前に業務範囲へ明記させてください。

落とし穴2:改修前の写真が撮れていない

これが最も取り返しがつきません。足場が架かり、高圧洗浄が終わり、下地補修が始まったら、改修前の状態はこの世に存在しなくなります

議事録に残す3行を、そのまま使ってください。

  1. 税制申告用の着工前写真について、施工会社に撮影を明示的に指示すること。
  2. 撮影範囲(各面・各階・部位別)と枚数を、仕様書に明記すること。
  3. 大規模の修繕等証明書の発行を、建築士との契約の業務範囲に含めること。

落とし穴3:過去工事証明書が取れない

過去に長寿命化工事を行った実績が要件になっているため、前回工事の記録が必要になります。ところが、前回の施工会社が廃業していて書類が取れないという事態は、実際にあります。

これは今日でも確認できます。管理事務室の書庫を開けて、前回の大規模修繕の契約書・工事写真・完了報告書が残っているかを見る。それだけです。15分で終わります。


磐田市は「外壁塗装の補助金はない」と明言している

ここからは、税制以外の話に移ります。まず、正直に書かなければならないことがあります。

冒頭に引用したとおり、磐田市はよくある質問のページで「磐田市では、現在お住まいの住宅に行う外壁塗装、外壁改修等に対する助成制度(補助金等)はありません」と明言しています(出典:磐田市 FAQ)。

この連載で、市自身がここまではっきり「ありません」と書いている自治体は初めてでした。多くの自治体は、該当ページが存在しないだけで、明言はしていません。磐田市は先回りして書いている。私はこれを、不親切ではなくむしろ誠実な対応だと受け止めました。管理組合が探し回る時間を減らしてくれているからです。

ですから磐田市の管理組合に対して、私は「補助金で工事費が安くなります」という提案は一切しません。磐田市で削れるのは、補助金ではなく仮設費です。この話は記事の後半で詳しくします。


それでも磐田市に4つある「使えるかもしれない」制度

外壁そのものへの補助はありません。ただし、大規模修繕に付帯して使える可能性がある制度は、私が調べた限り4つあります。いずれも建設部 建築住宅課 建築グループ(0538-37-4899)の所管です。1本の電話で4つとも聞けます。


【連載初】瓦屋根の耐風改修は「共同住宅を含む」と明文で書かれている

磐田市の制度で、私が最も注目したのがこれです。

住宅の瓦屋根の耐風診断・改修工事の助成制度の対象に、こう書かれています。

「令和3年12月31日以前に建築された瓦屋根の住宅(長屋、共同住宅、併用住宅を含む)」

(出典:磐田市 住宅の瓦屋根の耐風診断・改修工事の助成制度、更新日2026年4月27日)

「共同住宅」が括弧書きで名指しされています。 この連載で扱ってきた自治体の多くは、住宅系の補助について共同住宅を明示しておらず、対象かどうかを窓口に聞くしかありませんでした。磐田市は書いてある。書いてあるということは、想定されているということです。

助成の内容は次のとおりです。

事業 補助率 上限
耐風診断 診断費用の2/3 21,000円/棟
耐風改修 工事費用の23% 552,000円/棟

(出典:同上)

条件は、令和3年12月31日以前の建築であること、原則として屋根の全面について改修を行うこと、瓦屋根診断技士等が在籍する工事店に依頼することです。契約前(事業着手前)に交付決定が必要で、完了報告の提出期限は2月末です。

ただし、正直に申し上げます。この制度が効くのは、瓦屋根の共同住宅に限られます。 中高層のRC造マンションで陸屋根(平らな屋上)の物件には関係ありません。該当するのは、低層の長屋型・タウンハウス型の分譲住宅や、瓦屋根の共同住宅です。磐田市内にそうした物件が一定数あることを考えれば、確認する価値はあります。

自分の物件が該当するかは、屋上に上がって見れば5分で分かります。


建築物耐震診断の助成|ただし共同住宅の基準額には読み解きが要る

昭和56年5月31日以前に建築された非木造の建築物であれば、建築物耐震診断事業の対象になり得ます。

磐田市のページには、こう書かれています。

補助率:耐震診断費用と基準額を比較して、少ない額の3分の2以内 ※補助金交付額の限度 100万円
非木造戸建住宅 基準額:136,000円
木造住宅・非木造戸建住宅 以外 基準額:延べ面積×1,050円

(出典:磐田市 建築物耐震診断の助成制度

一方、令和8年度の交付要綱を見ると、既存住宅の耐震診断について「136,000円/戸 共同住宅等にあっては、1棟を1戸とみなす」という記載があります(出典:令和8年度 磐田市建築物等耐震改修促進事業費補助金交付要綱 PDF)。

ここは断定を避けます。 分譲マンションが「延べ面積×1,050円」の区分で扱われるのか、「1棟を1戸とみなして136,000円」の区分で扱われるのかによって、補助額が桁違いに変わるからです。仮に延べ面積3,000㎡のマンションなら、前者は基準額315万円で補助上限100万円に到達しますが、後者なら約9万円です。

私が推測で数字を書いても、理事会の役には立ちません。建築住宅課 建築グループ 0538-37-4899 に、そのまま読み上げてください。

「昭和56年5月31日以前に建築された分譲マンションの管理組合です。建築物耐震診断事業の補助を検討しています。共同住宅の場合、基準額は『延べ面積×1,050円』と『1棟を1戸とみなして136,000円』のどちらで計算されますか。また、申請者は管理組合でよいのか、区分所有者個人になるのかも教えてください。」

申請者を誰にするかは、要綱に「管理組合」「区分所有」「共用部」という言葉が一切出てこないため、必ず事前確認が必要です。これは磐田市に限らず、多くの自治体で共通する論点です。

参考までに、他自治体との比較を置いておきます。

自治体 非木造の耐震診断の基準額単価
浜松市 1,000㎡以内 3,670円/㎡/1,000〜2,000㎡ 1,570円/㎡/2,000㎡超 1,050円/㎡
函南町 同上(3区分)
磐田市 区分なしの一律 1,050円/㎡(ページ記載)

(出典:浜松市函南町磐田市

延べ面積が大きいマンションでは差は縮まりますが、小規模な物件では浜松市のほうが手厚い設計です。同じ静岡県内でも、制度の設計思想は自治体ごとに違います。これは磐田市が悪いという話ではなく、限られた予算をどこに配分するかという判断の差です。

なお、この制度には予算枠があり「予算の範囲内で補助金交付を行うため、上限に達した時点で年度途中であっても受付を終了します」と明記されています。契約締結前の申請が必須で、市税完納要件もあります。


緊急輸送路沿道なら、話が一段大きくなる

磐田市の耐震関連で、金額が大きく動く可能性があるのが建築物補強計画策定事業・建築物耐震化助成事業です。ただし対象は限定されています。

対象になるのは、次のいずれかです。

  1. 静岡県指定の緊急輸送路の沿道にあり、倒壊した場合に通行を妨げるおそれのある建築物
  2. 耐震改修促進法第7条第2号に規定する要安全確認計画記載建築物

(出典:磐田市 建築物の補強計画、耐震化の助成制度

「緊急輸送路の通行を妨げるおそれのある建築物」の判定基準は、高さ12mを超える道路沿道の建築物のうち、高さが「道路幅の1/2+建物から道路境界線までの長さ」を超えるもの、などと定められています。中高層のマンションが幹線道路に面していれば、該当する可能性があります。

補強計画策定事業の基準額は、規模別に次のとおりです(戸建住宅を除く建築物)。

延べ面積(棟ごと) 基準額
1,000㎡未満 3,000,000円
1,000㎡以上 2,000㎡未満 4,800,000円
2,000㎡以上 3,000㎡未満 6,000,000円
3,000㎡以上 5,000㎡未満 7,200,000円
5,000㎡以上 10,000㎡未満 9,000,000円
10,000㎡以上 10,800,000円

補助率は、緊急輸送路沿道建築物なら2/3以内、要安全確認計画記載建築物なら5/6以内(要綱上は10/10の区分もあります)。耐震化助成については、緊急輸送路沿道の既存住宅で延べ面積(㎡)×34,100円を基準額とし、その2/3という設計です(出典:同上、および令和8年度交付要綱 PDF)。

つまり、旧耐震のマンションが県指定の緊急輸送路沿道にある場合、金額の桁が一段変わります。

自分の物件が沿道に該当するかは、電話1本で確認できます。

「磐田市内の分譲マンションです。所在地は○○です。この建物が静岡県指定の緊急輸送路の沿道建築物に該当するかを確認したいのですが。」

そして、旧耐震のマンションで大規模修繕を検討している組合には、順序の話を必ずお伝えしています。診断が先、外装が後です。 耐震補強で外壁に手を入れる可能性があるのに先に塗装をしてしまえば、足場を二度架けることになります。仮設費を二重に払うことほど無駄なことはありません。

自分の建物が旧耐震かどうかは、建築確認済証の交付日で確認できます。管理事務室の書庫か、登記簿謄本の新築年月日、あるいは重要事項説明書で分かります。


ブロック塀の撤去・建替えは、大規模修繕と同じ議案にまとめる

敷地の外周にブロック塀がある管理組合には、ブロック塀等の撤去・建替えの助成制度が使える可能性があります。

対象は「倒壊の危険のある4段積み以上のブロック塀、石塀、レンガ塀など(高さ60cm超)」で、避難路・通学路・緊急輸送路に面していることが条件です。

区分 事業 基準額 補助率
緊急輸送路沿道 撤去 19,980円/m 2/3以内
緊急輸送路沿道 建替え 58,380円/m 2/3以内
避難路沿道 撤去 9,200円/m 1/2以内
通学路沿道(市立小中学校の指定通学路) 撤去 9,200円/m 1/2以内
通学路沿道 建替え 47,600円/m 1/2以内

(出典:磐田市 ブロック塀等の撤去・建替えの助成制度、更新日2026年4月27日)

注意点を3つ。

1つ目。上限額(限度額)は、市のページとパンフレットのいずれにも記載が見当たりませんでした。 総額でいくらまでかは、要綱を確認するか窓口に聞いてください。ここは推測で書けません。

2つ目。ブロック塀への建替えは対象外です。 金属製フェンス、木塀、生け垣などへの造り替えが対象で、「原則として、現状の基礎の再利用はできません」と明記されています。

3つ目。撤去前に補助金の申請と交付決定が必要です。 パンフレットには「業者との契約は交付決定通知を受けた後に行ってください。事前に契約をしてしまうと補助対象とすることができません」と書かれています。

そのうえで、私からの実務提案です。ブロック塀の工事は、大規模修繕と同じ議案にまとめてください。

理由は3つあります。ガードマンと養生を共用できること、近隣へのあいさつが1回で済むこと、そして外構の色を新しい外壁の色と揃えられること。ただし、最大の理由は別にあります。

管理組合が物事を決められるのは、年1回の定時総会だけだからです。 別々の年に議案を立てれば、単純に2年かかります。理事も入れ替わります。同じ議案にまとめる価値は、金額よりもそこにあります。

申請前には市が現地調査を行いますが、「調査にはおおよそ2週間程度かかります。なお、現地での立ち合いは不要です」とされています。立会い不要ということは、理事長は電話をかけるだけでよいということです。先に調査を申し込んでおいて損はありません。


磐田市の住宅系17制度を「共用部の大規模修繕で使えるか」で一覧にした

理事会の時間は限られています。使えないと分かっている制度に時間を使わずに済むことにも、価値があります。 私が調べた範囲で、磐田市(および磐田市民が使える県事業)の住宅・環境系の制度を、共用部の大規模修繕で使えるかという一列で判定しました。

制度名 共用部の大規模修繕で使えるか 根拠・注意点 窓口
マンション管理計画認定制度 磐田市が認定権者。市への手数料0円 建築住宅課 住宅管理 0538-37-4851
マンション長寿命化促進税制 令和9年3月31日までの工事完了が期限 資産税課 0538-37-4809
住宅の瓦屋根の耐風診断・改修 (瓦屋根の共同住宅に限る) 「長屋、共同住宅、併用住宅を含む」と明文 建築住宅課 建築 0538-37-4899
建築物耐震診断事業(非木造) 昭和56年5月31日以前。基準額の区分は要確認 建築住宅課 建築 0538-37-4899
ブロック塀等撤去・建替え 避難路・通学路・緊急輸送路沿いが条件 建築住宅課 建築 0538-37-4899
建築物補強計画策定・耐震化助成 静岡県指定の緊急輸送路沿道等に限定 建築住宅課 建築 0538-37-4899
見付地区景観形成モデル事業 見付地区の対象範囲に限定。事前相談必須 都市計画課 0538-37-4907
みんなのおうちに太陽光(県事業) 共同購入支援。管理組合名義の可否は要確認 県事務局 0120-752-300
浄化槽設置事業費補助金 令和8年度は受付終了。共同住宅の可否は要確認 上下水道総務課 0538-58-3086
既存住宅取得等事業費補助金 × 「戸建ての住宅」に限定 建築住宅課 住宅管理 0538-37-4851
新エネ・省エネ設備普及促進奨励金 × 「法人は対象外」「賃貸住宅は対象外」 環境課 0538-37-4874
感震ブレーカー設置事業費補助金 × 「アパートやマンションなどの共同住宅は対象外」と明記。令和8年度は受付終了 危機管理課 0538-37-2116
雨水流出抑制貯留施設設置費補助 × 平成21年度で廃止 道路河川課 0538-37-4993
危険空き家等除却事業費補助金 × 除却(解体)が対象 建築住宅課 住宅管理 0538-37-4851
脱炭素投資促進事業費補助金 × 対象は中小企業者等。融資手数料の補助 産業政策課 0538-37-4904
いわた省エネ家電買替キャンペーン × 家電が対象。令和8年度の実施は未確認 環境課 0538-37-4874
外壁塗装・外壁改修の助成 × 「磐田市では…助成制度はありません」と市が明言 建築住宅課 住宅管理 0538-37-4851

(出典:各制度の磐田市公式ページ。詳細は記事末尾の出典欄を参照)

この表を見て、落胆された理事長さまもいると思います。◎が3つ、◯が2つ。決して多くはありません。

ただ、私はこう考えています。◎が3つあるということは、その3つに集中できるということです。 磐田市の管理組合は、10件の制度を1つずつ調べて時間を浪費する必要がありません。認定と税制と、(該当すれば)瓦屋根。この3つに絞って、あとは工事そのもののコストダウンに理事会の時間を使う。それが合理的です。


固定資産税の3つの改修減額|併用できる組み合わせとできない組み合わせ

磐田市の固定資産税のページには、長寿命化促進税制の専用ページはありません。固定資産税の軽減措置の子ページは9件あり、住宅用地特例、新築住宅、認定長期優良住宅、耐震改修、バリアフリー改修、省エネ改修、サービス付き高齢者向け住宅、空き家解体、わがまち特例です(出典:磐田市 固定資産税の軽減措置)。

長寿命化促進税制の説明は、税務側ではなく建築住宅課所管の「マンション管理」ページに置かれています。これは磐田市に限った話ではなく、この連載で扱った多くの自治体に共通する構図でした。ただ磐田市の場合、清水町や函南町と違って「どこかに書いてある」という点で条件は良いほうです。探す場所が税金のページではなく住宅のページだった、というだけの話です。

そして磐田市には、他の自治体ではあまり見かけない親切な記載があります。3つの改修減額の併用可否が、原文ではっきり書かれているのです。

組み合わせ 併用
耐震改修 × バリアフリー改修 できない
耐震改修 × 省エネ改修 できない
バリアフリー改修 × 省エネ改修 できる

(出典:耐震改修による減額バリアフリー改修による減額省エネ改修による減額

各制度の内容も整理しておきます。

減額 減額割合 面積の上限 期間 主な要件
耐震改修 1/2(長期優良住宅の認定を受けた場合は2/3) 120㎡まで 翌年度1年間 昭和57年1月1日以前から所在。工事費50万円超
バリアフリー改修 1/3 100㎡まで 翌年度1年間 新築から10年以上経過。自己負担50万円超。居住者要件あり
省エネ改修 1/3(長期優良住宅の認定を受けた場合は2/3) 120㎡まで 翌年度1年間 平成26年4月1日以前から所在。工事費60万円超

いずれも改修工事完了後3か月以内の申告が必要です。「申請が改修工事完了日から3ヶ月を経過した場合は、減額が受けられない場合があります」と明記されています。

ここで、管理組合にとって重要な論点が1つ出てきます。共用部の申告(長寿命化促進税制)と、区分所有者個人の専有部の申告(窓の断熱改修など)が、同じ年度に重なる可能性があります。

管理組合が大規模修繕をやる年に、たまたま何戸かの区分所有者が個人で内窓を入れていた、というのはよくある話です。そのとき「両方申告できるのか」という質問が理事長のところに来ます。

私からの提案は、管理組合が税務判断をしないことです。 管理組合は、次の1行を工事のお知らせに入れるだけでよいと思います。

「本工事に伴い、区分所有者の皆さまの固定資産税に減額措置が適用される場合があります。ご自身で専有部の改修(内窓の設置等)を行っている方は、減額の重複について磐田市資産税課家屋グループ(0538-37-4809)へご相談ください。」

これで十分です。管理組合は周知役に徹する。判断は市がします。

なお、耐震改修による減額については、市のページ(HTML)に「令和8年3月31日までに」、添付されている令和8年度版のPDFに「令和13年3月31日までに」と、適用期限の表記が異なっていました。どちらが最新かは私には判断できません。この制度を使う予定がある方は、資産税課(0538-37-4809)に必ず確認してください。ウェブページの更新は、どの自治体でも追いつかないことがあります。


【要注意】令和8年11月2日から、磐田市の窓口受付時間が変わります

実務に直結する情報なので、独立した見出しにします。

磐田市は、令和8年11月2日(月曜)から窓口受付時間を「午前9時〜午後4時30分」に変更すると公表しています。対象は本庁舎(防災センター含む)、西庁舎、各支所、iプラザです(出典:磐田市 令和8年11月から窓口受付時間を変更します、更新日2026年7月28日)。

ただし、同じページにこう書かれています。

「職員の勤務時間や電話の受付時間(午前8時30分から午後5時15分)については、変更ありません。」

つまり、11月以降は「窓口は9時から16時30分、電話は8時30分から17時15分」になります。

これが理事長にとって何を意味するか。平日に休みが取りにくい理事長ほど、窓口ではなく電話を使うべきだということです。 朝8時30分から9時までの30分と、夕方16時30分から17時15分までの45分は、電話でしか市とやり取りできない時間帯になります。出勤前や退勤後に電話をかけるという選択肢が残っているのは、実は大きいことです。

私の経験上、自治体の窓口に電話がつながりやすいのは午前10時前後か午後2時台です。始業直後と昼休み明けは混みます。


静岡県のマンション管理セミナー|磐田会場は2日前に終わってしまいました

正直に書きます。静岡県が実施している令和8年度のマンション管理セミナーの磐田会場は、令和8年8月29日(土)に磐田商工会議所で開催され、この記事を公開する2日前に終了しています。申込期間も7月24日から8月17日までで、すでに締め切られていました(出典:静岡県 マンション管理・分譲マンション対策磐田市 マンション管理)。

これを書かずに済ませることもできましたが、書きます。来年も同じ時期に開催される可能性が高いからです。 今年逃した組合は、来年7月にはアンテナを張っておいてください。

そして、県内の他会場ならまだ参加できます。令和8年度の日程は次のとおりです。

開催地 開催日 会場
浜松市 令和8年7月25日(土) 可美公園総合センター(終了)
磐田市 令和8年8月29日(土) 磐田商工会議所(終了)
三島市 令和8年9月12日(土) 三島市役所
熱海市 令和8年10月予定 未定
沼津市 令和8年10月予定 未定
静岡市 令和8年11月予定 未定
伊東市 令和8年12月予定 未定
富士市 令和9年2月予定 未定
浜松市 令和9年2月予定 未定

(出典:静岡県

磐田市の管理組合にとって現実的なのは、令和9年2月予定の浜松市会場です。磐田駅から浜松駅までは在来線で20分程度、車でも東名高速で近い距離です。

そして毎回書いていることを、磐田市の理事長さまにも。理事長ひとりで行かないでください。次期理事の候補と2人で行ってください。 理事は毎年替わります。1人で聞いてきた話は、その人が理事を降りた瞬間に組合から消えます。2人で聞けば、翌年に引き継がれます。


静岡県のマンション管理士無料派遣|締切は令和8年11月14日

セミナーに間に合わなくても、こちらはまだ間に合います。

静岡県は、管理組合にマンション管理士を無料で派遣する制度を実施しています。令和8年度の条件は次のとおりです。

項目 内容
受付件数 10件(上限に達した時点で終了)
申込締切 令和8年11月14日(土)まで(定数に達し次第、早期終了)
派遣回数 各管理組合2回まで
派遣期限 令和9年1月31日(日)
申込先 一般社団法人 静岡県マンション管理士会
メール t_gotoh@tx.thn.ne.jp/FAX 0544-27-6561

(出典:静岡県 マンション管理・分譲マンション対策令和8年度 派遣業務の概要 PDF申込書 Word

県内で10件です。 早い者勝ちの側面があります。申込書の「相談内容」欄に何を書くかで、派遣される管理士の準備が変わります。磐田市の組合であれば、私ならこの3行を書きます。

  1. 磐田市の管理計画認定を取得する場合の、当組合の長期修繕計画の不足点を確認したい。
  2. マンション長寿命化促進税制の2つのルート(認定ルート/助言・指導ルート)のうち、当組合はどちらを選ぶべきか助言がほしい。
  3. 修繕積立金の引き上げを総会に諮る場合の、区分所有者への説明の組み立て方を相談したい。

2回の派遣のうち1回目でこれを聞き、2回目に総会の直前で説明資料を見てもらう。この使い方が一番効率的だと思います。


国のモデル事業|令和8年度 第3回は9月14日〜18日

国土交通省のマンションストック長寿命化等モデル事業は、令和8年度は全3回の提案受付が予定されており、第1回と第2回はすでに終了しています。

回次 受付期間 状況
第1回 令和8年4月1日(水)〜4月15日(水) 終了
第2回 令和8年6月22日(月)〜6月26日(金) 終了
第3回 令和8年9月14日(月)〜9月18日(金) これから

(出典:国土交通省 マンションストック長寿命化等モデル事業令和8年3月 募集要領 PDF

正直に申し上げますが、この記事の公開から第3回の受付開始まで2週間しかありません。今から書類を揃えて応募するのは、多くの管理組合にとって現実的ではないと思います。

ですから、今週やることは1つだけに絞ってください。募集要領PDFを開いて、必要書類の一覧のページだけ印刷する。15分です。それを理事会の資料に挟んでおけば、来年度の第1回(例年4月)に間に合います。

問い合わせは、マンションストック長寿命化等モデル事業評価室事務局 03-6801-5902(平日10時〜16時、12時〜13時を除く)です。


ここからが本題です|磐田市で削れるのは、補助金ではなく仮設費

制度の話はここまでです。ここからが、私が現場の人間として一番お伝えしたい話になります。

大規模修繕工事の見積書を開くと、必ず一番上のほうに「仮設工事」という行があります。この仮設足場の費用は、工事費全体の15〜25%を占めるのが一般的です。

金額に置き換えると、こうなります。

工事費総額 仮設足場の概算(15〜25%)
3,000万円 450万〜750万円
5,000万円 750万〜1,250万円
8,000万円 1,200万〜2,000万円

私が理事会に呼ばれてよく感じることがあります。植栽の剪定20万円の是非は、みなさん真剣に議論されます。ところが750万円の足場の1行は、そのまま通っていくのです。

これは理事のみなさんが不真面目だからではありません。判断材料が渡されていないからです。「仮設工事一式 750万円」と書かれた1行に対して、素人が何を言えばいいのか分かるはずがありません。

ですから、見積書を受け取ったら、この1文を施工会社に伝えてください。

「仮設工事の金額を、架面積の平米単価とリース期間に分解して出してください。」

これだけで、議論できる形になります。架面積が何㎡で、単価が何円で、何か月借りるのか。分解されて初めて、「工期が1か月短くなればいくら安くなるのか」という話ができます。


磐田市の管理組合に、私が提案する3つのハイブリッド配分

ここで、私の会社がやっているロープアクセス工法の話をします。利益相反になりますので、はっきり申し上げておきます。以下は自社サービスの紹介です。そのうえで、押し売りにならないように、向かない場合も正直に書きます。

ロープアクセス工法は、産業用ロープで職人が屋上から下りながら施工する無足場工法です。足場を架けないので、仮設費が大きく削れ、工期も短くなります。ロープアクセス工法の技術情報や安全基準については、姉妹サイトのロープアクセスドットコムに詳しくまとめています。

磐田市の物件で、私が実際に提案することが多い配分は次の3つです。

配分1:駐車場を潰さない配分

磐田市は自動車の保有率が高い地域です。1世帯1台以上が前提の生活圏で、マンションの敷地内駐車場を長期間使えなくすることは、住民の不満に直結します。代替駐車場を借りれば、その費用が工事費に上乗せされます。

そこで、全周に足場を架けて6か月間すべての駐車場を潰すのではなく、面ごとに分けて2面ずつ各1.5か月で回す、あるいは駐車場側の面だけロープアクセスに置き換えるという配分をします。これは金額の話であると同時に、総会の議決の話です。

配分2:低層は足場、高層はロープ

下層階は下地補修の数量が読みにくく、足場を架けたほうが確実なことがあります。一方、上層階は劣化の程度が読みやすい面が多い。部位ごとに使い分けるのがハイブリッド工法の本質です。

配分3:隣地側・道路が狭い側だけロープ

磐田市内でも、前面道路が狭く4トン車が入らない立地の物件があります。足場は部材の搬入が必要で、10階建て1棟でトラック数台分になります。ロープアクセス工法は、そもそも足場部材が存在しません。これは営業トークではなく、物流の話です。道路条件が厳しい物件ほど、差が金額に出ます。

正直に申し上げます。ロープアクセス工法は万能ではありません

私が「今回は足場でいきましょう」と申し上げる現場は、普通にあります。次のような場合です。

  • 下地補修(ひび割れ・欠損部・タイル浮き)の数量が事前に読めない
  • タイルの浮きが広範囲に及んでいる可能性が高い
  • 外壁の形状が複雑で、ロープの支点が取りにくい
  • バルコニーの内部作業が広範囲にわたる

そして、これも正直に書きます。ロープアクセス工法でも、バルコニー内部の作業が必要な点は工法にかかわらず同じです。「ロープアクセスなら住戸への立ち入りがゼロになる」ということはありません。減るのは、外部足場が住戸の窓の前に架かっている期間です。


モデルケース2本|磐田駅圏と、海側の物件

具体的な数字がないとイメージしにくいと思いますので、実際の提案に近い形でモデルケースを2つ示します。実在の物件ではなく、条件を一般化したものです。

ケース1|JR磐田駅圏 築26年・6階建て・44戸

項目 全面足場 ハイブリッド
工事費 6,900万円 5,950万円
差額 ▲950万円(1戸あたり約22万円)
工期 5.5か月 4か月
駐車場の制限 全周5.5か月 2面ずつ各1.5か月

ケース2|海側(福田・竜洋方面) 築33年・4階建て・26戸

項目 全面足場 ロープアクセス主体
工事費 3,900万円 3,150万円
差額 ▲750万円(1戸あたり約29万円)
工期 4.5か月 3か月

ここで注目していただきたいのは、1戸あたりの金額です。

26戸で3,900万円なら、1戸あたり150万円。これが150戸の大規模マンションなら、同じ工事費でも1戸あたり26万円前後になります。戸数が小さいほど、工法の選定が1戸あたりの負担に効きます。

磐田市は、政令指定都市の浜松市と比べれば、中小規模の分譲マンションが多い地域です。だからこそ、工法の選定が効きます。

そして、これが最も重要な点です。工法は、設計を発注する前でなければ実質的に選べません。 設計事務所が「全面足場」を前提に図面と仕様書を作ってしまえば、後から工法を変えるのは事実上不可能です。


修繕積立金が足りないときの4つの打ち手

多くの管理組合が直面する現実の話をします。積立金が足りない。このとき取れる打ち手は、大きく4つです。

# 打ち手 注意点
1 工事範囲を絞る(段階施工) 仮設費が施工回数分かかります。また長寿命化促進税制の「3点セット一体施工」の要件を外す可能性があります
2 一時金を徴収する 総会の議決が最も重い。滞納リスクも
3 積立金を値上げする 認定ルートの要件にもつながる。ただし議決が重い
4 借入れる 住宅金融支援機構の共用部分リフォーム融資など

1番の段階施工は、一見すると賢い選択に見えて、実は割高になることが多い打ち手です。足場を2回架ければ、仮設費を2回払うことになります。そして先ほど書いたとおり、税制の要件からも外れかねません。

住宅金融支援機構には、管理組合が使える制度が3つあります。

  • 共用部分リフォーム融資:管理組合が借主となる融資
  • マンションすまい・る債:積立金を計画的に運用する仕組み
  • マンションライフサイクルシミュレーション:修繕積立金の計画を試算できる無料ツール

(出典:独立行政法人 住宅金融支援機構

そして、総会に議案を出すときの実務的なコツを1つ。「一時金50万円」と「月々3,000円の値上げ」を、両方とも議案書に載せてください。

人は、選択肢が1つだけだと「賛成か反対か」で考えます。選択肢が2つあると「どちらがましか」で考えます。この違いは、議決の空気をかなり変えます。


見積書のチェック5点|足場が架かってからでは交渉できない

大規模修繕の見積書を受け取ったとき、素人でも確認できる5点を挙げます。

1. 下地補修の「仮定数量」を超えた分の単価が、契約書に明記されているか

これが最重要です。大規模修繕の見積書には、ひび割れ補修○m、欠損部補修○箇所、タイル張替え○㎡といった「仮定数量」が書かれています。実際に足場を架けて調べたら、この数量を超えることが普通にあります。

そのとき、超過分の単価が契約書に書かれていなければ、工事が始まって足場が架かった状態で、管理組合が対等に交渉することはできません。工事を止めるわけにいかないからです。

契約前に、この文を入れてもらってください。

「下地補修について、仮定数量を超過した部分の単価は、ひび割れ補修○円/m、欠損部補修○円/箇所、タイル張替え○円/㎡とし、実数精算とする。」

これを嫌がる会社は、そこで分かります。

2. 仮設工事が「一式」ではなく分解されているか

架面積の平米単価とリース期間に分解されているか。前述のとおりです。

3. 部位別の保証年数が明記されているか

外壁塗装、シーリング、防水はそれぞれ耐用年数が違います。「保証5年」と一括りにされている見積書は、内容を確認してください。

4. 気象条件による作業中止の基準と、予備日の扱い

見積書というより仕様書の話ですが、重要です。次の3文を聞いてください。

「強風・降雨による作業中止の判断基準は、仕様書のどこに書かれていますか。予備日は何日みていますか。予備日を超過した場合の足場リース延長費用は、誰の負担になりますか。

3つ目が本命です。足場は日数で借りています。工期が延びれば、その分の費用が発生します。それを誰が負担するのかを、契約前に決めておいてください。

5. 高圧洗浄の排水計画が仕様書に入っているか

磐田市は天竜川と太田川に挟まれ、南は遠州灘に面しています。高圧洗浄で使った水の排水計画が仕様書に1ページあるだけで、住民説明会の質疑の空気が変わります。これは環境の話であると同時に、住民合意の話です。


磐田の工事適期と、方位別の劣化要因

工事適期

磐田市は温暖で晴天率が高い地域ですが、季節ごとの制約はあります。

時期 評価 理由
3月下旬〜5月上旬 気温・湿度とも安定
5月中旬〜6月 梅雨。工程に予備日が必要
7〜8月 熱中症対策で作業時間に制限がかかる
9月〜10月中旬 台風期
10月下旬〜11月 最も条件が良い
12月〜2月 温暖で晴天率が高く閑散期。ただし冬季の季節風で予備日が必要

塗装や防水には「気温5℃以下・湿度85%以上では施工しない」といった仕様条件が付くのが一般的です。12月着工を検討する場合は、こう聞いてください。

「12月着工なら、金額と工期はどうなりますか。閑散期の単価と、予備日の日数を教えてください。」

方位別の劣化要因(磐田市版)

方位・立地 主な劣化要因 対処の方向
南面 日照時間が長く紫外線量が大きい。チョーキング(塗膜の白亜化)が先行 耐候性の高い塗料の検討
南面(海側・福田/竜洋方面) 遠州灘からの飛来塩分。鉄部の腐食と塗膜劣化が早い 鉄部の下地処理の仕様を厚めに。手すり・避難ハッチの点検を重点化
北西面 冬季の季節風による雨がかり シーリングの早期劣化に注意
北面 日照が少なく乾きにくい。コケ・藻が発生しやすい 防藻・防カビ塗料の検討
磐田原台地の上(見付・国府台周辺) 風が抜けやすく、乾燥と季節風の影響が強い 予備日の設定を厚めに
低地(天竜川・太田川沿い) 地下水位が高く湿度が高い。1階まわりの湿気 基礎まわり・1階外壁の含水率確認

海に近い物件かどうかで、外壁の劣化のしかたはかなり変わります。築年数が同じでも、鉄部の傷み方がまるで違うことは珍しくありません。劣化診断を頼むときは、「海側の物件です」と一言伝えるだけで、診断の重点が変わります。


今週できること5項目|合計3時間以内

長い記事になりました。読み終えたあと何をすればいいのかを、5つに絞ります。

# やること 所要時間 期限
1 建築住宅課 住宅管理グループ(0538-37-4851)に電話し、管理計画認定の申請手順と必要書類を聞く 15分 今日中
2 建築住宅課 建築グループ(0538-37-4899)に電話し、①耐震診断の共同住宅の基準額 ②緊急輸送路沿道に該当するか ③ブロック塀の現地調査申込 を一度に聞く 20分 今日中
3 管理事務室の書庫で、前回の大規模修繕の契約書・工事写真・完了報告書が残っているかを確認する 15分 今週中
4 長期修繕計画書を開き、作成年月日・計画期間・修繕積立金の㎡単価を確認する 30分 今週中
5 静岡県マンション管理士無料派遣の申込書をダウンロードし、相談内容の3行を下書きする 30分 11月14日まで

1と2は、今日中の電話1本ずつです。磐田市の窓口は電話が8時30分から17時15分まで通じます(令和8年11月以降も電話の時間は変わりません)。


令和9年3月31日から逆算するカレンダー

長寿命化促進税制の工事完了期限(令和9年3月31日)から逆算すると、残り約19か月です。工程を並べてみます。

時期 やること
完了の18〜19か月前 劣化診断(1〜2か月)
完了の16〜17か月前 設計(2〜3か月)
完了の13〜16か月前 施工会社の選定(2〜3か月)
完了の12か月前まで 工法をここまでに決める(設計発注前が実質の分かれ目)
完了の最大12か月前 総会(年1回。ここが律速です)
完了の3〜6か月前 工事(3〜6か月)
着工直前 改修前の写真を撮る
完了後3か月以内 減額の申告

この表を見て気づいていただきたいのは、律速になっているのが工事ではなく総会だということです。

管理組合が物事を決められるのは、原則として年1回の定時総会だけです。そこで議案が通らなければ、次は1年後になります。19か月という残り時間の中に、総会は1回か2回しか入りません。

正直に書きます。この期限に間に合わない組合は、あります。それでも準備が無駄にならない理由を3つ挙げます。

  1. 期限が延長された実績はありますが、それを前提に計画を立てるのは危険です。ただ、準備を進めていた組合だけが延長の恩恵を受けられます。
  2. 管理計画の認定は、税制と切り離しても価値があります。フラット35や住宅金融支援機構の共用部分リフォーム融資で金利の優遇を受けられる場合があります。
  3. 認定基準の項目は、どのみち必要になるものばかりです。長期修繕計画の期間、修繕積立金の水準、総会の運営、管理規約の整備。認定を取らなくても、これらを整えること自体が資産価値の維持につながります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 磐田市に、マンションの外壁塗装に使える補助金はありますか。
A. ありません。磐田市が公式のよくある質問で「外壁塗装、外壁改修等に対する助成制度(補助金等)はありません」と明言しています(出典:磐田市 FAQ)。

Q2. 管理計画認定は、静岡県と磐田市のどちらに申請しますか。
A. 磐田市です。静岡県が認定事務を行うのは県内の町域のみで、磐田市は自らマンション管理適正化推進計画を策定し、認定権者になっています。市に支払う手数料はありません(出典:磐田市 マンション管理)。

Q3. 認定を取るのに、いくらかかりますか。
A. 磐田市への手数料は0円です。ただし(公財)マンション管理センターの事前確認適合証が必要で、システム利用料1申請10,000円(税込)と事前確認審査料(長期修繕計画1計画あたり10,000円税込のパターンあり)がかかります(出典:マンション管理センター)。

Q4. マンション長寿命化促進税制の期限はいつですか。
A. 令和9年3月31日までに長寿命化工事を完了することが要件です。減額は工事完了の翌年度分の固定資産税で、1戸あたり100㎡相当分まで、1/6〜1/2の範囲内で市町村条例が定める割合(国の参酌基準は1/3)です(出典:国土交通省)。

Q5. 築25年でも対象になりますか。
A. はい。長寿命化促進税制の共通要件は築20年以上、総戸数10戸以上、過去に長寿命化工事の実績があることです。築25年は要件を満たします(出典:同上)。

Q6. 外壁と床防水だけやって、屋上防水は次回に回してもいいですか。
A. 工事としては可能ですが、長寿命化促進税制の対象からは外れる可能性があります。対象工事は外壁塗装等・床防水・屋根防水の3点を一体で実施することが要件とされています。設計の段階で設計事務所に確認してください(出典:同上)。

Q7. 瓦屋根の共同住宅ですが、何か使える制度はありますか。
A. 住宅の瓦屋根の耐風診断・改修工事の助成制度が「長屋、共同住宅、併用住宅を含む」と明記しています。診断は2/3で最大21,000円/棟、改修は工事費の23%で最大552,000円/棟です。令和3年12月31日以前の建築で、屋根の全面改修が条件です(出典:磐田市)。

Q8. 昭和55年築の旧耐震マンションです。何から手を付けるべきですか。
A. 耐震診断が先、外装が後です。耐震補強で外壁に手を入れる可能性があるのに先に塗装をすると、足場を二度架けることになります。まず建築住宅課 建築グループ(0538-37-4899)に、耐震診断の助成と、物件が緊急輸送路沿道に該当するかを確認してください。


この記事のポイントまとめ

  • 磐田市に外壁塗装・外壁改修の補助金はなく、市自身がその旨を明言している
  • 磐田市は政令指定都市ではないが、自らマンション管理適正化推進計画を策定し認定権者になっている
  • 管理計画認定の市への手数料は0円。県の町域なら最大28,100円かかる手続き
  • 磐田市マンション管理適正化推進計画の目標は「15棟の認定」(令和6〜15年度)
  • マンション長寿命化促進税制の工事完了期限は令和9年3月31日、残り約19か月
  • 対象工事は外壁塗装等・床防水・屋根防水の3点セットを一体で施工すること
  • 2つのルートの分かれ目は、修繕積立金の引き上げ決議が要るかどうか
  • 改修前の写真は、足場が架かって高圧洗浄が終われば二度と撮れない
  • 瓦屋根の耐風改修は「長屋、共同住宅」を明文で対象にしている(最大552,000円/棟)
  • 建築物耐震診断の共同住宅の基準額は、ページと要綱で読み方が分かれるため要確認
  • 緊急輸送路沿道なら、補強計画と耐震化の助成で金額の桁が変わる
  • ブロック塀の助成は現地調査に約2週間、立会いは不要
  • 固定資産税の3つの改修減額は、耐震とバリアフリー・省エネは併用不可、バリアフリーと省エネは併用可
  • 令和8年11月2日から磐田市の窓口受付は9時〜16時30分に変更(電話は8時30分〜17時15分のまま)
  • 県のマンション管理セミナー磐田会場は8月29日に終了。次に近いのは令和9年2月予定の浜松会場
  • 静岡県のマンション管理士無料派遣は県内10件、締切は令和8年11月14日(土)
  • 国のモデル事業 令和8年度第3回は9月14日〜18日
  • 仮設足場は工事費の15〜25%。「一式」ではなく平米単価とリース期間に分解させる
  • 下地補修の仮定数量を超過した分の単価は、必ず契約前に明記させる
  • 戸数が小さいマンションほど、工法の選定が1戸あたりの負担に効く
  • 工法は設計を発注する前でなければ、実質的に選べない
  • 律速になるのは工事ではなく、年1回の総会

主なお問い合わせ先

用件 窓口 電話
管理計画認定・マンション管理全般 磐田市 建設部 建築住宅課 住宅管理グループ(西庁舎2階) 0538-37-4851
耐震診断・耐震化・瓦屋根・ブロック塀 磐田市 建設部 建築住宅課 建築グループ(西庁舎2階) 0538-37-4899
固定資産税の減額申告 磐田市 企画部 資産税課 家屋グループ(本庁舎1階) 0538-37-4809
市役所代表 磐田市役所(国府台3-1) 0538-37-2111
県のマンション施策全般 静岡県 くらし・環境部 建築住宅局 住まいづくり課 054-221-3084
マンション管理士 無料派遣の申込 一般社団法人 静岡県マンション管理士会 FAX 0544-27-6561
管理計画認定の相談(土曜も可) 一般社団法人 日本マンション管理士会連合会 相談ダイヤル 03-5801-0858(月〜土 10:00〜17:00)
事前確認適合証・支援サービス 公益財団法人 マンション管理センター 03-3222-1516
国のモデル事業 マンションストック長寿命化等モデル事業評価室事務局 03-6801-5902

磐田市の窓口の受付時間は、令和8年11月2日から午前9時〜午後4時30分に変わります。ただし電話の受付時間(午前8時30分〜午後5時15分)は変わりません。電話がつながりやすいのは、私の経験では午前10時前後か午後2時台です。


関連記事


明誠にご相談いただく場合

私どもは、足場を架ける従来工法、ロープアクセス工法(無足場工法)、そして両者を部位ごとに使い分けるハイブリッド工法の3つを、自社で提案できる体制を取っています。日本で初めてロープアクセス工事のフランチャイズを展開し、塗装・防水・タイル・電気・看板といった各分野の専門職が加盟しています。

「補助金があるから工事をしましょう」という話は、磐田市に関してはできません。制度がないからです。私どもがお手伝いできるのは、工法の選定によって仮設費と工期をどこまで圧縮できるか、という一点です。

見積りの前段階、理事会での論点整理だけでもお力になれることがあります。「まだ工法を決める段階ではない」という状態でこそ、聞いていただく価値があると思っています。


磐田市を調べていて、私が一番印象に残ったのは「市に支払う手数料等はありません」という一行でした。

制度を作るだけなら、どこの自治体でもできます。手数料を取らないと決めるのは、そこに人手と予算を割く判断をしたということです。10年で15棟という目標も、決して派手ではありませんが、地に足がついた数字だと感じました。

一方で、外壁塗装の補助金はないと先回りして書いてある。期待させないという誠実さと、使える制度は無料で開けておくという姿勢が、同じ市のサイトに同居しています。

ですから、この記事の結論は電話2本です。建築住宅課 住宅管理グループ 0538-37-4851、そして建築住宅課 建築グループ 0538-37-4899。どちらも西庁舎2階にあります。

制度があるのに知らずに諦めてしまう管理組合があることが、私はいちばん惜しいと思っています。次回も、現場で本当に使える話だけをお届けします。


執筆者:本間 幸紘(株式会社明誠 代表取締役)
専門領域:マンション大規模修繕/ロープアクセス工法/建物長寿命化計画
実務経験:建設・改修業界 20年以上
所属:一般社団法人 全国建設業支援協会(JCSA)

株式会社明誠について:東京都東大和市を拠点に、東京・関東一円でロープアクセス工法と従来足場工法の両方を提案できる改修会社。日本初のロープアクセス工事フランチャイズを展開しています。

最終更新:2026年8月31日


出典・参考資料

磐田市

静岡県

関係団体


免責事項:本記事は2026年8月31日時点で公開されている情報にもとづいて作成しています。制度の内容・金額・期限は変更される場合があり、また予算枠に達した時点で受付が終了することがあります。申請にあたっては、必ず各窓口の最新情報をご確認ください。本記事は税務・法務に関する助言を目的としたものではありません。個別の判断については、各自治体の窓口および税理士等の専門家にご相談ください。