【2026年5月版】塗料・防水材不足で大規模修繕が止まる──ナフサショックから資産を守るオーナー・管理組合の動き方
こんにちは、株式会社明誠の本間です。私はマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を、足場仮設とロープアクセス、そして両者を組み合わせたハイブリッド工法という三つの選択肢で提案しつづけて20年近くになります。今朝、社員と現場ミーティングをする前に、テレビと建設業界紙の見出しに目を通していて、思わず机を叩きました。
「塗料が入ってこない、防水材も足りない、もう請けられない仕事が増えている」──。中小の塗装業者や防水の一人親方が、顔と名前を出してそう訴えています(出典:「私たちの声は届いていないのか」止まる工事現場、追いつめられる中小建設業者の切実な声(Yahoo!ニュース/TBS NEWS DIG・2026年5月23日))。私の周りでも、4月の連休明けから「塗料の見積りが先週よりまた上がった」「今月中に発注しないと8月以降は何も保証できないと言われた」という声が、加盟店、同業の社長、付き合いの長い問屋から日替わりで届いています。
正直に申し上げます。これは大規模修繕を計画している管理組合と、収益不動産を持つオーナーにとって、来年・再来年の話ではありません。今月、今週の意思決定が、来年の総会で説明できるかどうかを決めます。
この記事では、私が現場で見ている「ナフサショック」の実像と、管理組合・オーナーが資産を守るために何を、いつまでに、どう動かすべきかを、できるだけ具体的にお話しします。9000字を超える長文になりますが、修繕委員会の資料としてもそのまま使えるように構成しました。お時間が許す範囲で、一節ずつでも結構ですから、読み進めていただけると嬉しいです。
1. 今、現場で何が起きているのか
「塗料が、入ってこないんです」。
これは、ある加盟店の若い職長が、先月の私との電話で漏らした一言です。彼が担当している現場は、首都圏の築22年・約160戸のファミリーマンション。長期修繕計画どおりに動いていて、3月に塗装の試験施工まで終わっていました。ところが4月、塗料メーカーから「該当製品は受注を一時停止します。在庫分の出荷で打ち切ります」という通知が突然届いた。代替品の提案を受けたものの、色見本と仕上がりが微妙に違う。住民総会で承認をいただいた色番号ではありません。「色を変えるなら、もう一度説明会と理事会承認が要りますよね」と、彼は半泣きでした。
これは特殊な現場の話ではありません。テイガク屋根修理が公開している建材値上げ・受注停止リストには、2026年5月22日更新時点で塗料・シンナー・断熱材・ルーフィング・屋根材まで、ありとあらゆる主要部材が並んでいます(出典:【2026年5月22日更新】建材資材の値上げと受注停止の影響(テイガク))。塗装業界の児玉塗装も、メーカー別の出荷停止状況を5月11日付で更新し、複数の大手塗料メーカーで主力製品の受注制限が続いていることを公表しています(出典:【2026年5月11日更新】ナフサショック・中東情勢による塗装材料への影響(児玉塗装))。
業界紙の日経クロステック建築は、5月の連載記事で「建材不足でマンション大規模修繕に停止の危機、計画見直しも」と踏み込んだ見出しを掲げました(出典:日経クロステック建築「建材不足でマンション大規模修繕に停止の危機、計画見直しも 中東情勢混迷」)。専門誌が「停止の危機」という言葉を使うのは、それだけ業界内の温度感が逼迫しているということです。
私の経験上、大規模修繕の現場というのは、部材が一品種でも欠けると工程全体が止まります。塗料が来なければ下地補修の次の工程に進めない。防水材がなければ屋上やバルコニーの止水が打てない。シンナーが希釈に使えなければ、刷毛塗りもローラー塗りも始まりません。そして足場を組んだまま工程が止まれば、足場のレンタル料は1日単位で課金され、住民の生活ストレスも積み上がります。これが、今、現場で起きていることです。
2. 原因はホルムズ海峡──「ナフサショック」が建設業を直撃した経緯
なぜ、こんなことになっているのか。原因をできるだけ簡潔に整理します。
ナフサ(粗製ガソリン)は原油を蒸留して取り出される石油化学製品の基礎原料で、プラスチック、合成樹脂、塗料、シンナー、断熱材、ルーフィングなど、現代の建材の大半に使われています。日本は産業用ナフサの多くを中東からの原油に頼っており、原油の主要輸送ルートがホルムズ海峡であることはよく知られています。
2026年2月末以降、中東情勢の緊迫化を背景に、ホルムズ海峡経由の原油輸送に支障が出ました。ナフサの調達価格は急騰し、供給量も不安定化。3月中旬には大手塗料メーカーが「最大75%値上げ」を表明、4月以降は次々と他のメーカーが追随し、出荷停止や受注制限に踏み切る事態になっています(出典:ナフサショック(ナフサ不足)完全解説2026(造改築.com))。
建設業に関わる方には釈迦に説法ですが、念のため業界全体の構造を確認しておきます。
| 部材 | 主な用途 | ナフサとの関係 |
|---|---|---|
| 塗料(アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素) | 外壁・鉄部・屋根の塗装 | 樹脂・希釈用シンナーがナフサ由来 |
| シンナー | 塗料の希釈、洗浄 | ほぼ100%ナフサ由来 |
| 防水材(ウレタン・FRP・塩ビシート) | 屋上・バルコニー・廊下の止水 | 樹脂・希釈材がナフサ由来 |
| シーリング材 | サッシ廻り・打継ぎの止水 | 主成分の樹脂がナフサ由来 |
| 断熱材(発泡系) | 外断熱・屋根断熱 | 発泡樹脂がナフサ由来 |
| ルーフィング・アスファルト系防水 | 屋根下葺き・押え工法 | 改質剤がナフサ由来 |
つまり、外装の修繕に使う材料のほぼ全てがナフサに紐づいているということです。一品目だけ我慢すれば乗り切れる、という構造ではありません。
東京新聞の報道では、政府は「足りている」と表明していますが、実際の現場ではすでに供給に明確な支障が出ている、と多くの中小事業者が証言しています(出典:東京新聞「建築資材や日用品…ナフサ由来製品が出荷停止・値上げ 政府『足りている』と言っても、すでに供給に影響が」)。私が会員数百社のJCSA(一般社団法人全国建設業支援協会)の運営に関わっている立場で言わせていただくと、現場の体感と政府発信の温度差は、相当に大きいと言わざるを得ません。
3. 何が、どれだけ値上がりしているのか
「具体的にどれぐらいの値上げなのか」が、管理組合の理事長さま・修繕委員のみなさまにとっては一番気になるところだと思います。私が業界紙・専門メディアから直近1か月で確認できた数字を、表に整理します。
| 部材 | 値上げ幅の例 | 出典 |
|---|---|---|
| 塗料(大手メーカー) | 最大75% | 造改築.com(2026年3月中旬通告) |
| 断熱材(発泡系) | 約40~50% | テイガク/s-housing |
| ルーフィング | 約40~50% | テイガク/新建ハウジング |
| アスファルトシングル屋根材 | 30%(旭ファイバーグラス「リッジウェイ」、2026年7月1日出荷分より) | テイガク |
| シンナー | 出荷停止・量制限 | 児玉塗装/塗装源 |
| 副資材全般 | 段階的に複数回 | 新建ハウジング |
(出典:【値上げ一覧】”ナフサショック”で相次ぐ大幅値上げ(新建ハウジング)、【2026年5月最新】ナフサショックによる建材受注制限・値上げ情報まとめ(髙橋秀樹note)、中東情勢によるナフサ(シンナー)不足について(塗装源))
戸あたりに換算するとどうなるか。100戸規模のマンションで外壁塗装・屋上防水・シーリング打替えを含むフルメニューの大規模修繕を行う場合、私の経験では資材費の比率は工事費全体の25〜35%程度です。仮に資材費が全体の30%、そのうち塗料・防水・シーリングなどナフサ由来材料が半分を占めるとすると、ナフサ由来材料は工事費の約15%を構成します。ここが平均で40%値上がりしたと仮定すると、工事費全体で約5〜8%の押し上げになる計算です。これは造改築.comの試算とほぼ符合します。
100戸規模で工事費1.2億円のマンションなら、600万円〜960万円のコスト増。戸あたりに直すと6万〜10万円です。「修繕積立金月額5,000円の人にとって、丸1年分以上の追加負担」と言い換えれば、理事会での重みが伝わるのではないでしょうか。
ただし注意していただきたいのは、これは「平均的に試算した上振れ幅」であり、個別物件の条件で振れ幅は大きく変わるということです。屋上のアスファルト防水比率が高い物件、外断熱を採用している物件、シーリング量が多いタワー型物件は、もっと影響を受けます。逆に、シート防水中心で塗装面積が比較的少ない低層物件は、影響を抑えやすいケースもあります。「絶対○%値上がりします」と言い切る業者には、私は警戒したほうがよいと考えています。
4. なぜ大規模修繕が「止まる」のか──工程が崩れる3つの理由
値上げ以上に深刻なのが、工程の停止リスクです。私が現場で見ているのは、おおむね次の3つのパターンです。
理由1:部材の納期確約ができない
これまで「発注から2週間で現場に届きます」と言えていた塗料が、今は「6〜8週間、場合によってはそれ以上、しかも数量保証なし」と回答されるケースが出ています。施工会社としては、住民への工程説明や足場貸出会社との契約が、根拠を持って組めなくなります。
理由2:色番号・グレードの変更が頻発する
特定の樹脂や顔料が手に入らないために、メーカーがレシピを微調整したり、廃番にしたりする動きが続いています。総会で承認をいただいた色番号と仕上がりが微妙に違うと、住民代表からは「説明と違う」というクレームが必ず出ます。理事会・修繕委員会の手戻りが発生するため、工程が1〜2か月単位で押します。
理由3:足場が無駄に長く立つ
足場は1日単位の固定費です。私のいる現場感覚で、戸あたり月1万円〜2万円程度の足場関連コストが、何もしなくても発生し続けます。100戸なら月100万〜200万円。部材待ちで足場が1か月延びるだけで、それだけのキャッシュが空気に消えるわけです。これが、私が「無足場工法(ロープアクセス)」を強く提案する最大の理由でもあります。
5. 修繕積立金への影響と、管理組合が今やるべき5つの行動
ここからが本題です。理事長さま・修繕委員のみなさまに、今月から動いていただきたいことを5つに整理します。
(1) 長期修繕計画の前提条件を即時に再確認する
国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」では、機械式駐車場の有無や階数によって積立金の目安水準が示されています(出典:国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」)。多くの長期修繕計画は、こうした目安と過去の単価を前提に組まれています。しかし、今回のナフサショックは前提を崩しに来ています。まずは、現行計画が「いつの単価」を前提にしているかを確認してください。3年以上前の単価で組まれていれば、ほぼ間違いなく見直しが必要です。
(2) 「直近2年以内の見積り」を施工各社に再依頼する
理事会で「業者選定は2年前にやったから今のままで」となりがちですが、それは危険です。直近2年以内、できれば3か月以内の見積りに更新してください。複数社から取り直すのが原則ですが、相見積りの比較条件は揃えること。比較条件の揃え方は、修繕委員だけでは難しい場合、第三者のコンサルタントに「比較表のフォーマット」だけ作ってもらうのも有効です。
(3) 工事仕様書の「代替品許容条項」を確認・追記する
仕様書に「メーカー指定・型番指定」とだけ書いてあると、塗料メーカーの出荷停止が直撃します。「同等性能の代替品を、書面承認のうえで採用できる」旨の条項を追加してください。性能の同等性は、JIS規格の等級、メーカー試験成績書、第三者検査機関の判定など、客観的に確認できる指標を明記すること。「同等品で良いですよね」と現場任せにすると、住民とのトラブルの火種になります。
(4) 「工程遅延時のリスク分担」を契約書で明確化する
足場が延びた場合の足場料金、住民への説明会再開催費用、人件費の追加負担を、誰がどう負担するかを契約書で決めておきます。「資材入手困難の場合は、双方協議のうえ工程と費用を見直す」と一文入れるだけでも、いざというときの揉め事は大きく減ります。
(5) 「工法のセカンドオピニオン」を取る
足場仮設一択で計画が組まれている場合、ロープアクセスやハイブリッドでの代替提案を受けてみるのは、今のタイミングだからこそ価値があります。次章で詳しくお話しします。
6. オーナー側の視点──資産価値を守るための判断基準
ここからは、収益不動産を持っておられるオーナーさま向けです。築年数や用途が違っても、判断軸はそれほど多くありません。
(A) 「先送り」が最もコストの高い選択肢になりつつある
私の経験上、これは大規模修繕を5年単位で見送るときに、いつも申し上げてきたことです。今は、その傾向がさらに強まっています。ナフサショックが少なくとも2026年内は続くという業界の見立てがあり(出典:ナフサショックはいつまで続く?なぜ今、工務店に影響を与えているのか(makehouse))、来年・再来年の単価が今より下がる保証はどこにもありません。むしろ、外壁の劣化を1年放置した結果、追加の躯体補修が必要になり、結果として工事費が大きく膨らむケースを、私は何度も見てきました。
(B) 入居率と賃料水準は「見た目」に強く反応する
築20年を超えた物件で、外壁の汚れや錆だれ、シーリングの劣化が見えてくると、内見時の印象は劇的に落ちます。特に都心の収益マンション・テナントビルでは、「修繕積立を取り崩してでも、まず外観を仕上げたほうが回収が早い」という判断のほうが、長期では合理的なケースが多いです。Yahoo!ニュースの不動産記事でも、東京23区の中古マンションは「資産性重視」が契約理由のトップになったと指摘されています(出典:資産性重視が「契約理由のトップ」に 東京23区新築マンション価格指数(TBS NEWS DIG・2026年5月))。資産性を語るうえで、外観のメンテナンスは無視できない要素です。
(C) 工法選択で、コストとスケジュールは大きく変わる
ここが、私の本業の核心です。同じ建物を、ただ足場で囲んで塗るのか、ロープアクセスで部分施工と組み合わせるのか、ハイブリッドで合理化するのか。選択次第で、見積額もスケジュールも、住民への影響も変わります。
7. 工法選択で守れるコストとスケジュール
私は普段から、お客様には「答えはひとつではない」と申し上げています。建物の形状、住民構成、立地、修繕積立金の残高、そしてオーナーであれば収益計画次第で、最適な工法は変わるからです。
| 工法 | 工事費の傾向 | 工期 | 居住者・利用者への影響 | 適しているケース |
|---|---|---|---|---|
| 通常足場工法 | 標準 | 標準 | 大(眺望・採光・防犯すべてに影響) | 中低層、複雑形状、全面的な躯体補修が必要な場合 |
| ロープアクセス工法(無足場) | 足場費を大幅圧縮できるケースあり | 短縮しやすい | 小(眺望・採光は維持、洗濯物制限は短期間) | 高層、シーリング・部分補修・部分塗装、緊急対応 |
| ハイブリッド工法 | 部位ごとに最適化 | バランス型 | 中(足場区画を限定) | 大規模・複雑物件、コストと工期の両立が必要 |
ロープアクセス工法は、日本ではまだ全国普及率が高くありませんが、明誠は日本で初めてロープアクセス工事のフランチャイズ展開を行っており、塗装・防水・タイル・電気・看板など各分野の専門職が加盟する全国ネットワークを持っています。これは、自社単独では受けきれないボリュームや、繁忙期の人手確保、地方案件への展開に強みを発揮します。
正直に申し上げます。ロープアクセスがすべての建物・すべての工事に万能ということではありません。たとえば、躯体側に大面積の爆裂・剥離があり、ハツリと打ち増しを大量に伴う場合は、足場で囲って一気に進めたほうが結果的に安く、安全なケースが多いです。「足場かロープか」ではなく、「どこは足場、どこはロープ、どこはハイブリッドか」を建物ごとに切り分けること。これが、いま単価が上がりつつあるなかで、最もコストを守れる発想だと、私は確信しています。
ロープアクセス工法の詳細はロープアクセス工法のご紹介を、大規模修繕の総合的なご相談は大規模修繕工事のご紹介をご覧ください。
8. 私が現場で見ている「動ける管理組合」の共通点
20年ほど現場をやってきて、ナフサショックのような外部ショックに強い管理組合には、いくつか共通点があると感じます。
ひとつ目は、理事会で「数字の出どころ」が常に共有されていることです。「業者が言っていたから」ではなく、「○月発行の業界紙にこう書いてある」「国交省ガイドラインのこの版にこう書いてある」と、出どころの確認が会議の中で行われています。情報の出どころが明確だと、議論が早く、住民総会の説明も短く済みます。
ふたつ目は、修繕委員のなかに、建築・設備・財務のいずれかの実務経験を持つ住民が、1人は入っていることです。これは「専門家を雇え」という話ではありません。住民の中の経験者を、ちゃんと巻き込めているかどうか、ということです。「お任せください」と全員を黙らせるタイプの理事長さんよりも、「皆さんの知見を貸してください」と言える理事長さんのほうが、こういう局面で強いです。
みっつ目は、業者を「敵」にしないことです。値上げの通告を受けたとき、感情的に業者を責める管理組合と、「これは業者個別の問題ではなく業界全体の問題だ」と切り分けて、共同で対策を考える管理組合では、結果が違います。後者のほうが、最終的に良い条件・良い品質を引き出しています。
私が一番悔しい思いをするのは、頑張って動かれている管理組合が、ほんの少しのコミュニケーションのズレで、業者と疎遠になってしまい、結果として割高な工事を別社に発注してしまうケースです。ナフサショックは、業者と管理組合の信頼関係を試すリトマス紙でもあるな、と最近よく思います。
9. JCSAから業界への呼びかけ──今こそネットワークの出番
ここから少し業界向けの話です。読み飛ばしていただいて構いません。
私が代表理事を務めるJCSA(一般社団法人全国建設業支援協会)では、5月から「ナフサショック対応 緊急情報交換会」をオンラインで月2回、開催しています。会員社からは、「塗料メーカーごとの在庫情報をリアルタイムで共有してほしい」「代替樹脂の試験施工データを共有してほしい」「住民説明用のテンプレを共有してほしい」という声が、毎週のように届いています。
私は、これに本気で応えるつもりです。協会の役割は、平時に勉強会や交流会を開くことだけではないと考えています。こうした非常時に、業界全体で持っている情報を素早くつなぐことこそ、業界団体の存在意義だと思っています。
会員社の皆さまには、6月の交流会で詳細をお伝えしますが、JCSA未加入の方でも、関心のある事業者の方はJCSAのお問合せフォームからご連絡いただければ、緊急情報交換会のオブザーバー参加もご案内できる体制を準備中です。一社で抱え込まず、業界の知恵を持ち寄って乗り越えていきましょう。
10. まとめ:今月、今週、明日できること
長くなりました。最後に、お読みいただいた方がそのまま動けるよう、行動チェックリストを置いておきます。
【管理組合 理事長さま・修繕委員さま】
– [ ] 長期修繕計画の単価前提を、いつの時点のものか確認する
– [ ] 直近の見積りを2〜3社から取り直す(比較条件を揃える)
– [ ] 仕様書に「代替品許容条項」を入れる
– [ ] 工程遅延時のリスク分担を契約書で明確化する
– [ ] 足場工法以外(ロープアクセス・ハイブリッド)のセカンドオピニオンを取る
– [ ] 住民説明会の資料に、ナフサショックの一次情報リンクを添える
【収益不動産オーナーさま】
– [ ] 物件ごとに、「先送りした場合の追加リスク」を試算する
– [ ] 外観の劣化が入居率・賃料に与える影響を、近隣相場と比較して確認する
– [ ] 部分施工で凌げる物件は、ロープアクセスでの早期対応を検討する
– [ ] 長期保有予定の物件は、来年以降の単価高止まりを前提に資金計画を見直す
【同業の経営者さま】
– [ ] 自社の在庫・受注残・代替品試験のステータスを毎週棚卸しする
– [ ] お客様への説明用テンプレを早めに準備する(業界全体の話と自社の対応を分けて書く)
– [ ] 一社で背負わず、業界団体・地域の同業との情報共有を強める
ナフサショックは、私たち建設業にとっても、管理組合・オーナーにとっても、たしかに厳しい局面です。けれど、20年現場をやってきた私の正直な感想は、「こういう時こそ、ちゃんと動いた人と組織だけが、来年・再来年に資産価値で報われる」というものです。
ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。お問合せはこちらのフォームから、もしくは長年付き合っていただいている管理会社さま経由でも結構です。次回も、現場で本当に使える話だけをお届けします。
出典・参考資料
- TBS NEWS DIG/Yahoo!ニュース「『私たちの声は届いていないのか』止まる工事現場、追いつめられる中小建設業者の切実な声」(2026年5月23日)
- 日経クロステック建築「建材不足でマンション大規模修繕に停止の危機、計画見直しも 中東情勢混迷」
- 造改築.com「ナフサショック(ナフサ不足)完全解説2026|石油化学製品が住宅から消える日」
- 新建ハウジング「【値上げ一覧】”ナフサショック”で相次ぐ大幅値上げ」
- テイガク「【2026年5月22日更新】建材資材の値上げと受注停止の影響」
- 児玉塗装「【2026年5月11日更新】ナフサショック・中東情勢による塗装材料への影響|各メーカーの出荷・受注状況まとめ」
- 東京新聞デジタル「建築資材や日用品…ナフサ由来製品が出荷停止・値上げ 政府『足りている』と言っても、すでに供給に影響が」
- 塗装源「中東情勢によるナフサ(シンナー)不足について」
- 国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」
- TBS NEWS DIG「資産性重視が『契約理由のトップ』に 東京23区新築マンション価格指数 タワマン19%上昇で過去最高」(2026年5月)
- makehouse「ナフサショックはいつまで続く?なぜ今、工務店に影響を与えているのか」
- 髙橋秀樹note「【2026年5月最新】ナフサショックによる建材受注制限・値上げ情報まとめ」
本記事の数値や制度情報は2026年5月25日時点での公開情報をもとに整理しています。最新の業界動向や個別物件のご相談については、株式会社明誠お問合せフォームよりお寄せください。


