「うちは築12年だから、そろそろ一回目の大規模修繕です」——理事会でこう言われると、なんとなく「12年でやるのが当たり前」だと思い込んでいる方が、いまも本当に多い。先日、ある大手デベロッパーの新築マンションが「購入者が選ぶSUUMO AWARD 2026」を受賞したというニュースが目にとまった。評価された取り組みのひとつが、屋上防水やシーリングの一部を高耐久仕様にして、大規模修繕工事を従来の12年周期から18年周期へと延ばす、という設計だった(出典:大和ハウス工業「『購入者が選ぶSUUMO AWARD 2026』で2部門の優秀賞を受賞」)。
私はこの記事を読んで、「いよいよ来たな」と思った。長く現場でマンションやビルの修繕に立ち会ってきた人間として、「12年周期」という数字がひとり歩きしていることに、前々から危うさを感じていたからだ。
この記事では、そもそも「12年周期」という常識がどこから来たのか、なぜいま国も業界も「長周期化(修繕周期を延ばすこと)」へ動いているのか、そして収益物件オーナー・管理組合がこの流れをどう使えば修繕積立金不足の時代を乗り切れるのかを、私の現場感覚も交えて整理したい。数字はできるだけ公的な一次情報に基づいて示し、断定は避けて「目安」として扱う。
まず事実関係——「12年周期」は法律でもルールでもない
最初に、いちばん大事な事実をお伝えする。「12年で大規模修繕をしなければならない」という法律もルールも、実は存在しない。
多くの管理組合が拠り所にしているのは、国土交通省の「長期修繕計画作成ガイドライン」だ。このガイドラインは令和6年(2026年の2年前、2024年)6月に改定されており、大規模修繕工事の周期について「部材や工事の仕様等により異なるが、一般的に12年〜15年程度」と示している(出典:国土交通省「長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン等の改定について」)。
ここで見落としてはいけないのは、二つある。ひとつは、ガイドラインはあくまで「目安」であって義務ではないこと。もうひとつは、最新版がすでに「12年」ではなく「12年〜15年程度」と、幅を持たせた書き方に変わっていることだ。
私はいつも理事長さまに、こうお伝えしている。「12年という数字は、出発点であってゴールではありません」と。建物の劣化のスピードは、立地(海沿いか内陸か)、日当たり、使っている材料、前回の工事の丁寧さで大きく変わる。同じ築12年でも、まだ十分もつ建物もあれば、すでに待ったなしの建物もある。数字だけで決めるのは、健康診断を受けずに「年齢が来たから手術しましょう」と言うようなものだ。
ではなぜ「12年」がこれほど常識として定着したのか。理由のひとつは、かつてのガイドラインや施工事例の多くが12年前後を標準としてきたこと。もうひとつは、建築基準法に基づく「特定建築物定期調査」のなかで、竣工後一定年数を経た外壁について全面打診等の調査が求められる、という制度的な節目が「だいたい10年〜12年」のあたりに来るからだ。つまり12年というのは、「外壁を全面的に見なければならない時期」と「足場を架けるなら、ついでにまとめて修繕しよう」という発注側の事情が重なってできた、いわば慣習的な数字にすぎない。慣習であるがゆえに、見直す余地は十分にある。
念のため補足すると、外壁の打診調査などの安全に関わる義務まで「延ばしてよい」という話ではない。延ばせるのは、あくまで塗り替えや防水のやり直しといった「修繕の周期」であって、安全点検の義務は別物だ。ここを混同すると危険なので、最初に線を引いておきたい。
なぜいま「18年周期」へ動くのか——三つの構造要因
では、なぜ「12年」から「15年」「18年」へと、業界全体の重心が動き始めているのか。私が現場で感じている要因は、大きく三つある。
一つ目は、材料が確かに進化したこと。 屋上防水のシート、塗膜防水、外壁の塗料、目地のシーリング——いずれもこの10年〜20年で耐久性が目に見えて上がった。かつて「10年もてば御の字」だった部材が、高耐久仕様なら15年、18年と現実的に視野に入るようになっている。先ほどのSUUMO AWARDの事例も、まさに「屋上防水とシーリングを高耐久仕様にしたから周期を延ばせた」という話だった。材料の進化が、長周期化の土台になっている。
二つ目は、修繕積立金の不足という、待ったなしの財政事情。 国土交通省は同じく令和6年6月に「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」も改定した。そこでは、段階的に積立金を増やしていく「段階増額積立方式」について、初期の額は均等積立とした場合の基準額の0.6倍以上、最終の額は1.1倍以内に収める、という新しい考え方が示された(出典:国土交通省「『マンションの修繕積立金に関するガイドライン』の改定について」)。
これは裏を返せば、「将来いきなり倍以上に値上げするような無理な計画は見直しなさい」という国からのメッセージだ。資材も人件費も上がり続けるなか、積立金は思うように増やせない。だとすれば、工事の「回数」そのものを減らすしかない。30年で2回やる工事を1.7回に減らせれば、それだけで生涯コストは下がる。長周期化は、財政の側からも強く求められているのだ。
三つ目は、環境負荷と「住みながら工事」の負担を減らしたいという意識の変化。 工事のたびに足場を架け、住民は洗濯物も干せず、ベランダも使えない数ヶ月を過ごす。これが12年ごとに来るのと18年ごとに来るのとでは、住み心地もテナントの満足度もまるで違う。収益物件であれば、工事期間中の入居者の不満や退去リスクは、そのまま家賃収入に響く。回数を減らせること自体に、はっきりとした価値がある。
ただし——「ただ延ばす」のは一番危ない
ここからが本題だ。長周期化はいいことずくめに見えるが、私は声を大にして言いたい。「お金がないから、とりあえず工事を先送りする」のと、「計画的に周期を延ばす」のは、まったくの別物だ。
正直に申し上げる。現場で20年やってきて、私が一番悔しい思いをするのは、「先送り」を「長周期化」と取り違えた建物に呼ばれたときだ。点検もせず、ただ予算がないからと工事を遅らせ、気づいたときには防水が切れて躯体(建物の骨組み本体)に水が回り、本来なら表面の補修で済んだはずが、コンクリートの中の鉄筋まで錆びて、修繕費が何倍にも膨らんでいる。こうなると、長周期化どころか、緊急工事で一番高い買い物をする羽目になる。
長周期化が成立する建物には、共通点がある。それは「ちゃんと見ている」ことだ。
- 高耐久の材料を、必要な部位に計画的に使っている
- 定期的に専門家が点検し、劣化の兆候を早期につかんでいる
- 小さな不具合を、小さいうちに部分補修している
逆に言えば、この三点がないまま周期だけ延ばすのは、虫歯を放置して「歯医者に行く間隔を空けました」と言っているのと同じだ。延ばしていいのは、手入れをしている建物だけ。ここを取り違えないでいただきたい。
ひとつ、実際の現場の話をさせていただく。数年前、ある築16年のマンションに呼ばれたことがある。一回目の大規模修繕を「予算がないから」と先送りし続け、当初の計画より4年遅れていた建物だった。下から見上げる限りは、塗装の色あせ程度で大きな問題はなさそうに見えた。ところが、ロープアクセスで職人が壁面に降りて間近で見ると、北側のタイル目地のシーリングがやせて切れ、そこから入った水で、一部のタイルが「浮いて」いた。指で押すと、ぽこぽこと音がする。放置すれば、いずれタイルが剥落して通行人に当たる危険もあった。結局、本来なら数十万円の部分補修で済んだはずの箇所が、広範囲の張り替えに発展し、見積もりは当初の何倍にもなった。理事長さまは「下から見ても全然わからなかった」と肩を落としておられた。私が一番悔しいのは、まさにこういう瞬間だ。「延ばす」こと自体が悪いのではない。「見ずに延ばす」ことが、建物とオーナーの両方を傷つけるのだ。
長周期化を支える鍵は「点検」と「部分補修」——ここで工法が効いてくる
では、点検と部分補修を、どうすればコストをかけずに回せるのか。ここで、私たち明誠がこだわってきた工法選択の話が効いてくる。
従来、マンションの外壁を点検しようと思えば、足場を架けるか、ゴンドラを吊るか、あるいは下から双眼鏡で眺めるしかなかった。足場を架ければ数百万円、ゴンドラも大掛かりだ。「点検のためだけにそんな費用は出せない」——これが、多くの管理組合が点検を後回しにしてきた本当の理由だと、私は思っている。
ここで力を発揮するのが、ロープアクセス工法だ。これは産業用のロープを使って、職人が壁面を上下しながら点検・補修を行う「無足場工法(足場を架けない工法)」である。足場を架けないぶん費用を大きく抑えられ、しかも必要な部位だけをピンポイントで点検・補修できる。
私はこれを、長周期化とワンセットで提案するようにしている。仕組みはこうだ。高耐久材料で大きな工事の周期を延ばす一方で、その間にロープアクセスで定期点検と部分補修を機動的に回す。こうすれば、「延ばす」ことのリスク——気づかぬ間の劣化——を最小限に抑えながら、足場を伴う大規模修繕の回数そのものを減らせる。点検が安く小回りよくできるからこそ、安心して周期を延ばせる。これが、私の考える「正しい長周期化」だ。
収益物件オーナーの損得勘定——戸あたりで見ると景色が変わる
収益物件オーナーの方には、ぜひ「戸あたり・年あたり」で損得を見ていただきたい。
仮に、ある工事の総額が同じだとしても、その効果が12年もつのか18年もつのかで、1年あたりのコストはまるで違う。単純化して言えば、12年周期と18年周期では、同じ工事を「1.5倍長く」効かせられる計算になる。30年というスパンで見れば、大規模修繕の回数が一回減るかどうかは、戸あたりにならせば数十万円単位で効いてくる話だ。
ごく単純化した試算で、景色の違いを見ていただきたい。あくまで考え方を示すための仮の数字であり、実際は建物ごとに大きく変わる点はご了承いただきたい。
| 項目 | 12年周期 | 18年周期(高耐久仕様) |
|---|---|---|
| 60年間の大規模修繕回数(目安) | 約5回 | 約3〜4回 |
| 1回あたりの工事費(仮に1回1.2億円とする) | 1.2億円 | 高耐久材で割増、仮に1.35億円 |
| 60年間の累計工事費(概算) | 約6.0億円 | 約4.7〜5.4億円 |
| 周期間の点検・部分補修 | 任意 | 計画的に必須 |
この表で言いたいのは、「高耐久材で1回あたりは少し高くなっても、回数が減るぶん、長い目で見れば累計の負担は軽くなりうる」ということだ。もちろん、これは点検と部分補修をきちんと回し、計画どおりに周期を延ばせた場合の話。手入れを怠れば、この計算は簡単に崩れる。数字のうまみは、あくまで「正しく延ばせたご褒美」だと考えていただきたい。
戸あたりに引き直すとさらに実感が湧く。仮に100戸のマンションで60年間に1回分の大規模修繕(1.2億円)を減らせたとすれば、戸あたり120万円。月額の積立金に換算すれば、60年で割って戸あたり月1,600円ほどの差になる。たかが月1,600円と思われるかもしれないが、これは「同じ建物の品質を保ったまま」生み出せる差だ。値上げ交渉で住民ともめることを思えば、決して小さくない。
加えて、収益物件には「工事をしていない期間こそが稼ぎどき」という側面がある。足場を架けている数ヶ月は、見栄えも住み心地も落ちる。新規の入居づけにも不利だし、既存入居者の不満もたまる。工事の回数が減るということは、満足度の高い「平常運転」の期間が長くなるということ。これは家賃の維持・空室率の低下という形で、じわじわと収益に効いてくる。
もちろん、注意点もある。高耐久材料は初期費用が一般材より高い。短期で売却を予定している物件なら、その投資を回収しきれないこともある。だからこそ、「この建物を、この先何年保有するのか」という出口戦略とセットで、長周期化が得かどうかを判断する必要がある。私は、ここを抜きに「とにかく高耐久がいい」とは決して言わない。
管理組合が総会前に整理しておきたい五つの質問
6月はマンションの総会シーズンだ。理事会・総会で長周期化の話題が出たとき、最低限これだけは整理しておくと議論が前に進む、という五つの質問を挙げておく。
- いまの長期修繕計画の周期は、何年で組まれているか。 その根拠は「12年が常識だから」になっていないか。
- 前回の工事で、どの部位にどんな材料を使ったか。 高耐久仕様だった部位はあるか。記録は残っているか。
- 直近で、専門家による外壁・防水の点検をいつ行ったか。 点検なしに「延ばす/早める」を議論していないか。
- 積立金の計画は、将来いきなり倍増するような無理な前提になっていないか。 国のガイドラインの考え方(初期0.6倍以上・最終1.1倍以内の目安)に照らして無理がないか。
- 次の工事で、足場・ロープアクセス・両者の組み合わせ(ハイブリッド)のどれが自分の建物に合うか、比較検討したか。
この五つに「はい」と答えられない項目があれば、それはそのまま、専門家に相談すべきテーマだということだ。
工法選択で「長周期化」をどう設計するか——足場・ロープ・ハイブリッド
最後に、工法の話を整理しておく。私たち明誠は、通常の足場仮設による工法、足場を架けないロープアクセス工法、そして両者を部位ごとに使い分けるハイブリッド工法の三つを、建物の特性に応じて提案できる。日本でも、この三つを自前で揃えている会社は多くない。
長周期化という観点で言えば、それぞれに役割がある。
- 足場工法は、全面打診や大面積の塗り替えなど「一度にまとめてやり切る」大規模修繕の本番に向く。長周期化のスタート地点で、高耐久材料をしっかり施工する場面だ。
- ロープアクセス工法は、周期と周期の「あいだ」の点検・部分補修に向く。安く小回りが利くからこそ、延ばした期間のリスクを抑えられる。
- ハイブリッド工法は、形状が複雑で足場が架けにくい部分だけロープアクセスを使うなど、大規模・複雑物件で総合コストを最適化したいときに効く。
つまり、長周期化は「材料」だけで決まるのではない。「どの工法で施工し、どの工法で維持していくか」という設計とワンセットで初めて成り立つ。だからこそ、複数の工法を一社で比較提案できることに意味がある、と私は考えている。建物ごとのベストは、必ず比較した先にしかない(大規模修繕工事のご紹介)。
長周期化は「一社でまとめて見られる体制」があってこそ回る
もうひとつ、現場の人間として強くお伝えしたいことがある。長周期化を本当に回そうとすると、「窓口の一本化」がきわめて重要になる、ということだ。
考えてみてほしい。長周期化とは、大きな工事の合間に、塗装・防水・タイル・シーリング、ときには電気設備や看板まで、こまめに点検し、傷んだところだけを直していく営みだ。ところが、これを分野ごとにバラバラの会社へ頼んでいると、何が起きるか。「塗装屋さんは塗装しか見ない」「防水屋さんは防水しか見ない」となり、分野の境目——たとえばタイルとシーリングの取り合い部分——の劣化が、誰の担当でもないまま見落とされる。私はこの「境目の見落とし」で水が入った建物を、いくつも見てきた。
私たち明誠は、ロープアクセス工法を軸に、塗装・防水・タイル・電気・看板といった各分野の専門職がフランチャイズとして加盟する体制をとっている。これは、ロープアクセス工事としては日本で初めてのフランチャイズ展開だ。なぜこの形にこだわったのか。理由はまさに、長周期化のような「長く・こまめに・分野横断で」建物を見続ける営みには、各分野の専門職が一つの窓口に集まっている体制が向いているからだ。専門職がそれぞれの腕を持ち寄ることで、高い品質を保ちながら、中間マージンを削って価格も抑えられる。点検で見つかった小さな不具合を、その場で「ではこの目地はうちの防水班が、このタイルはタイル班が」と振り分けられる。これが、長周期化を絵に描いた餅で終わらせないための、地味だが決定的な土台になる。
理事長さまにも収益物件オーナーさまにも、私はいつもこうお伝えしている。「工法の数」と同じくらい、「分野をまたいで一気通貫で見てくれる窓口があるか」を見てください、と。長く付き合う相手だからこそ、ここは妥協してほしくない。
よくある質問——長周期化をめぐる五つの疑問
最後に、理事会や個別相談で実際によくいただく質問に、私なりにお答えしておく。
Q1. 国が「18年周期にしなさい」と決めたのですか?
いいえ。国の最新ガイドラインは大規模修繕の周期を「一般的に12年〜15年程度」と幅を持たせて示しているだけで、18年を推奨しているわけではない。18年周期は、高耐久材料を使い、点検を組み込んだ建物で「結果として延ばせる」という選択肢です。あくまで建物次第、というのが正確なところだ。
Q2. うちは普通の材料で前回工事をしました。それでも延ばせますか?
慎重に考えたほうがよい。一般材で施工した部位は、メーカーが想定する耐用年数を超えて無理に延ばすと、かえって劣化が一気に進むことがある。まずは専門家の点検で、いまの劣化具合を正確に把握することをおすすめする。延ばせるかどうかは、点検の結果が教えてくれる。
Q3. 高耐久材料にすると、どれくらい費用が上がりますか?
部位や材料によって幅が大きいので、ここで断定はできない。一般に、屋上防水やシーリングを高耐久仕様にすると初期費用は上がるが、そのぶん次の工事までの間隔を延ばせる。「初期費用の増加分」と「延ばせる年数」を天秤にかけて判断するのが筋で、必ず複数の仕様で見積もりを取り、比較していただきたい。
Q4. 周期を延ばすと、その間の点検費がかさみませんか?
だからこそ、点検を安く回せる手段が要になる。足場を架けての点検は高くつくが、ロープアクセスなら必要な部位だけを低コストで点検・補修できる。点検費を抑えられるからこそ、トータルでは長周期化のメリットが出る、という設計が大事だ。
Q5. 収益物件なのですが、近く売却するかもしれません。それでも高耐久にすべき?
出口戦略によります。数年内の売却を考えているなら、高耐久材の投資を回収しきれない可能性がある。一方で、長期保有して家賃収入を得続けるなら、長周期化の恩恵は大きい。「あと何年、この建物を持つのか」を先に決めてから、材料と工法を選ぶ——順番を間違えないことが肝心だ。
まとめ——「12年だから」で決めない。建物を見て、延ばせる建物に育てる
長くなったので、最後に要点をまとめたい。
「12年周期」は法律でもルールでもなく、出発点にすぎない。国の最新ガイドラインはすでに「12年〜15年」と幅を持たせ、材料の進化と積立金不足を背景に、業界は18年周期も視野に入れ始めている。大手デベロッパーが長周期化の取り組みで評価を受けたのは、その象徴だ。
ただし、お金がないからの「先送り」と、手入れをしたうえでの「長周期化」は、似て非なるものだ。延ばしていいのは、高耐久材料を計画的に使い、点検と部分補修を続けている建物だけ。そして、その点検と部分補修を安く機動的に回す手段として、ロープアクセスという選択肢がある。
これは私が現場で20年見てきた、嘘偽りのない感想だ。周期の数字に振り回されるのではなく、自分の建物をよく見て、「延ばせる建物」に育てていく。その視点を、ぜひ次の理事会で1分だけでも話題にしてみてほしい。周期をどう設計するか、点検をどう組み込むか——そのあたりの整理だけでも、お力になれることがある。ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。次回も、現場で本当に使える話だけをお届けします。
出典・参考資料
- 国土交通省「長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント及びマンションの修繕積立金に関するガイドラインの見直しについて」(令和6年6月改定)
- 国土交通省「『マンションの修繕積立金に関するガイドライン』の改定について(段階増額積立方式における適切な引上げの考え方)」
- 大和ハウス工業「『購入者が選ぶSUUMO AWARD 2026』で2部門の優秀賞を受賞」(2026年6月)


