大規模修繕はロープアクセスが提案可能な東京の明誠へ

創業から6000棟超の施工実績

大規模修繕で施工会社が倒産したら?積立金を守る2つの備え

大規模修繕で施工会社が倒産したら?積立金を守る2つの備え

はじめに:「工事の途中で会社が消えたら、私たちの積立金はどうなるのか」

こんにちは、株式会社明誠の本間です。先日、ある管理組合の理事長さまから、こんな相談を受けました。「本間さん、ニュースで建設会社の倒産が増えていると聞いた。もし大規模修繕の途中で施工会社が潰れたら、私たちが何十年もかけて積み立てたお金は、どうなってしまうんですか」と。

正直に申し上げます。この不安は、まったく的外れではありません。資材も人件費も上がり続け、利益の薄い工事を無理に取った会社が、工期の途中で力尽きる。私はこの20年、現場でそういう「中断した工事」をいくつも引き継いできました。足場だけが残され、ベランダのシーリング(外壁の目地を埋める防水材のこと)が半分だけ打たれた建物を見るたびに、悔しい思いをしてきました。

ここからが本題です。2026年に入って、この「工事会社の倒産」というリスクに正面から備える新しい仕組みが、マンション業界で少しずつ使われ始めています。それが「履行保証保険(りこうほしょうほけん)」です。本記事では、この新しい保険の中身と、従来の完成保証や瑕疵保険との違いを整理したうえで、保証だけに頼らずに修繕積立金を守るための「もう一つの備え」——工法の選び方——まで、現場の視点でお伝えします。


1. なぜ今、施工会社の「倒産」を心配すべきなのか

まず、なぜ今このテーマなのかをはっきりさせておきます。背景にあるのは、建設業界全体を覆う「コストの上振れ」と「受注の歪み」です。

中東情勢の混乱を受けて、日本総合研究所は建設投資が2028年に3.8%下振れする可能性を指摘しています。特に防水工事や内装工事といった「後工程」で使う資材への影響が大きく、現に工事を中断する事例も出ている、というのです(出典:日経クロステック「中東情勢の混乱で建設投資に暗雲」)。大規模修繕はまさに、防水・塗装・シーリングといった後工程の塊です。資材が読めない局面では、見積り時点の金額で最後までやり切れる体力があるかどうかが、会社によって大きく分かれます。

ゼネコン最大手の鹿島の桐生雅文社長も、大規模再開発の中止や遅延が各地で相次いでいることについて、「発注者の予算と工事費に乖離(かいり)が生じている」と発言しています(出典:時事通信「建築費高騰『不動産業界と解決』」)。これは超大型の再開発の話ですが、構図はマンションの大規模修繕でもまったく同じです。総会で承認された予算と、実際の工事費が合わない。その差を、無理な値引きで取りに行った会社が、後で立ち行かなくなる。

私が一番怖いと感じるのは、「安いから」という理由だけで選ばれた会社が、その安さの分だけ体力を削っていて、工事の最終盤で資金繰りに詰まるケースです。発注者である管理組合やオーナーには、その会社の財務状況は見えません。だからこそ、価格の安さの「裏側」を、第三者の目でチェックする仕組みが必要になってきたのです。


2. 工事の途中で施工会社が倒産すると、何が起きるのか

「倒産しても、別の会社に頼めばいいのでは」と思われるかもしれません。ところが現場では、そう単純にはいきません。工事会社が途中で倒産すると、管理組合の負担として、次のような費用が次々に発生します。

  • 過払い金の損失:出来高(実際に進んだ工事の割合)以上に前払いしていた分が、戻ってこない可能性があります。
  • 増嵩(ぞうこう)費用:工事を引き継ぐ会社は、前の会社より高い金額を提示するのが普通です。中断状態の現場はリスクが高く、安く請ける会社はまずいません。
  • 破産管財人への対応費用:倒産した会社の資産整理を担う弁護士(破産管財人)とのやり取りに、時間も費用もかかります。
  • 出来高精算の費用:どこまで工事が終わっていたのかを第三者に調査してもらい、金額を確定させる作業が要ります。
  • 工事停止中の現場管理費:足場や仮設をかけたまま現場が止まれば、その間の管理費や近隣対応の負担が積み上がります。

私の経験上、一度止まった現場を引き継ぐと、当初予算の2〜3割増しになることは珍しくありません。しかも、住民の方々は「いつ終わるのか」が見えない不安の中で、足場に囲まれた暮らしを続けることになります。お金の問題であると同時に、生活の質の問題でもあるのです。

具体的に想像してみてください。たとえば総額6,000万円の大規模修繕で、出来高6割の時点で施工会社が倒産したとします。残りの4割、計算上は2,400万円分の工事が残っています。ところが、中断した現場を引き継ぐ会社は、前の会社の仕事の品質を保証できないため、防水やシーリングを一部やり直す前提で見積もります。結果、残工事が2,400万円では収まらず、3,000万円を超えることもある。差額の600万円は、どこから出すのか。多くの場合、それは修繕積立金の取り崩しか、住民からの一時金徴収になります。

ここで強調したいのは、こうした追加費用は「修繕積立金」から出ていく、ということです。倒産という外から来た災難が、住民が長年かけて積み立てたお金を直撃する。これが、施工会社の倒産が怖い本当の理由です。そして、この直撃をやわらげる手段が、本記事でお伝えする「保証」と「工法選択」の2つの備えなのです。


3. 「積立金が4割で不足」の時代に、倒産は二重の打撃になる

そもそも、いまのマンションは修繕積立金に余裕があるのでしょうか。国の最新調査を見ると、答えははっきり「いいえ」です。

国土交通省の令和5年度マンション総合調査によると、長期修繕計画に対して修繕積立金の積立額が「不足している」と回答した管理組合は36.6%。前回調査から1.8ポイント増えています。さらに、そのうち不足額が計画の20%以上にのぼる管理組合が11.7%を占めます(出典:国土交通省 令和5年度マンション総合調査結果〔概要編〕)。

修繕積立金の平均額そのものは、この25年間で約1.8倍、月額13,054円まで上がってきました。それでも「不足」が4割近いというのは、資材・人件費の高騰に積立てが追いついていないからです。なお、自分のマンションの積立金が妥当な水準かどうかは、国土交通省のマンションの修繕積立金に関するガイドラインで示された専有面積あたりの目安と照らし合わせると、おおよその見当がつきます。

ここに、施工会社の倒産という追加費用が重なると、どうなるか。ただでさえ足りない積立金に、2〜3割増しの引き継ぎ費用がのしかかる。場合によっては一時金の徴収(住民から臨時にお金を集めること)や、修繕積立金の値上げに踏み切らざるを得ません。総会で「値上げ」を通すのがどれほど大変か、理事長さまならよくご存知のはずです。

つまり、倒産リスクへの備えは、単なる保険の話ではありません。「これ以上、住民の財布に負担を増やさないための防衛策」なのです。だからこそ私は、工法選びと並んで、保証の仕組みを理事会で一度議題に上げていただきたいと考えています。


4. 大規模修繕の「3つの保証」を、まず正しく整理する

「保証」と一言で言っても、大規模修繕には性格の異なる制度が複数あります。ここを混同すると、いざという時に「うちの保証は、その場面では使えなかった」ということになりかねません。代表的な3つを表で整理します。

制度 守る場面 仕組みの主体 加入
工事完成保証 工事中に施工会社が倒産 → 工事の「完成」を保証 業界団体や施工会社同士の相互保証が中心 任意
履行保証保険 工事中に施工会社が倒産 → 発生する追加費用等を「保険」で補償 損害保険会社(保険商品) 任意
瑕疵(かし)保険 工事「完了後」に欠陥が見つかった 住宅瑕疵担保責任保険法人など 任意

ポイントは2つあります。

1つ目は、「完成前」と「完成後」で守る制度が違うこと。倒産による工事中断に備えるのが完成保証・履行保証保険で、引き渡し後の不具合に備えるのが瑕疵保険です。役割が違うので、どちらか一方だけでは穴が残ります。

2つ目は、いずれも「任意加入」だということ。大規模修繕工事新聞も指摘していますが、工事完成保証や瑕疵保険は、管理組合の側から工事会社に申し入れをしないと、会社のほうから自動的に付けてくれるとは限りません(出典:大規模修繕工事新聞「工事会社倒産のリスク回避」)。「契約に入っていると思い込んでいたら、入っていなかった」——これが一番危ない誤解です。

私はいつも理事長さまに、「契約前に、どの保証が・どの場面で・誰の負担で付くのかを、紙に書き出して確認してください」とお伝えしています。


5. 新しい選択肢「履行保証保険」とは何か

ここからが、今回のニュースの核心です。これまで大規模修繕の業界には、一般の施工業者が広く加入できる「保険会社による完成保証の商品」がほとんどありませんでした。業界団体内の相互保証や、施工会社同士で保証し合う独自の仕組みで対応してきたのが実態です。

そこに登場したのが、損害保険会社による「マンション大規模修繕工事向け履行保証保険」です。一般社団法人マンションあんしんセンターが、日新火災海上保険と組んで提供しているもので、2026年に入って活用が見られるようになっています(出典:マンションあんしんセンター プレスリリース(PR TIMES))。

仕組みを、できるだけ平易に説明します。

  • 契約者は施工会社、被保険者(守られる側)は発注者である管理組合やオーナーです。施工会社が保険をかけ、いざ倒産したときに管理組合が補償を受ける、という形です。
  • 補償の対象は、前章で挙げた過払い金や増嵩費用に加え、破産管財人への対応費用、出来高精算の費用、工事停止中の現場管理費など、倒産時に管理組合へ降りかかる幅広い費用です。
  • 保険金の支払いだけでなく、工事の再開・完成までセンターが支援する点も、従来の「お金が出て終わり」の仕組みとは異なります。

そして私が最も注目しているのが、保険を引き受ける際に、施工会社の財務状況の審査が行われるという点です。審査を通過した修繕工事会社は、2026年3月末時点で90社(出典:マンションあんしんセンター「履行保証保険の活用」)。つまり管理組合は、この審査結果を「第三者がこの会社の財務を見て、保険を引き受けると判断した」という参考情報として使えるわけです。

価格の安さの裏側が見えない——という第1章の不安に対して、外部の保険会社の審査というモノサシが一つ加わる。これは、発注者にとって小さくない安心材料だと私は思います。

なぜこの仕組みが「新しい」のか、もう少し補足します。これまでの完成保証は、施工会社が所属する業界団体の中で、会員同士が「もし誰かが倒れたら、残りの会員で工事を引き継ぐ」と取り決める相互扶助の形が中心でした。仕組みとしては有効ですが、保証する主体が団体や同業他社であるため、いざというときに保証範囲や負担の解釈をめぐって、当事者間で意見が割れることがありました。

一方、損害保険会社による履行保証保険は、保証の主体が一貫して保険会社であり、補償の内容も保険商品として標準化されています。だからこそ、管理組合が「誰が・いくらまで・どの費用を見てくれるのか」で混乱したり、トラブルに巻き込まれたりするリスクが格段に下がる。ここが、従来型との一番の違いだと私は理解しています。理事会で検討される際は、「うちが使うのは相互扶助型の完成保証なのか、保険会社の履行保証保険なのか」を、まず確認するとよいでしょう。


6. 保証だけでは積立金は守れない——もう一つの備え「工法選択」

ここで、保険会社の回し者のような話で終わらせたくないので、現場の人間として正直に申し上げます。履行保証保険は「倒産という事故が起きた後」の備えであって、そもそも積立金を減らさないための備えではありません。

積立金を減らさないための、もう一つの——そして私が本業として最も力を入れている——備えが、「工法の選択」です。

大規模修繕のコストで、意外と大きな割合を占めるのが「仮設足場」の費用です。建物全体に足場をかけ、解体するだけで、工事費全体の2割前後を占めることも珍しくありません。しかも足場は、それ自体が建物を直しているわけではない「準備の費用」です。

明誠は、ここに3つの選択肢を持っています。

  • 通常の足場仮設工法:全面に足場をかける従来型。複雑な形状や、全面的に手を入れる中低層の建物に向きます。
  • ロープアクセス工法(無足場工法):産業用ロープで職人が壁面を上下しながら施工する方法です。足場を組まないため足場費を圧縮でき、工期も短く、住民の生活への影響(窓の前に足場が立つ圧迫感や防犯面の不安)も小さく抑えられます。高層や、足場の架設が難しい物件で特に効きます。
  • ハイブリッド工法:足場が必要な部位だけ足場をかけ、それ以外はロープアクセスで仕上げる。部位ごとに使い分けて、総額を最適化します。

私はこれを、必ずワンセットで提案するようにしています。なぜなら、足場費を抑えて工事全体のコストに余裕が生まれれば、その分、万が一の引き継ぎ費用が発生しても、積立金へのダメージを小さくできるからです。守りの保険と、攻めのコスト削減。両方を組み合わせて初めて、積立金は本当の意味で守られます。

工法ごとの違いを、もう少し具体的に整理しておきます。

比較項目 通常足場工法 ロープアクセス工法 ハイブリッド工法
足場の設置・解体費 かかる(全面) ほぼ不要 必要部位のみ
工期 長め 短め 中間
住民の生活影響 大きい(窓前に足場・防犯面) 小さい 中間
向いている建物 中低層・全面改修・複雑形状 高層・部分補修・足場困難な物件 大規模・部位ごとに条件が異なる物件

たとえば、外壁の大半は健全で、タイルの浮きやシーリングの劣化など「悪いところがピンポイントで分かっている」建物であれば、全面足場をかけずにロープアクセスで必要箇所だけを直す適正価格のピンポイント施工が効きます。逆に、外壁全面の塗り替えと防水を一気にやる計画なら、足場のほうが作業効率がよく、結果的に安くなることもあります。大切なのは「最初から工法を一つに決めつけない」ことです。

私はこれまで、他社で「全面足場ありき」の見積りしか出てこなかった物件を、ハイブリッドに組み替えることで足場費を大きく圧縮できたケースを何度も見てきました。3つの工法を建物ごとに最適提案できる会社は、日本でもまだ多くありません。詳しくはロープアクセスと足場の両方を提案できる明誠の強みのページもご覧ください。


7. 倒産しにくい・信頼できる施工会社を見分ける実務ステップ

では、理事会として実際に何をすればよいのか。発注前にできる、現実的なステップを整理します。

Step 1:保証の有無を「契約前」に確認する

見積りを取る段階で、「工事完成保証または履行保証保険を付けられますか」と各社に必ず質問してください。任意制度なので、聞かなければ付きません。付けられる会社・付けられない会社の差が、そのまま会社の体力の差を映すこともあります。

Step 2:履行保証保険の「審査通過」を一つの目安にする

前述のとおり、履行保証保険は財務審査を通った会社しか使えません。「この保険を使えますか」という問いは、遠回しに「御社の財務は第三者の審査を通っていますか」と尋ねるのと同じです。一つの判断材料として有効です。

Step 3:見積りの「安さの理由」を説明してもらう

極端に安い見積りには、必ず理由があります。良い理由(足場をロープアクセスに替えて合理的に削っている等)なら歓迎ですが、悪い理由(利益を削って無理に取りにいっている)なら危険信号です。明誠の場合、安さの根拠は「適正価格のピンポイント施工」や工法選択にあることを、図と数字で説明します。

Step 4:複数社で「同じ条件」の見積りを揃える

工法も仕様もバラバラの見積りを並べても、比較になりません。同じ条件で揃えたうえで、価格・保証・財務の3点で評価してください。


8. 落とし穴・注意点——「保証があるから安心」ではない

ここは、あえて慎重にお伝えします。履行保証保険も完成保証も、万能ではありません。

第一に、全額がそのまま戻る制度ではありません。 完成保証は「全費用を補償する制度ではない」と運営側も明言しています(出典:マンションあんしんセンター「完成保証は全費用を補償する制度ではない?」)。補償には条件や上限があり、何でも青天井で面倒を見てくれるわけではない、と理解しておく必要があります。

第二に、任意加入であること。繰り返しになりますが、管理組合から申し入れないと付かないケースがあります。「大手だから大丈夫だろう」という思い込みは禁物です。

第三に、保証はあくまで「倒産後」の話であること。本記事で一貫してお伝えしてきたとおり、倒産そのものを防ぐ力はありません。だからこそ、信頼できる会社選び(第7章)と、積立金に余裕を持たせる工法選択(第6章)を、保証とセットで考えていただきたいのです。

なお、本記事の制度内容は2026年7月時点の情報です。保険の補償範囲や審査要件は変わり得ますので、加入を検討される際は、必ず実施主体であるマンションあんしんセンターや保険会社の最新の公式情報をご確認ください。


9. よくある質問——理事会で出やすい疑問にお答えします

ここでは、私が理事会の場で実際によく受ける質問を、Q&A形式で整理しておきます。

Q1. 履行保証保険の保険料は、誰が払うのですか

契約者は施工会社なので、保険料は基本的に工事費の中に含まれる形になります。つまり最終的には発注者の負担に反映されますが、その金額は倒産時に発生し得る数百万円規模の追加費用に比べれば、はるかに小さいのが通常です。見積りの内訳で「どこにいくら計上されているか」を確認するのが大切です。

Q2. 大手の施工会社なら、保証は要らないのでは

規模の大小と倒産リスクは、必ずしも一致しません。むしろ、大型案件を多く抱える会社ほど、一つの現場の資金繰りが全体に響くこともあります。会社の規模ではなく、財務の健全性と、保証が付くかどうかで判断していただきたいと、私はいつもお伝えしています。

Q3. すでに工事会社を決めてしまいました。今からでも保証は付けられますか

契約前であれば交渉の余地があります。契約後・着工後の追加は難しい場合が多いので、できるだけ早い段階で、施工会社と保険・保証の話を詰めてください。間に合わないようであれば、せめて出来高に対する支払い条件(前払いを抑え、出来高に応じて払う)を見直すだけでもリスクは下がります。

Q4. ロープアクセスは足場より危なくないのですか

産業用ロープによる施工は、労働安全衛生規則に基づくルール(ロープ高所作業の特別教育など)に沿って行います。二重のロープで身体を支える方式が基本で、有資格の職人が作業します。むしろ足場は、設置・解体の作業や、第三者がよじ登れてしまう防犯面のリスクもあります。建物や工事内容に応じて、どちらが安全かつ合理的かを判断するのが筋だと、私は考えています。


10. 明誠が現場で見てきた、もう一歩踏み込んだ知見

明誠は東京・関東一円で、ロープアクセス工法と従来の足場仮設による大規模修繕の両方を提案できる改修会社です。塗装・防水・タイル・電気・看板など各分野の専門職が加盟するフランチャイズ体制で、高品質と低価格を両立しています。

私たちがマンション・ビルのオーナーさま管理組合さまとお話しするとき、最近とくに増えているのが「途中で工事が止まったらどうしよう」という不安の声です。その背景には、ニュースで流れる建設会社の倒産や、資材高騰の報道があります。

私はこう考えています。不安の正体は「見えないこと」です。会社の財務が見えない、工事費の内訳が見えない、保証が効く範囲が見えない。だから、私たちは見積りの段階から、足場費がいくらで、ロープアクセスに替えるといくら下がり、どの部位にどの工法を使うのかを、できる限り「見える化」してお出しします。保証についても、付けられるものは正直に、付けられないものはなぜかを、その場で説明します。

正直に申し上げて、すべての現場でロープアクセスが最適とは限りません。全面改修が必要な建物では、足場のほうが結果的に安く・確実なこともあります。だからこそ「3つから選べる」ことに意味がある。これは私が現場で20年見てきた、嘘偽りのない感想です。


11. まとめ:今日、理事会で動いていただきたい3つのこと

最後に、本記事を読み終えた方に、今日できる具体的なアクションを3つだけ挙げます。

  1. 次の大規模修繕の見積りで、各社に「完成保証または履行保証保険を付けられますか」と必ず質問する。 任意制度なので、聞かなければ始まりません。
  2. 長期修繕計画と現在の積立金残高を照らし合わせ、「不足」になっていないかを確認する。 国の調査では4割近くが不足しています。足りないなら、工法選択でコストを下げる余地がないかを一度検討してください。
  3. 足場費がいくらかかっているかを、見積りの中で確認する。 ロープアクセスやハイブリッド工法に替えるだけで、総額に余裕が生まれる物件は少なくありません。

「うちの積立金で、本当に最後までやり切れるのか」「途中で何かあったときに、住民に負担をかけずに済むのか」——そうお感じの方は、ぜひ一度お問合せフォームから声をかけてください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。無料の建物調査・お見積りで、工法ごとの金額の違いまで具体的にお出しします。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。次回も、現場で本当に使える話だけをお届けします。

株式会社明誠 代表取締役 本間


出典・参考資料