大規模修繕はロープアクセスが提案可能な東京の明誠へ

創業から6000棟超の施工実績

つくば市の分譲マンション、大規模修繕で使える補助金・税制はどこまで?管理組合が動く順番を整理します【2026年度版】

つくば市の分譲マンション、大規模修繕で使える補助金・税制はどこまで?管理組合が動く順番を整理します【2026年度版】

理事長さまから最初にいただく質問は、いつも同じです。「つくば市には、大規模修繕に使える補助金はあるんですか」。

正直に申し上げます。つくば市が大規模修繕の工事費そのものに現金を直接補助する制度は、2026年7月時点で私が調べた限り見当たりません。ここでがっかりして話が終わってしまう管理組合を、私は現場で何度も見てきました。

ですが、それはもったいない話です。現金の直接補助が薄い街でも、国の税制と住宅金融支援機構の融資、そして工法の選び方を組み合わせれば、負担は確実に変わります。研究学園都市として新しいタワーマンションから築30年前後の分譲マンションまで幅広く抱えるつくば市だからこそ、使える武器を正しい順番で並べることが大切です。

この記事では、私が管理組合の理事会でお話ししている内容そのままに、つくば市のマンション管理組合が「どの制度を、どの順番で使えばいいのか」を整理します。数字と期限には、すべて公的な一次情報のリンクを添えました。

まず結論:つくば市の管理組合が押さえるべき「1本の道」

制度は数が多く、バラバラに眺めると混乱します。私はいつも、次の1本の道として理事長さまにお伝えしています。

①管理計画の認定 → ②修繕積立金の適正化 → ③国の長寿命化促進税制で固定資産税の減額 → ④住宅金融支援機構の融資で金利引下げ → ⑤工法の選び方で工事費そのものを最適化。

この5ステップは、途中でつながっています。認定を取ると税制と融資の入口が開き、工法の選択でコストを削れば積立金の負担も軽くなる。単発の補助金を探すより、この道を一度通す方が、管理組合の財布には効きます。

以下、ひとつずつ、つくば市の実情に沿って見ていきます。

つくば市というまちと、マンションの修繕期の重なり

つくば市は、茨城県南部の研究学園都市です。人口は約25万人。つくばエクスプレス(TX)の開業以降、つくば駅・研究学園駅を中心に新築の大規模分譲マンションが増え、一方で1980年代から1990年代にかけて建てられた分譲マンションも数多く残っています。

私の実感では、TX沿線には築15〜25年、旧市街には築30年を超える物件が混在しています。築12年前後で1回目、築24年前後で2回目の大規模修繕(一定周期でまとめて行う共用部の修繕工事)を迎えるのが一般的ですから、つくば市は今、まさに「修繕期の山」が重なっている街だと言えます。

修繕期が重なると、資材と職人の取り合いになり、見積もりも高止まりしがちです。だからこそ、制度と工法の両輪で早めに動いた管理組合が有利になります。ここからが本題です。

①【土台】国のマンション長寿命化促進税制

つくば市の管理組合にとって、いちばんの土台になるのが国の制度です。名前は「マンション長寿命化促進税制」(正式には大規模の修繕等が行われたマンションに係る固定資産税の減額措置)といいます。

一定の要件を満たす大規模修繕を行うと、工事の翌年度分の建物にかかる固定資産税が減額される制度です(出典:国土交通省 マンション税制)。修繕積立金の確保と、長寿命化工事に向けた管理組合の合意形成を後押しすることが目的とされています。

適用のおもな要件

私が理事会でお見せしている要件を、かみくだいて並べます。

  • 20年以上、総戸数10戸以上の分譲マンションであること
  • 過去に外壁塗装等・床防水・屋根防水の3つの長寿命化工事をそれぞれ1回以上行っていること
  • そのうえで、2回目以降の長寿命化工事を令和5年4月1日から令和9年3月31日までの間に完了すること
  • 修繕積立金が、令和3年9月1日以降に一定の基準まで引き上げられていること(管理計画の認定、または助言・指導が前提)
  • 工事完了から3か月以内に市へ申告すること

減額の対象は、1戸あたり床面積100平方メートル相当分までで、適用は1度限りです。都市計画税は対象外である点も、あわせて理事会で共有しておくと誤解が防げます。

減額の割合は「市の条例」で決まる

ここは正直にお伝えしなければなりません。減額割合は、法律で6分の1から2分の1の範囲と定められており、具体的な割合は各市町村の条例で決まります。つくば市の割合が何分の1になるかは、公表資料だけでは断定できませんでした。

ですから私は、「減額割合はつくば市の資産税課に必ず確認してください」とお伝えしています(つくば市 資産税課/代表 029-883-1111)。制度そのものは国の枠組みですが、財布に入る金額は市の運用次第です。ここを曖昧にしたまま総会に諮ると、後で数字が食い違い、理事の信用に関わります。

なお、令和7年4月1日以降は管理組合の管理者等が申告できるようになり、手続きの実務も少し軽くなりました。国はこの税制について、令和8年度の税制改正で延長する方針を示していますが、期限は年度で動く可能性があるため、最新の適用期間もあわせて確認しておくと安心です。証明書の様式は国交省のページからダウンロードできます。

②【入口】マンション管理計画認定制度は、つくば市で申請できるのか

長寿命化促進税制の「積立金引上げ」の前提として登場するのが、マンション管理計画認定制度です。これは、管理組合の運営・規約・経理・長期修繕計画などが一定の基準を満たしていることを自治体が認定する仕組みで、令和4年に施行されたマンション管理適正化法にもとづきます。

認定を受けると、次のようなメリットがあります。

  • 長寿命化促進税制の入口(積立金の引上げ要件を満たしやすくなる)
  • 住宅金融支援機構の共用部分リフォーム融資で金利が引下げになる
  • マンションすまい・る債の利率が上乗せになる
  • フラット35の金利優遇(区分所有者が住戸を売買する際の後押しにもなる)
  • 市場での評価・資産価値の面でのプラス

つくば市での運用状況は「要確認」

茨城県は、令和6年4月からマンション管理計画認定制度を運用していますが、県が担うのは町村区域にあるマンションで、市区域のマンションは各市の窓口が担当する仕組みです(出典:茨城県 マンション管理計画認定制度)。

つくば市は市区域ですから、認定の窓口は原則としてつくば市になります。ただ、私が2026年7月時点でつくば市の公式サイトを確認した範囲では、つくば市が独自にマンション管理適正化推進計画を策定し、認定の受付を開始しているかどうかを明記したページを見つけられませんでした。

ですので、ここも正直に申し上げます。つくば市で今すぐ認定申請ができるかは、都市計画部 建築指導課(029-883-1111)に確認するのが確実です。同じ茨城県内でも、水戸市はすでに認定実績があり、ひたちなか市も制度を案内しています。つくば市も準備・運用が進んでいる可能性は十分にありますので、「まだ無い」と決めつけず、まず一本電話を入れてみてください。

私はいつも、「認定はゴールではなく入口です」とお伝えしています。認定が取れれば税制と融資の扉が開く。取れない・まだ制度が動いていないなら、後述する助言・指導のルートや機構融資で代替を考える。どちらに転んでも道は残ります。

③【資金】住宅金融支援機構の共用部分リフォーム融資

つくば市に直接の工事費補助が無くても、資金の面で管理組合を支えてくれるのが、住宅金融支援機構の「マンション共用部分リフォーム融資(マンションすまい・る融資)」です。

管理組合が申込人となって共用部の修繕工事の資金を借りられる制度で、返済期間は最長35年まで設定できます。管理計画の認定を受けているなど一定の要件に合致すると、融資金利が0.2%引下げになります(出典:住宅金融支援機構 マンションすまい・る融資)。金利は毎月見直され、2026年度分の案内も公表されています。

あわせて、公益財団法人マンション管理センターによる債務保証の仕組みもあります(出典:マンション管理センター 共用部分リフォーム融資と債務保証)。積立金だけでは一時金が必要になりそうなとき、私はこの融資を「積立金不足の応急処置ではなく、計画的な平準化の道具」としてご案内しています。

さらに、日ごろから積立金を「マンションすまい・る債」で積み立てておくと、認定マンションは利率が上乗せされ、いざ融資を受けるときの条件も整いやすくなります。認定・積立て・融資は、それぞれ別々に見えて、実は連動しているのです。

④【誤解の多い】耐震の補助は、分譲マンションに使えるのか

「耐震の補助があると聞いた」というご相談も多いのですが、ここは注意が必要です。

つくば市には「木造住宅耐震改修費補助制度」があります。令和8年度は令和8年5月13日から8月31日までの受付で、先着2件。昭和56年5月31日以前に建てられた2階建て以下の戸建て木造住宅が対象で、耐震改修工事費用の5分の4(上限115万円)が補助されます(出典:つくば市 木造住宅耐震改修費補助制度)。木造住宅耐震診断士の派遣事業もあります。

ただし、正直に申し上げます。これらは木造の戸建て住宅が対象で、鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の分譲マンション共用部は対象外です。分譲マンションの耐震にそのまま使える補助ではありません。

では旧耐震のマンションは打つ手が無いのかというと、そうではありません。私が武器としてご案内しているのが、耐震改修促進法の仕組みです。所管行政庁から「要耐震改修認定」を受けたマンションは、共用部分の耐震改修に必要な集会の決議要件が、区分所有者および議決権の各4分の3から各過半数に緩和されます。合意形成のハードルが下がるのは、旧耐震の管理組合にとって大きな意味があります。耐震は「補助が無いから諦める」ではなく、「決議を通しやすくする制度を使う」と発想を変えるのが現実的です。

⑤【正直に】省エネ系の補助は、分譲の共用部には使いにくい

つくば市には、温室効果ガス削減のための補助金がいくつかあります。令和8年度の主なものを挙げると、蓄電池5万円、自然冷媒ヒートポンプ式給湯機(エコキュート)5万円、V2Hシステム10万円、低炭素住宅への奨励金10万円などです(出典:つくば市 住宅・省エネ機器に関する補助金等の御案内)。なお、太陽光発電の単独設置は補助対象外です。

魅力的に見えますが、これらは基本的に個人が自ら居住する住宅(多くは戸建て)向けの制度です。分譲マンションの共用部の大規模修繕にそのまま充てられるものではありません。「使えそうで使いにくい」制度の代表格ですので、期待しすぎないよう理事会で正直に共有しておくことをおすすめします。

一方で、賃貸の共同住宅を所有するオーナーさま向けには、宅配ボックス設置事業補助金(補助対象経費の2分の1、共同住宅1棟につき上限10万円、1人2棟分まで)があります。これは分譲の管理組合ではなく、収益不動産のオーナーさま向けの話ですが、区分所有で複数戸を賃貸に回している方には役立つ場合があります。自分がどの立場で制度を見るのか、そこを間違えないことが大切です。

茨城県には「無料アドバイザー派遣」があるのか

埼玉県などでは、県が分譲マンションに管理士を無料派遣する制度がありますが、茨城県で同様の県による無料アドバイザー派遣は、私が確認した範囲では見当たりませんでした。

その代わりに使えるのが、国交省が案内する「マンション管理計画認定制度 相談ダイヤル」です。一般社団法人日本マンション管理士会連合会が窓口となっており、電話は03-5801-0858(月曜〜土曜10:00〜17:00、祝日・年末年始を除く)。長寿命化税制と認定制度の両方について相談できます(出典:国土交通省 マンション税制)。地元の茨城県マンション管理士会に相談窓口がある場合もありますので、あわせて探してみてください。

制度の早見表(つくば市の管理組合向け・2026年度)

理事会でそのまま配れるよう、要点を表にしました。金額・期限は必ず一次情報とリンク先で最終確認をお願いします。

制度 対象 主なポイント 窓口
マンション長寿命化促進税制 築20年以上・10戸以上の分譲 翌年度の固定資産税を減額(割合は市条例=要確認)、R9.3.31完了・3か月以内申告 つくば市 資産税課/日本マンション管理士会連合会 03-5801-0858
マンション管理計画認定制度 分譲マンション 税制・融資の入口。つくば市での受付可否は要確認 つくば市 都市計画部 建築指導課 029-883-1111
共用部分リフォーム融資 管理組合 最長35年、認定等で金利0.2%引下げ、すまい・る債で利率上乗せ 住宅金融支援機構
木造住宅耐震改修費補助 木造戸建(S56.5.31以前) 5分の4・上限115万円、先着2件(分譲マンション共用部は対象外) つくば市 建築指導課 029-883-1111
省エネ機器補助 個人住宅 蓄電池5万・V2H10万等(分譲共用部には使いにくい) つくば市 環境政策課 029-883-1111

工事費そのものを下げる:3つの工法から選ぶという発想

制度で負担を軽くするのと同じくらい、いや、それ以上に効くのが工事費そのものの最適化です。ここに私たちの本業があります。

大規模修繕というと、建物全体に足場を組む工事を思い浮かべる方がほとんどです。ですが、足場の架設・解体には相応の費用と工期がかかり、住民の方の生活にも影響します。私はここで、いつも3つの工法をワンセットで提案するようにしています。

  • 通常の足場仮設工法:全面に足場を組む従来の方法。複雑な形状や中低層に向きます。
  • ロープアクセス工法(無足場工法):産業用ロープで職人が壁面に降りて施工する方法。足場を組まないため、足場費を抑えられ、工期も短縮しやすく、居住者の生活への影響や防犯面のリスクも小さくなります。高層や足場を架けにくい建物に強い工法です。
  • ハイブリッド工法:足場とロープアクセスを部位ごとに使い分け、建物全体で総合コストを最適化する方法です。

つくば市には、TX沿線の高層マンションから旧市街の中層まで幅広い建物があります。だからこそ、「足場ありき」で見積もるのではなく、建物の形状と劣化状況に合わせて工法を選べるかどうかが、コストの分かれ目になります。私たちは、足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3つから、その建物にとってベストな組み合わせをご提案できます(ロープアクセス工法のご紹介大規模修繕工事のご紹介)。

高品質でありながら低価格を実現できるのは、塗装・防水・タイル・電気・看板といった各分野の専門職がフランチャイズで加盟し、中間マージンを抑えた体制を持っているからです(高品質・低価格の理由)。制度で削り、工法で削る。この両輪がそろって初めて、積立金の負担は目に見えて変わります。

モデルケースで考える

言葉だけでは体感しにくいので、私が理事会でよくお見せする2つのモデルで、財布感覚に落とし込みます。あくまで一般的な想定で、実際の金額は建物ごとに変わります。

ケースA:研究学園エリア・築28年・11階建て・48戸・新耐震

2回目の大規模修繕を控えた新耐震のマンション。全面足場で見積もると9,000万円だったところ、高層部をロープアクセス中心に切り替えるハイブリッド工法で、総額7,800万円まで下げられた想定です。差額は1,200万円、率にして約13%。1戸あたりに換算すると25万円前後の負担軽減です。

そのうえで管理計画の認定と長寿命化促進税制を組み合わせれば、翌年度の固定資産税も軽くなります。工法と制度の合わせ技で、積立金の取り崩しを抑えられる。これが1本の道の効き目です。

ケースB:旧市街・築44年・5階建て・18戸・旧耐震

小規模で積立金も潤沢ではない旧耐震のマンション。ここでは耐震改修促進法の要耐震改修認定で決議のハードルを下げつつ、外壁・防水はロープアクセス中心で足場費を圧縮し、不足分は住宅金融支援機構の融資で平準化する、という組み立てになります。

「戸数が少ないから何もできない」と諦めていた管理組合が、決議・工法・融資の3点で動き出せた例を、私は何度も見てきました。

修繕積立金が足りないとき、打てる手は4つ

つくば市に限らず、私が理事会でいちばん多く相談を受けるのが、修繕積立金の不足です。「次の大規模修繕の見積もりに、積立金が届かない」。この状況で使える打ち手を、私は次の4つに整理してお伝えしています。

まず1つ目は、工法の見直しでそもそもの工事費を下げること。全面足場を前提にしていた見積もりを、ロープアクセスやハイブリッドで組み直すだけで、足場費が丸ごと軽くなる場合があります。積立金を増やす前に、出ていくお金を減らせないかを最初に考えるのが私の順番です。

2つ目は、住宅金融支援機構の融資で平準化すること。一時金で住民に負担を求める前に、長期の融資で月々に均す方が、合意は得やすくなります。

3つ目は、修繕積立金そのものの段階的な引上げです。これは長寿命化促進税制の要件にも直結しますから、税制のメリットとセットで住民に説明すると、値上げの納得感が変わります。

4つ目は、工事範囲の優先順位づけです。すべてを一度にやるのではなく、劣化の進んだ防水・外壁から先に手を入れ、残りは次期に回す。診断にもとづいて「今やるべき面」と「待てる面」を見極めることが、限られた積立金を活かす鍵になります。

私はこの4つを、必ずワンセットで提案するようにしています。ひとつだけで解決しようとすると無理が出るからです。

総会で合意を得るための3つのコツ

制度も工法も、最後は総会で議決されなければ動きません。ここでつまずく管理組合が本当に多い。私が理事長さまにお伝えしている合意形成のコツは、3つあります。

1つ目は、数字を「戸あたり」で語ること。「総額1,200万円の削減」より、「1戸あたり25万円の負担減」の方が、区分所有者の財布に響きます。総額は理事の言葉、戸あたりは住民の言葉です。

2つ目は、デメリットも先に開示すること。ロープアクセスは万能ではありません。バルコニー内部の細かい作業や、大量の資材を上げ下ろしする工事では、足場の方が向く場面もあります。「ただし、こういう場合は足場を使います」と先に言っておくと、かえって信頼されます。

3つ目は、確認が必要な項目を正直に残すこと。「減額割合は市に確認中です」と正直に書いた資料の方が、断定した資料より通ります。断定は、後で数字が違ったときに理事の信用を失います。私はこれを、20年の現場でいちばん痛感してきました。

動き出しの逆算カレンダー

制度は年度で動きます。つくば市の管理組合が2026年度内に動くなら、私はこんな逆算をおすすめしています。

  • 夏(今):長期修繕計画と積立金の現状確認、市への問い合わせ(認定・税制)
  • :工事履歴の証明書整理、複数工法での相見積もり取得
  • :資金計画の確定、機構融資・すまい・る債の検討
  • 年度末〜翌年度総会:工事と申告のスケジュールを逆算して議決

長寿命化促進税制の工事完了期限は令和9年3月31日です。2回目の長寿命化工事でこの税制を狙うなら、逆算するとあまり時間はありません。動き出しは、早いほど選択肢が広がります。

使う順番【8ステップ】

最後に、明日から動くための順番をまとめます。理事会で1分、この話題を出してみてください。

  1. 長期修繕計画と修繕積立金の現状を確認する
  2. つくば市 建築指導課に、管理計画認定の受付可否を問い合わせる(029-883-1111)
  3. 認定または助言・指導のルートで、積立金引上げの要件整理に着手する
  4. 過去の外壁・床防水・屋根防水の工事履歴を証明書としてそろえる
  5. つくば市 資産税課に、長寿命化促進税制の減額割合と申告手順を確認する
  6. 住宅金融支援機構の融資・すまい・る債で資金計画を組む
  7. 複数工法(足場・ロープアクセス・ハイブリッド)で相見積もりを取る
  8. 総会に諮り、工事と申告のスケジュールを逆算して決める

このうち②と⑤の「市への確認」を早めに済ませるほど、総会で数字がぶれません。制度は年度で動きますから、動き出しは早いほど有利です。

よくあるご質問

Q. つくば市には大規模修繕の工事費補助はありますか。
A. 2026年7月時点で私が確認した限り、工事費そのものへの市の直接補助は見当たりません。国の税制・機構融資・工法の最適化で負担を軽くするのが現実的な道です。

Q. 管理計画の認定は必ず必要ですか。
A. 必須ではありませんが、認定があると税制と融資の条件が有利になります。つくば市での受付可否は建築指導課にご確認ください。

Q. 長寿命化促進税制は、いくら安くなりますか。
A. 1戸100平方メートル相当分までの固定資産税が減額されます。割合は市の条例で6分の1〜2分の1の範囲。つくば市の割合は資産税課へご確認ください。

Q. ロープアクセスは足場より本当に安いのですか。
A. 建物の形状によります。高層で足場を架けにくい建物ほど効果が出やすく、部位で使い分けるハイブリッドが最も無駄が出にくい、というのが私の経験上の実感です。

Q. 認定制度がまだ動いていない場合、長寿命化税制は使えないのですか。
A. 認定がなくても、市から助言・指導を受けた管理組合の管理者等に係るマンションのルートで適用される場合があります。詳しくは資産税課と国交省の案内をご確認ください。

Q. 過去の工事の記録が残っていないのですが、大丈夫でしょうか。
A. 長寿命化促進税制は、過去に外壁・床防水・屋根防水を行った履歴が要件になります。記録が曖昧なら、まず管理会社や過去の施工会社に工事内容の確認を始めるところからです。私たちも履歴の整理からお手伝いします。

Q. 賃貸に出している区分所有者がいると、合意は難しくなりますか。
A. 賃貸オーナーは「工事後に家賃や資産価値がどう変わるか」に関心があります。ここでも戸あたりの数字と、資産価値維持の観点をあわせて示すと、合意に近づきます。

JCSAという、もうひとつの後ろ盾

私たちは、一般社団法人全国建設業支援協会(JCSA)の運営にも関わっています。建設業向けの経営支援やセミナー、交流会を通じて、業界のネットワークと情報を積み上げてきました。管理組合さまにとっては、「この会社は業界の中でどう見られているのか」を測るひとつの目安にしていただければと思います。管理組合向けの大規模修繕のご提案内容は、管理組合さま向けサービスのご案内にまとめています。

おわりに

つくば市は、現金の直接補助という点では派手さのない街かもしれません。ですが、国の税制と機構の融資、そして工法の選び方を正しい順番でつなげば、管理組合の負担は確かに変わります。

私はこれを、現場で20年見てきたうえでの、嘘偽りのない感想としてお伝えしています。制度は年度で動きますし、市での運用状況も確認が必要な部分があります。だからこそ、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります(お問合せフォーム)。

次回も、現場で本当に使える話だけをお届けします。

出典・参考資料