
「金利が上がっても、自分の物件には関係ない」。もしそう感じているオーナーさんがいらっしゃったら、いったん立ち止まって読んでいただきたい記事です。2026年6月、日本銀行は金融政策決定会合で政策金利を1.0%程度へと引き上げたと報じられました。1.0%という水準は、報道によれば実に31年ぶりの高さです。長く「ゼロ金利が当たり前」だった時代が、静かに、しかし確実に終わろうとしています。
私は大規模修繕の現場を20年以上預かってきました。金利や為替、海外マネーの動きは、私たちオーナーや管理組合の力ではどうにもなりません。けれど、物件の「物理的な状態」と「維持管理コスト」だけは、唯一こちら側でコントロールできる変数です。金利上昇でキャッシュフローが細る局面でこそ、このコントロールできる一手をどう使うかが、収益と資産価値を左右します。
この記事では、まず金利の世界でいま何が起きているのかを公的な情報で整理します。そのうえで、収益物件オーナーと管理組合が「逆ザヤ(持ち出し)」の拡大に備え、資産価値を守るために何をすべきかを、現場の視点で具体的にお伝えします。結論から言えば、これからの不動産は「選ばれる物件」と「選ばれない物件」の二極化がさらに進みます。その分かれ目を握るのが、大規模修繕の進め方、とりわけ「工法選択」です。
いま金利の世界で起きていること——「31年ぶりの1%」の中身
まず事実関係を冷静に押さえます。報道によれば、日本銀行は2026年6月の金融政策決定会合で、政策金利をそれまでの0.75%程度から1.0%程度へと引き上げました。1.0%という政策金利は、1990年代半ば以来、およそ31年ぶりの高水準だと伝えられています。
ここで言葉を整理しておきます。「政策金利」とは、日本銀行が金融政策として誘導する短期の金利のことで、これが上がると銀行間でお金を貸し借りする際のコストが上がり、めぐりめぐって私たちが借りる住宅ローンや事業用ローンの金利にも影響します。とりわけ「変動金利」は、この政策金利の動きにおおむね連動して見直されていく仕組みです。
住宅金融支援機構の利用者調査によると、住宅ローンを新たに借りる人の約79%が変動型を選んでいると報じられています。つまり、いま借りている人の多くが、金利上昇の影響を受けうる立場にいるということです。投資用・事業用のローンも、変動で組んでいるケースは少なくありません。
報道や金融機関の解説をまとめると、今回の利上げを受けて、住宅ローンの変動金利は2026年の秋以降に多くの銀行が一斉に0.25%程度引き上げる、という見方が有力とされています。私たち事業者が現場で感じるのは、「金利は当面ゼロ近辺」という前提で組んだ資金計画が、いま静かに揺らぎ始めているという実感です。
「すぐには返済額が増えない」——5年ルールという時限装置の正体
ここで多くのオーナーさんが安心しがちな落とし穴に触れておきます。変動金利には、いわゆる「5年ルール」「125%ルール」と呼ばれる仕組みがあります。金利が上がっても、毎月の返済額そのものは5年間据え置かれ、見直し後も従来の1.25倍までしか増えない、という借り手保護の仕組みです(適用の有無や内容は金融機関・商品により異なります)。
一見、ありがたい仕組みに見えます。けれど、ここに落とし穴があります。返済額が据え置かれても、金利が上がれば「返済額のうち利息が占める割合」は増えます。つまり、同じ金額を払っていても元金がなかなか減らなくなる。最悪の場合、利息が返済額を上回り、払っても元金が減らない「未払い利息」が発生することもあります。
要するに5年ルールは、痛みを消してくれるのではなく、痛みを先送りする時限装置です。「返済額が変わっていないから大丈夫」と感じている今このときに、水面下で利息負担は増えている可能性がある。これが、金利局面で収益物件オーナーが最初に理解しておくべき構造です。
収益物件オーナーを直撃する“逆ザヤ”の正体
賃貸経営でいちばん怖いのは、毎月の「持ち出し」、いわゆる逆ザヤです。家賃収入よりも、ローン返済・管理費・修繕積立金・税金などの支出が多くなり、毎月身銭を切って物件を維持する状態を指します。
メディアの報道では、金利上昇局面で、当初は月1万円ほどだった持ち出しが、3万円、5万円と膨らんでいくケースが増えていると指摘されています。逆ザヤを押し広げる要因は、大きく三つです。一つ目はローン金利の上昇による返済負担増。二つ目は、ここ数年の物価高と人手不足を背景にした管理費の上昇。そして三つ目が、本記事の核心でもある修繕積立金の値上げです。
金利は日銀が決めるもので、私たちには止められません。管理費も、人件費や物価が上がるなかで簡単には下げられません。では、三つのうちオーナーや管理組合が主体的にコントロールできる変数はどれか——それが「修繕」にかかるコストなのです。ここを甘く見るか、戦略的に使うかで、逆ザヤの幅は大きく変わります。
なぜ「個人はマンション破産、企業不動産は外国ファンドへ」なのか
2026年6月、ある経済メディアが「個人はマンション破産、企業不動産は外国ファンドへ」という、やや刺激的な見出しで金利上昇後の不動産の未来図を論じ、話題になりました。私はこの構図を、現場の実感に近いものとして受け止めています。
個人の側では、逆ザヤに耐えきれなくなったオーナーが、投資用マンションを手放す動きが出始めていると報じられています。ところが、金融機関が融資に慎重になり、買い手の投資需要も冷えるため、「売りたい値段」と「実際に売れる値段」の差が広がる。売るに売れない、けれど持ち続けると毎月の持ち出しがかさむ——この板挟みが、いわゆる「マンション破産」と呼ばれる事態の入り口です。
一方、企業や大型物件の世界では、円安を背景に海外投資家の存在感が増しています。ある調査では、2025年の日本の不動産投資に占める海外投資家の割合が約39%に達し、過去のピークを上回ったとされています。同じ「金利上昇」という出来事が、資金力と時間軸の違いによって、個人には逆風、海外マネーには追い風として働く。これが、いま静かに進んでいる二極化の正体です。
この二極化のなかで、個人や中小のオーナーが「選ばれる側」に残るには何が必要か。価格を決めるのは最終的に「その物件が将来も収益を生み続けられるか」という信頼であり、その信頼を支えるのが、建物の物理的な健全性、すなわち適切な修繕です。
コントロールできる変数は「維持管理コスト」だけ
ここまでを整理します。金利は止められない。為替も海外マネーも止められない。家賃も、相場が緩んでいる地域では強気に上げられない。つまり、収益の方程式に出てくる変数のうち、オーナーが自分の意思で動かせるものは驚くほど少ない。
そのなかで、ほぼ唯一、戦略的に動かせるのが「維持管理コスト」、とりわけ大規模修繕にかかる費用です。大規模修繕は、十数年に一度、数百万円から、規模によっては数千万円単位の支出が発生する、キャッシュフロー上の最大級のイベントです。ここで「言われるがまま」に発注するか、「工法から最適化」して発注するかで、総額が大きく変わります。
私がこの記事でいちばんお伝えしたいのは、金利局面では「修繕費を削ること」ではなく「修繕費を最適化すること」が答えだ、という点です。削れば建物が傷み、結局は資産価値を下げてしまう。そうではなく、同じ品質を、より少ない費用で実現する。その鍵が、次にお話しする「工法選択」です。
修繕コストを左右する最大の要素——「工法選択」とは
大規模修繕の費用を考えるとき、多くの方が「塗料のグレード」や「職人の手間賃」に目を向けます。もちろんそれも大切ですが、実は総額を最も大きく左右するのは、もっと手前の「どうやって建物の高いところまで人が到達するか」、すなわち工法の選択です。
外壁を直すには、まず作業する人が壁面に安全に届かなければなりません。その「到達手段」には、大きく分けて三つあります。従来型の足場を組む方法、足場を使わずロープでぶら下がって作業するロープアクセス工法(無足場工法)、そして両者を部位ごとに使い分けるハイブリッド工法です。
ここで補足します。「ロープアクセス工法」とは、産業用のロープと安全器具を使い、作業者が建物の屋上などから降下しながら外壁の補修・塗装・防水・調査などを行う無足場の工法です。高い安全基準のもとで訓練された技術者が施工します。足場の組み立て・解体が不要なため、足場の架設費や、足場を借り続ける期間に応じた費用を抑えられるのが大きな特徴です。
3つの工法を、長所も短所も正直に比較する
どの工法が「いつも最善」ということはありません。建物の高さ、形状、劣化の度合い、入居者の状況によって、最適解は変わります。明誠が他社と違うのは、特定の工法を売りたいのではなく、三つすべてを自社の選択肢として持ち、建物にとってベストな組み合わせを提案できる点にあります。日本でも、これができる会社は多くありません。
| 工法 | 主な長所 | 主な短所 | 向いている建物 |
|---|---|---|---|
| 通常足場工法 | 全面を一度に施工でき、大規模・複雑な作業に強い。作業が安定 | 足場の架設・解体費がかかり、設置期間が長い。窓がふさがれ、防犯面の懸念も | 中低層、形状が複雑、全面的な改修が必要な物件 |
| ロープアクセス工法(無足場) | 足場費が不要で総額を抑えやすい。工期が短く、生活への影響が小さい | 一度に作業できる範囲が限られ、大量の部材を扱う作業には不向き | 高層、足場が架けにくい、部分補修やコスト最重視の物件 |
| ハイブリッド工法 | 部位ごとに足場とロープを使い分け、総コストと品質を両立 | 工程管理に高い技術と経験が必要 | 大規模・複雑で、総合的なコスト最適化が要る物件 |
大切なのは、この表の「短所」の欄も含めて、正直にお伝えすることだと考えています。短所を隠して契約を取っても、現場で必ずほころびが出るからです。
ロープアクセスは万能ではない——ここは正直に申し上げます
コスト面で有利なロープアクセス工法ですが、万能ではありません。たとえば、外壁全面のタイルを大量に張り替えるような作業や、足場上で資材を多く扱う必要がある工事では、足場のほうが効率的で安全な場合があります。また、建物の形状によってはロープを下ろす支点が確保しにくく、適さないこともあります。
だからこそ、私たちは現地調査を重視します。「ロープアクセスありき」でも「足場ありき」でもなく、建物を診たうえで、足場が向く部位は足場で、ロープが向く部位はロープで、と冷静に切り分ける。この「正直な切り分け」こそが、結果としてオーナーの総コストを最も下げる近道だと、現場の経験から確信しています。
数字で実感する——工法選択で「いくら」変わるのか
具体的なイメージを持っていただくために、考え方をお示しします。一般に、大規模修繕の総額に占める足場の費用は決して小さくありません。建物の規模や形状によりますが、足場の架設・解体・賃料は工事費全体のなかで相当の比率を占めることがあります。
仮に、ある中規模マンションで足場を使う前提だと総額が見えていたとして、外壁の傷み具合や形状によっては、その一部または全部をロープアクセスやハイブリッドに置き換えることで、足場関連の費用を圧縮できる可能性があります。浮いた費用は、塗料や防水材のグレードアップに回すこともできますし、そのまま積立金の温存、つまり逆ザヤの圧縮に充てることもできます。
ここで申し上げたいのは、「いくら下がる」と断定することではありません。削減幅は建物ごとにまったく違うからです。お伝えしたいのは、「工法を見直すだけで、品質を落とさずにコストの選択肢が広がる」という事実です。金利で支出が増える局面では、この選択肢の有無が効いてきます。
私が現場でよく申し上げるのは、「足場は“見えないコスト”の塊だ」ということです。足場そのものの材料費だけでなく、組み立てと解体の人件費、運搬費、そして設置している期間ぶんの賃料が積み重なります。工期が延びれば、その分だけ足場のコストも膨らむ。逆に言えば、工法を見直して工期を縮められれば、目に見える工事費だけでなく、この「見えないコスト」も同時に圧縮できるのです。金利でキャッシュフローが細る局面では、この差が効いてきます。
「金利上昇でも円安」が示す、これからの修繕戦略
今回の局面でもう一つ押さえておきたいのが、「金利が上がっても、必ずしも円高にはならない」という構図です。欧米との金利差がなお大きいため、利上げ後も円安基調が続くと見る専門家は少なくありません。円安は、海外投資家にとって日本の不動産を割安に見せ、企業や大型物件への海外マネー流入を後押しします。
これは個人オーナーにとって、二つの意味を持ちます。一つは、円安と資材の輸入価格上昇が続けば、塗料や防水材といった修繕資材のコストも高止まりしやすいということ。もう一つは、海外マネーが「選ぶ」物件と「選ばない」物件の差が、今後さらに鮮明になるということです。選ばれる物件であり続けるための条件は、結局のところ「きちんと手入れされ、収益を生み続けられる建物」であること。その手入れを、いかに賢く、無駄なく行うか——ここでも工法選択が効いてきます。私は、円安と金利高が重なるこの局面こそ、修繕を「守りの支出」から「価値を守る投資」へと捉え直す好機だと考えています。
利回りで考える——修繕費はネット利回りに直撃する
収益物件は「利回り」で評価されます。とくに重要なのは、表面利回りではなく、諸経費を引いたあとの「ネット利回り(実質利回り)」です。大規模修繕は十数年に一度とはいえ金額が大きいため、長期で均してみると、ネット利回りを確実に押し下げる要素になります。
金利が上がると、買い手は物件をより厳しい目で評価します。同じ家賃でも、返済負担が増える前提では、求められる利回り水準が上がる。すると、ネット利回りを左右する修繕コストの巧拙が、そのまま売却時の評価、つまり資産価値に跳ね返ってきます。修繕を「コスト最適化」できているオーナーは、利回りを守れる分だけ、価格調整局面でも値崩れしにくいのです。
逆に言えば、工法を見直さず、漫然と高い修繕費を払い続けてきた物件は、いざ売ろうとしたときに「利回りが出ない物件」として買い叩かれるリスクがあります。金利上昇は、こうした「修繕の巧拙」を価格として可視化させる引き金になります。
修繕積立金の値上げも“逆ザヤ”要因——管理組合の理事として
分譲マンションの一室を貸している区分所有オーナーにとって、もう一つの逆ザヤ要因が修繕積立金の値上げです。資材高騰と人手不足で工事単価が上がり、計画どおりの積立では足りず、増額や一時金が議論される管理組合が増えていると報じられています。
ここで効いてくるのが、管理組合としての工法選択です。管理組合が大規模修繕を発注する際、複数の工法を比較検討するだけで、同じ工事を実現しつつ総額を抑えられる可能性があります。総額が抑えられれば、積立金の急激な値上げや一時金の徴収を避けやすくなり、結果として各区分所有者の逆ザヤも緩みます。区分オーナーであり管理組合の一員でもある立場なら、総会で「工法の比較検討」を提案する価値は十分にあります。
なお、自治体によっては、マンションの長寿命化や省エネ改修に対する補助制度が用意されている場合があります。制度は年度ごとに内容や予算枠が変わり、受付期間も限られます。利用を検討する場合は、必ず最新の募集要領を自治体窓口で確認することをおすすめします。
ホテル・宿泊施設のオーナーにも、同じ理屈が効く
ここまで賃貸・分譲を中心にお話ししてきましたが、ホテルや宿泊施設を所有・運営されている方にも、まったく同じ理屈が当てはまります。むしろ宿泊施設では、修繕中に客室を止めれば、その間の売上がそのまま失われます。工期の長さが、直接、機会損失につながるのです。
足場を全面に組めば、外観が損なわれ、客室からの眺望や採光も妨げられます。稼働を維持しながら外壁や防水を直したい——そんなニーズに対して、足場を使わないロープアクセスや、稼働中の棟を避けて部位ごとに使い分けるハイブリッドは、有力な選択肢になります。金利上昇で資金繰りがシビアになる局面では、「工期を縮め、稼働を止めない修繕」の価値はいっそう高まります。
長期修繕計画は「金利が上がった今」こそ精査する
長期修繕計画とは、十数年〜数十年先までの修繕の時期と費用を見通した計画のことです。多くの計画は、低金利・低物価の時代に作られたまま更新されていません。資材費も人件費も金利も動いた今、その前提はもう古くなっている可能性があります。
金利が上がった今こそ、長期修繕計画を一度棚卸しすることをおすすめします。ポイントは三つです。第一に、工事費の前提単価が現在の相場に合っているか。第二に、各工事に工法選択の余地が織り込まれているか(足場前提で積算されたまま放置されていないか)。第三に、積立や資金計画が、金利上昇後の返済負担を踏まえても無理のないものになっているか。この精査だけで、将来の一時金リスクを大きく下げられることがあります。
オーナー・管理組合が「いま」打つべき3つの手
最後に、金利1%時代に入った今、具体的に何から始めればよいかを三つに絞ってお伝えします。
第一に、自分のローンの金利タイプと見直し時期を確認することです。変動なのか固定なのか、5年ルールの対象か、次の見直しはいつか。痛みが先送りされているだけの可能性があるという前提で、資金繰りを点検してください。
第二に、次の大規模修繕について「工法の比較見積もり」を取ることです。足場前提の見積もりだけでなく、ロープアクセスやハイブリッドを含めた複数案を比較する。これだけで、品質を落とさずコストの選択肢が見えてきます。明誠は三つの工法すべてを自社で扱うため、フラットな比較提案ができます。
第三に、長期修繕計画と積立計画を、現在の相場と金利を前提に見直すことです。古い前提のまま走り続けると、いざというときの一時金が逆ザヤを一気に深くします。早めの精査が、将来のキャッシュフローを守ります。
良い施工会社をどう見極めるか
工法の選択肢を持つことと同じくらい大切なのが、信頼できる施工会社を選ぶことです。見極めの目安をいくつか挙げます。まず、特定の工法だけを強く推さず、建物を診たうえで複数の選択肢を正直に提示してくれるか。次に、短所やリスクも隠さず説明してくれるか。そして、見積もりの内訳が明朗で、足場費や工法ごとのコストが比較できる形になっているか。
明誠は、塗装・防水・タイル・電気・看板など各分野の専門職が加盟するロープアクセスのフランチャイズネットワークを、日本で初めて構築しました。各分野のプロが連携することで、高品質と低価格の両立を目指しています。金利でコストに敏感にならざるを得ない今だからこそ、「正直な比較提案」ができるパートナーを選んでいただきたいと思います。
よくあるご質問(FAQ)
Q. 金利が上がっても、当面は返済額が変わらないと聞きました。今すぐ動く必要はありますか。
A. 返済額が据え置かれていても、金利上昇分は利息として水面下で負担が増えている可能性があります。「痛みが先送りされている」状態と捉え、次の大規模修繕や資金計画の点検を早めに始めておくことをおすすめします。
Q. ロープアクセスは足場より必ず安いのですか。
A. いいえ、必ずではありません。建物の形状や工事の内容によっては足場のほうが効率的・経済的な場合があります。だからこそ、建物を診たうえで工法を切り分ける比較検討が大切です。
Q. 修繕費を削れば、逆ザヤは改善しますか。
A. 単純に削ると建物が傷み、結局は資産価値と利回りを下げてしまいます。お伝えしたいのは「削る」ではなく「同じ品質をより少ない費用で実現する=最適化する」という考え方です。
Q. 分譲マンションの一室を貸しています。工法選択は個人にもメリットがありますか。
A. はい。管理組合の大規模修繕で工法を比較検討すれば、総額を抑えられ、積立金の急な値上げや一時金を避けやすくなります。区分オーナーの逆ザヤ対策にもつながります。
Q. 補助金は使えますか。
A. 自治体によって長寿命化・省エネ改修などの補助制度がある場合があります。年度ごとに内容や予算枠が変わり、受付期間も限られるため、必ず最新の募集要領をご確認ください。
おわりに
金利が31年ぶりの水準まで上がった今、収益物件を取り巻く環境は確かに厳しくなりました。けれど、悲観する必要はありません。金利も為替も海外マネーも止められないなかで、私たちが自分の意思で動かせる変数が、まだ一つ残っているからです。それが、大規模修繕の「工法選択」です。
同じ建物を、同じ品質で、より少ない費用で守る。その積み重ねが、逆ザヤを抑え、ネット利回りを守り、二極化の時代に「選ばれる物件」として生き残る力になります。金利の波は止められなくても、波の受け方は選べます。私たちは、その選択を、足場・ロープアクセス・ハイブリッドの三つの工法を正直に並べて、お手伝いしたいと考えています。
工法の比較や長期修繕計画の見直しについては、お気軽にご相談ください。建物を一度しっかり診たうえで、いまの金利環境に合った最適な進め方を、数字とともにご提案します。
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