大規模修繕はロープアクセスが提案可能な東京の明誠へ

創業から6000棟超の施工実績

マンション管理の“見える化”が資産価値を左右する時代へ——神戸市が2026年7月から管理状況届出を義務化。収益物件オーナーと管理組合が認定制度・大規模修繕・工法選択で先手を打つ実務【2026年7月】

マンション管理の“見える化”が資産価値を左右する時代へ——神戸市が2026年7月から管理状況届出を義務化。収益物件オーナーと管理組合が認定制度・大規模修繕・工法選択で先手を打つ実務【2026年7月】

2026年7月、神戸市で「マンション管理の届出」が義務になりました

2026年7月1日、神戸市で分譲マンションの「管理状況の届出」が義務になりました。これは、神戸市が2025年9月11日に公布した「神戸市マンション管理の適正化の推進に関する条例」に基づくもので、条例そのものの施行は2026年4月1日、そのうち管理状況の届出義務化については2026年7月1日からと段階的に始まっています(出典:神戸市「マンション管理状況の届出・情報開示」)。

制度の狙いは大きく二つあります。一つは、市がマンションの管理の実態を把握し、その状況に応じた支援を行えるようにすること。もう一つが、私が今日いちばんお伝えしたいポイントなのですが、「管理状況の見える化によってマンションの市場評価の向上を図る」こと、つまり資産価値に直結させることです。届け出た内容は、届出者の意向に基づいて、届出の翌月から5年間、神戸市のホームページで公開されます(出典:神戸市 前掲)。

ニュースとしては「また役所の手続きが一つ増えた」くらいに読み流されてしまいそうな話です。実際、NHKも「神戸市は市内の分譲マンションの適切な管理につなげようと、管理組合などに対して大規模修繕の実施状況といった管理に関する届け出を今月から求める」と、淡々と報じています。ですが、収益物件を運用しているオーナーさまや、資産としてのマンションを預かる管理組合の理事長さまにとって、この動きは決して他人事ではありません。ここからが本題です。

なぜ「届出の義務化」が、オーナーと管理組合にとって重い意味を持つのか

正直に申し上げます。私はこの十数年、外壁や防水の現場に立ちながら、「管理がしっかりしている建物」と「そうでない建物」の差が、年々くっきり分かれてきたと感じています。そして今回の神戸市の動きは、その差を「行政と市場が公式に見える化する」という点で、これまでとは意味合いが違います。

これまで、マンションの管理の良し悪しは、外からはなかなか分かりませんでした。エントランスが綺麗かどうか、掲示板が整っているか——せいぜいその程度で、長期修繕計画があるのか、修繕積立金が足りているのか、大規模修繕をいつやったのかは、買う側にも借りる側にも見えなかったのです。

それが、届出制度によって「総会を開いているか」「管理規約があるか」「修繕積立金をいくらに設定しているか」「修繕を計画的に実施しているか」といった中身が、行政に把握され、場合によっては公開されます。つまり、管理の実態が資産価値の一部として値付けされる時代に、はっきり足を踏み入れたということです。管理を放置してきた建物は、売るときも貸すときも、これから確実に不利になっていきます。

私はいつも理事長さまに、「修繕は建物のためだけでなく、皆さまの資産の“通知表”を良くするための投資です」とお伝えしています。今回の制度は、その通知表が本当に外から見えるようになった、という話なのです。

これは「神戸だけ」の話ではありません——全国に広がる潮流

ここで多くの方が「うちは神戸じゃないから関係ない」と思われるかもしれません。ですが、それは危険な読み方だと私は考えています。管理状況の届出制度は、すでに全国に広がりつつある大きな流れの一部だからです。

先行しているのは東京都です。東京都は2019年3月に「東京におけるマンションの適正な管理の促進に関する条例」を制定し、これに基づいて2020年4月から管理状況届出制度を始めています。一定の要件に当てはまるマンションの管理組合は、運営体制の整備、管理規約の設定、総会の開催、管理費・修繕積立金の額の設定、修繕の計画的な実施などの状況を届け出ることになっています(出典:東京都マンションポータルサイト「管理状況届出制度」)。

つまり、東京都が2020年に始めた仕組みを、神戸市が2026年に義務化という形で続いた、という構図です。私の経験上、こういう制度は先行自治体で回り始めると、他の政令市や中核市が追随していくのが常です。今はまだ「うちの街にはない」としても、数年のうちに同じ届出を求められる可能性は十分にあります。今のうちに「いつ来ても出せる状態」に管理を整えておくことが、結局はいちばんの近道です。

そして、この自治体の動きの背景には、国そのものの法整備があります。次はそこを整理します。

国も動いている——マンション管理適正化法と区分所有法の改正

自治体の届出制度の土台になっているのが、国の「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」(マンション管理適正化法)です。この法律に基づいて、都道府県や東京都の特別区・市などが「マンション管理適正化推進計画」を作り、その中で管理状況の把握や後述する認定制度を運用しています。

さらに近年、この分野の法改正が相次いでいます。マンション管理適正化法の改正法は2025年11月28日に一部が施行され、老朽化した建物の建替えや売却をしやすくするための改正区分所有法は2026年4月1日に施行されました(出典:国土交通省「管理計画認定制度」)。区分所有法(マンションの所有関係を定めた法律)というのは、私たち施工側から見ても「合意形成のルールブック」のような存在で、ここが変わるということは、大規模修繕や建替えの意思決定のやり方そのものが変わっていくということを意味します。

言い換えれば、「国が枠組みを整え、自治体が届出で実態を把握し、市場が管理の良し悪しで値付けをする」——この三段構えが、いま同時に動き出しているのです。この流れの中で、管理組合とオーナーが具体的に何を求められるのか。その答えの中心にあるのが、次にお話しする「管理計画認定制度」です。

管理計画認定制度とは何か——認定基準を分解して読む

「管理計画認定制度」とは、管理組合が作った管理計画を自治体が審査し、一定の基準を満たしていれば「きちんと管理されているマンション」として認定する制度です(出典:国土交通省「管理計画認定制度」)。神戸市の場合、この認定を受けるための基準の一つとして、まさに今回義務化された「管理状況の届出」を行っていることが求められます(出典:神戸市「マンション管理計画認定制度」)。届出と認定は、別々の制度でありながら、しっかり地続きになっているわけです。

認定の基準は多岐にわたりますが、私たち大規模修繕に携わる立場から見て特に重要なのは、次の二つです。

一つ目は、管理費と修繕積立金が区分して経理されていること。修繕積立金が日常の管理費に紛れ込まず、いざというときの工事のためにきちんと分けて管理されているか、ということです。二つ目、そして私がいちばん強調したいのが、長期修繕計画(今後の修繕を30年単位で見通した計画)の計画期間が30年以上あり、かつ、その残りの期間に大規模修繕工事が2回以上含まれる内容になっていることです(出典:国土交通省「報道発表:マンションの管理の適正化の推進を図るための基本的な方針」)。

ここに、私たちのような施工会社が本気で関わるべき理由があります。「30年で大規模修繕2回以上」というのは、単に計画書を作れば済む話ではありません。その計画の中身が現実的か——工事費の見積もりが妥当か、工法の選び方が建物に合っているか、積立金が足りるのか——という、施工の実務そのものが問われるのです。絵に描いた計画は、認定の場でも、実際の工事の場でも、必ずどこかで綻びます。

認定を取ると、具体的に何が変わるのか

「手間をかけて認定を取って、何かいいことがあるのか」——理事会でよく出る質問です。メリットははっきりしています。

管理計画認定を受けたマンションは、住宅金融支援機構の「フラット35」や「マンション共用部分リフォーム融資」で金利の引下げを受けられます。さらに、認定を受けたマンションを中古で取得する購入者も、フラット35で金利の引下げを受けられます(出典:国土交通省「住宅:管理計画認定制度」)。

この「買う人の金利が下がる」という点が、資産価値の観点では見逃せません。同じ立地・同じ築年数のマンションが二つ並んでいて、片方は認定あり・買い手のローン金利が優遇される、もう片方は認定なし。中古市場でどちらが選ばれ、どちらが高く売れるか。答えは考えるまでもありません。管理の良し悪しが、そのまま売却価格や賃料の底堅さに効いてくる時代になった、ということです。

収益物件オーナーさまの視点で言えば、これは「出口戦略」に直結します。将来売却するにせよ、賃貸で回し続けるにせよ、認定という“公式のお墨付き”があることは、資産としての建物の競争力そのものです。私は、区分所有のマンションを複数お持ちのオーナーさまには、「管理組合の総会で認定取得を議題に上げるだけでも、あなたの資産を守る一手になります」とお伝えしています。

認定の“肝”は、結局「長期修繕計画と大規模修繕の実行力」

ここまでお読みいただくと、届出も認定も、突き詰めれば「修繕をきちんと計画し、きちんと実行できているか」に行き着くことがお分かりいただけると思います。制度が新しくなっても、建物を守る本質は変わりません。変わったのは、その本質が「見えるようになった」ことです。

そして、長期修繕計画で「30年に大規模修繕2回以上」を無理なく成立させようとしたとき、真正面からぶつかるのが工事コストと工期の問題です。大規模修繕は、一般的にマンションで12年周期前後を目安に行われますが、そのたびに数千万円から、規模によっては億単位の費用がかかります。この費用の中で、実は意外なほど大きな割合を占めるのが「足場代」です。

足場は、工事そのものの品質には直接寄与しません。あくまで職人が作業するための“仮設”です。ところが、建物をぐるりと囲って組み、工事が終われば解体する。この架設・解体の費用と期間が、総工費と工期を確実に押し上げます。私が「長期修繕計画を現実的なものにしたいなら、まず工法から考えましょう」とお伝えするのは、このためです。

「最安の1社」に飛びつくと、かえって“見える化”で不利になる

先日も、あるオーナー向けメディアで「最安の1社に違和感」という趣旨の、大規模修繕をめぐる体験談が話題になっていました。6,500万円規模の修繕議案で、いちばん安い見積もりに疑問を持ったという、一棟物件オーナーの話です。私はこの感覚を、現場の人間として強く支持します。

正直に申し上げます。大規模修繕で「最安」だけを基準に選ぶのは、これからの時代、かなり危うい判断です。理由は二つあります。

一つは品質です。安さの中身が「必要な工程を削った安さ」であれば、数年後に不具合が出て、結局やり直しになります。もう一つが、まさに今日のテーマである「見える化」です。管理状況が届け出され、公開され、認定の対象になる時代には、「安かろう悪かろうの修繕を繰り返している履歴」そのものが、資産の評価を下げる材料になりかねません。

では、品質を落とさずにコストを下げるにはどうするか。ここで効いてくるのが、冒頭からお話ししている工法の選択肢を持っているかどうかです。

私が現場で見てきた、「工法を選べる会社」と「選べない会社」の差

現場で20年近くやってきて、私が一番もどかしい思いをするのは、「この建物なら足場を全面に組む必要はないのに」という物件に、判で押したように総足場の見積もりが出ているのを見るときです。

理由は単純で、多くの施工会社は自分たちの持っている工法でしか提案できないからです。足場屋さんは足場で、ロープの会社はロープで組み立てる。建物にとって何が最適かではなく、自社にとって何が売りやすいかで工法が決まってしまう。これは、発注する側からは非常に見えにくい構造的な問題です。

私どもが大切にしているのは、足場仮設・ロープアクセス(無足場工法)・その両方を組み合わせるハイブリッド工法の三つを、建物ごとに最適に選び分けて提案するという姿勢です。私はこれを、必ずワンセットで比較したうえでご提案するようにしています。工法を「選べる」ということは、無駄な足場を省ける、工期を縮められる、居住者の生活への影響を減らせる——つまり、コストと品質と暮らしやすさを同時に最適化できる、ということなのです。この考え方は、ロープアクセス工法のご紹介大規模修繕工事のご紹介でも詳しくお伝えしています。

ロープアクセス(無足場工法)とは何か——素人向けに整理します

専門用語が続いたので、ここで「ロープアクセス工法」という言葉を、はじめての方向けに整理させてください。

ロープアクセス工法とは、産業用のロープを使い、作業員が建物の上から吊り下がって外壁の調査・補修・塗装・防水などを行う、足場を組まない工法(無足場工法)のことです。ビルの窓ガラス清掃で、ゴンドラや足場なしに人が降りてくる光景を見たことがある方もいらっしゃると思います。あのイメージに近い、確立された技術です。

この工法の利点は、大きく三つあります。第一に、足場の架設・解体が不要になるため、その分の費用と期間を圧縮できること。第二に、建物を丸ごと囲わないので、居住者や利用者の採光・通風・眺望への影響、そして「足場を伝った侵入」という防犯上の不安を大きく減らせること。第三に、部分的な補修や高所の一部だけの工事など、足場を組むには大げさすぎる工事にも、機動的に対応できることです。

もちろん万能ではありません。塗装の全面塗り替えのように、建物全体を長期間・面で押さえる工事では、足場のほうが効率的な場合もあります。だからこそ、「どこをロープで、どこを足場で」と使い分けるハイブリッド工法が生きてきます。大切なのは、工法ありきではなく、建物ありきで考えることです。

三つの工法を、正直に比較します

理事会や、オーナーさま同士でご検討いただけるよう、三つの工法の特徴を私なりに整理しておきます。あくまで一般的な傾向であり、実際は建物の形状・階数・劣化状況によって変わりますので、目安としてお読みください。

工法 主な特徴 費用・工期の傾向 向いている建物 留意点
通常足場工法 建物全体に仮設足場を組む従来型 足場費と工期がかさみやすい 中低層、複雑な形状、全面塗替え 生活への影響・防犯面の配慮が必要
ロープアクセス工法(無足場) 産業用ロープで上から施工 足場費を圧縮、工期短縮 高層、足場架設が難しい物件、部分補修 面で押さえる大規模工事は不向きな場合あり
ハイブリッド工法 足場とロープを部位ごとに使い分け 総合コストを最適化 大規模・複雑物件で最適化したいケース 精度の高い事前調査と設計力が前提

この表で私がお伝えしたいのは、「どれが一番か」ではありません。あなたの建物にとってどれが一番かを、正しく判定できる会社を選んでください、ということです。三つを比較できて初めて、「なぜこの工法なのか」を管理組合として説明でき、その説明こそが、届出や認定の場でも、住民への合意形成の場でも、強い武器になります。

数字を、オーナーさまの財布感覚に落とすと

大規模修繕の金額は、桁が大きすぎて実感が湧きにくいものです。そこで、戸あたりで考えてみましょう。

たとえば50戸のマンションで大規模修繕に6,000万円かかるとすると、単純計算で1戸あたり120万円の負担です。仮に工法の最適化によって総額の1割を圧縮できれば、総額で600万円、1戸あたり12万円が浮く計算になります。修繕積立金の議論で「月あたり数百円の値上げ」を巡って総会が紛糾することを思えば、工法選択で生まれるこの差がいかに大きいか、お分かりいただけると思います。

もちろん、これはあくまで概算の一例であり、実際の削減額は建物によって大きく変わります。断定はできません。ですが、「足場を当たり前と思わずに、まず工法から見直す」という発想を持つだけで、財布に返ってくるものが確かにある——これは、現場で20年見てきた私の実感です。

賃貸マンション・ビル・ホテルのオーナーさまへ——制度の“外”にいても本質は同じ

ここまで分譲マンションと管理組合を中心にお話ししてきましたが、一棟の賃貸マンションやテナントビル、ホテルを単独で所有されているオーナーさまにも、ぜひ立ち止まっていただきたいことがあります。

届出制度や管理計画認定は、区分所有のマンションが主な対象です。ですから、一棟所有の賃貸物件やビルは、多くの場合、制度の直接の対象にはなりません。ですが、だからといって「管理を見える化する必要がない」わけでは決してありません。むしろ賃貸物件のオーナーさまは、分譲マンションのように複数の区分所有者で費用を分け合うのではなく、外壁も屋上防水もエレベーターも、数百万円から一千万円を超える出費を、ご自身一人で、しかも工事をしたその年に丸ごと背負うことになります。この負担の重さは、私も現場で何度も目の当たりにしてきました。

だからこそ、賃貸物件やビル、ホテルのオーナーさまにとって、工法選択によるコストと工期の最適化は、分譲マンション以上に切実な意味を持ちます。とりわけホテルや稼働中の店舗が入るビルでは、「工事のために営業を止められない」「利用者の動線を塞げない」という制約が強く、足場を全面に組むことが売上の逸失に直結します。私どもがロープアクセスやハイブリッド工法を、稼働を止めずに進める提案としてよくご案内するのは、まさにこうした収益への影響を最小化するためです。制度の内側にいるか外側にいるかにかかわらず、「計画的に、建物に合った工法で、生活と営業への影響を抑えて直す」という本質は、まったく同じなのです。

管理組合が、いま動くべき順番

制度の話と工法の話をつなげて、管理組合として今から何をすべきかを、順番で整理します。

第一に、自分の街の届出制度の有無を確認すること。神戸市や東京都のように、すでに届出が求められる、あるいは近く求められる可能性があります。お住まいの自治体名と「マンション 管理状況 届出」で調べるか、自治体の窓口に問い合わせてみてください。神戸市であれば、相談窓口として「すまいるネット」(神戸市すまいの安心支援センター、電話078-647-9955)が設けられています(出典:神戸市「マンション管理状況の届出・情報開示」)。

第二に、長期修繕計画を点検すること。計画期間は30年以上あるか、その中に大規模修繕が2回以上組み込まれているか、修繕積立金は区分経理されているか。これは管理計画認定の基準そのものです。

第三に、次回の大規模修繕を、工法から見直すこと。前回と同じ会社に同じ足場で、と自動的に決めてしまう前に、ロープアクセスやハイブリッドを含めて比較する。この一手間が、コストと工期、そして資産価値の三つに効いてきます。

第四に、その検討過程を記録に残すこと。「なぜこの工法・この金額にしたか」を議事録に残しておくことは、届出・認定の時代において、管理組合の説明責任を果たす何よりの備えになります。

よくあるご質問(FAQ)

届出をしないと罰則があるのですか。
制度は自治体ごとに設計が異なります。神戸市は2026年7月1日から届出を義務としていますが、罰則や運用の詳細は自治体によって違うため、必ずお住まいの自治体の公式情報をご確認ください。ここで「必ずこうなる」と断定はいたしません。

賃貸専用のマンションやビルも対象ですか。
届出制度は分譲マンション(区分所有のマンション)を主な対象としています。一棟を単独所有する賃貸マンションやテナントビルは、制度の直接の対象外であることが多いです。ただし、後述するように、賃貸・自社ビルであっても「計画的な修繕と工法選択で資産価値を守る」という考え方は全く同じです。

管理計画認定は義務ですか。
いいえ、認定制度は義務ではなく、取得を目指す任意の制度です。ただしフラット35の金利引下げなど、取得によるメリットがあります(出典:国土交通省「住宅:管理計画認定制度」)。

うちは築古で積立金も不足しています。もう手遅れですか。
手遅れということはありません。むしろ、そういう建物こそ工法の最適化による効果が大きく出やすいのが実情です。まずは現状の劣化と計画を正直に把握するところからです。

デメリット・注意点も、正直にお伝えします

良いことばかりお話しするのはフェアではありませんので、両面をお伝えします。

届出制度には、当然ながら書類作成の手間がかかります。理事の負担も増えますし、慣れない管理組合には最初のハードルが高く感じられるはずです。ここは、管理会社や専門家、私どものような施工会社の力もうまく借りていただくのがよいと思います。

また、管理計画認定は「取れば安心」という魔法ではありません。認定は管理の枠組みが整っていることの証であって、実際の建物の劣化が止まるわけではありません。認定を取ったからと修繕の手を緩めれば本末転倒です。制度はあくまで、私たちが本来やるべき「建物を守る」という営みを、後押しし、可視化するための道具だとお考えください。

そして工法についても、ロープアクセスが常に安いわけでも、ハイブリッドが常に最適なわけでもありません。ただし○○の場合は不向き、という判断を含めて正直に提案できるかどうか。そこにこそ、施工会社の力量が表れます。

まとめ——制度が変わっても、建物を守る本質は変わりません

神戸市の届出義務化、東京都の先行事例、そして国のマンション管理適正化法の改正。これらが指し示しているのは、「管理の良し悪しが、これまで以上に、はっきりと資産価値になる」という一つの方向です。

その中で、収益物件オーナーさまと管理組合にできる最も確実な備えは、派手なものではありません。長期修繕計画を現実的に整え、次の大規模修繕を工法から見直し、その過程をきちんと記録に残す。この地道な積み重ねが、届出・認定の時代に、あなたの資産を静かに、しかし確実に守ります。

私どもは、足場・ロープアクセス・ハイブリッドの三つを建物ごとに比較してご提案できる、数少ない会社です。工法の比較や長期修繕計画の点検は、お問合せフォームからご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会や理事会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。次回も、現場で本当に使える話だけをお届けします。

出典・参考資料