
「うちの管理組合は、まさか談合になんて巻き込まれていないだろう」。
そう思っていた理事長さまほど、今回のニュースは他人事ではありません。2026年6月、公正取引委員会が、首都圏の分譲マンション大規模修繕をめぐる談合で、施工会社と設計コンサルタント合わせて計38社に排除措置命令を出す方針を固めた、と各紙が報じました。対象となった工事は100件以上、施工会社への課徴金は総額でおよそ16億円にのぼる見通しです(出典:日本経済新聞「マンション修繕談合、公取委が30社超に排除命令へ」)。
私は大規模修繕の現場に20年近く立ってきましたが、この事件で一番申し上げたいのは、談合の当事者が悪いという単純な話では終わらせてはいけない、ということです。なぜなら、この談合が成立してしまった背景には、多くの管理組合が「良かれと思って選んでいる発注のかたち」が、そのまま抜け穴になっていたという構造があるからです。
今日は、この事件で実際に何が起きたのか、そして築15〜25年のマンション管理組合の理事長さまや、区分を複数お持ちの収益物件オーナーさまが、次の修繕で同じ轍を踏まないために、明日からできる実務を整理してお伝えします。
まず事実関係を、出典つきで正確に押さえる
感情論に流れないよう、確定している事実から並べます。
公正取引委員会は2025年3月、首都圏の分譲マンション大規模修繕工事の入札などで談合を繰り返した疑いがあるとして、修繕工事業者およそ20社に独占禁止法(正式名称:私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)違反の疑いで立ち入り検査に入りました。その約1年後の2026年6月、公取委は施工会社36社と設計コンサルタント2社、合わせて計38社に対し、再発防止を求める排除措置命令を出す方針を固めたと報じられています(出典:毎日新聞「マンション修繕談合、38社に排除命令へ 計16億円課徴金方針」)。
ここで用語を一つだけ。「排除措置命令」とは、独占禁止法に違反した企業に対して、公正取引委員会が「その違反行為をやめ、二度と繰り返すな」と命じる行政処分のことです。お金のペナルティである課徴金とは別物で、いわば企業の行動そのものを正させる命令だとお考えください(参考:公正取引委員会)。
報道時点ではまだ「方針」の段階で、最終的な社数や課徴金額には多少の幅が出る可能性があります。ですので本稿では、特定の企業名を名指しして断罪することはしません。私が大事だと考えるのは、誰が悪かったかを詮索することよりも、なぜ管理組合の側からこの談合が見抜けなかったのか、という一点だからです。
なぜ談合が成立したのか——「設計監理方式」という善意の落とし穴
今回の事件で報道が繰り返し指摘しているのが、「設計監理方式」の悪用という構造です。ここが本題です。
大規模修繕の発注方式には、大きく分けて二つあります。一つは「責任施工方式」。これは、調査・設計から施工までを一つの施工会社にまとめて任せるやり方です。もう一つが「設計監理方式(設計監理者を施工会社と分ける方式)」で、まず設計コンサルタントに劣化調査・仕様設計・工事監理を任せ、そのコンサルが作った仕様書で施工会社を入札にかける、という二段構えのやり方です。
設計監理方式は、本来とても理にかなった方式です。工事をする会社と、その工事を監理・チェックする会社を分けることで、施工会社の手抜きやお手盛りを第三者の目で防げる。だから国のマニュアルでも、透明性の高い方式として広く推奨されてきました。私自身、物件によっては設計監理方式が最適だと申し上げることもあります。
ところが、この「分離」が逆手に取られました。管理組合にとって専門家であるはずの設計コンサルが、裏で施工会社側と受注調整に関わっていたとされるのが、今回の事件の核心です。つまり、組合を守るべき審判役が、実は選手側と握っていた。こうなると、いくら複数社から見積もりを取っても、あらかじめ「今回はA社が取る番」と決まっているので、他社はわざと高い金額を出す。管理組合は「ちゃんと相見積もりも取ったし、専門家にも見てもらった」と安心しきったまま、割高な工事費を修繕積立金から払わされることになります。
私が現場で20年見てきて、一番悔しい思いをするのは、まさにこういう時です。理事のみなさんは本業を持ちながら、休日を使って真剣に何度も委員会を開いている。その善意と時間が、仕組みの穴一つで食い物にされてしまう。談合の当事者が責められるのは当然として、私はこの「善意が踏みにじられる構造」そのものを、管理組合の側の知恵で塞いでいく必要があると考えています。
談合で、管理組合はいくら余計に払っていたのか
「談合があった」と聞いても、自分の財布がいくら痛むのかがピンとこないと、行動には結びつきません。ここは数字で体感していただきます。
一般に、談合によって工事費が競争価格より1〜2割上振れすると言われます。仮に100戸規模のマンションで、大規模修繕の総額が1億5,000万円だったとしましょう。ここに15%の談合上乗せが乗っていたとすると、余計に払わされた金額はおよそ2,250万円です。
これを1戸あたりに割り戻すと、約22.5万円。修繕積立金を毎月1万2,000円ずつ積み立てているご家庭なら、実に1年半分以上のお金が、競争のふりをした金額に消えていた計算になります。しかも大規模修繕は12年周期で繰り返されますから、一度こういう業者と設計コンサルの組み合わせに当たってしまうと、次も、その次も、同じ構図で払い続けることになりかねません。
収益物件オーナーさまなら、この重みはさらに切実だと思います。区分を5戸お持ちで、それぞれの管理組合で同じことが起きていたら、談合上乗せだけで100万円超が利回りから静かに削られていく。表面利回り5%の物件で、修繕のたびに数十万円が余計に出ていけば、実質利回りは目に見えて痩せていきます。修繕は「コスト」ではなく「資産価値の維持投資」ですが、その投資に不当な中抜きが混じっていたのでは、守れるはずの資産価値も守れません。
自衛策その1——相見積もりで談合を見破る5つのチェック
では、専門家でない理事長さまが、どうやってこの手口を見抜けばよいのか。私がいつも理事会でお伝えしている、相見積もりのチェックポイントを5つに絞ってお渡しします。
第一に、見積書の「端数」を見てください。複数社の見積もりが、そろって同じような端数(たとえば全社が「〇〇万円ちょうど」に近い金額)で並んでいるときは要注意です。本気で積算した見積もりは、材料と数量から積み上がるので、普通は端数がバラつきます。
第二に、「辞退」や「異常に高い金額」が混じっていないか。談合では、本命以外の会社がわざと負けるために、見るからに高い金額を出したり、途中で見積もりを辞退したりします。3社に声をかけて1社だけが現実的で、あとの2社が明らかに高い、という並びが続くなら、競争が働いていない兆候です。
第三に、設計コンサルと施工会社の「距離」を確認する。設計コンサルが特定の施工会社ばかりを推してくる、あるいは過去に同じコンサルと同じ施工会社の組み合わせが繰り返されているなら、独立性を疑う理由になります。
第四に、「工事監理」を誰がやるのかを明確にする。工事監理(工事が仕様書どおりに行われているかをチェックする役割)を、施工会社と資本関係も取引関係もない第三者が担っているか。ここが曖昧なまま進む案件は、後からの検証が効きません。
第五に、内訳の「単価」を近隣事例と突き合わせる。足場の平米単価、塗装の平米単価、シーリングのメートル単価といった主要項目の単価は、地域相場がおおよそ決まっています。総額だけを見るのではなく、単価まで開示させて相場と照らすだけで、上乗せはかなり見えてきます。
この5つは、専門知識がなくても、理事のどなたかが「聞く」だけで実行できます。業者にとって、こういう質問を淡々としてくる管理組合は、一番やりにくい相手です。正直に申し上げますが、談合をしようとする側が最も嫌うのは、金額そのものより「なぜこの金額なのか」を説明させられることなのです。
現場で実際にあった「見えない上乗せ」
抽象論だけでは伝わりにくいので、私が過去に相談を受けた一件を、物件が特定されないよう数字だけ変えてお話しします。
築18年、80戸ほどのマンションでした。理事会は真面目な方ばかりで、設計コンサルに調査と入札の取りまとめを依頼し、3社から相見積もりも取っていました。総額はおよそ1億2,000万円。私のところには「この金額が妥当かだけ見てほしい」というセカンドオピニオンの相談で来られました。
見積書を開いて、まず気になったのが足場の平米単価でした。地域の相場から見て2割ほど高い。次に塗装の数量で、実際の外壁面積から逆算すると、計上されている塗り面積が明らかに多い。そして3社の見積もりが、主要項目でそろって似た単価に並んでいました。競争が働いていれば、単価はもっとバラつくはずです。
私は「談合だと断定はできませんが、少なくとも競争が効いていない兆候はあります」とだけお伝えし、単価の根拠開示と、独立した立場の監理者を別途立てることをご提案しました。結果として、その組合は仕切り直して発注し、最終的な工事費は当初見積もりよりおよそ1,500万円下がりました。1戸あたりにすると約19万円。理事長さまが「あのまま判子を押していたらと思うとぞっとする」とおっしゃっていたのを、今でも覚えています。
この時、私が特別なことをしたわけではありません。単価を相場と突き合わせ、数量を実測から検算し、監理の独立性を確認した。それだけです。談合という言葉が独り歩きすると身構えてしまいますが、防ぐための行動は、実はとても地味で、誰にでもできることばかりなのです。
自衛策その2——発注方式を「知ったうえで」選ぶ
もう一つの防衛線が、発注方式の選び方です。ここは両論併記でお話しします。どの方式にも、向き・不向きがあるからです。
設計監理方式は、第三者チェックが効くという本来の強みは今も有効です。今回の事件は「方式が悪い」のではなく「その第三者が独立していなかった」ことが問題でした。ですから設計監理方式を選ぶなら、設計コンサルの独立性をどう担保するか——たとえば管理組合が自分たちでコンサルを公募し、施工会社の選定過程を透明化する——ここに手間をかけられるかどうかが分かれ目になります。ただし、その手間と監理費用(工事費とは別にかかります)を許容できる規模の物件でないと、コストが見合わないこともあります。
責任施工方式は、調査から施工まで一社が一貫して責任を負うため、窓口が一本化され、工期も読みやすく、監理費用を別建てで払わずに済むという利点があります。私の経験上、中小規模の物件や、工期・生活影響を最優先したいケースでは、この方式が向くことが多いです。ただし、施工会社の中に監理機能が入るため、その会社の技術力と誠実さに品質が大きく左右されます。だからこそ、施工会社の施工実績、有資格者の数、そして「不都合なこともきちんと言うか」を見極めることが欠かせません。
私がここで申し上げたいのは、「どちらが正解」という話ではありません。自分の物件の規模・築年数・積立金の余力・住民の生活事情に照らして、方式のメリットとデメリットを理解したうえで選ぶ。その一手間が、談合のような「知らないうちに払わされる損」への一番の予防になる、ということです。
主な発注方式の違いを、判断の材料として表にまとめておきます。
| 発注方式 | 長所 | 注意点 | 向くケース |
|---|---|---|---|
| 責任施工方式 | 窓口が一本化、工期が読みやすい、監理費が別建てにならない | 施工会社内に監理機能が入るため会社選びが品質を左右 | 中小規模、工期・生活影響を最優先したい物件 |
| 設計監理方式 | 第三者による監理でお手盛りを防ぎやすい | 監理者の独立性が崩れると今回のような穴になる、監理費が別途必要 | 大規模、透明性を最優先でき手間をかけられる物件 |
| 責任施工+第三者チェック併用 | 一貫責任と独立監理の両取りを狙える | チェック役の人選と費用負担の設計が必要 | どちらの弱点も埋めたい中〜大規模物件 |
大切なのは、この表のどれかを「正解」として丸暗記することではありません。自分の物件がどの列に当てはまるかを、理事会で一度言葉にしてみることです。それだけで、業者任せだった発注が「自分たちで選んだ発注」に変わります。
相見積もりは「何社に、どう声をかけるか」で決まる
相見積もりが形骸化する一番の原因は、声のかけ方にあります。設計コンサルや管理会社に「見積もりを集めておいて」と丸投げすると、集める側の裁量で、あらかじめ結論の見えた3社が並ぶことになりかねません。
私がおすすめしているのは、少なくとも1社は、管理組合が自分たちで見つけた会社を入れることです。ネットで調べても、知人の管理組合に紹介してもらってもかまいません。取りまとめ役とは無関係のルートから1社入れるだけで、金額の目線が一気に現実的になります。また、見積もりを依頼する際は、各社に同じ仕様書・同じ数量条件を渡すことが鉄則です。条件がバラバラでは、そもそも金額を比べられませんし、その「比べられなさ」こそが上乗せの隠れ場所になります。
そして、見積もりが出そろったら、必ず各社に同席してもらう場を分けて、単価の根拠を口頭で説明してもらってください。紙の上では立派でも、口頭で数量や単価の理由を問われると、答えに詰まる会社があります。それが、誠実な会社を見分ける一番わかりやすい物差しです。
自衛策その3——工法という、もう一つの防衛線
ここからは、私どもの仕事に直接関わる話になりますので、見出しを分けて正直にお話しします。
大規模修繕のコストは、発注方式だけでなく「工法」でも大きく変わります。特に足場です。一般的な大規模修繕では、建物全体を仮設足場で囲みますが、この足場の架設・撤去費用が、工事全体の2割前後を占めることも珍しくありません。ここが、実は見積もりの中でも金額の根拠が見えにくく、上乗せが紛れ込みやすい部分でもあります。
私どもが手がけているロープアクセス工法(産業用ロープを使い、足場を架けずに施工する無足場工法)は、足場を組まないことで、この足場費を大幅に圧縮できるのが最大の特長です。高層物件や、敷地が狭くて足場を架けにくい物件、あるいは足場設置による防犯・生活への影響を抑えたい物件で、特に効果を発揮します。工期も、足場の架設・撤去がない分だけ短くなります。
一方で、ロープアクセスにも不向きなケースはあります。施工面積が非常に広く、同時に大量の職人を張り付けたい場合や、部位によっては足場のほうが効率的なこともあります。だからこそ私どもは、足場・ロープアクセス・その両方を部位ごとに使い分けるハイブリッド工法まで含めて、建物ごとに最適な組み合わせをご提案するようにしています。足場ありきでもロープありきでもなく、その物件にとって一番ムダのないかたちを一緒に考える——これが、足場とロープアクセスの両方を自社で持っている会社の役割だと思っています。
談合の話と工法の話は、一見別のようでいて、実は同じ根っこでつながっています。どちらも「金額の根拠が見えるかどうか」の問題だからです。足場費であれ、施工単価であれ、なぜその金額なのかを説明できる相手と組むこと。それが、修繕積立金を守る本質だと私は考えています。
「自主申告した会社は課徴金を免れる」——リーニエンシーが示すもの
今回の事件で、もう一つ知っておいていただきたい仕組みがあります。課徴金減免制度(リーニエンシー)です。
これは、談合などの違反を自主的に公正取引委員会へ申告した会社が、申告の順番に応じて課徴金を減免される制度です。今回も、自主申告した会社は課徴金の納付を免れる見込みだと報じられています。談合は一社では成立しませんから、内部から「実はやっていました」と名乗り出る会社が出れば、全体が崩れる。だからこの制度は、談合を抑止する仕組みとして機能してきました。
なぜこの話を管理組合にお伝えするかというと、裏を返せば「談合はいつか必ず表に出る」という前提で発注に臨むべきだ、ということだからです。今、業界全体が公取委の動きに神経をとがらせています。つまり、いまは管理組合にとって、これまでで最も「まっとうな競争を求めやすい」タイミングでもあるのです。堂々と単価の根拠を求め、監理の独立性を問う。それを歓迎する誠実な会社と、嫌がる会社とで、いま最も差が見える時期だと私は感じています。
総会で必ず聞かれる3つの質問への答え方
修繕委員会や理事会で、いざこの話題を出すと、必ず返ってくる質問があります。理事長さまが説明に困らないよう、私なりの答え方を3つ用意しました。
一つ目、「大手に頼めば談合の心配はないのでは?」。残念ながら、今回の対象には名の通った大手も含まれると報じられています。会社の規模と、談合に関わるかどうかは別問題です。大事なのは知名度ではなく、金額の根拠を開示するかどうかです。
二つ目、「相見積もりを取っているのだから大丈夫では?」。相見積もりは必要条件であって、十分条件ではありません。今回の事件は、まさに相見積もりを取っていた組合で起きています。見積もりの「枚数」ではなく「中身の比較可能性」を確保して初めて、競争は機能します。
三つ目、「うちのような小規模物件でも狙われるのか?」。むしろ小規模物件のほうが、専門の担当者もおらず、チェックの目が届きにくいぶん、割高な金額が通りやすいという面があります。戸数が少ないほど、1戸あたりの負担は重くのしかかります。規模の大小にかかわらず、単価を確認する習慣は必要です。
この3つに落ち着いて答えられるだけで、委員会の議論はぐっと締まります。私はいつも理事長さまに、「専門家になる必要はありません、良い質問ができる人になってください」とお伝えしています。
収益物件オーナーの視点——「修繕の質」は出口価格に効いてくる
最後に、収益物件オーナーさま向けに一点だけ。
談合による上乗せは、その場の工事費が高くつくだけの問題ではありません。談合が成立する現場は、往々にして「金額は割高なのに、施工の質は担保されていない」状態になりがちです。監理が形骸化しているからです。そうなると、10年後・20年後の建物の傷み方に差が出て、それはそのまま売却時の出口価格や、空室率に跳ね返ってきます。
私はいつもオーナーさまに、「修繕は一番わかりにくい支出だからこそ、一番ちゃんと見てほしい支出です」とお伝えしています。家賃は毎月見るのに、12年に一度の大規模修繕は業者任せ、という方が本当に多い。けれど、資産価値をいちばん左右するのは、実はこの見えにくい支出のほうなのです。
談合対策は「長期修繕計画」を見直す好機でもある
最後にもう一歩、前向きな話をさせてください。今回の事件をきっかけに発注を見直すなら、その流れで長期修繕計画(今後30年程度の修繕項目と費用、積立金の推移をまとめた計画)そのものを点検されることを強くおすすめします。
というのも、談合による上乗せが疑われる現場では、長期修繕計画の金額もまた、割高な単価を前提に組まれていることが少なくないからです。計画上の工事費が過大なら、必要以上の修繕積立金を住民から集め続けることになり、それはそれで生活を圧迫します。逆に、工法の選択肢を持ち込んで足場費を圧縮できれば、同じ積立金でより多くの修繕をまかなえるようになり、値上げを先送りできる可能性も出てきます。
私はいつも理事長さまに、「大規模修繕は一回の工事ではなく、30年の資金計画の一部として見てください」とお伝えしています。目の前の見積もりを1割下げることも大事ですが、計画全体の前提単価を適正化できれば、効き方の桁が変わります。談合というネガティブなニュースを、自分たちの計画を筋肉質にする入口に変えていただきたいのです。
まとめ——「説明を求める管理組合」が、一番強い
今回の談合事件から、私たちが受け取るべき教訓は、業者を疑心暗鬼で見ろということではありません。むしろ逆で、「きちんと説明を求める」という当たり前のことを、管理組合とオーナーの側が習慣にするだけで、談合のような不当な上乗せは驚くほど成立しにくくなる、ということです。
相見積もりの端数と単価を見る。設計コンサルの独立性を確認する。発注方式のメリットとデメリットを理解して選ぶ。工法の選択肢を持つ。長期修繕計画の前提単価まで見直す。どれも特別な専門知識は要りません。必要なのは、「なぜこの金額なのですか」と一言聞ける姿勢だけです。そして、その一言を面倒がらずに歓迎してくれる会社を、パートナーに選ぶことです。
これは、私が現場で20年見てきた、嘘偽りのない感想です。次回も、現場で本当に使える話だけをお届けします。総会や修繕委員会の前段階で、「うちの発注のかたちは大丈夫だろうか」という整理だけでも、お力になれることがあります。ご相談だけでも、遠慮なくお声がけください。
- 大規模修繕の総合的なご提案について → 大規模修繕工事のご紹介
- 足場費を抑える無足場工法について → ロープアクセス工法のご紹介
- 発注方式や見積もりのセカンドオピニオン → お問合せフォーム
出典・参考資料
- 日本経済新聞「マンション修繕談合、公取委が30社超に排除命令へ 100件以上が対象」
- 毎日新聞「マンション修繕談合、38社に排除命令へ 計16億円課徴金方針」
- 公正取引委員会「トップページ(排除措置命令・独占禁止法の解説)」


