大規模修繕はロープアクセスが提案可能な東京の明誠へ

創業から6000棟超の施工実績

台風・豪雨のあとの建物点検は「72時間」で決まる|令和8年8月千葉豪雨に学ぶ、足場を組まずに屋上・外壁を診る手順【2026年8月】

台風・豪雨のあとの建物点検は「72時間」で決まる|令和8年8月千葉豪雨に学ぶ、足場を組まずに屋上・外壁を診る手順【2026年8月】

2026年8月26日 更新

この記事で答える質問:台風や豪雨で建物が被害を受けたとき、管理組合やオーナーは最初の72時間で何をすべきか。そして「屋上や外壁の高いところ」を、足場を組まずにどうやって確認するのか。

2026年8月13日から14日にかけて、千葉県を中心に記録的な大雨が降りました。気象庁はこれを 「令和8年8月千葉豪雨」 と命名しています。亡くなられた方、いまも避難生活を続けておられる方に、心よりお見舞い申し上げます。

私のところにも、この2週間で問い合わせが立て続けに入りました。内容はほとんど同じです。「とりあえず室内の被害は分かった。でも、屋上と外壁がどうなっているのか、誰も見に行けない」。

正直に申し上げます。この「見に行けない」という状態こそが、私が現場で20年近くやってきて、一番もったいないと感じる場面です。被害を確認できないから、保険の申請も、行政の証明も、業者への発注も、すべてが止まる。そして止まっている間に、雨は次の台風で二度目、三度目とやってきます。

ここからが本題です。


結論:やることは「記録」「切り分け」「高所確認」の3つ。順番を間違えない

先に結論を書きます。豪雨や台風のあと、管理組合とオーナーが最初にやるべきことは次の3つです。

優先度 やること 期限の目安 なぜその期限か
1 被害の記録(日付入り写真・動画・水位の跡) 被災から72時間以内 水が引き、乾き、清掃が入ると証拠が消えるため
2 原因の切り分け(浸水か・漏水か・飛来物か) 1週間以内 保険の対象区分と、行政制度の適用可否が変わるため
3 高所(屋上・外壁・シーリング)の目視確認 2週間〜1か月以内 次の台風までに二次被害の芽を潰すため

この順番が大事です。多くの管理組合が 3番から手をつけようとして、1番の記録を取りそこねます。屋上に上がるのは業者の手配が要るので後回しになりがちですが、その間に管理員さんが良かれと思って清掃してしまい、床上浸水の痕跡が消える。これは実際に何度も見てきました。

そして3番の「高所確認」こそが、本記事の主題です。足場を組めば1棟あたり数百万円と数週間。しかし台風は来週も来ます。この矛盾をどう解くか、後半で工法比較の表とともに整理します。

なお、ロープアクセス工法(産業用ロープで作業員が直接壁面を降下し、足場を組まずに点検・施工を行う工法)の技術的な基礎知識は、姉妹サイト ロープアクセスドットコム に詳しくまとめています。工法そのものを先に知りたい方は、そちらもご覧ください。


令和8年8月千葉豪雨で、実際に何が起きたのか

まず、事実を数字で押さえます。感覚論で語ると、理事会での説明が説得力を持ちません。

気象と被害の規模

  • 2026年8月13日から14日にかけ、千葉県内で線状降水帯が相次いで発生。気象庁は8月14日、この大雨を 「令和8年8月千葉豪雨」 と命名しました。
  • 気象庁は千葉県内の 22市町に大雨特別警報6市に土砂災害特別警報 を発表。
  • 千葉市では24時間降水量が360ミリを超え、観測史上1位を更新しました。
  • 千葉県・茨城県で、最大 19市町村・約20万世帯・40万人 に避難指示。
  • 2026年8月17日10時現在で、人的被害は 40名(死者10名、行方不明者1名、負傷者29名)
  • 住宅被害は 1,541棟(全壊2棟、半壊11棟、床上浸水709棟床下浸水790棟、一部破損29棟)。

(出典:気象庁 災害をもたらした気象事例内閣府 防災情報のページ、および各報道)

いちばん重要な一行:「想定区域の外」で半分が被災した

民間気象会社ウェザーニューズが、この豪雨に関する 浸水被害報告2万件を分析したところ、2人に1人が浸水想定区域「外」で被災していたという結果が公表されています(出典:ウェザーニュース)。

これは、建物を持つ側にとって重い意味を持つ数字です。

「うちのマンションはハザードマップの色が付いていないから大丈夫」という前提が、崩れている。

ハザードマップが想定するのは主に河川氾濫や高潮です。一方、都市部で近年増えているのは、排水能力を超えた雨水が地表を流れる内水氾濫や、屋上・バルコニーの排水口(ルーフドレン)が詰まって建物内部に水が回るタイプの被害です。後者は、ハザードマップにはまったく現れません。

私はいつも理事長さまに、こうお伝えしています。「ハザードマップは川の話です。屋上の排水口の話は、誰も地図に描いてくれません」と。


風水害が建物に残す「4つの痕跡」──室内から見えないものばかり

豪雨と強風が建物に残すダメージは、大きく4種類あります。厄介なのは、このうち3つが室内からは見えないことです。

痕跡1:屋上・バルコニーの排水不良と防水層のふくれ

短時間に大量の雨が降ると、ルーフドレン(屋上の排水口)に落ち葉やビニールが吸い付き、屋上が一時的にプール状態になります。この滞水が防水層の弱点を探り当て、押え層の下に水が入り、あとから「ふくれ」として出てきます

被災の翌日に屋上へ上がれば、まだ水位の跡(黒い線)が残っています。これが乾いて消える前に写真を撮れるかどうかが、あとで防水改修を保険や修繕積立金のどちらで賄うかの議論を、大きく左右します。

痕跡2:外壁の目地シーリングの破断と、そこからの雨がかり

強風をともなう横殴りの雨は、壁面に対して斜め下から吹き上がります。通常の雨では濡れない目地の下端に水が当たり、経年で硬化したシーリング材(目地に充填する弾性の防水材)の切れ目から内部に入ります。

このタイプの漏水は、雨が止んで数日後、あるいは次の雨のときに室内へ現れます。「今回の豪雨では何ともなかったのに、翌月に漏った」という相談の多くは、これです。

痕跡3:タイル・モルタルの浮きの進行

もともと浮いていたタイルやモルタルの裏に水が入り、乾湿を繰り返すことで、浮きの範囲が広がります。台風のたびに数センチずつ拡大し、ある日まとまって落ちる。

これは安全に直結します。建築基準法第12条に基づく定期報告制度では、外装仕上げ材について おおむね6か月から3年以内に一度の「手の届く範囲の打診等」、そして おおむね10年に一度の「全面的な打診等」 が求められています(根拠:平成20年国土交通省告示第282号/出典:国土交通省「定期報告制度における外壁のタイル等の調査について」)。

風水害のあとは、この法定サイクルとは別に、自主的な確認が要ります。法定調査が3年後だからといって、台風で広がった浮きが3年間おとなしくしている保証はどこにもありません。

なお、この「10年に一度の全面打診等」をドローン赤外線で代替できるかについては、「10年に一度の外壁全面打診」は足場なしで乗り切れるか で告示改正の内容とあわせて詳しく整理しています。

痕跡4:飛来物による部分的な損傷(看板・笠木・手すり・アンテナ基礎)

強風で飛んできた物が当たった箇所は、面ではなく点で壊れます。屋上の笠木(パラペット上部のカバー)が一部めくれた、看板の取付ボルトが緩んだ、といった被害は、地上からはまず見えません。

そして点の損傷は、放置すると台風のたびに口を広げます。私の経験上、翌年の台風で本格的に飛ぶのは、前年に「少しだけ」めくれた箇所です。


時系列チェックリスト:24時間/72時間/2週間/1か月

理事会や管理会社との打ち合わせでそのまま使えるよう、時系列で整理します。

被災から24時間以内:安全確保と一次記録

  • [ ] 立入禁止措置(落下のおそれがある箇所の直下、ぬかるんだ法面など)
  • [ ] 共用部の被害箇所を 日付が写る形で撮影(スマートフォンの日時情報を残す)
  • [ ] 電気室・受変電設備・機械式駐車場のピットの浸水有無を確認(通電前に専門業者へ)
  • [ ] エレベーターの冠水有無を確認し、疑いがあれば運転を止めて保守会社へ連絡

72時間以内:証拠が消える前の本格記録

  • [ ] 水位の跡を、メジャーを当てて撮影(床からの高さが被害認定の分かれ目になります)
  • [ ] 屋上・バルコニーの滞水跡、ドレン周りの詰まりを撮影
  • [ ] 被害箇所の一覧表を作成(場所・状況・撮影日・撮影者)
  • [ ] 管理会社・保険代理店へ第一報(修理してから連絡、は避ける
  • [ ] 市区町村の 罹災証明書 の受付開始日を確認

2週間以内:原因の切り分けと高所の確認

  • [ ] 屋上・外壁・シーリングの高所点検を発注(工法は後述の比較表を参照)
  • [ ] 漏水の原因が「浸水」か「壁面からの雨がかり」かを切り分け
  • [ ] 応急処置(ドレン清掃、部分シール、養生)を実施
  • [ ] 長期修繕計画のどの項目が前倒しになるかを暫定整理

1か月以内:次の台風への備えと計画反映

  • [ ] 補修工事の見積取得(応急と本格を分けて)
  • [ ] 理事会・総会での共有資料を作成(写真+費用+時期)
  • [ ] 長期修繕計画の見直し要否を管理会社と協議
  • [ ] 次シーズンに向けたドレン清掃の定期化(年2回が目安)

罹災証明・行政制度──風水害では「応急危険度判定」だけでは足りない

ここは誤解が多いところなので、正確に整理します。

被災建築物応急危険度判定は、主に「地震」の制度

被災建築物応急危険度判定は、大地震で被災した建築物について、余震による倒壊や外壁・窓ガラスの落下といった二次災害を防ぐため、危険の程度を判定し、「調査済(緑)」「要注意(黄)」「危険(赤)」のステッカーを貼るものです(出典:内閣府 防災情報のページ千葉県)。

つまり 主眼は地震であり、水害後に自動的に実施されるものではありません。「行政が見に来てくれるはず」と待っていると、何も起きないまま時間が過ぎます。

風水害で軸になるのは「罹災証明書」と被害認定調査

風水害で実務上の軸になるのは、市区町村が交付する 罹災証明書 です。これは、内閣府(防災担当)が定める 「災害に係る住家の被害認定基準運用指針」(最新版は令和8年6月)に基づく調査によって、全壊・大規模半壊・中規模半壊・半壊・準半壊・一部損壊といった区分が判定されるものです(出典:内閣府 災害に係る住家の被害認定)。

分譲マンションの場合、ここで注意が要ります。

  • 専有部(各戸)と共用部で、申請者も手続きも別になるのが一般的です
  • 共用部の被害は 管理組合が主体となって記録・申請することになります
  • 床上浸水の高さ、浸水の継続時間、設備の被害状況が、判定の材料になります

「水位の跡をメジャーと一緒に撮る」とさきほど書いたのは、この被害認定を意識してのことです。乾いてしまえば、あとから「たしか膝の高さくらいでした」と言っても、認定は動きません。

制度は変わります。必ず自治体の公式情報で確認を

補助や支援の内容は災害ごとに設定され、期限も自治体ごとに異なります。この記事の内容は2026年8月26日時点の一般的な整理であり、個別の適用可否は必ずお住まいの市区町村の公式サイトでご確認ください。私どもは法律や保険の専門家ではありませんので、判断が分かれる部分は、弁護士・保険代理店・行政窓口にご相談いただくのが確実です。


本題:足場を組まずに、屋上と外壁をどう診るか

さて、ここが管理組合とオーナーにとって一番の難所です。高所を見なければ何も決まらないのに、高所を見る手段が高くて遅い。

主な選択肢は4つあります。実務感覚での比較を表にしました。

手段 準備期間の目安 概算費用感 診られる範囲 向くケース
仮設足場 2〜4週間(設置に加え近隣周知) 高(外壁面積で数百万円規模) 全面・打診も可能 本格改修とセットで行う場合
高所作業車 数日 道路付けと高さに制限あり 低層・前面道路が広い建物
ドローン(赤外線含む) 数日 低〜中 面の広域スクリーニング 全体像を早く掴みたい場合
ロープアクセス工法 数日 低〜中 屋上から降下し触って確認できる 高層・狭小地・緊急対応

緊急点検で、私がロープアクセスを勧める理由

ロープアクセス工法は、足場を組まないので着手が早いという一点に尽きます。屋上に支点を取れれば、道路の使用許可や近隣への長期の説明を経ずに、発注から数日で壁面に人が降りられます

そして重要なのは、人が降りるので「触れる」ことです。ドローンは面を早く見渡せますが、シーリングの弾力を指で確かめることも、テストハンマーで打診することも、その場でドレンの詰まりを取ることもできません。緊急点検では、見つけたその場で応急処置まで済ませられることの価値が非常に大きい。

私は、台風のあとの緊急点検を「調査だけ」で終わらせないようにしています。降りたついでに、めくれた笠木を仮止めし、切れたシーリングに応急のシールを打ち、ドレンのゴミを除く。次の台風までの2週間を、それで乗り切れることがあるからです。

ロープアクセス工法の詳細や安全基準については、ロープアクセス工法のご紹介、および ロープアクセスドットコム をご参照ください。

ただし、ロープアクセスが向かない場合もあります

両論併記で正直に書きます。以下のケースでは、ロープアクセスは第一選択になりません。

  • 屋上に確実な支点が取れない建物(構造上の制約がある、屋上が第三者に貸し出されている等)
  • バルコニーが深く、壁面が大きく入り組んだ形状(降下線が壁面から離れ、届かない部分が出ます)
  • 被害が広範囲で、そのまま本格改修に入ることが決まっている場合(結局足場を組むなら、二重投資になります)
  • 強風が続いている期間(安全上、風速の基準で作業は中止します。これは譲れません)

3つ目は特に大事です。「調査で数十万円かけたのに、結局足場を組んだ」では意味がありません。私はこういうとき、まずロープアクセスかドローンで全体像を掴み、本格改修が確定したら足場に切り替える、あるいは足場を組む面と組まない面を分ける ハイブリッド工法 を提案しています。

判断の目安はこうです。

  • 被害が点在している → ロープアクセスで点を潰す
  • 被害が一面に広がっている → 足場を組んで本格改修
  • 一部の面だけ被害が大きい → ハイブリッド(その面だけ足場、他面はロープ)

明誠が緊急点検でお受けしていること(自社サービスのご案内)

ここは自社の話になりますので、見出しで区切っておきます。

株式会社明誠は、マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事において、通常の足場仮設工法・ロープアクセス工法(無足場工法)・両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つから、建物に合った方法をご提案しています。3工法すべてを自社で扱える会社は、日本でもそう多くありません。

台風・豪雨後の緊急対応では、次のような流れでお受けしています。

  1. お電話・フォームでの一次ヒアリング(建物の階数、被害の状況、屋上の形状)
  2. 図面と写真での事前検討(支点が取れるか、降下線が通るか)
  3. 現地確認と降下点検(最短で数日以内)
  4. 報告書の作成(写真・位置図・緊急度の3段階区分)
  5. 応急処置と、本格改修の要否判断

報告書は、理事会でそのまま配れる形でお出ししています。理事の皆さまは建築の専門家ではありませんから、「どこが」「どれくらい急ぐか」が一目で分かることを最優先にしています。

大規模修繕全般については 大規模修繕工事のご紹介 を、ご相談は お問合せフォーム からお願いいたします。

宿泊施設のオーナーさま・支配人さまからは、台風後の点検で客室を止めたくないというご相談を多くいただきます。稼働率と工法の関係については ホテルの大規模修繕は「客室を止めない」で決まる にまとめました。


9月の台風期に向けて、いま理事会で決めておく3つのこと

2026年9月の台風は、発生数4〜7個、日本への接近数2〜4個で、いずれも平年並みと予想されています。ただし日本気象協会は、エルニーニョ現象の影響で台風の発生域が南東にシフトし、日本に達するまでの海上距離が長くなることで、十分に発達した状態で接近しやすくなる可能性を指摘しています(出典:日本気象協会)。

数は平年並みでも、一つひとつが強いかもしれない、ということです。

いま理事会で決めておけることは、3つあります。

1. ルーフドレン清掃の「回数」と「担当」を決める

年1回では足りません。梅雨前と台風期前の年2回を基本に、落葉樹が近い建物は秋にもう1回。管理員さんが上がれる屋上か、業者手配が要るかで、費用も段取りも変わります。「誰が」「いつ」やるかを議事録に残すだけで、来年の理事が迷わずに済みます。

2. 緊急時の連絡先リストを、理事全員が持つ

管理会社、保守会社(エレベーター・受変電)、保険代理店、そして高所点検を頼める業者。災害当日に電話帳を探すことになるのが、いちばん時間を失うパターンです。A4一枚にまとめて、理事全員のスマートフォンに写真で入れておく。それだけで数時間が短縮されます。

3. 「被害を見つけたら写真を撮る」を居住者に周知しておく

共用部の被害を最初に見つけるのは、たいてい居住者の方です。掲示板に「共用部の異変を見つけたら、日付が分かる写真を撮って管理員へ」と貼っておく。これが、72時間の記録という最大の関門を、事実上突破してくれます。


よくある質問(FAQ)

Q1. 台風のあと、屋上に自分たちで上がって確認しても大丈夫ですか。
A. 屋上の床面を歩いて滞水やゴミの状況を見る程度であれば、安全に配慮したうえで可能です。ただし パラペット(屋上の立ち上がり)から身を乗り出して外壁を見る行為は、転落の危険があるため避けてください。外壁面の確認は、必ず専門業者にご依頼ください。

Q2. 被害を見つけたら、すぐ直してしまっていいですか。
A. 原則として、記録を残す前の修理は避けてください。保険や罹災証明の手続きでは、被害の状態が分かる写真が判断材料になります。危険が差し迫っている場合は応急処置を優先し、その 処置前の状態も必ず撮影しておいてください。

Q3. 罹災証明書は、マンションの共用部でも取れますか。
A. 一般に、専有部と共用部で申請者・手続きが分かれ、共用部は管理組合が主体となります。判定は内閣府の「災害に係る住家の被害認定基準運用指針」(令和8年6月)に基づきますが、運用の詳細は市区町村ごとに異なりますので、必ず自治体の窓口でご確認ください(出典:内閣府)。

Q4. ドローンとロープアクセス、どちらを頼めばいいですか。
A. 全体像を早く掴みたいならドローン、触って確かめて応急処置まで済ませたいならロープアクセス、というのが実務上の使い分けです。被害が点在している建物では、ロープアクセスのほうが1回で完結しやすい傾向があります。

Q5. 大規模修繕の予定が2年後にあります。それまで待てますか。
A. 浮きの拡大や笠木のめくれなど、落下につながる被害は待てません。一方、防水層のふくれや塗膜の劣化は、状況によっては次回の大規模修繕にまとめたほうが総額を抑えられます。「安全に関わるものは今、美観と耐久に関わるものは計画に組み込む」という切り分けが基本です。


この記事のポイントまとめ

  • 令和8年8月千葉豪雨の住宅被害は1,541棟、床上浸水709棟にのぼった
  • 浸水被害の2人に1人は、浸水想定区域「外」で被災している
  • 被災後72時間の記録が、保険と罹災証明の結果を大きく左右する
  • 応急危険度判定は主に地震の制度。風水害の軸は罹災証明と被害認定調査
  • 高所確認は足場だけが手段ではない。点在被害はロープアクセスが早い
  • 2026年9月の台風は数は平年並みだが、発達した状態での接近に注意

出典・参考資料


執筆者:本間 幸紘(株式会社明誠 代表取締役)
専門領域:マンション・ビル・ホテルの大規模修繕/ロープアクセス工法(無足場工法)/建物長寿命化計画
実務経験:建設・改修業界 20年以上
所属:一般社団法人 全国建設業支援協会(JCSA)

株式会社明誠について:東京都東大和市を拠点に、東京・関東一円でマンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事を手がけています。通常の足場仮設工法、ロープアクセス工法(無足場工法)、そして両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つから、建物にとって最適な方法をご提案できる、日本でも数少ない会社です。ロープアクセス工事としては日本初となるフランチャイズを展開し、塗装・防水・タイル・電気・看板の専門職が加盟しています。

最終更新:2026年8月26日


台風のあと、私が現場で一番よく聞く言葉は「まさかここが」です。ハザードマップの色でも、築年数でもなく、排水口ひとつ、目地ひとすじで建物の運命が変わることがあります。屋上に上がって10分で分かることを、2年間分からないまま過ごすのは、あまりにもったいない。ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。

次回も、現場で本当に使える話だけをお届けします。