大規模修繕はロープアクセスが提案可能な東京の明誠へ

創業から6000棟超の施工実績

空室に税金がかかる時代へ——神戸市の「空室税」答申案が“タワマン以外”にも広がった。収益物件オーナーと管理組合が、空室・修繕積立金・大規模修繕を一本の線でつなぐ実務【2026年7月】

空室に税金がかかる時代へ——神戸市の「空室税」答申案が“タワマン以外”にも広がった。収益物件オーナーと管理組合が、空室・修繕積立金・大規模修繕を一本の線でつなぐ実務【2026年7月】

今朝、いつものように建設・不動産のニュースに目を通していて、思わず手が止まりました。

「空室税、タワマンに限定せず——神戸、中心部の分譲対象」。

神戸市の有識者会議が2026年7月10日、都心部の空室所有者に課税する、いわゆる「空室税」の答申案を示した、という報道です。しかも当初の議論の入口だったタワーマンションに限らず、対象地区の分譲マンション全体を課税対象とする方向だといいます(出典:神戸市「居住と税制のあり方に関する検討会」日本経済新聞「神戸中心部の空室税『タワマン以外も』 市検討会が答申案」)。

私はマンションやビル、ホテルの大規模修繕(建物全体を計画的に補修・改修する工事のこと)の現場に20年近く立ってきました。税制の専門家ではありません。それでも、このニュースを「他人事ではない」と感じたのには理由があります。空室は、税金の問題である前に、建物の問題だからです。

空室が増えると、管理費や修繕積立金の集まりが悪くなる。総会の決議が通りにくくなる。工事が先送りされ、建物が傷む。建物が傷むから、さらに空室が埋まらない——。この悪循環を、私は現場で何度も見てきました。神戸市が動いたということは、行政もついに「空室は所有者個人の自由の問題ではなく、街と建物の維持の問題だ」と踏み込んだということです。

今日は、この「空室税」の答申案を入口に、収益物件オーナーさまと管理組合が、空室・修繕積立金・大規模修繕を一本の線でつないで考えるための実務をお話しします。結論から申し上げます。空室対策と修繕コスト削減は、別々のテーマではありません。工法の選び方ひとつで、両方に同時に効きます。

1. まず事実を押さえる——神戸市「空室税」答申案の中身

感情論の前に、報道と一次情報から分かっている事実だけを整理します。

(1)議論の主体
神戸市の「居住と税制のあり方に関する検討会」。2025年5月30日の第1回から議論が重ねられ、2026年7月10日の第6回で答申案が示されました。これはもともと、タワーマンションと地域社会との関わり方に関する有識者会議の報告書で「タワーマンションの空き部屋の所有者に対する法定外税の可能性」が指摘されたことを受けた検討です(出典:神戸市「居住と税制のあり方に関する検討会」)。

「法定外税」とは、地方税法に定めのない、自治体が独自に条例で設ける税のことです。

(2)対象エリア
JR新神戸駅からJR神戸駅にかけて広がる「都心機能誘導地区」、およそ314ヘクタールが想定されていると報じられています。

(3)対象となる物件
分譲マンション。戸建ては含まれません。そして最大のポイントが、タワーマンションに限定しないという方向性です。

(4)「空室」の判定方法
住民票の有無を基本に判断し、住民票がない場合は必要に応じて納税などの実績を調べる、とされています。

(5)これからのプロセス
答申を受けて市が導入を決める場合、市議会での条例可決と、総務大臣の同意が必要になります。つまり、今日時点で税金が確定したわけではありません。ここは冷静に押さえておくべきところです。

(出典:共同通信「『空室税』、タワマンに限定せず 神戸、中心部の分譲対象」

私が注目したのは、(3) の「タワマンに限定しない」という一点です。ここに、行政の問題意識の本質が表れていると感じました。

2. なぜ「タワマンに限定せず」なのか——空室は“建物全体”を蝕むから

当初の議論は、投資目的で買われ、誰も住んでいないタワーマンションの一室——いわゆる「電気のつかない部屋」への問題意識から始まりました。街の賑わいが失われる、地域コミュニティが成り立たない、防災上も誰がいるのか分からない、といった論点です。

しかし議論が進むにつれて、「それはタワマンだけの話なのか?」という当然の問いが出てきます。中層の分譲マンションでも、相続で取得したまま放置されている住戸、投資で買ったまま貸しても住みもしない住戸、売れ残ったまま塩漬けになっている住戸は、確実に存在します。そして——ここが重要なのですが——建物の維持管理という観点では、空室が中層マンションで起きた方が、影響はむしろ深刻になり得ます

理由は単純です。総戸数が少ない建物ほど、1戸の空室が組合財政に占める重みが大きいからです。300戸のタワマンで10戸空いても3.3%ですが、30戸のマンションで10戸空けば33%です。管理費と修繕積立金の3分の1が不安定になる。これは、大規模修繕の資金計画を根底から揺るがします。

行政が「タワマンに限定しない」と踏み込んだのは、空室問題の本質が“派手なタワマンの空き部屋”ではなく、“建物を維持する体力の喪失”にあることに、議論が行き着いたからだと私は読んでいます。

3. 数字で見る「空室」——もはや例外ではない

現場感覚だけでは説得力がありません。公的統計で確認しましょう。

空室があるマンションは、全体の34.0%。
国土交通省の「令和5年度マンション総合調査」によれば、空室があるマンションの割合は34.0%。完成年次が古いマンションほど、空室がある割合が高くなる傾向がはっきり出ています。さらに、所在不明・連絡先不通の空室があるマンションは3.3%にのぼります(出典:国土交通省「令和5年度マンション総合調査」)。

3棟に1棟は、すでに空室を抱えている。これが日本のマンションの現在地です。

空き家は全国で900万2千戸、空き家率13.8%。
総務省「令和5年住宅・土地統計調査」では、空き家数は900万2千戸と過去最多、空き家率は13.8%と過去最高を更新しました。しかも見落とされがちですが、空き家のうち共同住宅が502万9千戸(55.9%)を占めます。「空き家=地方の古い戸建て」というイメージは、もう実態と合っていません(出典:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」)。

居住者の高齢化も同時進行。
同じマンション総合調査では、70歳以上の居住者の割合は25.9%(前回調査比+3.7ポイント)。1984年(昭和59年)以前に建てられたマンションでは、実に55.9%が70歳以上です。

空室と高齢化。この二つが同時に進むと、管理組合はどうなるか。役員のなり手がいない、決議に必要な賛成が集まらない、値上げが決まらない、工事が決まらない。私が現場でお会いする理事長さまの多くが、まさにこの壁の前で立ち止まっておられます。

4. 空室が管理組合と建物に与える、3つのダメージ

空室を「使っていない部屋があるだけ」と考えると、本質を見誤ります。空室は、次の3つの経路で建物そのものを傷めます。

ダメージ①:修繕積立金と管理費の「回収不能リスク」

空室そのものは滞納ではありません。所有者がきちんと払っていれば問題ないからです。しかし、空室が長期化する住戸ほど、所有者の関心が薄れ、相続が発生し、連絡が取れなくなる確率が上がります。所在不明・連絡先不通が3.3%のマンションで発生しているという数字は、そのなれの果てです。

修繕積立金は、大規模修繕という「まとまった支出」のために10年、20年かけて積むお金です。その原資に穴が空くということは、工事の時期が来ても資金がないという事態に直結します。

ダメージ②:総会決議が「動かなくなる」

大規模修繕の実施や、修繕積立金の値上げは、総会での決議事項です。空室で所有者が不在、あるいは無関心だと、議決権行使書すら返ってきません。反対されるのではなく、「賛成にも反対にも届かない」ことで議案が流れる。これが、実務で一番厄介です。

私が伺った物件でも、「劣化診断では明らかに手を打つべき段階なのに、あと数戸の賛成が集まらず1年先送り」というケースがありました。その1年で外壁のひび割れは進み、雨水が入り、翌年の見積りは上がっていました。先送りには、必ず値札がつきます。

ダメージ③:建物の劣化が「空室をさらに生む」

外壁が汚れ、シーリングが痩せ、鉄部が錆びている建物は、内見の第一印象で確実に負けます。賃貸に出しても決まらない、売りに出しても値がつかない。すると所有者はますます「空けたまま」を選び、管理への関心を失う——。

空室 → 資金不足 → 修繕先送り → 劣化 → さらに空室。この輪を、私は「マンションの静かな下り坂」と呼んでいます。神戸市が税で介入しようとしているのは、この下り坂に入った建物が街に増えることへの危機感なのだと思います。

5. 神戸だけの話ではない——先行事例と、全国への波及

「うちは神戸じゃないから関係ない」と思われた方に、一つだけお伝えしておきたい事例があります。

京都市の「非居住住宅利活用促進税」、いわゆる空き家税です。市街化区域内の、居住実態のない住宅に課税する法定外税として、すでに総務大臣の同意を得て条例が成立しています。課税開始はシステム開発の都合で1年延期され、令和12年度(2030年度)からの予定とされています(出典:京都市「非居住住宅利活用促進税について」)。

つまり日本では、「住まない住宅に自治体が課税する」という枠組みが、すでに一度、国の同意を得て成立しているのです。神戸市の答申案は、その延長線上にあります。

税制の行方を予測するのは私の仕事ではありません。ただ、「空室を抱え続けるコストは、これから上がる方向にある」という流れは、収益物件を持つ立場として頭に入れておいて損はないはずです。固定資産税、管理費、修繕積立金、そして場合によっては空室への課税。持っているだけで出ていくお金が増えていく。

だとすれば、オーナーさまが取り得る手は、突き詰めると3つしかありません。

  1. 貸す(稼働させる)
  2. 売る(手放す)
  3. 持ち続ける(コストを許容する)

そして——1でも2でも3でも、建物の状態が結果を左右します。貸すなら決まりやすさ、売るなら価格、持ち続けるなら維持費。すべて、建物のコンディションが効いてくる。ここで、ようやく大規模修繕の話に戻ってきます。

6. 【現場から】足場は、ときに“空室対策の敵”になる

ここからは、統計ではなく、私が現場で見てきた話をします。

賃貸に出している住戸をお持ちのオーナーさまから、こんなご相談をよくいただきます。

「大規模修繕の期間中は、入居が決まらないんですよ」

これは、感覚ではなく実態です。建物全体に仮設足場を組み、メッシュシートで覆う。すると何が起きるか。

  • 内見の印象が落ちる:足場とシートで外観が見えず、室内も暗くなる
  • 日照・通風が遮られる:既存の入居者からも不満が出る
  • 防犯上の不安:足場は物理的に上階へ登れる経路になります。実際、工事期間中の防犯対策は管理組合の重要議題です
  • プライバシーへの懸念:窓の外を職人が行き来する。特に単身女性の入居者から敬遠されやすい
  • 騒音・臭気:高圧洗浄や塗装の臭いは、内見の日に当たれば決定打になります

結果として、工事期間中は募集を止める、あるいは賃料を下げる。3〜6か月にわたる工事なら、その間の機会損失は決して小さくありません。大規模修繕は資産価値を守るための投資なのに、その工事のやり方次第で、目先の稼働率と収益を削ってしまう。これが、収益物件オーナーさまが抱える、あまり語られないジレンマです。

そして空室税のような制度が現実味を帯びるなら、この「工事期間中に空室が埋まらない」という問題は、単なる機会損失ではなく、課税リスクにもつながりかねない話になります。少なくとも、以前より重く受け止める理由が増えました。

数字にしてみると、無視できない金額になります

抽象論では動けませんので、簡単な試算をしてみます。あくまで考え方を示すための仮の数字で、実際の金額は物件によって大きく変わることを、先にお断りしておきます。

たとえば、賃料10万円の住戸を10戸お持ちのオーナーさまがいるとします。通常であれば、退去が出ても1か月ほどで次が決まる立地です。ところが大規模修繕が始まり、建物全体が足場とシートで覆われた。工期は5か月。この間、たまたま2戸が退去し、募集をかけたものの内見が入らず、工事が終わるまで決まらなかった——。

10万円 × 2戸 × 4か月=80万円。これが、消えた家賃です。さらに「早く決めたい」と考えて賃料を5,000円下げれば、その減額は入居後もずっと続きます。5,000円 × 12か月 × 2戸で、年間12万円。契約が続く限り、この差は毎年効いてきます。

もし工法の見直しで工期を2か月短縮でき、しかも建物がシートで覆われずに済んだなら、この損失の相当部分は発生しません。仮設費の削減額だけでなく、「稼働を止めなかったこと」の価値も、工法選択のリターンに含まれる。私が収益物件のオーナーさまに、必ずこの視点をお伝えする理由です。

7. ロープアクセス(無足場工法)が、空室リスクを下げる理由

私たち明誠が、通常の足場工法に加えてロープアクセス工法(無足場工法)と、両者を組み合わせたハイブリッド工法を扱っているのは、まさにこの問題に答えを出すためです。

ロープアクセス工法とは、屋上から産業用ロープで作業員が降下し、外壁の補修・塗装・防水・シーリング打ち替えなどを行う工法です。足場を組まないため、次のような違いが生まれます。

  • 建物がシートで覆われない:外観が見える。内見にも影響が出にくい
  • 日照・通風が確保される:入居者の生活影響が最小限
  • 足場という“侵入経路”ができない:防犯上の不安が大きく減る
  • 仮設・解体の期間が不要:工期そのものが短くなる
  • 足場費用が発生しない:一般に工事費の2割強を占める仮設費を圧縮できる

つまり、空室リスクを下げながら、同時に工事コストも下げられる。空室対策と修繕コスト削減が、工法選択という一点で交わるのです。

もちろん、ロープアクセスが万能だと申し上げるつもりはありません。正直に、限界もお伝えします。

  • 大量の資材を同時に上げ下げする作業(外壁全面の大規模なタイル張り替えなど)には不向きな場合があります
  • 屋上に支点(アンカー)を確保できない構造では採用できません
  • 複雑な形状や、低層で足場の方が早い建物もあります
  • 有資格の技能者が必要で、施工体制のある会社が限られます

だからこそ、私たちは「ロープありき」で提案しません。建物ごとに、足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3つから最適解を選ぶ。これが明誠の立ち位置です(詳しくはロープアクセス工法のページをご覧ください)。

8. 3つの工法を、空室・収益の目線で比べる

一般的な傾向として、次のように整理できます(建物条件により異なります)。

比較軸 通常足場工法 ロープアクセス工法 ハイブリッド工法
仮設費 工事費の2割強を占めることが多い 原則発生しない 必要な部位のみ
工期 仮設・解体の期間が加算される 短くなりやすい 中間
外観・内見への影響 シートで全面が覆われる 影響が小さい 部分的
入居者の生活影響 日照・通風・プライバシーに影響 最小限 部分的
防犯面 侵入経路が生まれるため対策が必要 足場に起因する不安がない 部位により対策
大量施工・重量物 得意 不得意な場合がある 得意な部位に足場を割当
向く建物 中低層、複雑形状、全面改修 高層、足場架設が困難、コスト重視 大規模・複雑で総合最適が必要

見ていただきたいのは、「どれが優れているか」ではなく「どの軸を優先するか」です。全面的にタイルを張り替える必要がある建物なら、足場を組んだ方が結局は安く早い。逆に、外壁の部分補修と塗装・シーリングが中心で、稼働を止めたくない収益物件なら、ロープアクセスの価値が跳ね上がります。

そして実務で最も多いのが、ハイブリッドです。北面は足場、他の3面はロープアクセス。低層部だけ足場、上層はロープ。こうした「使い分け」で、コストと生活影響のバランスを取ります。

現場から——「全面足場」を疑うところから始まる

以前、築30年を超える中層マンションの相談を受けたことがあります。総戸数は50戸ほど、うち数戸が長く空いたままでした。管理会社経由で出てきた見積りは、当然のように建物全面に足場を組む前提。仮設工事だけで総額の2割を優に超えていました(物件が特定されないよう、状況は一部変えて記しています)。

現地を拝見して、まず確認したのは劣化の分布です。実際に手を入れる必要があるのは、雨掛かりの厳しい面と、シーリングの痩せた目地、そして共用廊下側の鉄部が中心。全面をタイルごと張り替えるような工事ではありませんでした。

そこでご提案したのが、部位ごとに工法を切り替えるという考え方です。低層部と作業量の多い面には足場を残す。上層階と、点在する補修が中心の面はロープアクセスで対応する。結果として仮設の範囲は大きく縮み、工期も短くなりました。

理事の方々に一番喜ばれたのは、実は金額ではありませんでした。「建物全体がシートで覆われる期間が短くなったこと」です。日当たりが戻る、洗濯物が干せる、外から建物が見える。住んでいる方にとっては、そこが一番の関心事なのだと、あらためて学びました。

そして空室を抱えていたオーナーの方からは、「募集を止めずに済んだ」と言っていただきました。空室対策とコスト削減が同じ方向を向いた、分かりやすい例だったと思います。

9. 空室と積立金の悪循環を断つ——「第4の選択肢」

修繕積立金が足りない。この相談を受けたとき、多くの現場で提示される選択肢は3つです。

  1. 値上げする(住民の合意が要る/空室所有者の同意は取りにくい)
  2. 借り入れる(利息が乗る/将来世代の負担になる)
  3. 工事を先送りする(劣化が進み、次の見積りはさらに上がる)

どれも痛みを伴います。特に空室を抱えた組合では、1は決議が通らず、3に流れがちです。

私が申し上げたいのは、その手前にある第4の選択肢です。

  1. 工事そのもののコストを、工法で下げる

見積書の「仮設工事」の欄を見てください。総額の2割強がそこに計上されているなら、その2割強は、建物を直すお金ではありません。職人を高所に運ぶための、いわば「移動手段」の代金です。移動手段を変えられるなら、そのお金は建物を直すことにも、積立金を残すことにも回せます。

これは値切りではありません。品質を落とすことでもありません。工法という前提条件そのものを、建物に合わせて設計し直すという話です。私はこれを、「削るのではなく、組み替える」とお伝えしています。

10. オーナーさま・管理組合が、今日からできる5つのこと

① 自分の物件の「空室状況」を数字で把握する
何戸中、何戸が空いているか。そのうち賃貸募集中は何戸か。所在不明の所有者はいないか。管理会社に確認すれば分かります。

② 長期修繕計画の前提を確認する
計画がいつ作られたか。前提となる工事費単価はいつの相場か。建設コストは10年で約3割上がっています。5年以上前の計画なら、金額の前提が現実と乖離している可能性が高いと考えてください。

③ 見積書の「仮設工事」の割合を見る
総額に占める仮設費が何%か。2〜3割を大きく超えているなら、「本当に全面足場が必要か」を一度質問してみる価値があります。理由を丁寧に説明できる会社かどうかも、そこで見えます。

④ 工事期間中の「募集停止リスク」を試算する
賃貸に出している住戸があるなら、工事期間×賃料×想定空室戸数を計算してみてください。この金額が、工法選択の判断材料になります。

⑤ 所有自治体の動きを確認しておく
神戸市が答申段階に入ったこと、京都市の空き家税が2030年度課税開始予定であること。この2つは、他自治体の検討材料になり得ます。管理状況の届出義務化を進める自治体も増えています。

よくあるご質問

Q. 神戸市の空室税は、いつから課税されるのですか?
現時点では答申案が示された段階です。市が導入を決めた場合でも、市議会での条例可決と総務大臣の同意が必要です。開始時期は確定していません。確定情報は必ず神戸市の公式発表でご確認ください。

Q. 賃貸に出していれば課税対象になりませんか?
報道によれば、非居住かどうかは住民票の有無を基本に判断するとされています。制度設計の詳細は今後の条例で定まりますので、断定はできません。税務の個別判断は、必ず税理士や所管自治体にご相談ください。

Q. 空室があると、大規模修繕はできなくなりますか?
できなくなるわけではありません。ただ、資金と決議の両面でハードルが上がります。だからこそ、工事費そのものを工法で圧縮し、必要な決議のハードルを実質的に下げるアプローチが有効になります。

Q. ロープアクセスは、足場より品質が落ちませんか?
落ちません。使う材料も工程も同じです。違うのは「職人がどうやってその場所に行くか」だけです。むしろ足場がない分、施工面に近い距離で作業でき、丁寧に見られるという声もいただきます。

Q. 築40年の中層マンションでも使えますか?
屋上に支点を確保でき、施工範囲が塗装・防水・シーリング・部分補修が中心であれば、多くの場合で採用可能です。まず建物を見せていただくのが確実です。

Q. 相談だけでもいいのですか?
もちろんです。「工事を発注する前提」でなくて構いません。長期修繕計画の金額が今の相場に合っているか、仮設費の割合が妥当か、という整理だけでもお力になれます(施工事例はこちら)。

おわりに——空室は「持ち方」の問題であり、「直し方」の問題でもある

神戸市の答申案は、まだ確定した税制ではありません。けれど、この動きが投げかけている問いは、税とは関係なく重いものです。

「その部屋を、あなたはどう使いますか。その建物を、誰が維持しますか。」

空室を埋めるには、建物が選ばれるものでなければならない。建物が選ばれ続けるには、適切なタイミングで手を入れなければならない。手を入れるには、お金と決議が要る。お金と決議を整えるには、工事のコストが現実的な水準でなければならない——。

すべては、一本の線でつながっています。私たち明誠が、足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3つの工法を持ち、日本で初めてロープアクセス工事のフランチャイズを展開してきたのは、この線のどこかで詰まっている建物を、少しでも前に進めたいからです(明誠の考え方はこちら)。

「足場ありきでもロープありきでもなく、この建物にとって一番いい組み合わせを一緒に探しましょう」。理事長さまやオーナーさまに、私はいつもそうお伝えしています。工法は目的ではなく、資産価値を守るための手段だからです。

総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。ご相談だけでも遠慮なくお声がけください(お問合せフォームはこちら)。

次回も、現場で本当に使える話だけをお届けします。

出典・参考資料