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板橋区のマンション管理計画認定制度|令和8年度の区手数料は新規24,200円・更新は0円【大規模修繕2026年度版】

板橋区のマンション管理計画認定制度|令和8年度の区手数料は新規24,200円・更新は0円【大規模修繕2026年度版】

先週、板橋区・大山のマンションで理事長さまから「管理計画認定、事前確認は通ったのに区に怒られました」というご相談を受けました。話を聞くと、事前確認適合証を取ってから半年ほど寝かせてしまった、とのことでした。

正直に申し上げます。板橋区はここが独特です。私も最初は驚きました。

板橋区の管理計画認定は、23区のなかでも手続きの設計が細かい区です。区独自の認定基準があり、事前確認適合証の有効期間について区独自の運用があり、そのうえ認定を取ったマンションだけが申請できる区独自の第2の認定制度まであります。段取りを知らずに進むと、私のお客さまのように足踏みします。

私は大規模修繕の現場を20年以上見てきました。認定基準17項目のうち、6項目は長期修繕計画の話、3項目は経理の話です。つまり認定は、工事と資金の話と切り離せません。そこまで含めて、板橋区の管理組合さま向けに数字から整理します。

結論:板橋区で管理計画認定を取ると何が変わるか

先に一覧にします。

論点 板橋区の場合
認定主体 東京都ではなく板橋区(特別区は区が認定主体)
区独自の認定基準 あり。国基準に加えて区が独自基準を設定
新規申請の区手数料 支援サービス利用24,200円/区へ直接申請26,300円
更新申請の区手数料 区へ直接申請なら0円
変更申請の区手数料 0円(ただし区へ直接申請する方法のみ)
事前確認適合証の扱い 区が書類省略を認めるのは発行日から原則3か月
認定後の交付物 認定通知書+認定ステッカー(大190mm・中160mm・小80mm)
上乗せ制度 いたばし適正管理推進マンション認定制度(申請手数料なし)

出典:板橋区「板橋区マンション管理計画認定制度(国の制度)」(更新日:2026年6月10日)

私はいつも理事長さまに「認定は、ご褒美をもらう制度ではなく、健康診断の結果票をもらう制度です」とお伝えしています。板橋区の場合は、そこに「区の条例を守っている証明書」が一枚追加されるイメージです。

板橋区で認定主体はどこか

特別区の区域では、その区が認定主体になります。板橋区内のマンションであれば、東京都ではなく板橋区が審査し、認定します。

窓口は板橋区都市整備部住宅政策課です。分譲マンション担当は北館5階14番窓口、電話03-3579-2730、メール mansion@city.itabashi.tokyo.jp。来庁前に電話連絡が必要と区が明示していますので、いきなり行かないでください。

町村部(島しょを含む)については東京都が認定事務を行いますが、板橋区は該当しません(出典:東京都マンションポータルサイト「マンション管理計画認定制度」)。

認定17要件:半分は長期修繕計画と修繕積立金の話

国が定める認定基準は、5分野17項目です。(公財)マンション管理センターの整理に沿って並べます。

管理組合の運営(3項目)

  1. 管理者等が定められていること
  2. 監事が選任されていること
  3. 集会(総会)が年1回以上開催されていること

管理規約(3項目)

  1. 管理規約が作成されていること
  2. 災害等の緊急時の専有部立ち入り、修繕等の履歴情報の管理について規約に定めがあること
  3. 財務・管理に関する情報の書面交付(または電磁的方法による提供)について規約に定めがあること

管理組合の経理(3項目)

  1. 管理費と修繕積立金等を明確に区分して経理していること
  2. 修繕積立金会計から他の会計への充当がないこと
  3. 直前年度末時点で、修繕積立金の3か月以上の滞納額が全体の1割以内であること

長期修繕計画の作成及び見直し等(6項目)

  1. 長期修繕計画が「長期修繕計画標準様式」に準拠して作成され、計画内容と修繕積立金額が総会で決議されていること
  2. 長期修繕計画の作成または見直しが7年以内に行われていること
  3. 計画期間が30年以上で、残存期間内に大規模修繕工事が2回以上含まれること
  4. 将来の一時的な修繕積立金の徴収(一時金)を予定していないこと
  5. 計画期間全体での修繕積立金の平均額が著しく低額でないこと
  6. 計画期間の最終年度に借入金の残高がない計画となっていること

その他(2項目)

  1. 組合員名簿・居住者名簿を備え、年1回以上内容を確認していること
  2. 都道府県等マンション管理適正化指針に照らして適切であること

(出典:公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」。基準の詳細は国土交通省の事務ガイドライン令和8年3月改訂版に拠ります)

現場感覚でお伝えすると、引っかかるのは圧倒的に11・12・14です。7年以内に見直していない、計画期間が25年しかない、積立金が国のガイドライン水準を大きく下回る。この3つです。

ちなみに認定基準は、国の「マンション標準管理規約」(令和7年10月改正)、「長期修繕計画作成ガイドライン」(令和6年6月改訂)、「修繕積立金に関するガイドライン」(令和6年6月改訂)の内容を満たす必要がある項目を含みます。古い版で作った長期修繕計画は、そのままでは通らない可能性があります。

板橋区の独自基準と、事前確認の落とし穴

ここからが本題です。板橋区は国の認定基準だけでなく、独自の認定基準を定めています。

そして重要なのが、次の一点です。

地方公共団体が独自の認定基準を設けている場合、当該独自基準はマンション管理士による事前確認の対象外となります。

つまり、(公財)マンション管理センターの事前確認適合証を取っても、板橋区独自の基準に適合していなければ認定は下りません。区自身も「マンション管理センターへ申請する前に板橋区へご相談又はお問い合わせください」と明記しています。順番を間違えると、お金と時間を二重に払うことになります。

独自基準の具体的な内容と確認書類は、区が公開している「認定基準及び確認書類一覧表」(令和7年4月1日更新)と「申請の手引き」(同)に掲載されています。必ず事前相談で、自組合の状況に照らして確認してください。

事前確認適合証は「3か月」で使いにくくなる

冒頭のご相談の正体がこれです。

マンション管理センターが発行する事前確認適合証そのものの有効期間は、センター側では「発行日から、自治体が管理計画を認定する日を起算日として5年を経過する日の前日まで」とされています。

ところが板橋区は、申請書類の一部(国の認定基準に該当する書類)の提出を免除できる事前確認適合証の有効期間を、原則「発行日から3か月」として運用しています。

さらに、3か月以内であっても事前確認後に内容に変更が生じていれば適合証は無効になります。役員改選や規約改正を挟むと、ここに当たる可能性があります。

私の経験上、これは「事前確認が終わったら、その足で区へ本申請」と覚えておくのが安全です。事前確認適合証の交付を受けただけでは、認定申請は完了していません。板橋区への本申請が別途必要です。

手数料と申請ルート:板橋区は「更新が0円」

板橋区の手数料は、申請ルートと申請種別で変わります。

新規の申請

ルート 基本手数料 長期修繕計画が複数の場合(2件目以降1件あたり)
支援サービスを利用して申請 24,200円 11,600円
板橋区に直接申請 26,300円 14,900円

支援サービスを利用する場合は、区への手数料とは別に、(公財)マンション管理センターへシステム利用料10,000円と事前確認審査料10,000円(パターン③④の場合。長期修繕計画1計画あたり)の支払いが必要です。支払い窓口が分かれる点に注意してください。

注記:板橋区のページには、支援サービス利用時の基本手数料について「区に支払う基本手数料4,200円のほか」という記載もあります。表の24,200円との差異があるため、実際の納付額は必ず事前相談時に区へご確認ください。私も金額の断定は避けます。

更新の申請(5年ごと)

ルート 基本手数料 加算
板橋区に直接申請 0円 0円
支援サービスを利用 20,000円(管理センターへ) 10,000円

更新は区へ直接申請すれば手数料がかかりません。 これは板橋区の大きな利点です。

変更の申請

手数料は0円。ただし変更申請は板橋区に直接申請する方法のみで、マンション管理センターでは受け付けていません。認定期間中に管理者変更や長期修繕計画の変更があった場合は、この窓口一本です。

認定の3つの経済効果

認定は名誉だけの制度ではありません。お金の話を3つ。

① マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)

一定の要件を満たす長寿命化工事(外壁塗装等工事・床防水工事・屋根防水工事のすべて)を行うと、工事完了の翌年度分の建物部分の固定資産税が2分の1減額されます。築20年以上、必要な修繕積立金が確保されていることなどが要件です。

この特例措置は、令和8年度税制改正で5年間(令和13年3月31日まで)延長されたと報じられています。適用期限と要件の最終確認は、国土交通省「マンション税制」か、マンション管理計画認定制度 相談ダイヤル(03-5801-0858)でお願いします。

② フラット35の金利引下げ

管理計画認定マンションは【フラット35】維持保全型の対象です。ポイント制により、当初5年間の借入金利が年0.25%引き下げられます。中古住宅の取得と組み合わせると引下げ幅はさらに広がります。組合の話ではなく、区分所有者ひとりひとりの購入者にとっての価値であり、これが市場評価につながります。

③ マンション共用部分リフォーム融資の金利引下げ

住宅金融支援機構の共用部分リフォーム融資でも金利引下げ等が受けられます。引下げ幅と条件は年度で変わり得るため、板橋区が掲載している住宅金融支援機構の案内資料、または住宅金融支援機構でご確認ください。

大規模修繕で借入を使う組合にとっては、ここが一番効きます。

板橋区だけの上乗せ「いたばし適正管理推進マンション認定制度」

板橋区には、管理計画認定を取ったマンションだけが申請できる第2の認定制度があります。

「東京都板橋区良質なマンションの管理等の推進に関する条例」を遵守し、適正な管理を推進しているマンションであることを板橋区が認定する制度です。申請手数料はかかりません。

流れはシンプルです。

  1. 法律に基づく管理計画の認定を受ける
  2. いたばし適正管理推進マンション認定申請書(第1号様式)と管理計画認定通知書の写しを窓口へ
  3. 審査
  4. 認定通知書の交付

希望すればエントランス等に掲示できる認定証(横130mm×縦180mm)が交付されます。こちらは作製実費の負担が必要で、紙製が15,000円以内(税抜)、金属製が30,000円以内(税抜)です。金属製は耐候性が高いぶん高価です。

私はいつも「屋外掲示なら金属製を」とお伝えしています。紙製は設置環境によって退色します。どちらもデザインは同じです。

逆算スケジュール:春の総会に間に合わせるなら今月から

板橋区の場合、事前確認適合証の3か月ルールがあるので、段取りを詰める順番が特に重要です。

時期 やること
今月(9月) 理事会で17要件の自己チェック。長期修繕計画の作成・見直し年月日を確認
10月 板橋区へ事前相談(電話予約のうえ来庁)。独自基準の適合状況を確認
11〜12月 長期修繕計画の見直し・規約改正案の作成。必要なら専門家へ委託
1〜2月 総会議案の確定(認定申請の決議+長期修繕計画・修繕積立金額の決議)
通常総会 決議
総会直後 マンション管理士へ事前確認を依頼
適合証発行から3か月以内 板橋区へ本申請(独自基準の書類を添付)
本申請後 審査・認定通知書+ステッカー交付 → いたばし認定を追加申請

ポイントは、区への事前相談を総会より先に置くことです。独自基準に引っかかる項目が総会議案に反映されていないと、決議のやり直しになります。1年待ちです。

認定の壁が「工事費」だったときに私がお話しすること

要件14「修繕積立金の平均額が著しく低額でない」で止まる組合は、本当に多いです。積立金を上げる決議は重い。だから止まる。

ここで私が必ずお伝えしているのは、分母(積立金)を上げる前に、分子(工事費)を見直す余地があるかどうかです。

30戸規模のマンションの大規模修繕は、総工費で3,500〜5,000万円がひとつの目安です。そのうち仮設足場が15〜25%を占めます。ここは建物を直していない費用です。

たとえば10階建て・外周80m・工期3か月の物件で、仮設足場が約168万円かかるケースでも、ロープアクセス工法(足場を組まず、産業用ロープで作業員が壁面を上下する無足場工法)に置き換えると約59万円という試算になることがあります。差額は約109万円。これは目安であり、建物形状・付帯物・工事範囲で大きく変動しますが、長期修繕計画の総額が数百万円単位で動けば、積立金の月額設定も変わってきます。

外壁塗装は3,500〜4,500円/㎡、打診調査は250〜500円/㎡が参考レンジです(いずれも目安であり、実際の見積は物件により変動します)。工法の選択肢が1つしかない会社と、3つある会社では、この数字の出方が変わります。

株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法での高所作業について、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。工法ごとの技術的な違いをもう少し深く知りたい方は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムで技術情報を公開しています。

料金の考え方や管理組合向けの大規模修繕サービスもあわせてご覧ください。

よくあるご質問

Q. 板橋区の独自基準の中身は、どこを見ればわかりますか?

A. 板橋区が公開している「認定基準及び確認書類一覧表」(令和7年4月1日更新)と「マンション管理計画認定制度申請の手引き(板橋区)」に掲載されています。ただし解釈で迷う項目があるため、住宅政策課(03-3579-2730)への事前相談を強くおすすめします。

Q. 事前確認適合証を取ってから、3か月を過ぎてしまいました。

A. 区が書類省略を認める有効期間(原則3か月)を過ぎた場合、国の認定基準に該当する書類も改めて提出が必要になる可能性があります。まずは区へご相談ください。期間内でも、事前確認後に内容変更があれば適合証は無効になります。

Q. 更新のとき、区から「そろそろ期限です」と通知は来ますか?

A. 認定の有効期間は認定日から5年で、更新には申請と認定が必要です。区からの満了通知を前提にせず、管理組合側で認定日をカレンダー管理してください。更新は区へ直接申請すれば手数料0円です。

Q. 賃貸マンション(ワンオーナー)でも申請できますか?

A. できません。この制度の対象はいわゆる分譲マンションの管理組合です。

Q. 認定を取ると、大規模修繕の費用は安くなりますか?

A. 認定そのものが工事費を下げるわけではありません。ただし共用部分リフォーム融資の金利引下げが受けられるため、借入を使う場合の総支払額は下がります。工事費そのものは、工法選定と仕様の詰め方で変わります。

Q. 長期修繕計画が2つある団地型ですが、手数料は上がりますか?

A. 上がります。支援サービス利用なら2件目以降1件あたり11,600円、区へ直接申請なら14,900円が基本手数料に加算されます。

Q. 申請には総会決議が必要ですか?

A. 必要です。認定申請にあたっては、その旨を集会(総会)で決議しておく必要があります(管理規約で別段の定めがある場合はその定めによります)。臨時総会でも構いません。

まとめ:今週、板橋区の管理組合さまが動けること3つ

  1. 長期修繕計画の「作成または見直し年月日」を確認する。 7年以内でなければ、まずここが最優先です。
  2. 住宅政策課(03-3579-2730)に電話し、事前相談の日程を押さえる。 板橋区は独自基準があるため、ここを飛ばせません。
  3. 次の総会議案に「認定申請の決議」を入れるか決める。 総会決議がないと事前確認に進めません。

この3点で引っかかる項目が出たら、そこが認定のボトルネックです。そのボトルネックが「工事費が重くて積立が追いつかない」であれば、工法の選択肢を増やすことで解ける可能性があります。

明誠の施工事例は https://rita-construction.com/category/%e6%96%bd%e5%b7%a5%e4%ba%8b%e4%be%8b/ からご覧いただけます。ロープアクセスの訓練体制や技術基準についてはロープアクセスドットコムもご参照ください。

認定を取るかどうかの前段階、「うちの長期修繕計画、そもそも通るのか」という整理だけでもお力になれることがあります。ご相談だけでも遠慮なくお声がけください(お問合せフォーム)。

10月の理事会で1分だけでも、この話題を出してみてください。板橋区は事前相談が起点になる区です。そこで春の総会に間に合うかどうかが決まります。

出典・参考資料

本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年9月22日時点で公表されている板橋区および国土交通省・東京都の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。特に支援サービス利用時の区手数料(区ページ内に24,200円と4,200円の両記載あり)およびマンション長寿命化促進税制の適用期限については、実際に申請される前に、必ず板橋区都市整備部住宅政策課(電話 03-3579-2730)および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年9月22日