厚木市のマンション管理計画認定制度|市は窓口を持たず手続支援システム経由・固定資産税は2分の1減額【2026年度版】

結論:厚木市で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか

先に結論です。厚木市の管理計画認定は、国の基準を満たすマンションを市が認定する制度です。ただし、市は管理組合からの直接の申請を受け付けていません。公益財団法人マンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」で事前確認を受け、そこから市へ申請する流れです(出典:厚木市「マンションの管理計画認定制度について」、ページ更新日2026年9月11日)。

お金の面で押さえておきたいのは次の2点です。

正直に申し上げます。厚木市のページには、市に納める認定手数料の金額が書かれていません。マンション管理センターは「自治体が手数料を定めている場合は別途その自治体に支払う」と案内していますので、申請前に市の住宅課住宅政策係(046-225-2330)で確認してください。金額を推測で書くことはしません。

厚木市のページでは、市内の認定マンションは12件です。最初の認定は2023年3月14日、直近は2026年9月11日でした。令和4年3月につくられた市のマンション管理適正化推進計画は、令和8年度までに20件を目標にしています(出典:厚木市マンション管理適正化推進計画(概要版))。今は目標の6割ほどで、先行事例が増えてきた段階です。

私は東京都東大和市で会社を構え、首都圏のマンション大規模修繕に20年以上携わってきました。県央エリアの理事長さま、理事の皆さまが読んだその日に動けるよう、認定主体、17要件、独自基準の扱い、申請ルート、経済効果、逆算スケジュールの順にお伝えします。

認定主体はどこか:厚木市が認定し、窓口は住宅課です

管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。管理組合の管理計画を審査して認定する役所を「認定行政庁」(認定の事務を担う自治体のこと)と呼びます。国土交通省の案内では、市と特別区のうちマンション管理適正化推進計画をつくった自治体が認定を担い、町村部は都道府県が担当します(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。

神奈川県のページでは、県が申請を受けるのは町村部の分譲マンションです。厚木市に隣り合う愛川町と清川村は県の対象ですが、厚木市は市ですので、県ではなく市が認定主体になります。市部のマンションは県では申請を受け付けず、各市に問い合わせるよう書かれています(出典:神奈川県「マンション管理計画認定制度」、更新日2026年4月10日)。

担当は、都市みらい部住宅課の住宅政策係です。所在地は中町3丁目17番17号、電話は046-225-2330です。
認定の有効期間は、市の事務取扱要綱で、認定を受けた日から5年間と定められています。期間満了までに更新を申請すれば、審査中も従来の認定は有効です(出典:厚木市マンションの管理計画認定事務取扱要綱、ページ更新日2022年4月14日)。要綱のページは令和4年度の更新のままですので、細かい運用は窓口で最新の取扱いを確かめてください。

認定17要件:理事会が確認しやすい順に整理する

国が定める認定基準は、5つの分野に17項目あります。管理組合の運営、管理規約、管理組合の経理、長期修繕計画の作成及び見直し等、その他です(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定の基準」(PDF))。厚木市の令和4年3月の計画書は「16項目」と書いていますが、現在の市のページは「基準17項目」です。

管理組合の運営・管理規約・経理

管理者等(理事長など)が定まっていて、監事が選任され、総会が年1回以上開かれていることが基本です。規約には、災害時などに専有部分へ立ち入れる定めと、修繕履歴の管理、財務・管理情報の書面交付の定めが要ります。

経理は、管理費と修繕積立金を区分して経理していること、修繕積立金会計から他の会計への貸付がないことが条件です。さらに、3か月以上の滞納額が全体の1割以内に収まっている必要があります。

認定の準備で、まず確認していただきたいのは総会の議事録です。厚木市の要綱でも、管理者等と監事の選任を決議した総会の議事録、直近の総会の議事録が提出書類に入っています。

長期修繕計画の作成及び見直し等

もっとも手間のかかる分野で、6項目あります。

  • 国の標準様式に準拠した長期修繕計画と、それに基づく修繕積立金の額が、総会で決議されていること
  • 計画の作成または見直しが7年以内であること
  • 計画期間が30年以上で、残りの期間に大規模修繕工事が2回以上含まれること
  • 将来の一時金の徴収を予定していないこと
  • 修繕積立金の平均額が、著しく低額でないこと
  • 計画期間の最終年度に、借入金の残高がないこと

その他:名簿の整備

組合員名簿と居住者名簿を備え、年1回以上確認していることが求められます。市の要綱でも、年1回以上更新していることを示す書類が必要です。

長期修繕計画が古いとき、現場で起きること

認定準備が止まる一番の理由は、長期修繕計画が古いことです。10年以上前の数字のままという組合は少なくありません。

以前、築30年を超えた県内のマンションの理事会に呼ばれたことがあります。理事長さまは「積立金は足りているはず」とおっしゃっていましたが、計画は長く見直されていませんでした。見直しのついでに工法を比べました。10階建て、外周80m、工期3か月という条件の試算で、仮設足場が約168万円、ロープアクセス工法を併用した場合は約59万円、差額は約109万円でした。建物の形や立地、隣地との距離で大きく変わりますので、あくまで一つの目安です。それでも、数字を見て理事の皆さまの表情が変わった瞬間を、私は今でも覚えています。

足場を使わない工法については、明誠のロープアクセス工法の詳細ページで整理しています。作業員はメインロープとバックアップロープの2本に接続して作業します。大規模修繕の進め方と安全管理は大規模修繕工事の安全管理と進め方に、技術や訓練の詳細は姉妹サイトのロープアクセスドットコムにまとめています。

独自基準の扱い:市の計画は「国の基準と同様」としています

厚木市のマンション管理適正化推進計画は、認定の基準を「国の基準と同様」とし、詳細は市の要綱で定めるとしています。計画書にも市のページにも、独自の上乗せ基準の記載は見つかりませんでした。県も独自基準は設けていません。

ただし「記載がない」ことと「ない」ことは同じではありません。実務への影響を三つにまとめます。

  1. 申請書類は、手続支援システムへのアップロードが中心です。まずは国の17項目への適合を、事前確認で固めてください
  2. 事前確認では、地方公共団体独自の基準は確認の対象外です(出典:マンション管理センターの案内)。市独自の項目があるかどうかは、市に直接たずねる必要があります
  3. 標準処理期間は、市のページに記載がありません。総会の日程から逆算するときは、市に目安を聞いておくと安心です

神奈川県内でも、市によって手数料や運用は違います。他市の資料をそのまま当てはめず、厚木市のページと要綱で確認してください。

手数料と申請ルート:総会決議、事前確認、システムから市へ

厚木市の標準ルート

市の要綱とページによると、流れは次のとおりです。

  1. 総会(臨時総会を含む)で、管理計画認定の申請を決議する
  2. マンション管理センターの手続支援サービスで、事前確認を申請する。マンション管理士が国の基準への適合を確認する
  3. 基準に適合すると通知が届く。認定申請書に事前確認適合証を添付し、同じシステムから市長に申請する
  4. 市が審査し、認定する

総会決議がないと、事前確認そのものを受けられません。決議の議案書づくりが、事実上の最初の山場です。

事前確認の依頼先と費用

厚木市のページは、申請のルートを四つ示しています。市は直接の申請を受け付けないと明記しています。

ルート 依頼先 事前確認審査料
① 事前確認講習を修了したマンション管理士 管理組合とマンション管理士が取り決める
② 管理会社(マンション管理適正評価制度と同時申請) 管理組合と依頼先が取り決める
③ 日本マンション管理士会連合会(診断サービスと同時申請) 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)
④ マンション管理センターへ直接申込 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)

システム利用料は、どのルートでも1申請あたり10,000円(税込)です。事前確認を行えないのは、対象マンションの管理者等、監事、区分所有者、担当の管理会社の社員です。申請は、申請者本人か行政書士の代理人が、電子システムで行います。

提出書類の目安

市の要綱では、次の書類が挙げられています。私が相談を受けるときは、この一覧を理事会に配るところから始めます。

  • 管理者等と監事の選任を決議した総会の議事録の写し、直近の総会の議事録の写し
  • 管理規約の写し
  • 直前事業年度の貸借対照表と収支計算書(ない場合は収支予算書)
  • 長期修繕計画の写しと、その作成や変更を決議した総会の議事録の写し
  • 組合員名簿と居住者名簿を、年1回以上更新していることを示す書類

手数料の考え方:見積もりに「市の分」を含めておく

センター直接申込なら、システム利用料と審査料で合計20,000円ほどが目安です。市への手数料が別にかかる場合は足します。長期修繕計画の見直しや規約改正を専門家に頼む費用は、さらに別です。

認定の3つの経済効果:税・住宅ローン・債券と融資

1. マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)

長寿命化に役立つ大規模修繕工事を行ったマンションについて、工事の翌年度の建物部分の固定資産税を減額する制度です。減額割合は自治体ごとに違い、国の枠は6分の1から2分の1で、目安は3分の1です。厚木市は2分の1の減額です。工事が完了した年の翌年度分が対象で、1月2日から3月31日に完了した場合は翌々年度分になります。都市計画税は対象外です(出典:厚木市「長寿命化に資する大規模修繕工事を行ったマンションに対する固定資産税の減額について」、ページ更新日2025年4月1日)。

主な要件は次のとおりです。

  • 新築から20年以上経過した10戸以上のマンションであること
  • 過去に長寿命化工事を1回以上、適切に行っていること
  • 管理計画認定マンションで、認定時などに修繕積立金を引き上げていること。または、市の助言・指導で長期修繕計画が基準に適合したこと
  • 外壁塗装等、床防水、屋根防水の3工事が一体として実施されること
  • 令和5年4月1日から令和9年3月31日までに、工事が完了すること
  • 居住部分のみが対象で、1戸あたり100㎡までの部分
  • 申告は、工事完了から3か月以内に資産税課へ

押さえたいのは期限です。国土交通省の資料でも、工事の完了日は2027年3月31日までと整理されています(出典:国土交通省「管理計画認定のメリット」(PDF)、令和8年4月1日現在)。厚木市の税のページは更新日が2025年4月1日と前年度のものです。申請前に、資産税課の家屋・償却資産係(046-225-2031)で最新の運用を確認してください。認定通知書の写しと、修繕積立金引上証明書が申告の書類に入る点も見落としやすい部分です。

2. 【フラット35】の金利引下げ

管理計画認定マンションの住戸を購入する方が使える住宅ローンの優遇で、当初5年間、年0.25%の引下げです(出典:国土交通省の前掲資料)。売る側にとっても、認定済みであることは、買い手に選ばれる理由になり得ます。

3. マンションすまい・る債と共用部リフォーム融資

マンションすまい・る債は、管理組合が修繕積立金を運用する債券です。国土交通省の資料では、認定マンションは年2.1%、認定を受けていないマンションは年2.0%の想定で、差は0.1ポイントです。5,000万円を満期まで保有した場合、受取利息は約50万円多くなる計算です(税引前)。

ただし、令和8年度の応募受付期間は2026年4月13日から10月9日で、すでに終わっています。次の募集時期や利率は、住宅金融支援機構の案内で確認してください。

共用部分リフォーム融資は、国土交通省の資料では、全期間で年0.20%の引下げとして整理されています。一方、住宅金融支援機構のページでは、年0.2%の引下げは耐震改修、浸水対策、省エネルギー対策の工事が対象として書かれています(出典:住宅金融支援機構「マンション共用部分リフォーム融資」)。融資限度は、負担する一時金の全額と1戸あたり1,500万円のいずれか低い額です。どの工事で、認定がどう効くのかは、融資の申込前に機構へ確認してください。

数字で見る経済効果のイメージ

仮に総額5,000万円の大規模修繕なら、仮設足場は総工費の15〜25%(750万〜1,250万円)が目安で、外壁塗装は1㎡あたり3,500〜4,500円がレンジです。物件ごとに大きく変わります。工法で足場の比率を下げ、制度で税や金利の負担を下げる。私はこれを「二段構え」と呼んでいます。

株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。通常足場、ロープアクセス、両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つから、建物に合う工法をご提案できます。

費用の考え方は大規模修繕の料金の考え方に、管理組合の方向けの内容は管理組合さま向けの大規模修繕サービスにまとめています。フランチャイズ加盟企業の取り組みは、ロープアクセスドットコムでも公開しています。

令和9年4月の制度改正にも目を向けておく

国土交通省のページによると、令和7年のマンション関係法の改正を受け、分譲事業者が分譲時に管理計画認定を申請できる仕組みが令和9年度から加わります。施行規則の改正省令(令和8年国土交通省令第70号)と基本方針の改正告示(令和8年国土交通省告示第1017号)は、令和8年7月31日に公布されました。自治体への申請日が令和9年4月1日以降の場合は、見直し後の認定基準で審査されます。経過措置の詳細は、同ページにリンクされたPDFで確認できます(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。

厚木市の推進計画は計画期間が令和4年度から令和8年度までで、市の会議資料では、令和7年度の分譲マンション実態調査を踏まえた次期計画の策定が進んでいます。認定制度の普及促進と、申請する管理組合への支援が課題に挙げられています。次期計画で運用が変わる可能性もありますので、私は市の発表を折に触れて確認するよう、理事長さまにお伝えしています。

令和9年3月までに申請するか、4月以降にするかで、適用される基準や様式が変わり得ます。固定資産税の減額も令和9年3月31日が工事完了の期限ですので、厚木市の管理組合にとっては、令和9年3月が一つの分かれ目です。

逆算スケジュール(令和8年10月起点)

認定に絞った逆算です。工事まで同時に進める組合は、半年では足りないことが多いです。

時期の目安 やること
令和8年10月 理事会で認定の方針を共有。長期修繕計画の作成時期、規約・名簿・会計の現状を確認。市の住宅課へ手数料の扱いを確認
令和8年11月 長期修繕計画が7年以内でなければ、見直しを依頼。事前確認の依頼先(ルート①〜④)を決める
令和8年12月 臨時総会で、認定申請、長期修繕計画と修繕積立金額、必要な規約改正を決議
令和9年1月 書類を電子化してシステムへ入力・アップロード。事前確認を受け、適合証を受け取る
令和9年2〜3月 適合証を添えて市へ申請。審査を経て認定通知書を受け取る

固定資産税の減額を使いたい場合は、令和9年3月31日までに工事を終える必要があります。私はいつも理事長さまに、「期限に合わせて中身を急ぐより、建物の状態を優先しましょう」とお伝えしています。期限に間に合わなくても、認定そのものは住宅ローンや資産価値の面で意味があります。

まとめと、今週動くこと3点

厚木市の管理計画認定は、市が認定しますが、申請は手続支援システム経由で、市への直接申請は受け付けていません。独自基準の記載は市の計画にも市のページにもなく、国の17項目への適合が中心です。システム利用料は10,000円で、市への手数料は市のページで確認できませんでしたので、問い合わせが必要です。固定資産税の減額は2分の1で、令和9年3月31日までの工事完了が条件です。

今週、理事会で動いていただきたいことは次の3点です。

  1. 長期修繕計画の作成日と、直近の総会議事録、名簿の整備状況を確認する
  2. 厚木市住宅課住宅政策係(046-225-2330)へ、市への手数料、独自基準、標準処理期間を問い合わせる
  3. 固定資産税の減額が気になる場合は、資産税課家屋・償却資産係(046-225-2031)へ、自分の建物が条件に当てはまるか確認する

十月のうちに理事会で数分でもこの話題を出していただければ、年内の総会決議が現実的になります。令和9年3月が一つの分かれ目です。どこから手をつければよいか迷われたら、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。明誠へのお問合せフォームからどうぞ。これまでの明誠の施工事例もご覧いただけます。

よくあるご質問

Q. 厚木市の管理計画認定に、市へ払う手数料はいくらですか?

A. 市のページには、市への手数料の金額が書かれていません。システム利用料は1申請あたり10,000円(税込)、事前確認審査料はセンター直接申込なら1計画あたり10,000円(税込)です。市への手数料は、住宅課住宅政策係(046-225-2330)へご確認ください。

Q. 厚木市に独自の認定基準はありますか?

A. 市の計画は「国の基準と同様」としており、独自基準についての記載は見つかりませんでした。事前確認では地方公共団体の独自基準は対象外ですので、市への確認をおすすめします。

Q. 神奈川県に申請すればよいのでしょうか?

A. いいえ。県が申請を受けるのは県内の町村部のマンションです。厚木市のマンションは、市が認定主体です。

Q. 管理組合が市に直接申請することはできますか?

A. 市のページでは、直接の申請は受け付けないとされています。事前確認を受け、マンション管理センターの手続支援システムから申請します。

Q. 固定資産税はどれくらい減りますか?

A. 厚木市では、工事完了の翌年度の固定資産税額が2分の1減額されます。対象は住宅1戸あたり100㎡までの居住部分で、都市計画税は対象外です。築20年以上、10戸以上、過去に長寿命化工事を実施済みで、令和9年3月31日までに工事が完了していることなどが条件です。申告は工事完了から3か月以内です。

Q. 認定の有効期間はどのくらいですか?

A. 市の要綱では、認定を受けた日から5年間です。期間満了までに更新を申請すれば、審査中も従来の認定は有効です。更新時の手続は、市の要綱と窓口で確認してください。

Q. 長期修繕計画が古い場合、どうすればよいですか?

A. 作成や見直しが7年以内であることが要件の一つです。まずは管理会社やマンション管理士に見直しを相談してください。見直しとあわせて、ロープアクセス工法を含めた工法の比較をすると、工事費の見え方が変わる場合があります。明誠では概算のご相談を承っています。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月18日


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本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月18日時点で公表されている厚木市および国土交通省・神奈川県・マンション管理センター・住宅金融支援機構の公式情報をもとに執筆しています。厚木市の管理計画認定制度のページは2026年9月11日更新ですが、市への手数料の金額、独自基準、標準処理期間は記載がなく確認できませんでした。市の事務取扱要綱のページは2022年4月、固定資産税減額の市のページは2025年4月1日更新と、前年度以前のものです。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず厚木市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

出典・参考資料

省エネ改修の補助金|国交省が第2回募集を開始、非住宅は補助率1/3・上限5,000万円。ビル・ホテルのオーナーが11月27日までに確認したい6点【2026年10月】

この記事で分かること

「ビルの外壁や窓を直す時期が近いのだが、省エネ改修で国の補助金が使えると聞いた。うちの建物は対象になるのか」——。収益ビルやホテルを所有されているオーナーさまから、こうしたご相談をいただく機会が増えてきました。

その背景にあたるニュースが、10月16日に出ました。国土交通省が、令和8年度「既存建築物省エネ化推進事業(LCCO₂評価実施型)」の第2回提案募集を開始したのです。同じ日には、6月から7月にかけて行われた第1回募集の採択結果も公表されています(出典:国土交通省 報道発表資料(令和8年10月16日))。

この記事が答える質問は、次の1つです。

Q. 既存の非住宅ビルやホテルの省エネ改修に使える国の補助金は、いつまでに、何を満たせば応募できるのか。外壁や窓の改修を考えているオーナーは、応募前に何を確認すべきか。

結論を先にお伝えします。

  • 応募期間は令和8年10月16日(金)から11月27日(金)までです。 締切日の消印が有効とされており、応募前に事業登録フォームでの登録が必要です。
  • 補助率は補助対象工事の1/3、上限は1件あたり5,000万円(設備部分は2,500万円)です。 バリアフリー改修を併せて行う場合は、その分を加算できる仕組みがあります。
  • 対象は非住宅の建築物です。 公表資料では非住宅が対象とされており、分譲マンションなど共同住宅は対象とならない可能性が高いため、個別に事務局への確認が必要です。
  • 躯体(壁・天井など)や外皮(外壁・屋根・窓など)の省エネ改修を伴うことが要件です。 設備の入れ替えだけでは応募できません。
  • 補助の対象になるのは、採択日以降に契約した工事に限られます。 応募前や採択前に工事契約を結ぶと、対象から外れるおそれがあります。

この記事では、発表された内容を整理したうえで、私が現場で外壁や高所作業に携わってきた立場から、「外皮を触る改修で、足場やロープアクセスなどの仮設計画をどう考えるか」という実務の視点を加えてお伝えします。なお、制度の詳細は募集要領で変わることがありますので、最終的な判断は、公式資料でご確認ください。

国交省が10月16日に発表した内容|第1回の採択結果と第2回の募集開始

まず、発表の中身を整理します。報道発表資料では、2つのことが同じ日に示されました。

1つ目は、令和8年度第1回の採択結果です。公募期間は令和8年6月19日から7月31日まで、応募は17件、採択は15件でした(出典:国土交通省 報道発表資料)。

2つ目は、第2回の提案募集の開始です。今年度2回目の支援対象を選定するもので、応募期間は10月16日から11月27日までです。採択事業は、応募提案を審査したうえで、令和9年1月頃に公表する予定とされています(出典:国土交通省 報道発表資料)。

項目 第1回 第2回
公募期間 令和8年6月19日〜7月31日 令和8年10月16日〜11月27日
結果・公表 応募17件、採択15件(10月16日公表) 採択は令和9年1月頃に公表予定
事業名 令和8年度既存建築物省エネ化推進事業(LCCO₂評価実施型) 同左(第2回提案募集)
出典 国交省 報道発表 国交省 報道発表

ここで押さえておきたいのは、今回は「次の公募を待つ」のではなく、「いま公募中」だということです。第2回の応募期間は、公表日から数えて約6週間です。応募前の登録、建物の省エネ性能の見込みの算定、提案申請書の作成まで考えると、時間に余裕があるとは言えません。

補助率1/3・上限5,000万円は、いくらの工事で頭打ちになるのか

次に、気になる金額です。事業概要では、補助率は補助対象工事の1/3、補助限度額は1件あたり5,000万円(設備部分は2,500万円)とされています。バリアフリー改修工事を併せて行う場合は、その費用に対する補助を上限額に加算できる仕組みです(出典:国土交通省 事業概要(別紙))。

補助率が1/3で上限が5,000万円ですから、単純に計算すると、補助対象工事費が1億5,000万円を超えたあたりで上限に達します。次の表は、補助対象工事費を仮にいくつか置いた場合の目安です。実際の金額は、何が補助対象経費になるかで変わりますので、あくまで考え方の例としてご覧ください。

補助対象工事費(仮定) 1/3の金額 上限5,000万円の適用 補助額の目安
3,000万円 1,000万円 上限未満 約1,000万円
6,000万円 2,000万円 上限未満 約2,000万円
1億円 約3,333万円 上限未満 約3,333万円
1億5,000万円 5,000万円 ちょうど上限 5,000万円
2億円 約6,667万円 上限で頭打ち 5,000万円

注意したいのは、設備部分の上限が2,500万円とされている点です。たとえば空調や換気設備の更新が工事費の大半を占める計画では、5,000万円まで届かない場合があります。外皮の改修と設備の更新をどう組み合わせるかで、受け取れる額は変わってきます。

もう1つ、「省エネ改修とバリアフリー改修の事業費の合計が500万円以上であること」という要件もあります(出典:既存建築物省エネ化推進事業 評価事務局)。小規模な部分改修では、そもそも応募の入口に届かない可能性があります。

そして、補助金は工事費の全額ではありません。補助率が1/3ということは、残りの2/3は自己負担です。補助金が出るからといって、工事の必要性や費用対効果の検討を省いてよいわけではない、というのが私の基本的な考え方です。

対象になる建物・ならない建物|分譲マンションの管理組合は要確認

「うちの建物は対象か」という点は、最初に確認すべきところです。事業概要では、対象は非住宅の建築物とされています。事業の評価事務局のページでも、対象は「既存のオフィスビル等の建築物の改修」で、住宅を対象とする記述は見当たりません(出典:評価事務局 事業概要)。

建物の種類 対象になる可能性 補足
賃貸オフィスビル・テナントビル 高い 非住宅として評価を受けるため、典型的な対象
ホテル・旅館などの宿泊施設 個別確認が必要 非住宅として評価を受けるかどうかで判断される。事務局への確認を推奨
分譲マンション・賃貸マンション(共同住宅) 低い可能性 公表資料は非住宅を対象としており、共同住宅は対象外となる可能性が高い。事務局へ個別確認を
住宅部分と非住宅部分が混在する複合ビル 非住宅部分で応募できる場合あり 第1回のQ&Aでは、非住宅部分のみでの応募が可能と示されている
工場・実験施設・倉庫など生産用設備を持つ建築物 対象外 事業概要で対象外と明記

第1回募集のQ&A(令和8年6月19日公開)では、建築物省エネ法の分類に従い、省エネ改修後に非住宅として省エネ性能評価を受けるものが対象とされています。また、増築部分は対象外で、既存部分のみで申請することも示されています(出典:提案募集Q&A(令和8年6月19日公開))。

ここは正直に申し上げますが、分譲マンションの管理組合の皆さまにとって、この制度は対象とならない可能性が高いと考えています(個別の可否は事務局にご確認ください)。修繕積立金で大規模修繕を計画している理事長さまには、別の制度(自治体の助成や、住宅向けの省エネ関連の補助など)のほうが関係してきます。この記事はその点をはっきりさせたうえで、収益ビル、テナントビル、ホテルなどを所有する法人・個人オーナーさまに向けて書いています。

ホテルについては、Q&Aに明確な記載がなく、「非住宅として評価を受けるか」で判断されると読み取れる状況です。旅館業法上の施設であっても、個別の建物の用途や評価の方法によって扱いが変わる可能性があります。応募を考える段階で、評価事務局に早めに問い合わせることをおすすめします。

「躯体(外皮)の改修を伴う」とは何か|設備の入れ替えだけでは応募できない

この事業の特徴は、躯体(壁・天井など)の省エネ改修を伴うことが要件になっている点です。高機能換気設備を設置する場合も、躯体または外皮の改修を伴うことが条件です(出典:国土交通省 報道発表資料)。

つまり、空調機や照明をLEDに替えるだけの計画では、この枠組みには乗りません。建物の「殻」にあたる外壁・屋根・窓まわりに手を入れることが前提です。

第1回のQ&Aでは、外皮改修として次のようなものが想定されています。

  • 屋根・外壁などの断熱(断熱材の追加や、断熱性能を高める改修)
  • 開口部の改修(複層ガラス、二重サッシなど)
  • 日射調整フィルム(フィルム単独の補助率は材工とも1/6とされています)
  • 要件を満たす遮熱塗料(屋上緑化や遮熱シートは対象外とされています)

一方、太陽光発電設備は対象外とされています(出典:提案募集Q&A)。

省エネ効果の要件は、改修前と比較して20%以上の省エネ効果が見込まれることです。ただし、外皮改修の面積割合が20%を超える場合は、15%以上とされています。ここは見落としやすい点で、外皮を広く改修するほど、求められる省エネ率のハードルが下がる仕組みになっています。

条件 求められる省エネ効果
外皮改修面積割合が20%以下 改修前と比べて20%以上
外皮改修面積割合が20%超 改修前と比べて15%以上

採択の考え方としても、第1回の発表では、省エネルギー効果の高さと、躯体(外皮)改修の割合の高さなど、総合的な効果を重視したと示されています。外壁や窓を広く改修する計画は、この方針と相性がよいと言えます。ただし、それは採択を約束するものではありません。

延べ面積2,000㎡以上は「ライフサイクルカーボン評価」が必要

この事業の名称にある「LCCO₂評価実施型」とは何でしょうか。LCCO₂(ライフサイクルCO₂、ライフサイクルカーボン)とは、建物の建設、運用、改修、解体といった一生の間に出るCO₂の量を、通して評価する考え方です。電気やガスを使う運用段階だけでなく、材料をつくる段階の排出も含めて見ます。

この事業では、延べ面積2,000㎡以上の大規模建築物を改修する場合、ライフサイクルカーボン評価を実施し、その結果を国に報告することが求められます(出典:国土交通省 報道発表資料)。評価の方法は、募集要領に付属する「CO₂等排出量の算定・評価方法」で示されています。

オーナーさまの目線で言えば、これは「申請の手間が増える」ことを意味します。評価の計算は、設計者や専門のコンサルタントの協力が必要になる場面もあるでしょう。

一方で、前向きに捉えることもできます。材料や工法によってCO₂の排出量が変わるという考え方は、これからの建築で当たり前になっていきます。評価の経験が、投資家や金融機関、入居テナントへの説明材料になる可能性もあります。ただし、これは一般的な見方であり、金利や融資条件への影響を保証するものではありません。

11月27日までのスケジュールと、契約を先に結んではいけない落とし穴

応募までの流れを整理します。事業概要や評価事務局のページから読み取れる主な点は、次のとおりです。

  1. 事業登録フォームでの登録(応募前に必要)
  2. 提案申請書の作成(様式はExcel、記入例はPDFで公開)
  3. 応募(令和8年11月27日締切、消印有効)
  4. 審査・採択(令和9年1月頃に公表予定)
  5. 採択後に工事契約(原則、採択後から採択年度の年度末までに契約)
  6. 工事・報告(事業期間は募集要領でご確認ください)

(出典:評価事務局 事業概要、国土交通省 事業概要(別紙))

そして、最も注意していただきたいのが、契約のタイミングです。第1回のQ&Aでは、補助対象となるのは採択日以降に契約する省エネ改修工事等に限られると示されています。採択年度中に事業着手(工事契約等の締結)をすることも要件です。

時期 やってよいこと 気をつけること
今〜11月27日 現地調査、省エネ性能の見込み算定、設計者・施工会社との検討、事業登録、申請書作成 工事の契約は結ばない
令和9年1月頃(採択公表) 採択の確認 不採択の場合の代替計画を持っておく
採択後〜年度末 工事契約の締結 契約日が採択日以降であることを確認

「どうせやる工事だから、先に契約してしまおう」と考えるのは危険です。応募前に契約や着工をしてしまうと、補助の対象から外れる可能性があります。見積りの取得や仕様の検討は進めてよいのですが、契約書への押印は、採択の結果を待つのが基本になります。

また、第2回のQ&Aは、第1回から修正・追加されている可能性があります。この記事で引用したのは第1回のQ&A(6月19日公開)ですので、最新のQ&Aは評価事務局のページでご確認ください。

締切から逆算すると、動き出しの目安は次のようになります。11月27日の締切に対して、申請書の作成に2週間、省エネ性能の算定と設計の検討に2〜3週間はかかると見ておくのが、あくまで私の経験上の目安です。そうなると、現地調査と概算見積りは、遅くとも10月中に着手しておきたいところです。私たちが現場に伺って劣化状況を確認し、外壁・窓まわりの改修範囲と仮設の選択肢を整理する作業は、応募書類の土台になります。「応募するかどうかは、調べてから決める」という順番でも構いませんので、早めに動くことをおすすめします。

第1回は応募17件・採択15件|この数字をどう読むか

第1回の結果は、応募17件に対して採択15件でした。数字だけを見ると、採択された割合は高く見えます(15÷17で約88%)。

ただ、私はこの数字をそのまま「通りやすい」とは受け取りません。理由は2つあります。

1つ目は、応募件数そのものが多くないことです。応募前の事業登録や、省エネ性能の算定、LCCO₂評価といった手間のかかる準備をクリアできた提案だけが、応募に至っている可能性があります。

2つ目は、採択の考え方が公表されていることです。省エネ効果の高さと、外皮改修の割合の高さが重視されます。要件を満たしているだけでは足りず、効果の中身で評価される以上、準備の質が結果を左右します。

なお、第1回の採択事業の一覧は、国交省の別紙(採択事業一覧)に掲載されています。どのような用途・規模の建物が採択されたかは、応募を検討する際の参考になります(出典:国土交通省 報道発表資料(採択結果))。

外壁・窓を触る改修と、足場・ロープアクセスの考え方

ここからは、私の本業である現場の視点です。外皮の省エネ改修は、外壁や窓といった高所を触る工事になります。ということは、仮設計画(足場やロープアクセスなど)が、費用・工期・営業への影響を大きく左右するということです。

まず、費用の中で仮設がどれくらいの比重を占めるかの参考です。経済調査会の「マンション修繕費指数」2026年版では、1戸あたり平均修繕費156.0万円のうち、仮設は38.7万円(構成比24.8%)でした(出典:一般財団法人 経済調査会(2026年9月29日))。これはマンションの大規模修繕の統計であり、ビルやホテルの省エネ改修にそのまま当てはまるわけではありませんが、仮設が費用の無視できない割合を占めることは、現場の感覚としても一致します。

大切な注意点があります。第1回のQ&Aには、足場・仮設費用やロープアクセスについての記載が見当たりません。関連する記載として、「省エネ改修工事の遂行に必要となる工事のみが対象となる」という趣旨のQ&Aがあるだけです。つまり、仮設費が補助対象経費に含まれるのか、どこまで認められるのかは、事務局に個別に確認する必要があるというのが、いまの正確な状況です。

私が現場で見てきた範囲でお話しすると、外皮改修の仮設計画は、次の3つの考え方に整理できます。

工法 向いているケース 営業・利用への影響 注意点
通常の足場仮設 全面にわたる外壁・窓の改修、大面積の断熱工事 足場が建物を覆うため、眺望・採光・出入りに影響が出やすい 費用と工期が大きくなりやすい。仮設費の扱いは事務局に要確認
ロープアクセス(無足場) 部分的な窓まわり・外壁の改修、足場を組みにくい立地 足場が不要で、営業や入居への影響を抑えやすい 建物の形状や改修範囲によっては適さない場合がある
ハイブリッド(足場+ロープアクセス) 面は足場、足場が届きにくい箇所はロープで対応 範囲ごとに最適化できる 全体の工程管理に経験が必要

私たち明誠は、この3つの工法のどれか1つに偏らず、建物にとって最適なものを比較して提案しています。補助金の要件(外皮改修の面積や省エネ効果)と、仮設の選択は、実は連動して考えるべきテーマです。たとえば外皮改修面積の割合を高めて要件を満たしやすくしたい場合、広い面を一度に施工できる足場が有利な場面があります。一方で、営業を止められないホテルでは、ロープアクセスで窓まわりを順に施工する選択肢も出てきます。

ロープアクセス工法の一般的な安全基準や事例については、姉妹サイトのロープアクセスドットコムでも解説しています。工法の詳細はロープアクセス工法のご紹介もご覧ください。

営業しながら改修するホテル・テナントビルで、私が気をつけていること

補助金の話から少し離れますが、ビルやホテルの外皮改修では、営業を続けながら工事を行うケースがほとんどです。ここは、現場で20年以上やってきて、補助金より先に考えるべきだと感じているところです。

具体的には、次のような点を事前に確認します。

  • テナントや宿泊客の動線:工事エリアと出入口、非常口の位置関係
  • 騒音・振動・臭気:作業時間帯の調整、窓を開けられない時間帯の周知
  • 窓まわりの作業日程:客室や専有部の窓を触るときの立入りの調整
  • 雨天・強風時の対応:外部作業は天候で止まるため、予備日を見込んだ工程

窓の改修は、お客さまやテナントの生活空間・仕事空間に直接関わります。ここが想定どおり進まないと、工期が延び、結果として工事費も営業損失も膨らみます。省エネ性能の数字が良くても、運営への影響が大きすぎる計画は、オーナーさまの利益を損ないます。

だからこそ、補助金の応募準備と並行して、施工会社に現地を見てもらい、営業への影響まで含めた工程案を出してもらうことをおすすめします。外壁や窓まわりの劣化状況の調査には、ドローンを使う方法もあります(ドローン調査のご紹介)。雨漏りや漏水が気になる場合は漏水対策のご紹介もご参照ください。

応募前に確認したい6つのチェックポイント

ここまでの内容を、応募前のチェックリストにまとめます。

番号 確認事項 確認先・方法
1 建物は非住宅として評価を受けるか(ホテルなどは個別確認) 評価事務局への問い合わせ
2 躯体・外皮の改修を含む計画か(断熱、窓、外壁など) 設計者・施工会社と調査
3 20%(外皮改修面積割合が20%超なら15%)以上の省エネ効果が見込めるか 設計者による省エネ計算
4 延べ面積2,000㎡以上か(該当すればLCCO₂評価が必要) 建物の登記・確認済証
5 事業費(省エネ+バリアフリー)が500万円以上か 見積りの取得
6 工事契約を採択日より前に結んでいないか。仮設費の扱いは確認したか 契約スケジュールの管理、事務局への問い合わせ

この6点のうち、特に1番(用途の確認)と6番(契約タイミングと仮設費の扱い)は、応募後に気づいても取り返しがつきません。

問い合わせ先は、評価事務局(既存建築物省エネ化推進事業(LCCO₂評価実施型)評価事務局)のメール、または国土交通省住宅局のお問い合わせ窓口です。連絡先は、公式の報道発表資料に記載されています(出典:国土交通省 報道発表資料)。

補助金に頼りすぎない判断も大切です|向かないケース

ここまで制度の良い面を中心にお話ししましたが、ご自身の建物に本当に合うかどうかは、冷静に見る必要があります。私が「この制度は向かないかもしれない」と考えるのは、次のようなケースです。

  • 応募までに調査・設計・算定が間に合わない場合:無理に急ぐと、省エネ効果の計算が甘くなり、採択後に計画が立ち行かなくなるおそれがあります。
  • 補助対象外の工事の比重が大きい場合:補助率は1/3で、対象外の費用は全額自己負担になります。
  • 工事を急ぐ必要がある場合:雨漏りなど、放置すると被害が広がる不具合があるなら、採択を待たずに必要な補修を先に行う判断もあります。
  • 採択されなかった場合の資金計画がない場合:不採択でも工事を進めるのか、延期するのかを、あらかじめ決めておく必要があります。

補助金は、あくまで「いずれやる改修を、より良い内容で、より負担を抑えて実現するための手段」です。補助金ありきで工事の内容を決めてしまうと、本来の建物の資産価値を高めるという目的を見失いかねません。

また、法令の面では、2025年4月1日から建築物省エネ法が改正され、全ての新築住宅・非住宅に省エネ基準への適合が義務付けられました。一方、既存建築物の修繕や模様替え(リフォーム・改修)は、この適合義務の対象外とされています(出典:神奈川県「令和7年(2025年)4月からの建築物省エネ法・建築基準法に関するお知らせ」)。既存ビルの省エネ改修は義務ではないぶん、補助金のような後押しが用意されている、と整理できます。

収益不動産の運用という観点では、収益不動産オーナーさま向けのご案内や、建物の価値を守る修繕の考え方もあわせてご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 第2回の応募期間はいつからいつまでですか?

A. 令和8年10月16日(金)から11月27日(金)までです。締切日の消印が有効とされています(出典:評価事務局 事業概要)。

Q2. 補助率と上限額はいくらですか?

A. 補助率は補助対象工事の1/3、補助限度額は1件あたり5,000万円(設備部分は2,500万円)です。バリアフリー改修を併せて行う場合は、その分を加算できる仕組みがあります(出典:国土交通省 事業概要(別紙))。

Q3. 分譲マンションの大規模修繕にも使えますか?

A. 対象は非住宅の建築物とされており、共同住宅は住宅に分類されるため、対象とならない可能性が高いと考えられます。個別のケースは評価事務局に確認してください。

Q4. 空調やLEDの更新だけでも応募できますか?

A. できません。躯体(壁・天井など)の省エネ改修を伴うことが要件で、高機能換気設備を設置する場合も、躯体または外皮の改修を伴う必要があります。

Q5. 応募の前に工事契約をしてしまったらどうなりますか?

A. 第1回のQ&Aでは、補助対象となるのは採択日以降に契約する工事等に限られるとされています。応募前や採択前の契約は、対象外となるおそれがありますので、事前に事務局へ確認してください。

Q6. 足場の費用は補助対象になりますか?

A. 第1回のQ&Aには、足場・仮設費用についての明確な記載が見当たりません。「省エネ改修工事の遂行に必要となる工事のみが対象」とされていますので、個別に事務局への確認が必要です。

Q7. 延べ面積2,000㎡未満の建物でも応募できますか?

A. 応募自体は可能とされています。延べ面積2,000㎡以上の大規模建築物では、ライフサイクルカーボン評価の実施と国への報告が求められる、という区分です。

この記事のポイントまとめ

  • 国土交通省が令和8年10月16日、省エネ改修の第2回提案募集を開始した(締切は11月27日)。
  • 補助率は1/3、上限は1件5,000万円(設備部分は2,500万円)。対象は非住宅の建築物。
  • 設備更新だけでは応募できず、躯体・外皮の改修を伴うことが要件。
  • 補助対象は採択日以降に契約する工事に限られるため、契約のタイミングに注意する。
  • 仮設費の扱いはQ&Aに記載が見当たらないため、事務局に個別確認する。

出典・参考資料


▼ロープアクセス工法・無足場工法の詳細解説はこちら
ロープアクセスドットコム|無足場工法専門メディア

建物の「殻」を整えて、省エネと快適さと資産価値を同時に高めていく。補助金は、そのきっかけのひとつに過ぎません。だからこそ私は、制度の締切に追われて判断を急ぐのではなく、建物の状態を正しく調べ、営業への影響まで含めた工程を描いてから、補助金を使えるかどうかを考える順番を大切にしたいと思っています。ビルやホテルの外壁・窓まわりの改修について、現地調査と概算のお見積りは無料で承っていますので、お問い合わせフォームから、ご相談だけでもお気軽にどうぞ。ビル・テナントビルのオーナーさま向けの提案はこちら、ホテルの改修はこちらでもご紹介しています。次回も、現場で本当に使える話だけをお届けします。


この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月18日


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小田原市のマンション管理計画認定制度|市への直接申請は不可・事前確認が必須【2026年度版】

結論:小田原市で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか

先に結論です。小田原市の管理計画認定は、国の基準を満たすマンションの管理計画を市が認定する制度です。市のページには「事前確認が必須のため、直接市に申請することはできません」と明記されています(出典:小田原市「マンションの管理計画認定制度」)。まず(公財)マンション管理センターの手続支援サービスなどで事前確認を受け、「事前確認適合証」を得てから申請する流れになります。

お金の面で押さえておきたいのは次の2点です。

正直に申し上げます。小田原市のページには、市への認定手数料の金額が書かれていませんでした。事前確認の費用についても「マンション管理センターへ問い合わせを」という案内にとどまっています。しかも、このページの最終更新日は2023年6月1日と古く、現行年度の運用がそのまま載っているとは言い切れません。金額を推測で書くことはしません。申請前に、市の都市政策課都市調整係(0465-33-1307)へ、手数料の有無と最新の取扱いをご確認ください。

私は東京都東大和市で会社を構え、首都圏のマンション大規模修繕に20年以上携わってきました。県西部の管理組合の理事長さま、理事の皆さまが読んだその日に動けるよう、認定主体、17要件、独自基準の扱い、申請ルート、経済効果、逆算スケジュールの順にお伝えします。

認定主体はどこか:小田原市が認定行政庁です

管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。管理組合の管理計画を審査して認定する役所を「認定行政庁」(認定の事務を担う自治体のこと)と呼びます。国土交通省の案内では、マンション管理適正化推進計画を策定した市と特別区が認定を担い、町村部は都道府県が担当するとされています(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。

小田原市は、令和6年8月に「小田原市マンション管理適正化推進計画」を公表しています。計画では、市全域を対象に管理計画の認定を行うこと、令和5年4月から認定制度の運用を開始することが書かれています。計画期間は令和5年度から令和12年度までの8年間です(出典:小田原市マンション管理適正化推進計画(PDF))。

つまり、小田原市のマンションは神奈川県ではなく、市が窓口です。窓口は都市部の都市政策課都市調整係(電話0465-33-1307)です。県の資料や、他の市の記事を読んで安心せず、必ず小田原市のページを確認してください。これは、お話を聞いていて私が一番よく見かける取り違いです。

認定は5年ごとの更新制です。更新しないと効力を失い、計画を変更した場合は再申請が必要になります(出典:前掲の推進計画)。取って終わりではなく、5年後の更新まで含めて組合の仕事だと考えておくと、理事の引き継ぎもしやすくなります。

認定17要件:理事会が確認しやすい順に整理する

国が定める認定基準は、5つの分野に17項目あります。管理組合の運営、管理規約、管理組合の経理、長期修繕計画の作成及び見直し等、その他です(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定の基準」(PDF))。なお、小田原市の案内ページには「16項目」という古い表記が残っています。現行の国の基準は17項目ですので、申請前に最新の様式で確認してください。

管理組合の運営・管理規約・経理

管理者等(理事長など)が定まっていて、監事が選任され、総会が年1回以上開かれていることが基本です。規約には、災害時などに専有部分へ立ち入れる定めと、修繕履歴の管理、財務・管理情報の書面交付の定めが要ります。

経理は、管理費と修繕積立金を区分して経理していること、修繕積立金会計から他の会計への貸付がないことが条件です。さらに、3か月以上の滞納額が全体の1割以内に収まっている必要があります。

認定の準備で、まず確認していただきたいのは総会の議事録です。議事録の残し方が薄い組合は、そこから整えるのが近道です。

長期修繕計画の作成及び見直し等

もっとも手間のかかる分野で、6項目あります。

  • 国の標準様式に準拠した長期修繕計画と、それに基づく修繕積立金の額が、総会で決議されていること
  • 計画の作成または見直しが7年以内であること
  • 計画期間が30年以上で、残りの期間に大規模修繕工事が2回以上含まれること
  • 将来の一時金の徴収を予定していないこと
  • 修繕積立金の平均額が、著しく低額でないこと
  • 計画期間の最終年度に、借入金の残高がないこと

その他:名簿の整備

組合員名簿と居住者名簿を備え、年1回以上確認していることが求められます。

築30年超の建物で計画が古いとき、現場で起きること

認定準備が止まる一番の理由は、長期修繕計画が古いことです。資材費や人件費の上昇を織り込まず、10年以上前の数字のままという組合は少なくありません。

以前、神奈川県内で築30年を超えたマンションの理事会に呼ばれたことがあります。理事長さまは「積立金は足りているはず」とおっしゃっていましたが、計画は長く見直されていませんでした。見直しのついでに工法を比べました。10階建て、外周80m、工期3か月という条件の試算で、仮設足場が約168万円、ロープアクセス工法を併用した場合は約59万円、差額は約109万円でした。建物の形や立地、隣地との距離で大きく変わりますので、あくまで一つの目安です。それでも、数字を見て理事の皆さまの表情が変わった瞬間を、私は今でも覚えています。

足場を使わない工法については、明誠のロープアクセス工法の詳細ページで整理しています。作業員はメインロープとバックアップロープの2本に接続して作業します。大規模修繕の進め方と安全管理は大規模修繕工事の安全管理と進め方に、技術や訓練の詳細は姉妹サイトのロープアクセスドットコムにまとめています。

独自基準の扱い:市のページには国の基準しか書かれていません

小田原市のページには、市独自の基準は掲載されていません。推進計画にも、認定基準は国の基本方針によると書かれています。ただし、推進計画では市の管理適正化指針も認定基準の一つとして位置づけられています。そのため、指針の内容を読んでおくことをおすすめします。

「記載がない」ことと「ない」ことは同じではありません。実務への影響を三つにまとめます。

  1. 申請書類は、手続支援システムへのアップロードが中心です。まずは国の17項目への適合を、事前確認で固めてください
  2. 事前確認では、地方公共団体独自の基準は確認の対象外です(出典:マンション管理センターの案内)。市独自の項目があるかどうかは、市に直接たずねる必要があります
  3. 標準処理期間、認定後の公表の扱いも、市のページには詳しい記載がありません。有効期間は法律上5年で、更新が必要です

神奈川県内でも、市によって手数料や運用は違います。他市の記事や資料をそのまま当てはめず、小田原市のページと担当課で確認してください。

手数料と申請ルート:事前確認が必須、市への直接申請はできない

小田原市の標準ルート

市のページによると、流れは次のとおりです(出典:小田原市「マンションの管理計画認定制度」)。

  1. 管理組合の集会(総会)で、管理計画認定の申請に関する決議を得る
  2. 事前確認講習を修了したマンション管理士などに、国の認定基準への適合を確認してもらう
  3. 基準に適合すると、「事前確認適合証」が発行される
  4. 管理計画認定手続支援サービスの電子システムで、市へ申請する
  5. 市から認定通知書が発行される

総会決議がないと、事前確認そのものを受けられません。決議の議案書づくりが、事実上の最初の山場です。

事前確認の依頼先と費用

市のページが案内している依頼先は4つです。マンション管理センターの案内では、申請のパターンは次のように整理されています。

パターン 依頼先 事前確認審査料
① 事前確認講習を修了したマンション管理士 管理組合とマンション管理士が取り決める
② 管理会社(マンション管理適正評価制度と同時申請) 管理組合と依頼先が取り決める
③ 日本マンション管理士会連合会(診断サービスと同時申請) 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)
④ マンション管理センターへ直接申込 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)
⑤ 管理組合が自治体へ直接申請(事前確認なし) 事前確認は行われない

システム利用料は、1申請あたり10,000円(税込)です。地方公共団体が手数料を定めている場合は、別途その団体に支払うとセンターは案内しています。小田原市は⑤の直接申請ができないとページに明記していますので、①〜④から選ぶことになります。

事前確認を行えないのは、対象マンションの管理者等、監事、区分所有者、担当の管理会社の社員です。申請は、申請者本人か行政書士の代理人が、電子システムで行います。

手数料の考え方:見積もりに「市の分」を含めておく

センター直接申込なら、システム利用料と審査料で合計20,000円ほどが目安です。市への手数料が別にかかる場合は、その分を足します。専門家に長期修繕計画の見直しや規約の改正を頼む費用は、さらに別です。予算を組む理事会では、この三つを分けて見積もるのが安全です。

認定の3つの経済効果:税・住宅ローン・債券

1. マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)

長寿命化に役立つ大規模修繕工事を行ったマンションについて、工事の翌年度の建物部分の固定資産税を減額する制度です。減額割合は自治体ごとに違います。小田原市の案内では、居住用部分の固定資産税の2分の1が減額され、対象は住宅1戸あたり100㎡相当分までです。都市計画税は対象になりません(出典:小田原市「長寿命化に資する大規模修繕等を行ったマンションに係る固定資産税の減額制度」、ページ更新日2025年4月10日)。

国の資料では、減額割合は6分の1から2分の1の範囲で市町村条例が定めます。同じ神奈川県内でも、茅ヶ崎市は3分の1、小田原市は2分の1と差があります。他市の数字をそのまま使わないようにしてください。

主な要件は次のとおりです。

  • 新築から20年以上経過した、総戸数10戸以上のマンションであること
  • 過去に1回以上、外壁塗装等・床防水・屋根防水の長寿命化工事を適切に行っていること
  • 長寿命化工事に必要な修繕積立金が確保されていること。管理計画認定マンションで、認定基準に合わせて令和3年9月1日以降に積立額を引き上げた場合などが該当する
  • 令和5年4月1日から令和9年3月31日までに、工事を完了すること
  • 申告は、工事完了から3か月以内

押さえたいのは期限です。国土交通省の資料でも、工事の完了日は2027年3月31日までと整理されています(出典:国土交通省「管理計画認定のメリット」(PDF)、令和8年4月1日現在)。市のページの更新日は2025年4月と前年度以前のものですので、申請前に資産税課家屋評価係(0465-33-1371)へ最新の運用を確認してください。省エネ、バリアフリー、耐震改修に係る固定資産税の減額制度とは併用できません。

2. 【フラット35】の金利引下げ

管理計画認定マンションの住戸を購入する方が使える住宅ローンの優遇で、当初5年間、年0.25%の引下げです(出典:国土交通省の前掲資料)。売る側にとっても、認定済みであることは、買い手に選ばれる理由になり得ます。

3. マンションすまい・る債と共用部リフォーム融資

マンションすまい・る債は、管理組合が修繕積立金を運用する債券です。国土交通省の資料では、認定マンションは年2.1%、認定を受けていないマンションは年2.0%(10年満期時の利率、税引前)で、差は0.1ポイントです。私が管理組合の皆さまに説明するときは、この差を「積立金を預けるだけで毎年生まれる余白」とお伝えしています。5,000万円を満期まで保有した場合、受取利息は約50万円多くなる計算です。

ただし、令和8年度の応募受付期間は2026年4月13日から10月9日で、すでに終わっています。次の募集時期や利率は、住宅金融支援機構の案内で確認してください。共用部分リフォーム融資は、国の資料で全期間年0.20%の引下げとして整理されていますが、適用条件は住宅金融支援機構の案内や窓口で確認してください。

数字で見る経済効果のイメージ

仮に総額5,000万円の大規模修繕なら、仮設足場は総工費の15〜25%(750万〜1,250万円)が目安で、外壁塗装は1㎡あたり3,500〜4,500円がレンジです。物件ごとに大きく変わります。工法で足場の比率を下げ、制度で税や金利の負担を下げる。私はこれを「二段構え」と呼んでいます。

株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。通常足場、ロープアクセス、両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つから、建物に合う工法をご提案できます。

費用の考え方は大規模修繕の料金の考え方に、管理組合の方向けの内容は管理組合さま向けの大規模修繕サービスにまとめています。フランチャイズ加盟企業の取り組みは、ロープアクセスドットコムでも公開しています。

令和9年4月の制度改正にも目を向けておく

国土交通省のページによると、令和9年4月1日に制度が拡充され、分譲事業者が販売時に管理計画を作成して管理組合へ引き継ぐ仕組みが加わります。申請日が令和9年4月1日以降の場合は、見直し後の認定基準が適用されます。根拠となる省令・告示は令和8年7月31日に公布されています(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。経過措置の詳細は、同ページにリンクされたPDFで確認できます。

令和9年3月までに申請するか、4月以降にするかで、適用される基準や様式が変わり得ます。固定資産税の減額も令和9年3月31日が工事完了の期限ですので、小田原市の管理組合にとっては、令和9年3月が一つの分かれ目です。

逆算スケジュール(令和8年10月起点)

認定に絞った逆算です。工事まで同時に進める組合は、半年では足りないことが多いです。

時期の目安 やること
令和8年10月 理事会で認定の方針を共有。長期修繕計画の作成時期、規約・名簿・会計の現状を確認。市の都市政策課へ手数料と最新の取扱いを確認
令和8年11月 長期修繕計画が7年以内でなければ、見直しを依頼。事前確認の依頼先(パターン①〜④)を決める
令和8年12月 臨時総会で、認定申請、長期修繕計画と修繕積立金額、必要な規約改正を決議
令和9年1月 書類を電子化してシステムへ入力・アップロード。事前確認を受け、適合証を受け取る
令和9年2〜3月 本申請。市の確認を経て認定通知書を受け取る

固定資産税の減額を使いたい場合は、令和9年3月31日までに工事を終える必要があります。私はいつも理事長さまに、「期限に合わせて中身を急ぐより、建物の状態を優先しましょう」とお伝えしています。期限に間に合わなくても、認定そのものは住宅ローンや資産価値の面で意味があります。

まとめと、今週動くこと3点

小田原市の管理計画認定は、市が認定しますが、事前確認が必須で、市への直接申請はできません。独自基準の記載は市のページになく、国の17項目への適合が中心です。市への手数料の金額は、市のページでは確認できませんでしたので、問い合わせが必要です。固定資産税の減額は2分の1で、令和9年3月31日までの工事完了が条件です。

今週、理事会で動いていただきたいことは次の3点です。

  1. 長期修繕計画の作成日と、直近の総会議事録、名簿の整備状況を確認する
  2. 小田原市都市政策課都市調整係(0465-33-1307)へ、市への手数料、独自基準、標準処理期間を問い合わせる
  3. 固定資産税の減額が気になる場合は、資産税課家屋評価係(0465-33-1371)へ、自分の建物が条件に当てはまるか確認する

十月のうちに理事会で数分でもこの話題を出していただければ、年内の総会決議が現実的になります。令和9年3月が一つの分かれ目です。どこから手をつければよいか迷われたら、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。明誠へのお問合せフォームからどうぞ。これまでの明誠の施工事例もご覧いただけます。

よくあるご質問

Q. 小田原市の管理計画認定に、市へ払う手数料はいくらですか?

A. 市のホームページでは金額を確認できませんでした。システム利用料は1申請あたり10,000円(税込)、事前確認審査料はセンター直接申込なら1計画あたり10,000円(税込)です。市への手数料は、都市政策課都市調整係(0465-33-1307)へご確認ください。

Q. 小田原市に独自の認定基準はありますか?

A. 市のページに掲載されているのは国の認定基準で、独自基準の記載は見つかりませんでした。ただし、市の管理適正化指針も認定基準の一つとされていますので、内容を市に確認することをおすすめします。

Q. 神奈川県に申請すればよいのでしょうか?

A. いいえ。小田原市のマンションは、市が認定の窓口です。県が担当するのは町村部のマンションです。

Q. 管理組合が市に直接申請することはできますか?

A. できません。市のページには「事前確認が必須のため、直接市に申請することはできません」と書かれています。事前確認適合証を取ってから申請します。

Q. 固定資産税はどれくらい減りますか?

A. 小田原市では、居住用部分の固定資産税の2分の1が減額されます。対象は住宅1戸あたり100㎡相当分までです。築20年以上、10戸以上、過去に長寿命化工事を実施済みで、令和9年3月31日までに工事が完了していることなどが条件です。申告は工事完了から3か月以内です。

Q. 認定の有効期間はどのくらいですか?

A. 法律上、5年ごとの更新が必要です。更新しないと効力を失います。計画を変更した場合は再申請が必要で、有効期間は延長されません(出典:小田原市マンション管理適正化推進計画)。

Q. 長期修繕計画が古い場合、どうすればよいですか?

A. 作成や見直しが7年以内であることが要件の一つです。まずは管理会社やマンション管理士に見直しを相談してください。見直しとあわせて、ロープアクセス工法を含めた工法の比較をすると、工事費の見え方が変わる場合があります。明誠では概算のご相談を承っています。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月17日


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本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月17日時点で公表されている小田原市および国土交通省・マンション管理センターの公式情報をもとに執筆しています。小田原市の管理計画認定制度のページは2023年6月1日の更新で、市への手数料の金額や最新の運用は記載がなく確認できませんでした。固定資産税減額の市のページは2025年4月10日更新で、前年度以前のものです。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず小田原市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

出典・参考資料

茅ヶ崎市のマンション管理計画認定制度|市の手数料は要確認・事前確認適合証ルートで申請【2026年度版】

結論:茅ヶ崎市で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか

先に結論です。茅ヶ崎市の管理計画認定は、国の認定基準を満たすマンションを市が認定する制度です。申請は、(公財)マンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」を通じて、事前確認、本申請の順に進めます(出典:茅ヶ崎市「マンション管理計画認定制度」、ページ更新日2026年9月18日)。

お金の面で押さえておきたいのは次の2点です。

  • 手続支援システムの利用には費用がかかります。マンション管理センターの案内では、システム利用料は1申請あたり10,000円(税込)です
  • 事前確認審査料は、センターへ直接申し込む場合などで、長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)です(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)

正直に申し上げます。茅ヶ崎市のホームページと、市が掲載しているチラシからは、市への認定手数料の金額を確認できませんでした。神奈川県は町村部の認定について「当面無料」としていますが、これは県の話で、市の取扱いとは別です(出典:神奈川県「マンション管理計画認定制度」、更新日2026年4月10日)。金額を推測で書くことはしません。申請前に、市の都市政策課住宅政策担当(0467-81-7181)へ、手数料の有無と納付方法をご確認ください。

私は東京都東大和市で会社を構え、首都圏のマンション大規模修繕に20年以上携わってきました。湘南エリアの管理組合の理事長さま、理事の皆さまが読んだその日に動けるよう、認定主体、17要件、独自基準の扱い、申請ルート、経済効果、逆算スケジュールの順にお伝えします。

認定主体はどこか:茅ヶ崎市が窓口です

管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。管理組合の管理計画を審査して認定する役所を「認定行政庁」(認定の事務を担う自治体のこと)と呼びます。国土交通省の案内では、市と特別区のうちマンション管理適正化推進計画をつくった自治体が認定を担い、町村部は都道府県が担当するとされています(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。

神奈川県のページでは、県が認定するのは県内の町村部にある分譲マンションで、市部のマンションは各市に問い合わせるよう書かれています。茅ヶ崎市は市ですので、県ではなく市が窓口です。市のページにも「国の定める認定基準を満たし、適切な管理が行われているマンションの管理計画を市が認定する制度」と明記されています。

窓口は、市役所本庁舎3階の都市政策課住宅政策担当です。電話は0467-81-7181、市役所の代表は0467-82-1111です。市のホームページには問い合わせフォームもあります。

なお、神奈川県が公開している手引きは、町村部のマンションを対象にしたものです。県の手引きには「市部では基準や取扱いが異なる場合もある」と書かれています。県のページを読んで安心せず、必ず茅ヶ崎市の手引きを確認してください。これは、お話を聞いていて私が一番よく見かける取り違いです。

認定17要件:理事会が確認しやすい順に整理する

国が定める認定基準は、5つの分野に17項目あります。管理組合の運営、管理規約、管理組合の経理、長期修繕計画の作成及び見直し等、その他です(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定の基準」(PDF))。

管理組合の運営・管理規約・経理

管理者等(理事長など)が定まっていて、監事が選任され、総会が年1回以上開かれていることが基本です。規約には、災害時などに専有部分へ立ち入れる定めと、修繕履歴の管理、財務・管理情報の書面交付の定めが要ります。

経理は、管理費と修繕積立金を区分して経理していること、修繕積立金会計から他の会計への貸付がないことが条件です。さらに、3か月以上の滞納額が全体の1割以内に収まっている必要があります。

認定の準備で、まず確認していただきたいのは総会の議事録です。議事録の残し方が薄い組合は、そこから整えるのが近道です。

長期修繕計画の作成及び見直し等

もっとも手間のかかる分野で、6項目あります。

  • 国の標準様式に準拠した長期修繕計画と、それに基づく修繕積立金の額が、総会で決議されていること
  • 計画の作成または見直しが7年以内であること
  • 計画期間が30年以上で、残りの期間に大規模修繕工事が2回以上含まれること
  • 将来の一時金の徴収を予定していないこと
  • 修繕積立金の平均額が、著しく低額でないこと
  • 計画期間の最終年度に、借入金の残高がないこと

その他:名簿の整備

組合員名簿と居住者名簿を備え、年1回以上確認していることが求められます。

海に近い建物で計画が古いとき、現場で起きること

認定準備が止まる一番の理由は、長期修繕計画が古いことです。資材費や人件費の上昇を織り込まず、10年以上前の数字のままという組合は少なくありません。

以前、海に近いエリアで築30年を超えたマンションの理事会に呼ばれたことがあります。潮風の影響で、バルコニー手すりや鉄部の傷みが早い建物でした。理事長さまは「積立金は足りているはず」とおっしゃっていましたが、計画は長く見直されていませんでした。見直しのついでに工法を比べました。10階建て、外周80m、工期3か月という条件の試算で、仮設足場が約168万円、ロープアクセス工法を併用した場合は約59万円、差額は約109万円でした。建物の形や立地、隣地との距離で大きく変わりますので、あくまで一つの目安です。それでも、数字を見て理事の皆さまの表情が変わった瞬間を、私は今でも覚えています。

足場を使わない工法については、明誠のロープアクセス工法の詳細ページで整理しています。作業員はメインロープとバックアップロープの2本に接続して作業します。大規模修繕の進め方と安全管理は大規模修繕工事の安全管理と進め方に、技術や訓練の詳細は姉妹サイトのロープアクセスドットコムにまとめています。

独自基準の扱い:市のページには国の基準しか書かれていません

茅ヶ崎市のページを読む限り、記載されているのは「国の定める認定基準」だけで、市独自の上乗せ基準についての記載は見つかりませんでした。県も、県独自の基準はないとしています。

ただし「記載がない」ことと「ない」ことは同じではありません。実務への影響を三つにまとめます。

  1. 申請書類は、手続支援システムへのアップロードが中心です。まずは国の17項目への適合を、事前確認で固めてください
  2. 事前確認では、地方公共団体独自の基準は確認の対象外です(出典:マンション管理センターの案内)。市独自の項目があるかどうかは、市に直接たずねる必要があります
  3. 標準処理期間、認定の有効期間、一覧の公表の扱いも、市のページには記載がありません。有効期間は法律上5年で、更新が必要です(出典:神奈川県の手引き)

神奈川県内でも、市によって手数料や運用は違います。他市の記事や資料をそのまま当てはめず、茅ヶ崎市の手引き(市のページからダウンロードできます)で確認してください。

手数料と申請ルート:事前確認適合証を取ってから、同じシステムで本申請

茅ヶ崎市の標準ルート

市のページによると、流れは次のとおりです(出典:茅ヶ崎市「マンション管理計画認定制度」)。

  1. 総会(臨時総会を含む)で、管理計画認定の申請を決議する
  2. マンション管理センターの手続支援サービスで、事前確認を受ける。マンション管理士が国の基準への適合を確認する
  3. 基準に適合すると、センターから「事前確認適合証」が発行される
  4. 通知メールを受け取ったあと、同じサービスで本申請をする。市が内容を確認する
  5. 市から認定通知書が発行される
  6. 希望した場合は、マンション管理センターのホームページで認定が公表される

総会決議がないと、事前確認そのものを受けられません。決議の議案書づくりが、事実上の最初の山場です。

事前確認の依頼先と費用

マンション管理センターの案内では、申請のパターンは5つあります。

パターン 依頼先 事前確認審査料
① 事前確認講習を修了したマンション管理士 管理組合とマンション管理士が取り決める
② 管理会社(マンション管理適正評価制度と同時申請) 管理組合と依頼先が取り決める
③ 日本マンション管理士会連合会(診断サービスと同時申請) 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)
④ マンション管理センターへ直接申込 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)
⑤ 管理組合が自治体へ直接申請(事前確認なし) 事前確認は行われない

システム利用料は、1申請あたり10,000円(税込)です。地方公共団体が手数料を定めている場合は、別途その団体に支払うとセンターは案内しています。茅ヶ崎市のページはパターン①〜④にあたる事前確認ルートを説明しており、⑤の直接申請が可能かどうかは、市に確認してください。

事前確認を行えないのは、対象マンションの管理者等、監事、区分所有者、担当の管理会社の社員です。申請は、申請者本人か行政書士の代理人が、電子システムで行います。

手数料の考え方:見積もりに「市の分」を含めておく

センター直接申込なら、システム利用料と審査料で合計20,000円ほどが目安です。市への手数料が別にかかる場合は、その分を足します。専門家に長期修繕計画の見直しや規約の改正を頼む費用は、さらに別です。予算を組む理事会では、この三つを分けて見積もるのが安全です。

認定の3つの経済効果:税・住宅ローン・債券

1. マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)

長寿命化に役立つ大規模修繕工事を行ったマンションについて、工事の翌年度の建物部分の固定資産税を減額する制度です。ここは自治体ごとに減額割合が違います。茅ヶ崎市の案内では、減額割合は3分の1で、対象は住宅1戸あたり100㎡相当分までです。都市計画税は対象になりません(出典:茅ヶ崎市「長寿命化に資する大規模修繕工事を行ったマンションの固定資産税減額」、ページ更新日令和7年4月1日)。

国の資料では、減額割合は6分の1から2分の1の範囲で市町村条例が定め、参酌基準(目安)は3分の1です。東京23区は2分の1ですが、茅ヶ崎市は3分の1と、自治体によって差があります。東京の記事の数字をそのまま使わないようにしてください。

主な要件は次のとおりです。

  • 居住用の専有部分があり、新築から20年以上経過した10戸以上のマンションであること
  • 過去に大規模修繕工事を1回以上、適切に行っていること
  • 長寿命化工事に必要な修繕積立金が確保されていること。管理計画認定マンションで認定時に積立金を引き上げた場合などが該当する
  • 令和5年4月1日から令和9年3月31日までに、工事を実施すること
  • 申告は、工事完了から3か月以内

押さえたいのは期限です。国土交通省の資料でも、工事の完了日は2027年3月31日までと整理されています(出典:国土交通省「管理計画認定のメリット」(PDF)、令和8年4月1日現在)。市のページの更新日は令和7年4月1日と前年度のものですので、申請前に資産税課家屋評価担当(0467-81-7142)へ最新の運用を確認してください。省エネ、バリアフリー、耐震改修に係る固定資産税の減額制度とは併用できません。

2. 【フラット35】の金利引下げ

管理計画認定マンションの住戸を購入する方が使える住宅ローンの優遇で、当初5年間、年0.25%の引下げです(出典:国土交通省の前掲資料)。売る側にとっても、認定済みであることは、買い手に選ばれる理由になり得ます。

3. マンションすまい・る債と共用部リフォーム融資

マンションすまい・る債は、管理組合が修繕積立金を運用する債券です。国土交通省の資料では、認定マンションは年2.1%、認定を受けていないマンションは年2.0%(10年満期時の年平均利率、税引前)で、差は0.1ポイントです。私が管理組合の皆さまに説明するときは、この差を「積立金を預けるだけで毎年生まれる余白」とお伝えしています。5,000万円を満期まで保有した場合、受取利息は約50万円多くなります。

ただし、令和8年度の応募受付期間は2026年4月13日から10月9日で、すでに終わっています。次の募集時期や利率は、住宅金融支援機構の案内で確認してください。共用部分リフォーム融資は、国の資料で全期間年0.20%の引下げとして整理されていますが、適用条件は住宅金融支援機構の案内や窓口で確認してください。

数字で見る経済効果のイメージ

仮に総額5,000万円の大規模修繕なら、仮設足場は総工費の15〜25%(750万〜1,250万円)が目安で、外壁塗装は1㎡あたり3,500〜4,500円がレンジです。物件ごとに大きく変わります。工法で足場の比率を下げ、制度で税や金利の負担を下げる。私はこれを「二段構え」と呼んでいます。

株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。通常足場、ロープアクセス、両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つから、建物に合う工法をご提案できます。

費用の考え方は大規模修繕の料金の考え方に、管理組合の方向けの内容は管理組合さま向けの大規模修繕サービスにまとめています。フランチャイズ加盟企業の取り組みは、ロープアクセスドットコムでも公開しています。

令和9年4月の制度改正にも目を向けておく

国土交通省のページによると、分譲事業者が販売時に管理計画の認定を申請し、管理組合へ引き継ぐ仕組みが加わります。令和9年4月1日以降に自治体へ申請する場合は、見直し後の認定基準で審査されます(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。経過措置の詳細は、同ページにリンクされたPDFで確認できます。

令和9年3月までに申請するか、4月以降にするかで、適用される基準や様式が変わり得ます。固定資産税の減額も令和9年3月31日が工事完了の期限ですので、茅ヶ崎市の管理組合にとっては、令和9年3月が一つの分かれ目です。

逆算スケジュール(令和8年10月起点)

認定に絞った逆算です。工事まで同時に進める組合は、半年では足りないことが多いです。

時期の目安 やること
令和8年10月 理事会で認定の方針を共有。長期修繕計画の作成時期、規約・名簿・会計の現状を確認。市の手引きと手数料の扱いを確認
令和8年11月 長期修繕計画が7年以内でなければ、見直しを依頼。事前確認の依頼先(パターン①〜④)を決める
令和8年12月 臨時総会で、認定申請、長期修繕計画と修繕積立金額、必要な規約改正を決議
令和9年1月 書類を電子化してシステムへ入力・アップロード。事前確認を受け、適合証を受け取る
令和9年2〜3月 通知メールを受けて本申請。市の確認を経て認定通知書を受け取る

固定資産税の減額を使いたい場合は、令和9年3月31日までに工事を終える必要があります。私はいつも理事長さまに、「期限に合わせて中身を急ぐより、建物の状態を優先しましょう」とお伝えしています。期限に間に合わなくても、認定そのものは住宅ローンや資産価値の面で意味があります。

まとめと、今週動くこと3点

茅ヶ崎市の管理計画認定は、市が認定し、事前確認適合証を取ってから同じシステムで本申請する流れです。独自基準の記載は市のページになく、国の17項目への適合が中心です。市への手数料の金額は、市のページでは確認できませんでしたので、問い合わせが必要です。固定資産税の減額は3分の1で、令和9年3月31日までの工事完了が条件です。

今週、理事会で動いていただきたいことは次の3点です。

  1. 長期修繕計画の作成日と、直近の総会議事録、名簿の整備状況を確認する
  2. 茅ヶ崎市都市政策課住宅政策担当(0467-81-7181)へ、市への手数料、独自基準、標準処理期間を問い合わせる
  3. 固定資産税の減額が気になる場合は、資産税課家屋評価担当(0467-81-7142)へ、自分の建物が条件に当てはまるか確認する

十月のうちに理事会で数分でもこの話題を出していただければ、年内の総会決議が現実的になります。令和9年3月が一つの分かれ目です。どこから手をつければよいか迷われたら、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。明誠へのお問合せフォームからどうぞ。これまでの明誠の施工事例もご覧いただけます。

よくあるご質問

Q. 茅ヶ崎市の管理計画認定に、市へ払う手数料はいくらですか?

A. 市のホームページとチラシでは金額を確認できませんでした。システム利用料は1申請あたり10,000円(税込)、事前確認審査料はセンター直接申込なら1計画あたり10,000円(税込)です。市への手数料は、都市政策課住宅政策担当(0467-81-7181)へご確認ください。

Q. 茅ヶ崎市に独自の認定基準はありますか?

A. 市のページに記載されているのは国の認定基準で、独自基準についての記載は見つかりませんでした。事前確認では地方公共団体の独自基準は対象外ですので、市への確認をおすすめします。

Q. 神奈川県に申請すればよいのでしょうか?

A. いいえ。県が認定するのは県内の町村部のマンションです。茅ヶ崎市のマンションは、市が認定の窓口です。

Q. 管理組合が市に直接申請することはできますか?

A. 市のページで案内されているのは、事前確認適合証を取ってから、同じ手続支援サービスで本申請する流れです。事前確認を行わない直接申請ができるかどうかは、市にご確認ください。

Q. 固定資産税はどれくらい減りますか?

A. 茅ヶ崎市では、固定資産税額の3分の1が減額されます。対象は住宅1戸あたり100㎡相当分までです。築20年以上、10戸以上、過去に大規模修繕を実施済みで、令和9年3月31日までに工事が完了していることなどが条件です。申告は工事完了から3か月以内です。

Q. 認定の有効期間はどのくらいですか?

A. 法律上、5年ごとの更新が必要です。更新しないと効力を失います。更新時には総会で改めて決議し、書類も出し直します(出典:神奈川県の手引き)。市の手引きで、具体的な手続を確認してください。

Q. 長期修繕計画が古い場合、どうすればよいですか?

A. 作成や見直しが7年以内であることが要件の一つです。まずは管理会社やマンション管理士に見直しを相談してください。見直しとあわせて、ロープアクセス工法を含めた工法の比較をすると、工事費の見え方が変わる場合があります。明誠では概算のご相談を承っています。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月17日


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本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月17日時点で公表されている茅ヶ崎市および国土交通省・神奈川県・マンション管理センターの公式情報をもとに執筆しています。茅ヶ崎市の管理計画認定制度のページは2026年9月18日更新ですが、市への手数料の金額、独自基準、有効期間は記載がなく確認できませんでした。固定資産税減額の市のページは令和7年4月1日更新で、前年度のものです。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず茅ヶ崎市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

出典・参考資料

中野区のマンション管理計画認定制度|区の手数料は4,100円・独自基準なしで国の基準どおり【2026年度版】

結論:中野区で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか

先に結論です。中野区の管理計画認定は、区への手数料が基本4,100円です。長期修繕計画が1つ増えるごとに1,800円が加算されます。区が独自の上乗せ基準を設けていないため、申請の中身は国の基準どおりです(出典:中野区「マンション管理計画認定制度」、ページ更新日2026年7月15日)。

区の手数料のほかに、手続の支援サービスにかかる費用が別途発生します。目安を整理します。

  • 中野区への申請手数料:基本4,100円(長期修繕計画が1つの場合)。区発行の納付書で納めます
  • システム利用料:1申請あたり10,000円(税込)
  • 事前確認審査料:(公財)マンション管理センターへ直接申し込む場合などは、長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)

センター直接申込なら、合計で24,100円ほどが目安です(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。長期修繕計画の見直しや規約改正を専門家に頼む費用は、別にかかります。

私は東京都東大和市で会社を構え、首都圏のマンション大規模修繕に20年以上携わってきました。中野区の理事長さま、理事の皆さまが読んだ日に動けるよう、認定主体、17要件、独自基準の有無、申請ルート、経済効果、逆算スケジュールの順にお伝えします。

認定主体はどこか:中野区が窓口です

管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。管理組合の管理計画を審査して認定する役所を「認定行政庁」(認定の事務を担う自治体のこと)と呼びます。国土交通省の案内では、マンション管理適正化推進計画をつくった市と特別区が認定を担い、町村部は都道府県が担当します(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。

中野区は特別区ですので、認定を行うのは区です。区のページでも、申請は区に行い、区が審査すると案内されています。中野区での制度開始は令和5年8月1日でした。窓口は、都市基盤部住宅課の住宅政策係です(中野区役所9階)。電話は、区の「すまいのしおり 分譲マンション編」(令和7年3月発行)に03-3228-5564と載っています。手引きには別の直通番号が載っていたため、おかけになる前に区のページで最新の番号をご確認ください。

もう一つ押さえたいのは、区の指針との関係です。国の基準の17項目のうち、最後の項目は「地方公共団体のマンション管理適正化指針に照らして適切であること」です。中野区は独自の上乗せ基準こそありませんが、この項目で「中野区分譲マンション管理適正化指針」への適合が確認されます。国の基準に沿って管理を整えていれば、通常は大きな壁にはなりません。ただ、申請の前に指針へ一度目を通しておくと安心です。

認定17要件:理事会が確認しやすい順に整理する

国が定める認定基準は、5つの分野に17項目あります。管理組合の運営、管理規約、管理組合の経理、長期修繕計画の作成及び見直し等、その他です(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定の基準」(PDF))。中野区はこの17項目をそのまま使います。

管理組合の運営・管理規約・経理

管理者等(理事長など)と監事が選任され、総会が年1回以上開かれていることが基本です。規約には、災害時などに専有部分へ立ち入れる定め、修繕履歴の管理、財務・管理情報の書面交付の定めが要ります。経理は、管理費と修繕積立金を区分していること、修繕積立金を他の会計へ流用していないこと、3か月以上の滞納が直前の事業年度末で全体の1割以内であることが条件です。

議事録の残し方が薄い組合は、まずそこから整えるのが近道です。私はいつもそうお伝えしています。

長期修繕計画の作成及び見直し等

もっとも手間のかかる分野で、6項目あります。

  • 国の標準様式に準拠した長期修繕計画と、それに基づく修繕積立金の額が、総会で決議されていること
  • 計画の作成または見直しが7年以内であること
  • 計画期間が30年以上で、残りの期間に大規模修繕工事が2回以上含まれること
  • 将来の一時金の徴収を予定していないこと
  • 修繕積立金の平均額が、著しく低額でないこと
  • 計画期間の最終年度に、借入金の残高がないこと

その他

組合員名簿と居住者名簿を備え、年1回以上確認していることです。もう一つが、先ほどの適正化指針への適合です。

現場で見る「計画の古さ」と足場費の考え方

認定準備が止まる一番の理由は、長期修繕計画が古いことです。資材費や人件費の上昇を織り込まず、10年以上前の数字のままという組合は少なくありません。

以前、中野区のように低層から中層のマンションが住宅地に混在する地域で、築30年を超えたマンションの理事会に呼ばれたことがあります。理事長さまは「積立金は足りているはず」とおっしゃっていましたが、計画は長く動いていませんでした。見直しのついでに工法を比べると、10階建て、外周80m、工期3か月ほどという条件の試算で、仮設足場が約168万円、ロープアクセス工法を併用した場合は約59万円、差額は約109万円でした。建物の形や立地、隣地との距離で大きく変わりますので、あくまで一つの目安です。それでも、理事の皆さまの表情が変わった瞬間を、私は今でも覚えています。

足場を使わないロープアクセス工法については、明誠のロープアクセス工法の詳細ページで整理しています。作業員はメインロープとバックアップロープの2本に接続し、2点以上の吊元を確保して作業します。大規模修繕の進め方と安全管理は大規模修繕工事の安全管理と進め方に、技術や訓練の詳細は姉妹サイトのロープアクセスドットコムにまとめています。

独自基準の有無と実務への影響:中野区に独自の上乗せ基準はありません

中野区の記事でお伝えしたい大事な点です。区のページには、中野区は国の基準以外に独自の基準を設けていない、と書かれています。東京都内では、渋谷区のように防災やコミュニティ活動の項目を上乗せする区もあります。中野区はそうした項目がないため、国の17項目を満たせば足ります。

実務への影響を三つにまとめます。

  1. 区独自の申出書や防災マニュアルの提出は、区のページの手順には出てきません。申請書類は、手続支援サービスの入力が中心になります
  2. 事前確認適合証を取れた時点で、国の基準への適合は確認済みです。そのあとの区の審査は、書類の整合や指針への適合の確認が中心だと、私は受け止めています
  3. 基準が一律ですので、他の区で準備した経験や資料がそのまま使えます。長期修繕計画の見直しに集中できます

ただし、独自基準がないことと、手間が少ないことは別の話です。17項目のうち長期修繕計画の分野で止まる組合が大半です。区の手引きは令和5年12月の最終改定版で、現行の令和8年度の運用は区のページ(更新日2026年7月15日)が最新です。申請の直前には、住宅課へ最新の運用を確認してください。標準処理期間は、区のページにも手引きにも記載がありませんでした。

手数料と申請ルート:事前確認適合証を取ってから、オンラインで区へ申請します

中野区の標準ルート

区のページによると、流れは次のとおりです(出典:中野区「マンション管理計画認定制度」)。

  1. 必要に応じて、区へ事前相談をする
  2. 総会で、管理計画認定の申請を決議する
  3. マンション管理センターの手続支援サービスで事前確認を受け、適合すれば「事前確認適合証」を受け取る
  4. 同じサービスからオンラインで中野区へ申請し、区発行の納付書で手数料を納める
  5. 審査で適合すれば、認定通知書が交付される

大事な注意が一つあります。区のページには、オンラインで申請を送るだけでは新規・更新の申請は完了せず、納付書で手数料を納めて初めて完了すると書かれています。納め忘れの失効を防ぐため、担当の理事さんを決めておくとよいです。

変更の申請は、手続支援サービスのオンラインでは出せません。郵送か窓口での提出になります。変更の手数料は項目によって違い、たとえば管理組合の運営に関する変更は基本4,800円に加算2,600円、長期修繕計画の変更は基本9,800円に加算5,200円です。

事前確認の依頼先と費用

パターン 依頼先 事前確認審査料
① 事前確認講習を修了したマンション管理士 管理組合とマンション管理士が取り決める
② 管理会社(マンション管理適正評価制度と併せて) 管理組合と依頼先が取り決める
③ 日本マンション管理士会連合会(診断サービスと併せて) 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)
④ マンション管理センターへ直接申込 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)

マンション管理センターの案内には、事前確認を行わず、管理組合が直接自治体へ申請するパターン⑤も載っています。ただ、中野区のページの手順は事前確認適合証を前提にしていますので、中野区で直接申請を考える場合は、住宅課への確認が先です。システム利用料は1申請あたり10,000円(税込)で、申請できるのは管理者等本人か、行政書士の代理人です(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。

認定の有効期間と更新

認定の有効期間は5年です。更新しないと失効し、区からの満了の通知はありません。カレンダーに満了日を入れておいてください。

相談先をそろえておく

中野区の窓口は住宅課住宅政策係です。事前確認のサービスについては、マンション管理センターの管理計画認定手続支援サービス係(03-6261-1274)があります。

区内のマンションNPOとして、マンション管理支援協議会(中野区本町5-48-7-106、03-5342-0378)が、管理規約や修繕積立金などの相談を受け付けています。東京都の制度では、管理状況届出を出した管理組合に、無料の専門家アドバイスが用意されています(出典:中野区「すまいのしおり 分譲マンション編」(PDF)、令和7年3月発行)。

なお、区のページには、長期修繕計画の作成費用に対する中野区独自の助成は載っていませんでした。費用を抑えたい場合は、東京都のマンション管理士派遣などの制度を、区の窓口で確認してください。

認定の3つの経済効果:税・住宅ローン・債券

1. マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)

長寿命化に役立つ大規模修繕工事を行ったマンションについて、工事の翌年度の建物部分の固定資産税を減額する制度です。東京都主税局のページでは、東京23区の減額割合は「2分の1」で、1戸あたり100㎡の床面積相当分までが対象です(出典:東京都主税局「長寿命化に資する大規模修繕工事が行われたマンションに対する固定資産税の減額制度」)。

主な要件は次のとおりです。

  • 築後20年以上、総戸数10戸以上
  • 過去に、外壁塗装等、床防水、屋根防水の長寿命化工事を行っていること
  • 管理計画認定マンション、または助言・指導を受けた管理組合のマンションであること
  • 居住用の専有部分の床面積の割合が2分の1以上であること
  • 令和5年4月1日から令和9年3月31日までに、工事が完了していること
  • 申告は、工事完了日から3か月以内

押さえたいのは期限です。国土交通省の資料でも、工事の完了日は2027年3月31日までと整理されています(出典:国土交通省「管理計画認定のメリット」(PDF)、令和8年4月1日現在)。ただし、東京都主税局のページの更新日は2023年6月8日で、前年度以前のものです。具体的な運用は、物件の所在地を担当する都税事務所へ事前にご確認ください。

2. 【フラット35】の金利引下げ

管理計画認定マンションの住戸を購入する方が使える住宅ローンの優遇で、当初5年間、年0.25%の引下げです(出典:国土交通省の前掲資料)。売る側にとっても、認定済みであることは、買い手に選ばれる理由になり得ます。国土交通省のページでは、返済期間が最長50年となる【フラット50】も使えると案内されています。

3. マンションすまい・る債と共用部リフォーム融資

マンションすまい・る債は、管理組合が修繕積立金を運用する債券です。国土交通省の資料では、認定マンションは年2.10%、認定なしは年2.00%(10年満期時の年平均利率、税引前)で、差は0.10ポイントです。5,000万円を満期まで保有した場合、受取利息は約50万円多くなる計算です。

マンション共用部分リフォーム融資は、同じ資料で、全期間年0.20%の引下げとして整理されています。借入の前に、住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資のページや窓口で、最新の条件を確認してください。

数字で見る経済効果のイメージ

仮に総額5,000万円の大規模修繕なら、仮設足場は総工費の15〜25%(750万〜1,250万円)が目安で、外壁塗装は1㎡あたり3,500〜4,500円がレンジです。物件ごとに大きく変わります。工法で足場の比率を下げ、制度で税を下げる。私はこれを「二段構え」と呼んでいます。

株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。通常足場、ロープアクセス、両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つから、建物に合う工法をご提案できます。

費用の考え方は大規模修繕の料金の考え方に、管理組合の方向けの内容は管理組合さま向けの大規模修繕サービスにまとめています。フランチャイズ加盟企業の取り組みは、ロープアクセスドットコムでも公開しています。

令和9年4月の制度改正にも目を向けておく

国土交通省のページでは、令和7年のマンション関係法の改正により、分譲時に分譲事業者が管理計画を作成し、管理者等へ引き継ぐ仕組みが導入されると案内されています。関連する省令と告示は令和8年7月31日に公布され、令和9年4月1日に施行されます。地方公共団体への申請日が令和9年4月1日以降の場合は、見直し後の認定基準が適用され、経過措置も設けられます(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。

令和9年3月までに申請するか、4月以降にするかで、適用される基準が変わり得ます。中野区の運用への影響は、私が確認した範囲では書かれていませんでした。住宅課とマンション管理センターに、変更点を確認しておいてください。

逆算スケジュール(令和8年10月起点)

認定に絞った逆算です。工事まで同時に進める組合は、半年では足りないことが多いです。

時期の目安 やること
令和8年10月 理事会で認定の方針を共有。長期修繕計画の作成時期、規約・名簿・会計の現状を確認。区の適正化指針にも目を通す
令和8年11月 長期修繕計画が7年以内でなければ、見直しを依頼。事前確認の依頼先(表の①〜④)を決める。必要なら区へ事前相談
令和8年12月 臨時総会で、認定申請、長期修繕計画と修繕積立金額、必要な規約改正を決議
令和9年1月 事前確認を依頼。書類をそろえ、適合証を受け取る
令和9年2〜3月 手続支援サービスから中野区へオンライン申請し、納付書で手数料を納める

固定資産税の減額を使いたい場合は、令和9年3月31日までに工事を終える必要があります。私はいつも理事長さまに、「期限に合わせて中身を急ぐより、建物の状態を優先しましょう」とお伝えしています。期限に間に合わなくても、認定そのものは住宅ローンや資産価値の面で意味があります。

まとめと、今週動くこと3点

中野区の管理計画認定は、区の手数料が基本4,100円で、区独自の上乗せ基準はなく、国の17項目に沿って進めます。流れは、事前確認適合証の取得、オンライン申請、納付書での納付の順です。費用の中心は、システム利用料10,000円と事前確認審査料です。固定資産税の減額は2分の1ですが、令和9年3月31日までの工事完了が条件です。

今週、理事会で動いていただきたいことは次の3点です。

  1. 長期修繕計画の作成日と、直近の総会議事録、名簿の整備状況を確認する
  2. 中野区住宅課住宅政策係へ、認定の進め方と最新の手数料、申請方法を問い合わせる
  3. 固定資産税の減額が気になる場合は、都税事務所へ、自分の建物が条件に当てはまるか確認する

十月のうちに理事会で数分でもこの話題を出していただければ、年内の総会決議が現実的になります。令和9年3月が一つの分かれ目です。どこから手をつければよいか迷われたら、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。明誠へのお問合せフォームからどうぞ。これまでの明誠の施工事例もご覧いただけます。

よくあるご質問

Q. 中野区の管理計画認定に、区へ払う手数料はいくらですか?

A. 新規・更新の場合、基本手数料は4,100円です。長期修繕計画が1つ増えるごとに1,800円が加算されます。区発行の納付書で納めます。ほかに、システム利用料10,000円(税込)と、事前確認審査料(センター直接申込なら1計画あたり10,000円(税込))が別にかかります。

Q. 中野区に独自の認定基準はありますか?

A. ありません。区のページに、国の基準以外の独自基準は設けていないと書かれています。ただ、国の基準の最後の項目で、中野区分譲マンション管理適正化指針への適合が確認されます。

Q. 管理組合が中野区に直接申請することはできますか?

A. 区のページの手順は、マンション管理センターの手続支援サービスで事前確認適合証を取り、同じサービスからオンラインで申請する流れです。変更の申請だけは、郵送または窓口で区へ出します。直接申請を考える場合は、住宅課へご確認ください。

Q. オンラインで申請を送れば、手続は完了しますか?

A. 完了しません。新規・更新は、区発行の納付書で手数料を納めて、はじめて申請が完了します。

Q. 固定資産税はどれくらい減りますか?

A. 東京23区では、固定資産税額の2分の1が目安として示されています。対象は1戸あたり100㎡の床面積相当分までです。築後20年以上、総戸数10戸以上、過去に長寿命化工事を実施済みで、令和9年3月31日までに工事が完了していることなどが条件です。申告は工事完了から3か月以内です。

Q. 認定までにどれくらいかかりますか?

A. 中野区のページと手引きには、標準処理期間の記載がありません。長期修繕計画の見直しや総会決議から数えると、半年ほどは見ておくと安心です。認定の有効期間は5年間で、区からの満了通知はありません。

Q. 長期修繕計画が古い場合、どうすればよいですか?

A. 作成や見直しが7年以内であることが要件の一つです。中野区のページには区独自の作成費用助成は載っていませんでしたので、東京都のマンション管理士派遣など、利用できる制度を区の窓口で確認してください。見直しとあわせてロープアクセス工法を含めた工法の比較をすると、工事費の見え方が変わる場合があります。明誠では概算のご相談を承っています。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月16日


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本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月16日時点で公表されている中野区および国土交通省・東京都・マンション管理センターの公式情報をもとに執筆しています。中野区の管理計画認定制度のページ(更新日2026年7月15日)は現行の令和8年度の内容です。一方、申請の手引きは令和5年12月の最終改定版、固定資産税減額の東京都主税局のページは更新日が2023年6月8日で、いずれも前年度以前のものです。手数料と独自基準の有無は、更新日が現行年度の区のページで確認しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず中野区および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

出典・参考資料

藤沢市のマンション管理計画認定制度|市の申請手数料は不要・認定支援補助は上限5.5万円【2026年度版】

結論:藤沢市で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか

先に結論です。藤沢市の管理計画認定は、市への申請手数料が不要です。認定基準は国が示すものと同様で、市の独自基準はありません(出典:藤沢市「マンション管理計画認定制度」、ページ更新日2026年10月5日)。

藤沢市にはもう一つ、大きな特徴があります。令和8年度は、認定申請にかかる経費の2分の1(上限5万5千円)を補助する制度と、長期修繕計画の作成・見直し費用の2分の1(上限20万円)を補助する制度が用意されています(出典:藤沢市「マンション管理に関する支援制度」、ページ更新日2026年9月2日)。

申請時にかかる費用の目安を整理します。

  • 藤沢市への申請手数料:不要
  • システム利用料(管理計画認定手続支援サービス):1申請あたり10,000円(税込)
  • 事前確認審査料:(公財)マンション管理センターへ直接申し込む場合などは、長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)

センター直接申込なら合計20,000円ほどが目安で、市の補助を使えばその半分が戻る計算です(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。

私は東京都東大和市で会社を構え、首都圏のマンション大規模修繕に20年以上携わってきました。藤沢市の理事長さま、理事の皆さまが読んだその日に動けるよう、認定主体、17要件、独自基準、申請ルートと補助金、経済効果、逆算スケジュールの順にお伝えします。

認定主体はどこか:藤沢市が認定を行います

管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。管理組合の管理計画を審査して認定する役所を「認定行政庁」(認定の事務を担う自治体のこと)と呼びます。国土交通省の案内では、マンション管理適正化推進計画をつくった市と特別区が認定を担い、町村部は都道府県が担当します(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。

藤沢市は令和5年12月に「藤沢市マンション管理適正化推進計画」をまとめ、同じ令和5年12月から認定制度の運用を始めました。神奈川県内でも、町村部は県が認定を担いますが、藤沢市内のマンションは市が窓口です。

担当は、計画建築部の住まい暮らし政策課です。所在地は藤沢市朝日町1番地の1、分庁舎3階、電話は0466-50-3541(直通)です。以前は「住宅政策課」という名前でしたので、古い資料をお持ちの方はご注意ください。

市のページには、認定を受けたマンションの一覧も公表されています。2024年1月の最初の認定から2026年10月1日の認定まで、26件が載っています。湘南台、辻堂西海岸、鵠沼、片瀬など、市内の幅広い地域の物件が並んでいます。

認定17要件:理事会が確認しやすい順に整理する

国が定める認定基準は、5つの分野に17項目あります。管理組合の運営、管理規約、管理組合の経理、長期修繕計画の作成及び見直し等、その他です(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定の基準」(PDF))。藤沢市はこの基準をそのまま使います。

管理組合の運営・管理規約・経理

管理者等(理事長など)と監事が選任され、総会が年1回以上開かれていることが基本です。規約には、災害時などに専有部分へ立ち入れる定め、修繕履歴の管理、財務・管理情報の書面交付の定めが要ります。経理は、管理費と修繕積立金を区分していること、修繕積立金を他の会計へ流用していないこと、3か月以上の滞納が直前の事業年度末で全体の1割以内であることが条件です。

議事録の残し方が薄い組合は、まずそこから整えるのが近道です。私はいつもそうお伝えしています。

長期修繕計画の作成及び見直し等

もっとも手間のかかる分野で、6項目あります。

  • 国の標準様式に準拠した長期修繕計画と、それに基づく修繕積立金の額が、総会で決議されていること
  • 計画の作成または見直しが7年以内であること
  • 計画期間が30年以上で、残りの期間に大規模修繕工事が2回以上含まれること
  • 将来の一時金の徴収を予定していないこと
  • 修繕積立金の平均額が、著しく低額でないこと
  • 計画期間の最終年度に、借入金の残高がないこと

その他

組合員名簿と居住者名簿を備え、年1回以上確認していることです。最後に、地方公共団体のマンション管理適正化指針に照らして適切であることも確認されます。

現場で見る「計画の古さ」と足場費の考え方

認定準備が止まる一番の理由は、長期修繕計画が古いことです。資材費や人件費の上昇を織り込まず、10年以上前の数字のままという組合は少なくありません。

以前、海に近いエリアに建つ築30年を超えたマンションの理事会に呼ばれたことがあります。潮風を受ける面の外壁や鉄部の傷みが、計画で想定していたより早く進んでいました。理事長さまは「積立金は足りているはず」とおっしゃっていましたが、計画は長く動いていませんでした。

見直しのついでに工法を比べると、10階建て、外周80m、工期3か月ほどという条件の試算で、仮設足場が約168万円、ロープアクセス工法を併用した場合は約59万円、差額は約109万円でした。建物の形や立地、隣地との距離で大きく変わりますので、あくまで一つの目安です。それでも、理事の皆さまの表情が変わった瞬間を、私は今でも覚えています。

傷みの早い面だけを先に補修したいとき、足場を全面に組まずに済む工法は選択肢になります。足場を使わないロープアクセス工法については、明誠のロープアクセス工法の詳細ページで整理しています。作業員はメインロープとバックアップロープの2本に接続し、2点以上の吊元を確保して作業します。大規模修繕の進め方と安全管理は大規模修繕工事の安全管理と進め方に、技術や訓練の詳細は姉妹サイトのロープアクセスドットコムにまとめています。

藤沢市の独自基準:上乗せはなく、国の基準と同様です

藤沢市のページには、認定基準は国が示すものと同様で、市の独自基準はないと明記されています。首都圏では、防災やコミュニティ活動の項目を上乗せする自治体もあります。藤沢市はそうした項目がないため、国の17項目を満たせば足ります。

実務への影響を三つにまとめます。

  1. 市独自の防災マニュアルや追加の申出書は求められていません。準備の中心は、規約・会計・長期修繕計画・名簿の4点です
  2. 基準が一律ですので、他の自治体で準備した経験や、管理会社が持っている書式がそのまま使えます
  3. 浮いた手間を、長期修繕計画の見直しに回せます。藤沢市は計画の作成・見直しに補助があるので、ここに集中するのが合理的です

認定基準や手続の詳細は、「藤沢市マンション管理計画の認定等に関する事務取扱要綱」に定められています。標準処理期間は、市のページには記載がありませんでした。申請の前に、住まい暮らし政策課へ最新の運用を確認してください。

申請ルートと藤沢市の補助金:手数料不要、費用の半分は補助の対象

申請の基本ルート

市のページでは、申請にあたってマンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」を使うよう案内されています。一般的な流れは次のとおりです。

  1. 総会(または規約で定めた理事会等)で、管理計画認定の取得を決議する
  2. 事前確認の依頼先を決め、必要書類をシステムにアップロードする
  3. 基準に適合すれば、マンション管理センターから「事前確認適合証」が発行される
  4. 同じシステムから藤沢市へ認定申請する(市への手数料は不要)
  5. 市の審査を経て、認定通知書が交付される

事前確認の依頼先と費用

パターン 依頼先 事前確認審査料
① 事前確認講習を修了したマンション管理士 管理組合とマンション管理士が取り決める
② 管理会社(マンション管理適正評価制度と併せて) 管理組合と依頼先が取り決める
③ 日本マンション管理士会連合会(診断サービスと併せて) 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)
④ マンション管理センターへ直接申込 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)

マンション管理センターの案内には、事前確認を行わずに自治体へ直接申請するパターンも載っています。藤沢市でこのルートを考える場合は、住まい暮らし政策課への確認が先です。

マンション管理計画認定支援補助金(上限5万5千円)

令和8年度の要綱では、次の経費の合計額(税込)の2分の1、上限5万5千円が補助されます(出典:藤沢市マンション管理計画認定支援事業補助金交付要綱(PDF))。

  • 認定申請書類の作成に係る経費
  • 認定基準を満たすための管理規約等の修正に係る経費
  • 管理計画認定手続支援サービスのシステム使用料
  • 事前確認審査に係る経費

対象は、市内の分譲マンションで、認定取得について総会または理事会等の決議を経ており、過去に認定を取得していない管理組合です。ここからが本題です。交付決定を受けてから事業に着手すること、そして完了届を出す前に認定を取得しておくことが条件です。市のページにも、委託契約や事業着手は交付決定のあとに進めるよう、太字で注意が書かれています。順番を間違えると補助の対象外になります。

マンション長期修繕計画作成等支援補助金(上限20万円)

長期修繕計画の作成や見直しの費用の2分の1、上限20万円が補助されます。作成や見直しに必要な建物の劣化調査の費用も含められます(出典:藤沢市マンション長期修繕計画作成等支援事業補助金交付要綱(PDF))。

主な条件は、区分所有者が5人以上、延べ面積の過半が住宅用途であることです。計画がない場合は築7年以上、計画がある場合は直近の見直しから15年以上経っていることも条件です。計画は国の標準様式に準拠し、認定基準を満たす内容とし、総会決議の前にマンション管理士または一級建築士の確認を受ける必要があります。

見直しから15年未満の組合は対象外になる点に注意してください。なお、無料のマンション管理アドバイザー派遣は、令和8年度の受付が終了したと市のページに書かれています。

認定の有効期間と更新

認定の有効期間は5年です。更新しないと失効します。カレンダーに満了日を入れておいてください。

認定の3つの経済効果:税・住宅ローン・債券

1. マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)

藤沢市資産税課のページでは、要件を満たすマンションについて、1戸あたり100㎡の床面積分までの建物部分の固定資産税が2分の1減額されます。期間は工事が完了した年の翌年度分の1年間です(出典:藤沢市「長寿命化に資する大規模修繕工事を行ったマンションに係る固定資産税の減額措置について」、ページ更新日2026年5月26日)。

管理計画認定マンションの主な要件は次のとおりです。

  • 新築から20年以上、総戸数10戸以上
  • 専有部分の2分の1以上が居住用であること
  • 外壁塗装等、床防水、屋根防水の3つの工事を、過去に実施していること
  • 2023年(令和5年)4月1日から2027年(令和9年)3月31日までに、同じ3つの工事を完了していること
  • 2021年(令和3年)9月1日以降に、修繕積立金を認定基準まで引き上げていること
  • 工事完了日から3か月以内に、資産税課へ申告すること

この減額は1つのマンションにつき1度限りで、耐震改修や省エネ改修などの減額とは同時に使えません。要件は、申告時点と1月1日時点の両方で満たしている必要があります。

2. 【フラット35】の金利引下げ

管理計画認定マンションの住戸を購入する方が使える住宅ローンの優遇で、当初5年間、年0.25%の引下げです(出典:国土交通省「管理計画認定のメリット」(PDF)、令和8年4月1日現在)。売る側にとっても、認定済みであることは、買い手に選ばれる理由になり得ます。

3. マンションすまい・る債と共用部リフォーム融資

マンションすまい・る債は、管理組合が修繕積立金を運用する債券です。国土交通省の資料では、認定マンションは年2.10%、認定なしは年2.00%(10年満期時の年平均利率、税引前)で、差は0.10ポイントです。5,000万円を満期まで保有した場合、受取利息は約50万円多くなる計算です。

マンション共用部分リフォーム融資は、同じ資料で、全期間年0.20%の引下げとして整理されています。借入の前に、住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資のページや窓口で、最新の条件を確認してください。

数字で見る経済効果のイメージ

仮に総額5,000万円の大規模修繕なら、仮設足場は総工費の15〜25%(750万〜1,250万円)が目安で、外壁塗装は1㎡あたり3,500〜4,500円がレンジです。物件ごとに大きく変わります。工法で足場の比率を下げ、制度で税を下げる。私はこれを「二段構え」と呼んでいます。

株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。通常足場、ロープアクセス、両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つから、建物に合う工法をご提案できます。

費用の考え方は大規模修繕の料金の考え方に、管理組合の方向けの内容は管理組合さま向けの大規模修繕サービスにまとめています。フランチャイズ加盟企業の取り組みは、ロープアクセスドットコムでも公開しています。

令和9年4月の制度改正にも目を向けておく

国土交通省のページでは、令和7年のマンション関係法の改正により、分譲時に分譲事業者が管理計画を作成し、管理者等へ引き継ぐ仕組みが導入されると案内されています。関連する省令と告示は令和8年7月31日に公布され、令和9年4月1日に施行されます。地方公共団体への申請日が令和9年4月1日以降の場合は、見直し後の認定基準が適用され、経過措置も設けられます(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。

藤沢市の二つの補助金要綱にも、令和9年3月31日までに施行状況を検討する、という定めがあります。令和9年度以降も同じ条件で続くかは、現時点では分かりません。令和8年度のうちに動けるかどうかが、一つの分かれ目です。

逆算スケジュール(令和8年10月起点)

認定に絞った逆算です。補助金を使う場合は、交付決定を待つ期間も見込んでください。

時期の目安 やること
令和8年10月 理事会で認定の方針を共有。長期修繕計画の作成時期、規約・名簿・会計の現状を確認。住まい暮らし政策課へ補助金の予算状況を問い合わせる
令和8年11月 理事会等で認定取得と補助金活用を決議。認定支援補助金(必要なら長期修繕計画の補助金も)を交付申請
令和8年12月 交付決定後に、事前確認や計画見直しの契約。必要な規約改正・計画の決議に向け総会準備
令和9年1月 臨時総会で長期修繕計画と修繕積立金額、規約改正を決議。事前確認を受け、適合証を受け取る
令和9年2〜3月 藤沢市へ認定申請。認定取得後に補助金の完了届と請求

固定資産税の減額を使いたい場合は、令和9年3月31日までに工事を終える必要があります。私はいつも理事長さまに、「期限に合わせて中身を急ぐより、建物の状態を優先しましょう」とお伝えしています。期限に間に合わなくても、認定そのものは住宅ローンや資産価値の面で意味があります。

まとめと、今週動くこと3点

藤沢市の管理計画認定は、市への申請手数料が不要で、市独自の基準はありません。令和8年度は、認定申請経費の2分の1(上限5万5千円)と、長期修繕計画作成の2分の1(上限20万円)の補助があります。補助は交付決定のあとに着手するのが鉄則です。固定資産税の減額は2分の1で、令和9年3月31日までの工事完了が条件です。

今週、理事会で動いていただきたいことは次の3点です。

  1. 長期修繕計画の作成日と直近の見直し日、総会議事録、名簿の整備状況を確認する
  2. 住まい暮らし政策課(0466-50-3541)へ、補助金の受付状況と認定の進め方を問い合わせる
  3. 大規模修繕を予定している場合は、資産税課(0466-50-3511)へ、減額の要件に当てはまるか確認する

十月のうちに理事会で数分でもこの話題を出していただければ、年度内の認定が現実的になります。どこから手をつければよいか迷われたら、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。明誠へのお問合せフォームからどうぞ。これまでの明誠の施工事例もご覧いただけます。

よくあるご質問

Q. 藤沢市の管理計画認定に、市へ払う手数料はいくらですか?

A. 市への申請手数料は不要です。システム利用料10,000円(税込)と、事前確認審査料(センター直接申込なら1計画あたり10,000円(税込))は別にかかります。これらは市の認定支援補助金(2分の1、上限5万5千円)の対象経費に含まれます。

Q. 藤沢市に独自の認定基準はありますか?

A. ありません。市のページに、認定基準は国が示すものと同様で、市の独自基準はないと書かれています。

Q. 補助金はいつ申し込めばよいですか?

A. 事前確認や規約修正などを契約する前に、交付申請をして交付決定を受けてください。交付決定前に着手した経費は対象外です。予算の範囲内での交付ですので、早めに住まい暮らし政策課へ受付状況を確認してください。

Q. 長期修繕計画の見直し費用にも補助はありますか?

A. あります。費用の2分の1、上限20万円で、劣化調査の費用も含められます。計画がない場合は築7年以上、計画がある場合は直近の見直しから15年以上経っていることが条件です。

Q. 固定資産税はどれくらい減りますか?

A. 藤沢市では、1戸あたり100㎡分までの建物部分の固定資産税が2分の1減額されます。期間は翌年度分の1年間です。新築20年以上、10戸以上、過去と今回の両方で外壁・床防水・屋根防水の工事を実施、令和9年3月31日までに完了などが条件で、申告は工事完了から3か月以内です。

Q. 認定までにどれくらいかかりますか?

A. 市のページには標準処理期間の記載がありません。補助金の交付決定、長期修繕計画の見直し、総会決議まで含めると、半年ほどは見ておくと安心です。認定の有効期間は5年です。

Q. 無料の専門家派遣は使えますか?

A. 藤沢市のマンション管理アドバイザー派遣(年度内5回まで無料)は、令和8年度の申請受付が終了しています。令和9年度の実施予定は、住まい暮らし政策課へご確認ください。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月16日


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本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月16日時点で公表されている藤沢市および国土交通省・マンション管理センターの公式情報をもとに執筆しています。藤沢市の管理計画認定制度のページ(更新日2026年10月5日)、支援制度のページ(更新日2026年9月2日)、固定資産税減額のページ(更新日2026年5月26日)は、いずれも現行の令和8年度の内容です。補助金は予算の範囲内での交付で、年度途中で受付が終了する場合があります。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず藤沢市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

出典・参考資料

渋谷区のマンション管理計画認定制度|区の手数料は無料・令和8年4月から防災とコミュニティの独自基準あり【2026年度版】

結論:渋谷区で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか

先に結論です。渋谷区の管理計画認定は、区への申請手数料が令和8年4月1日から無料になりました。新規、更新、変更のいずれも無料です(出典:渋谷区「マンション管理計画認定制度」、ページ更新日2026年6月3日)。

ただし、無料になったから簡単になった、とは言えません。同じ令和8年4月から、渋谷区は国の基準に区独自の上乗せ基準を加えました。防災マニュアルの作成が必須で、コミュニティ活動に関する項目も求められます。申請を考えるなら、最初の一歩は事前相談です。

費用の中身を整理します。

  • 渋谷区への申請手数料:無料
  • システム利用料:1申請あたり10,000円(税込)
  • 事前確認審査料:(公財)マンション管理センターへ直接申し込む場合などは、長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)。マンション管理士や管理会社に頼む場合は、管理組合と依頼先の取り決め

センター直接申込なら、目安は合計2万円ほどです(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。長期修繕計画の見直しや規約改正を専門家へ頼む費用は、別にかかります。

私は東京都東大和市で会社を構え、首都圏のマンション大規模修繕に20年以上携わってきました。渋谷区の理事長さま、理事の皆さまが読んだ日に理事会で動けるよう、認定主体、17要件、区独自基準、申請ルート、経済効果、逆算スケジュールの順にお伝えします。

認定主体はどこか:渋谷区が窓口です

管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。管理組合の管理計画を審査して認定する役所を「認定行政庁」(認定の事務を担う自治体のこと)と呼びます。国土交通省の案内では、マンション管理適正化推進計画をつくった市と特別区が認定を担い、町村部は都道府県が担当します(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。

渋谷区のページには「認定行政庁」という言葉は出てきません。ただ、認定期間中に区が報告徴収や改善命令などの監督を行う場合があると書かれており、区が認定と監督を担う立場だと読み取れます。窓口は、都市整備部住宅政策課の住環境整備係です(渋谷区役所12階、電話03-3463-3548)。区役所の開庁時間は平日8時30分から17時です。

渋谷区の分譲マンションの実情は、推進計画の概要版に出ています。分譲マンションは約43,000戸で、区内の住宅全体の28.4%にあたります。そのうち43%が築40年以上です。計画期間は令和8年度から令和17年度(2026〜2035年度)の10年間で、令和5年4月に定めた最初の計画の見直し版です(出典:渋谷区マンション管理適正化推進計画(概要版・PDF))。

築40年を超える棟が4割を超える区です。長期修繕計画と修繕積立金の見直しは、多くの管理組合が避けて通れないテーマだと、私は感じています。

認定17要件:理事会が確認しやすい順に整理する

国が定める認定基準は、5つの分野に17項目あります。管理組合の運営、管理規約、管理組合の経理、長期修繕計画の作成及び見直し等、その他です(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定の基準」(PDF))。渋谷区ではこの17項目に、次の章で述べる区独自の基準が加わります。

管理組合の運営・管理規約・経理

管理者等(理事長など)と監事が選任され、総会が年1回以上開かれていることが基本です。規約には、災害時などに専有部分へ立ち入れる定め、修繕履歴の管理、財務・管理情報の書面交付の定めが要ります。経理は、管理費と修繕積立金を区分していること、修繕積立金を他の会計へ流用していないこと、3か月以上の滞納が直前の事業年度末で全体の1割以内であることが条件です。

議事録の残し方が薄い組合は、まずそこから整えるのが近道です。私はいつもそうお伝えしています。

長期修繕計画の作成及び見直し等

もっとも手間のかかる分野で、6項目あります。

  • 国の標準様式に準拠した長期修繕計画と、それに基づく修繕積立金の額が、総会で決議されていること
  • 計画の作成または見直しが7年以内であること
  • 計画期間が30年以上で、残りの期間に大規模修繕工事が2回以上含まれること
  • 将来の一時金の徴収を予定していないこと
  • 修繕積立金の平均額が、著しく低額でないこと
  • 計画期間の最終年度に、借入金の残高がないこと

その他

組合員名簿と居住者名簿を備え、年1回以上確認していることです。もう一つ、地方公共団体のマンション管理適正化指針に照らして適切であることが求められます。渋谷区の場合、ここに区の指針が関わります。

現場で見る「計画の古さ」と足場費の考え方

認定準備が止まる一番の理由は、長期修繕計画が古いことです。資材費や人件費の上昇を織り込まず、10年以上前の数字のままという組合は少なくありません。

以前、渋谷区のように建物が密集した地域で、築35年ほどのマンションの理事会に呼ばれたことがあります。理事長さまは「積立金は足りているはず」とおっしゃっていましたが、計画は長く動いていませんでした。見直しのついでに工法を比べると、10階建て、外周80m、工期3か月ほどという条件の試算で、仮設足場が約168万円、ロープアクセス工法を併用した場合は約59万円、差額は約109万円でした。建物の形や立地、隣地との距離で大きく変わりますので、あくまで一つの目安です。それでも、理事の皆さまの表情が変わった瞬間を、私は今でも覚えています。

足場を使わないロープアクセス工法については、明誠のロープアクセス工法の詳細ページで整理しています。作業員はメインロープとバックアップロープの2本に接続し、2点以上の吊元を確保して作業します。大規模修繕の進め方と安全管理は大規模修繕工事の安全管理と進め方に、技術や訓練の詳細は姉妹サイトのロープアクセスドットコムにまとめています。

独自基準の有無と実務への影響:渋谷区には令和8年4月からの上乗せ基準があります

ここが渋谷区の記事でいちばんお伝えしたい点です。渋谷区は令和8年4月から、管理計画認定の基準に区独自の上乗せ基準を設けました。令和8年3月31日までに事前確認申請を済ませた管理組合には、経過措置があります。

渋谷区のページと推進計画の概要版から、独自基準の中身をまとめます(出典:渋谷区「マンション管理計画認定制度」)。

分野 求められること
防災 防災マニュアルの作成(必須)。加えて、次のいずれか1つ以上を満たす:防災訓練を年1回以上実施/自主防災組織がある/防災資材・備蓄物資を整備している/避難行動要支援者等を把握している
コミュニティ活動 次のいずれか1つ以上を満たす:マンション内の自治会がある(設置の計画を含む)/地域の町会・自治会に加入している/美化活動や防災訓練などの地域活動を行っている/町会・自治会との連絡担当者を選任している

条文そのものは、区の「認定基準」PDFに書かれています。私が確認した際、そのPDFは文字情報が読み取れず、本文を確認できませんでした。そのため、上の表は区のページと推進計画概要版の記載にもとづいています。実際の申請では、区の認定基準PDFの原文と、事前相談での説明をご確認ください。

この独自基準は、実務に次の影響を及ぼします。

  1. 申請の前に、渋谷区への事前相談が必要になる。ここで「渋谷区独自基準に係る申出書」(第2号様式)、防災マニュアルの写し、防災やコミュニティ活動を示す書類を持参します
  2. 事前確認の対象は国の基準が中心で、地方公共団体の独自基準は事前確認の対象外とされている。マンション管理センターの案内でも、独自基準は所在地の自治体のウェブサイトなどで確認するよう書かれています
  3. 防災マニュアルがない組合は、その作成から始める。長期修繕計画の見直しと並行して進めると、半年は見ておきたいところです

ただし、区のページの更新日は2026年6月3日で、現行の令和8年度の情報です。それでも、申請の直前には住宅政策課へ最新の運用を電話で確認してください。標準処理期間は、申請の手引きにも記載がありませんでした。

手数料と申請ルート:区へ直接は出せません。事前相談から始めます

渋谷区の標準ルート

渋谷区のページと申請の手引きによると、流れは次のとおりです(出典:渋谷区「マンション管理計画認定制度 申請の手引き」(PDF))。

  1. 総会で、管理計画認定の申請を決議する
  2. 渋谷区へ事前相談し、区独自基準への適合状況を確認する
  3. マンション管理センターの手続支援サービスで事前確認を受け、適合すれば「事前確認適合証」を受け取る
  4. 同じサービスから、渋谷区へ認定を申請する。同時に、区独自基準の審査書類を提出する
  5. 審査で適合すれば、認定通知書が交付される

区へ直接申請できるのは、変更認定申請だけです。新規と更新は、手続支援サービスを通します。区への直接提出が必要な書類もあります。長期修繕計画のExcel版と、防災マニュアルの写しです。長期修繕計画の平均積立額などの数値は、審査書類とシステムの入力値が一致している必要があります。

事前確認の依頼先と費用

パターン 依頼先 事前確認審査料
① 事前確認講習を修了したマンション管理士 管理組合とマンション管理士が取り決める
② 管理会社(マンション管理適正評価制度と併せて) 管理組合と依頼先が取り決める
③ 日本マンション管理士会連合会(診断サービスと併せて) 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)
④ マンション管理センターへ直接申込 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)

システム利用料は1申請あたり10,000円(税込)です(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。申請できるのは管理者等本人か、行政書士の代理人です。

認定の有効期間と更新

認定の有効期間は5年です。更新の申請は、満了の1か月前から受け付けられます。認定期間中に管理計画を変えるときは、変更認定申請が要ります。軽微な変更は申請不要です。

相談先をそろえておく

渋谷区の窓口は、住宅政策課住環境整備係(03-3463-3548)です。事前確認のサービスについては、マンション管理センター(03-6261-1274、平日9時30分から17時)、制度全般については相談ダイヤル(03-5801-0858、月曜から土曜の10時から17時)があります。

分譲マンション総合相談窓口は、東京都防災・建築まちづくりセンターが運営しています。マンション管理士が相談に乗ってくれます(電話03-6427-4900、平日9時から17時)。

渋谷区の長期修繕計画作成費用助成

長期修繕計画の見直しが必要な組合にとって、見逃せない制度があります。渋谷区は、築5年以上の分譲マンションの管理組合を対象に、長期修繕計画の作成や見直しの費用を助成しています。補助率は対象経費(消費税抜き)の2分の1で、上限は20万円です(出典:渋谷区「分譲マンション長期修繕計画作成等費用助成」、更新日2026年4月1日)。

ページの記載では、計画作成の1か月前までに申請する必要があります。令和8年11月以降の申請は、区の事業の都合で受け付けられない場合があるとされています。完了報告は令和9年2月末までです。過去10年以内に同じ助成を受けていないことも条件です。この助成を使うなら、10月のうちに住宅政策課へ連絡をいれてください。

認定の3つの経済効果:税・住宅ローン・債券

1. マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)

長寿命化に役立つ大規模修繕工事を行ったマンションについて、工事の翌年度の建物部分の固定資産税を減額する制度です。東京都主税局のページでは、東京23区の減額割合は「2分の1」で、1戸あたり100㎡の床面積相当分までが対象です(出典:東京都主税局「長寿命化に資する大規模修繕工事が行われたマンションに対する固定資産税の減額制度」)。

主な要件は次のとおりです。

  • 新築から20年以上、総戸数10戸以上
  • 過去に長寿命化工事(外壁塗装等、床防水、屋根防水のすべて)を実施済みであること
  • 管理計画認定マンション、または助言・指導を受けた管理組合のマンションであること
  • 認定マンションは、令和3年(2021年)9月1日以降に修繕積立金を認定基準まで引き上げていること
  • 令和5年(2023年)4月1日から令和9年(2027年)3月31日までに、工事が完了していること
  • 居住用の専有部分の床面積の割合が2分の1以上であること
  • 申告は、工事完了日から3か月以内

押さえたいのは期限です。このページの更新日は2023年6月8日で、前年度以前のものです。工事の完了期限が令和9年3月31日であることは、国土交通省の案内と照らしても同じ内容ですが、23区の運用の詳細は、物件が所在する区の都税事務所へ必ず事前にご確認ください。税制相談ダイヤルは03-5801-0858です。

2. 【フラット35】の金利引下げ

管理計画認定マンションの住戸を購入する方が使える住宅ローンの優遇で、当初5年間、年0.25%の引下げです。【フラット35】維持保全型には予算金額があり、見込みに達すると受付が終わります(出典:【フラット35】維持保全型)。売る側にとっても、認定済みであることは買い手に選ばれる理由になり得ます。

3. マンションすまい・る債と共用部リフォーム融資

マンションすまい・る債は、管理組合が修繕積立金を運用する債券です。国土交通省の資料では、認定マンションは年2.10%、認定なしは年2.00%と想定され、差は0.10ポイントです。5,000万円を満期まで保有した場合、受取利息は約50万円増える計算です(出典:国土交通省「管理計画認定のメリット」(PDF)、令和8年4月1日現在)。

マンション共用部分リフォーム融資は、同じ資料で、全期間年0.20%の引下げとして整理されています。一方、住宅金融支援機構のページには、耐震改修、浸水対策、省エネルギー対策の工事を行う場合に年0.2%引き下げると書かれており、認定との関係は読み取れませんでした。借入の前に、住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資のページや窓口で、最新の条件を確認してください。

数字で見る経済効果のイメージ

仮に総額5,000万円の大規模修繕なら、仮設足場は総工費の15〜25%(750万〜1,250万円)が目安で、外壁塗装は1㎡あたり3,500〜4,500円がレンジです。物件ごとに大きく変わります。工法で足場の比率を下げ、制度で税を下げる。私はこれを「二段構え」と呼んでいます。

株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。通常足場、ロープアクセス、両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つから、建物に合う工法をご提案できます。

費用の考え方は大規模修繕の料金の考え方に、管理組合の方向けの内容は管理組合さま向けの大規模修繕サービスにまとめています。フランチャイズ加盟企業の取り組みは、ロープアクセスドットコムでも公開しています。

令和9年4月の制度改正にも目を向けておく

国土交通省のページでは、令和9年4月1日から、分譲事業者が販売時に管理計画認定を申請できる仕組みが整うと案内されています。改正省令と告示は令和8年7月31日に公布されました。令和9年4月1日以降に申請する場合は、見直し後の認定基準が適用され、経過措置も設けられます(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。

令和9年3月までに申請するか、4月以降にするかで、適用される基準が変わり得ます。渋谷区の独自基準との関係は、私が確認した範囲では書かれていませんでした。住宅政策課とマンション管理センターに、変更点を確認しておいてください。

逆算スケジュール(令和8年10月起点)

認定に絞った逆算です。工事まで同時に進める組合は、半年では足りないことが多いです。

時期の目安 やること
令和8年10月 理事会で認定の方針を共有。住宅政策課へ連絡し、独自基準(防災マニュアル、防災・コミュニティ)の現状を確認。長期修繕計画の作成時期、規約・名簿・会計の現状を確認。作成費用助成の対象になるかも確認
令和8年11月 長期修繕計画が7年以内でなければ、見直しを依頼。防災マニュアルの作成に着手。事前確認の依頼先(表の①〜④)を決める
令和8年12月 臨時総会で、認定申請、長期修繕計画と修繕積立金額、必要な規約改正を決議
令和9年1月 区へ事前相談(第2号様式など)。議事録などをそろえる
令和9年2〜3月 事前確認適合証を取得し、手続支援サービスから渋谷区へ申請

固定資産税の減額を使いたい場合は、令和9年3月31日までに工事を終える必要があります。私はいつも理事長さまに、「期限に合わせて中身を急ぐより、建物の状態を優先しましょう」とお伝えしています。期限に間に合わなくても、認定そのものは住宅ローンや資産価値の面で意味があります。

まとめと、今週動くこと3点

渋谷区の管理計画認定は、区の手数料が令和8年4月から無料になった一方、同じ時期に防災とコミュニティ活動の独自基準が加わりました。区へ直接は申請できず、事前相談、事前確認、手続支援サービスからの申請という順です。費用の中心は、システム利用料10,000円と事前確認審査料です。固定資産税の減額は2分の1ですが、令和9年3月31日までの工事完了が条件です。

今週、理事会で動いていただきたいことは次の3点です。

  1. 長期修繕計画の作成日と、防災マニュアルの有無を確認する
  2. 渋谷区住宅政策課住環境整備係(03-3463-3548)へ、独自基準と長期修繕計画作成費用助成のことを問い合わせる
  3. 固定資産税の減額が気になる場合は、都税事務所または税制相談ダイヤル(03-5801-0858)へ、自分の建物が条件に当てはまるか確認する

十月のうちに理事会で数分でもこの話題を出していただければ、年内の総会決議が現実的になります。令和9年3月が一つの分かれ目です。どこから手をつければよいか迷われたら、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。明誠へのお問合せフォームからどうぞ。これまでの明誠の施工事例もご覧いただけます。

よくあるご質問

Q. 渋谷区の管理計画認定に、区へ払う手数料はいくらですか?

A. 渋谷区への申請手数料は、令和8年4月1日から無料です(新規・更新・変更とも)。ただし、手続支援システムの利用料10,000円(税込)と、事前確認審査料(センター直接申込なら長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込))は別にかかります。

Q. 渋谷区に独自の認定基準はありますか?

A. あります。令和8年4月から、国の基準に加えて防災とコミュニティ活動の上乗せ基準が設けられました。防災マニュアルの作成が必須で、そのほかの項目も区のページで示されています。申請を考えるなら、事前に区へ相談してください。

Q. 管理組合が渋谷区に直接申請することはできますか?

A. 新規と更新は、直接申請できません。マンション管理センターの手続支援サービスを通します。区へ直接申請できるのは、変更認定申請だけです。

Q. 令和8年3月までに事前確認申請を済ませていた場合はどうなりますか?

A. 令和8年3月31日までに事前確認申請をした管理組合には経過措置があります。内容は区のページに詳しく書かれていないため、該当する場合は住宅政策課へ直接ご確認ください。

Q. 固定資産税はどれくらい減りますか?

A. 東京23区では、固定資産税額の2分の1が目安として示されています。対象は1戸あたり100㎡の床面積相当分までです。新築から20年以上、総戸数10戸以上、過去に長寿命化工事を実施済みで、令和9年3月31日までに工事が完了していることなどが条件です。申告は工事完了から3か月以内です。

Q. 認定までにどれくらいかかりますか?

A. 渋谷区のページと申請の手引きには、標準処理期間の記載がありません。事前相談から事前確認、区の審査までを合わせて、3か月前後は見ておくと安心です。認定の有効期間は5年間です。

Q. 長期修繕計画が古い場合、どうすればよいですか?

A. 作成や見直しが7年以内であることが要件の一つです。渋谷区には、作成・見直し費用の2分の1(上限20万円)を助成する制度があります。見直しとあわせてロープアクセス工法を含めた工法の比較をすると、工事費の見え方が変わる場合があります。明誠では概算のご相談を承っています。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月15日


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本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月15日時点で公表されている渋谷区および国土交通省・東京都・マンション管理センターの公式情報をもとに執筆しています。渋谷区の管理計画認定制度のページ(更新日2026年6月3日)と助成のページ(更新日2026年4月1日)は現行の令和8年度の内容です。一方、固定資産税減額の東京都主税局のページは更新日が2023年6月8日で、前年度以前のものです。区の認定基準PDFは本文を読み取れなかったため、区独自基準は区のページと推進計画概要版の記載にもとづいています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず渋谷区および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

出典・参考資料

鎌倉市のマンション管理計画認定制度|市独自の「防災」基準あり・固定資産税3分の1減額と逆算スケジュール【2026年度版】

結論:鎌倉市で管理計画認定を取ると何が変わるか、費用はいくらか

先に結論です。鎌倉市の分譲マンションの管理計画認定は、鎌倉市が認定します。窓口は都市政策部都市計画課都市計画担当です(出典:鎌倉市「マンション管理計画認定制度」、ページ更新日2026年9月14日)。

鎌倉市で押さえたい点は三つあります。

  • 市へ直接は申請できません。マンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」を経由します
  • 国の基準に加えて、市独自の基準として「防災への対策」があります
  • 独自基準については、表明保証書に防災の取組みがわかる書類を添えて、都市計画課へ別に提出します

費用の目安です。マンション管理センターの手続支援サービスでは、システム利用料が1申請あたり10,000円(税込)、センターへ直接申し込む場合の事前確認審査料が長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)です(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。合わせて2万円ほどが入口の費用です。鎌倉市への手数料の有無は、市のページに記載がありませんでした。申請前に都市計画課(0467-61-3408)へ確認してください。

認定を取ると、固定資産税の減額、【フラット35】の金利引下げ、マンションすまい・る債の利率上乗せといった優遇の入口に立てます。鎌倉市の固定資産税の減額割合は「3分の1」です。2回目以降の大規模修繕工事を令和9年3月31日までに終えることが条件になります。

私は東京都東大和市で会社を構え、首都圏のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕に20年以上関わってきました。海と山に囲まれた鎌倉市の理事長さま、理事の皆さまが、読んだその日に理事会で動けるよう、要点を順に整理します。

認定主体はどこか:鎌倉市が自ら認定します

管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。管理組合が作った管理計画を審査して認定する役所を「認定行政庁」(認定の事務を担う自治体のこと)と呼びます。鎌倉市は、令和6年5月に「鎌倉市マンション管理適正化推進計画」を策定し、認定の事務を始めました。計画期間は令和6年度から令和10年度までの5年間です(出典:鎌倉市「鎌倉市マンション管理適正化推進計画」)。

窓口は本庁舎3階の都市計画課都市計画担当(御成町18-10)で、電話は0467-61-3408です。制度の一般的な質問には、日本マンション管理士会連合会の無料の相談ダイヤル(03-5801-0858、月〜土の10時から17時、祝日・年末年始を除く)も案内されています。

数字で見る鎌倉市のマンション

推進計画には、鎌倉市のマンションの実情が数字で出ています(出典:鎌倉市マンション管理適正化推進計画(令和6年5月策定)PDF)。

  • 市内のマンションは11,106戸で、住宅全体の約16%
  • 築30年以上が37%。築40年超は約2,200戸で、20年後には約6,000戸になる見込み
  • JR大船駅や鎌倉駅の周辺、腰越、由比ガ浜、材木座など市の南部に多い
  • 市の高齢化率は30%超

戸数は平成30年住宅・土地統計調査をもとにした推計です。令和5年度の市の実態調査(231か所に送付、回答134件、回答率58%)では、長期修繕計画を作成している組合が90%ありました。一方で、修繕積立金が適正だと答えた組合は55%にとどまります。

私が気になったのは防災の数字です。災害対応マニュアルを作成している組合は37%、災害時の備蓄や装備がある組合は45%でした。この数字が、次に説明する市独自の基準につながっています。

認定の基準:国の17項目に「防災」が加わります

認定の基準は、国が5つの分野に17項目で定めています。管理組合の運営、管理規約、管理組合の経理、長期修繕計画の作成及び見直し等、その他です(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定の基準」(PDF))。鎌倉市はこれに独自の基準を加えています(出典:鎌倉市「マンション管理計画認定制度における認定基準」(PDF))。

管理組合の運営・管理規約・経理

管理者等(理事長など)と監事が選任され、総会が年1回以上開かれていることが基本です。規約には、災害などの緊急時に専有部分へ立ち入れる定め、修繕履歴の管理、財務・管理情報の書面交付または電磁的方法での提供の定めが要ります。経理は、管理費と修繕積立金を区分していること、修繕積立金を他の会計へ流用していないこと、3か月以上の滞納が直前の事業年度末で全体の1割以内であることが条件です。

長期修繕計画の作成及び見直し等

ここがいちばん手間のかかる分野で、6項目あります。

  • 国の標準様式に準拠した長期修繕計画と、それに基づく修繕積立金の額が、総会で決議されていること
  • 計画の作成または見直しが7年以内であること
  • 計画期間が30年以上で、残りの期間に大規模修繕工事が2回以上含まれること
  • 将来の一時金の徴収を予定していないこと
  • 修繕積立金の平均額が、著しく低額でないこと
  • 計画期間の最終年度に、借入金の残高がないこと

その他と、鎌倉市の「防災への対策」

国の「その他」の分野は、組合員名簿と居住者名簿を備えて年1回以上確認していること、そして自治体の管理適正化指針に照らして適切であることです。鎌倉市の基準表は推進計画からの抜粋で、名簿の項目は載っていません。ただ、計画には、市独自の基準を除く詳細は国の事務ガイドラインによると書かれています。名簿の整備も、国の基準どおり必要だと考えておくのが安全です。

そのうえで、鎌倉市は5番目の分野として「防災への対策」を置いています。内容は「防災訓練の実施や、備蓄の有無など、防災に関する取組みを行っていること」です。

独自基準の実務:表明保証書と防災の書類を用意する

何を出すのか

市のページによると、防災の独自基準については、表明保証書(第1号様式)に防災の取組み内容がわかる書類を添えて、都市計画課都市計画担当へ提出します。様式は市のページから入手できます。マンション管理センター経由の申請とは別に、市への提出物が一つ増えると考えてください。

「わかる書類」として何がふさわしいかは、市のページには具体例がありません。私の経験上、次のようなものを日ごろ残しておくと、話が早く進みます。

  • 防災訓練の案内文、当日の写真、参加人数を記した記録
  • 備蓄品の一覧(水、簡易トイレ、救急用品など)と保管場所
  • 総会や理事会で防災を議題にした議事録
  • 災害対応マニュアル(ある場合)

どの書類で足りるかは、必ず都市計画課に事前に確認してください。基準の文言は「防災訓練の実施や、備蓄の有無など」ですので、訓練と備蓄のどちらか一方でも取組みがあれば対象になる可能性があります。ここは私の推測ですので、断定はできません。

防災の基準は、建物の点検とも相性がいい

正直に申し上げます。私は、防災の取組みと建物の点検は、ワンセットで進めるべきだと考えています。外壁タイルの浮き、手すりや金物のさび、屋上の防水の傷みは、地震や台風のときに被害を広げます。海に近いマンションでは、潮風で金物の傷みが早い建物にも出会います。

防災訓練の日に、理事の皆さまと一緒に外回りを歩くだけでも、気づきは増えます。高い場所の点検には、足場を組まずにロープで外壁に近づく方法もあります。明誠の作業員はメインロープとバックアップロープの2本に接続し、2点以上の吊元を確保して作業します。工法の考え方は明誠のロープアクセス工法の詳細ページに、技術や訓練の詳細は姉妹サイトのロープアクセスドットコムにまとめています。

手数料と申請ルート:市へ直接は出せません

鎌倉市の標準ルート

市の手引きとセンターの案内から、流れを整理します。

  1. 国と市の基準でセルフチェックを行う(防災の取組みもここで確認)
  2. 総会で、管理計画認定の申請を決議する
  3. マンション管理センターに問い合わせ、手続支援サービスの利用を申し込む
  4. マンション管理士による事前確認を受ける
  5. 同サービスを経由して鎌倉市へ認定申請し、あわせて表明保証書と防災の書類を都市計画課へ提出する
  6. 市が審査し、適合すれば認定される

申請時に公表を可としたマンションは、市のページに掲載されます。2026年7月9日更新の一覧では、令和6年度に3件、令和7年度に5件、令和8年度に1件、合計9件が載っています(出典:鎌倉市「認定を受けたマンション」)。約11,000戸の市で9件ですから、まだ取り組む組合は少ないということです。

事前確認の依頼先と費用

パターン 依頼先 事前確認審査料
① 事前確認講習を修了したマンション管理士 管理組合とマンション管理士が取り決める
② 管理会社(マンション管理適正評価制度と併せて) 管理組合と依頼先が取り決める
③ 日本マンション管理士会連合会(診断サービスと併せて) 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)
④ マンション管理センターへ直接申込 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)

いずれもシステム利用料1申請あたり10,000円(税込)が別にかかります(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。事前確認は国の基準への適合を確認するものです。市独自の防災の基準は、市への表明保証書で確認される形だと理解しておくとよいでしょう。

有効期間と変更

推進計画では、認定は5年ごとの更新制で、更新しなければ効力を失うとされています。認定内容に変更が出たときは変更認定の申請が必要で、その場合も有効期間は延びません。認定期間中に、市から報告を求められることもあります。

認定の3つの経済効果:税・住宅ローン・債券

1. マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)

長寿命化に役立つ大規模修繕工事を行ったマンションについて、工事の翌年度の建物部分の固定資産税を減額する制度です。国の枠では、減額割合は6分の1から2分の1の範囲で市町村が定め、国の目安は3分の1です(出典:国土交通省「管理計画認定のメリット」(PDF))。

鎌倉市は国の目安どおり「3分の1」です。市のページによる主な内容は次のとおりです(出典:鎌倉市「マンション長寿命化大規模修繕工事に伴う固定資産税の減額について」、ページ更新日2026年8月17日)。

  • 工事完了の翌年度分のみ、1戸あたり100平方メートルまでの床面積分の固定資産税を3分の1減額。都市計画税は対象外
  • 管理計画認定マンション、または助言・指導を受けたマンションであること
  • 新築から20年以上、総戸数10戸以上、併用住宅は2分の1以上が居住用
  • 認定マンションは、令和3年9月1日以降に修繕積立金を認定基準まで引き上げていること
  • 屋根防水・床防水・外壁塗装等の工事を過去に1回以上行い、2回目以降の工事を令和5年4月1日から令和9年3月31日までに完了していること
  • 申告は工事完了から3か月以内に、資産税課(0467-61-3931)へ
  • 1棟につき1回のみ。耐震・バリアフリー・省エネ改修の減額とは同時に使えない

注意したいのは窓口が二つに分かれる点です。認定は都市計画課、減額の申告は資産税課です。添付書類には、認定通知書の写し、大規模の修繕等証明書、過去工事証明書、修繕積立金引上証明書がそろいます。

2. 【フラット35】の金利引下げ

管理計画認定マンションの住戸を購入する方が使える住宅ローンの優遇で、当初5年間、年0.25%の引下げです(出典:国土交通省「管理計画認定のメリット」(PDF))。【フラット35】維持保全型には予算金額があり、見込みに達すると受付が終わります(出典:住宅金融支援機構「【フラット35】維持保全型」)。売るときにも、認定済みであることは買い手に選ばれる理由になり得ます。

3. マンションすまい・る債と共用部リフォーム融資

マンションすまい・る債は、管理組合が修繕積立金を運用する債券で、認定マンションは利率が上乗せされます。令和8年度の募集は2026年10月9日で受付が終わっています。次回の募集は住宅金融支援機構の案内でご確認ください。

マンション共用部分リフォーム融資は、国の資料で認定による金利引下げの対象とされています。借入の前に、住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資のページで最新の条件を確認してください。

数字で見る工事費のイメージ

減額は3分の1、1年分です。金額だけを見れば、劇的な額ではないかもしれません。私が理事会でお伝えするのは、「税で下がる分より、工事の組み立てで下がる分のほうが大きいことが多い」という話です。

以前、築35年ほどの海に近いマンションの理事会に呼ばれたことがあります。長期修繕計画が10年以上動いておらず、理事長さまは「積立金は足りているはず」と話されていました。見直しのついでに工法を比べると、10階建てで外周80m、工期3か月ほどの条件で、仮設足場が約168万円、ロープアクセス工法を併用した場合は約59万円、差額は約109万円という試算になりました。建物の形や立地で大きく変わる、あくまで一つの目安です。それでも理事の皆さまの表情が変わった瞬間を、私は今でも覚えています。

総額5,000万円の大規模修繕なら、仮設足場は総工費の15〜25%(750万〜1,250万円)が目安で、外壁塗装は1㎡あたり3,500〜4,500円がレンジです。費用の考え方は大規模修繕の料金の考え方に、管理組合の方向けの内容は管理組合さま向けの大規模修繕サービスにまとめています。

株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。通常足場、ロープアクセス、両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つから、建物に合う工法をご提案できます。フランチャイズ加盟企業の取り組みはロープアクセスドットコムでも公開しています。

令和9年4月の制度改正にも目を向けておく

国土交通省は、令和9年度から認定基準の見直しを行うと案内しています。改正省令と告示は令和8年7月31日に公布、施行は令和9年4月1日です。自治体への申請日が令和9年4月1日以降になる場合は、見直し後の基準が適用され、経過措置も設けられます(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。

鎌倉市のページには、この改正への言及がありませんでした。令和9年3月までに申請するか、4月以降かで適用される基準が変わり得ます。都市計画課とマンション管理センターに、変更点を確認しておいてください。

鎌倉市での逆算スケジュール(令和8年10月起点)

認定に絞った逆算です。工事まで同時に進める組合は、半年では足りないことが多いです。

時期の目安 やること
令和8年10月 理事会で認定の方針を共有。長期修繕計画の作成時期、名簿、会計、防災訓練・備蓄の現状を確認。都市計画課へ手数料と防災書類を電話で確認
令和8年11月 長期修繕計画が7年以内でなければ見直しを依頼。事前確認の依頼先を決める。防災訓練を一度実施し、記録を残す
令和8年12月 臨時総会で、認定申請、長期修繕計画と修繕積立金額、必要な規約改正を決議
令和9年1月 議事録をそろえ、事前確認を依頼。表明保証書と防災の書類を準備
令和9年2〜3月 事前確認を終え、手続支援サービスから鎌倉市へ申請。表明保証書を都市計画課へ提出

固定資産税の減額を使いたい場合は、令和9年3月31日までに工事を終える必要があります。私はいつも理事長さまに、「期限に合わせて中身を急ぐより、建物の状態を優先しましょう」とお伝えしています。間に合わなくても、認定そのものは住宅ローンや資産価値の面で意味があります。

まとめと、今週動くこと3点

鎌倉市の管理計画認定は、鎌倉市が認定行政庁です。市へ直接は申請できず、マンション管理センターの手続支援サービスを経由します。国の17項目に加えて、市独自の「防災への対策」があり、表明保証書と防災の書類を都市計画課へ出します。固定資産税の減額は3分の1で、令和9年3月31日までの工事完了が条件です。

今週、理事会で動いていただきたいことは次の3点です。

  1. 長期修繕計画の作成日を確認する(7年以内かどうかが最初の分かれ目です)
  2. 防災訓練の記録と備蓄品の一覧が手元にあるかを確かめる
  3. 都市計画課(0467-61-3408)へ、市の手数料の有無と防災の書類の内容を問い合わせる

十月のうちに理事会で数分でもこの話題を出していただければ、年内の総会決議が現実的になります。どこから手をつければよいか迷われたら、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。明誠へのお問合せフォームからどうぞ。これまでの明誠の施工事例もご覧いただけます。

よくあるご質問

Q. 鎌倉市の管理計画認定にかかる費用はいくらですか?

A. マンション管理センターの手続支援サービスのシステム利用料10,000円(税込)と、事前確認審査料(センター直接申込なら長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込))が目安です。鎌倉市への手数料の有無は市のページに記載がないため、都市計画課へ確認してください。

Q. 鎌倉市に独自の認定基準はありますか?

A. あります。「防災への対策」として、防災訓練の実施や備蓄の有無など、防災に関する取組みを行っていることが求められます。表明保証書に取組みがわかる書類を添えて、都市計画課都市計画担当へ提出します。

Q. 管理組合が鎌倉市に直接申請することはできますか?

A. できません。市のページに「本市へは直接申請できません」と明記されています。マンション管理センターの手続支援サービスを経由して申請します。

Q. 防災訓練をしていないと、認定は受けられませんか?

A. 基準は「防災訓練の実施や、備蓄の有無など」と幅のある書き方です。どの取組みで足りるかは、事前に都市計画課へ確認してください。申請までに訓練を一度行い、記録を残しておくと安心です。

Q. 固定資産税はどれくらい減りますか?

A. 鎌倉市では工事完了の翌年度分のみ、1戸あたり100平方メートルまでの床面積分の固定資産税が3分の1減額されます。都市計画税は対象外です。2回目以降の工事を令和9年3月31日までに完了し、完了から3か月以内に資産税課へ申告することが条件です。

Q. 認定の有効期間はどれくらいですか?

A. 5年ごとの更新制です。更新しなければ効力を失います。認定内容に変更が出た場合は変更認定の申請が必要で、有効期間は延長されません。

Q. 長期修繕計画が古い場合、どうすればよいですか?

A. 作成や見直しが7年以内であることが要件の一つです。専門家に見直しを依頼し、あわせてロープアクセス工法を含めた工法の比較をすると、工事費の見え方が変わる場合があります。明誠では概算のご相談を承っています。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月15日


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本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月15日時点で公表されている鎌倉市および国土交通省・マンション管理センターの公式情報をもとに執筆しています。鎌倉市の管理計画認定制度のページの更新日は2026年9月14日、固定資産税減額のページは2026年8月17日、認定マンション一覧は2026年7月9日です。推進計画は令和6年5月策定、戸数は平成30年時点の推計です。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず鎌倉市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

出典・参考資料

横須賀市のマンション管理計画認定制度|市の手数料は無料・市独自基準なし・固定資産税2分の1減額と逆算スケジュール【2026年度版】

結論:横須賀市で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか

先に結論です。横須賀市の分譲マンションの管理計画認定は、横須賀市が認定します。窓口は都市部建築指導課です。市への手数料は無料で、市のページには「制度開始から当面の間は徴収しない」と書かれています(出典:横須賀市「マンション管理計画認定制度」、ページ更新日2024年12月6日)。

そして、横須賀市は市独自の認定基準を設けていません。市のマンション管理適正化推進計画に、認定基準は国の定めた基準と同様と明記されています(出典:横須賀市マンション管理適正化推進計画(PDF))。東京都や神奈川県内には上乗せ基準をもつ自治体もありますが、横須賀市は国の基準だけを満たせばよい、ということです。

一方で、気をつけたい点が一つあります。横須賀市では、管理組合が市へ直接申請することはできません。総会決議、マンション管理士による事前確認、手続支援サービスからの認定申請という3ステップを踏む仕組みです。

費用の中身を整理します。

  • 横須賀市への認定手数料:無料
  • システム利用料:1申請あたり10,000円(税込)
  • 事前確認審査料:(公財)マンション管理センターへ直接申し込む場合などは、長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)。マンション管理士や管理会社に直接頼む場合は、管理組合と依頼先の取り決め

センター直接申込の場合、目安は合計2万円ほどです(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。長期修繕計画の見直しや規約改正を専門家に頼む費用は別にかかります。

認定を受けると、固定資産税の減額、【フラット35】の金利引下げ、マンションすまい・る債の利率上乗せといった優遇の入口に立てます。横須賀市の固定資産税の減額割合は、国の枠で最大の「2分の1」です。ただし、2回目以降の長寿命化工事を令和9年3月31日までに終えることが条件です。

私は東京都東大和市で会社を構え、首都圏の大規模修繕に20年以上関わってきました。海と丘の街、横須賀の理事長さま、理事の皆さまが、読んだその日に理事会で動けるよう、認定主体、17要件、申請ルート、経済効果、逆算スケジュールの順に整理します。

認定主体はどこか:横須賀市が自ら認定します

管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。管理組合が作った管理計画を審査して認定する役所を「認定行政庁」(認定の事務を担う自治体のこと)と呼びます。横須賀市のページでは、認定主体は横須賀市と整理されています。県ではなく、市が窓口です。

窓口は、都市部建築指導課(小川町11番地、分館4階)です。ここで一点、お伝えしておきます。私が確認した市のページには、電話番号が二つ載っていました。認定制度のページには046-822-8077、マンション関連施策のページには046-822-9530です。どちらも同じ課の案内ですが、つながり方が違う可能性があります。迷ったら、市代表の046-822-4000(開庁時間は平日8時30分から17時)経由でも確認できます(出典:横須賀市「マンション関連施策」、更新日2026年6月2日)。

横須賀市のマンションの実情は、推進計画に数字が出ています。2018年の住宅・土地統計調査をもとにした推計で、分譲マンションは約30,347戸です。市の令和5年(2023年)の調査では、回答のあった259管理組合、468棟のうち、築40年を超える棟が206棟(44.0%)でした。今後10年で、その割合は約68.4%に達すると推計されています(出典:横須賀市マンション管理適正化推進計画(PDF))。市全体の棟数は、計画に載っていません。回答のあった棟の数字だけです。

築40年超が4割を超えるまち。長期修繕計画と修繕積立金の見直しは、横須賀市の多くの管理組合にとって待ったなしの課題だと、私は感じています。

認定17要件:理事会が確認しやすい順に整理する

認定の基準は、国が5つの分野に17項目で定めています。管理組合の運営、管理規約、管理組合の経理、長期修繕計画の作成及び見直し等、その他の5分野です(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定の基準」(PDF))。横須賀市は上乗せをしていませんので、この17項目が全部です。

管理組合の運営・管理規約・経理

管理者等(理事長など)と監事が選任され、総会が年1回以上開かれていることが基本です。規約には、災害時などに専有部分へ立ち入れる定め、修繕履歴の管理、財務・管理情報の書面交付の定めが要ります。経理は、管理費と修繕積立金を区分していること、修繕積立金を他の会計へ流用していないこと、3か月以上の滞納が直前の事業年度末で全体の1割以内であることが条件です。

議事録が薄い、書面決議が続いているという組合は、まず議事録の残し方から整えるのが近道です。私はいつもそうお伝えしています。

長期修繕計画の作成及び見直し等

ここがいちばん手間のかかる分野で、6項目あります。

  • 国の標準様式に準拠した長期修繕計画と、それに基づく修繕積立金の額が、総会で決議されていること
  • 計画の作成または見直しが7年以内であること
  • 計画期間が30年以上で、残りの期間に大規模修繕工事が2回以上含まれること
  • 将来の一時金の徴収を予定していないこと
  • 修繕積立金の平均額が、著しく低額でないこと
  • 計画期間の最終年度に、借入金の残高がないこと

その他

組合員名簿と居住者名簿を備え、年1回以上確認していること、そして「地方公共団体のマンション管理適正化指針に照らして適切であること」です。

現場で見る「計画の古さ」と足場費の考え方

認定の準備が止まる一番の理由は、長期修繕計画が古いことです。10年以上前の計画のまま、資材費や人件費の上昇を織り込んでいない組合は少なくありません。築40年を超える建物なら、なおさらです。

以前、築35年ほどで、坂の途中に建つマンションの理事会に呼ばれたときのことです。長期修繕計画の数字が長く動いておらず、理事長さまは「積立金は足りているはず」と話されていました。見直しのついでに工法を比べたところ、10階建てで外周80m、工期3か月ほどという条件の試算で、仮設足場が約168万円、ロープアクセス工法を併用した場合は約59万円、差額は約109万円でした。建物の形や立地で大きく変わりますので、あくまで一つの目安です。それでも、理事の皆さまの表情が変わった瞬間を、私は今でも覚えています。

足場を組む工法と、足場を使わないロープアクセス工法の違いは、明誠のロープアクセス工法の詳細ページで整理しています。作業員はメインロープとバックアップロープの2本に接続し、2点以上の吊元を確保して、安全を二重に守りながら作業します。大規模修繕の進め方は大規模修繕工事の安全管理と進め方に、技術や訓練の詳細は姉妹サイトのロープアクセスドットコムにまとめています。

独自基準の有無と実務への影響:横須賀市は「国の基準のみ」です

神奈川県内では、川崎市のように、管理組合の登録を条件にしている市があります。横須賀市はそうではありません。推進計画の中で、認定基準は国と同様、助言・指導の基準も同様と整理されています。

この「独自基準なし」は、実務上、次の三つの意味をもちます。

  1. 上乗せ書類が少ない。登録手続きなどを別に済ませる必要がありません
  2. 事前確認の範囲と市の審査の範囲が一致する。センターの案内では、事前確認は国の認定基準への適合が対象で、地方公共団体の独自基準は対象外です
  3. 他市の記事や解説と比べるとき、国の17項目の理解がそのまま使える

ただし、「市のページが書いていない」と「ルールがない」は違います。市のページの更新日は2024年12月6日で、前年度以前のものです。推進計画(令和6年3月策定、計画期間は令和6年度から令和11年度)の記述と合わせて確認しましたが、申請の前には、都市部建築指導課へ最新の運用を電話で確認してください。標準処理期間や有効期間は、市のページに記載がありませんでした。国の制度では認定の有効期間は5年間で、満了までに更新申請をします。

手数料と申請ルート:市へ直接は出せません。事前確認から始めます

横須賀市の標準ルート

市のページによると、流れは「総会決議」「事前確認」「認定申請」の3ステップです(出典:横須賀市「マンション管理計画認定制度」)。

  1. 認定基準のセルフチェックを行う
  2. 総会で、管理計画認定の申請を決議する
  3. マンション管理士による事前確認を受け、適合すれば「事前確認適合証」を受け取る
  4. マンション管理センターの手続支援サービスから、横須賀市へ認定申請する
  5. 市が審査し、適合すれば認定される。認定されたマンションは、市の「認定マンション一覧」で公表される

認定にかかる期間は、市のページに記載がありません。事前確認と市の審査を合わせて、少なくとも2〜3か月は見ておくのが現実的だと私は考えています。

事前確認の依頼先と費用

マンション管理センターの案内では、申請の経路が次のように整理されています(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。

パターン 依頼先 事前確認審査料
① 事前確認講習を修了したマンション管理士 管理組合とマンション管理士が取り決める
② 管理会社(マンション管理適正評価制度と併せて) 管理組合と依頼先が取り決める
③ 日本マンション管理士会連合会(診断サービスと併せて) 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)
④ マンション管理センターへ直接申込 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)
⑤ 地方公共団体に直接申請 事前確認なし

横須賀市のページが案内しているのは、①から④です。⑤の直接申請は、市のページに「市に直接申請することはできません」と明記されています。システム利用料は1申請あたり10,000円(税込)です。地方公共団体が手数料を定めている場合は別途かかりますが、横須賀市は無料としています。

市の無料相談を使う手もあります

横須賀市は、NPO法人よこすかマンション管理組合ネットワークと連携し、予約制・無料のマンション相談会を毎月1回、ヴェルクよこすか(勤労福祉会館)で開いています。令和8年度の日程は、10月24日、11月28日、12月26日、令和9年1月23日、2月27日、3月27日です(いずれも土曜日、13時30分から16時30分)。予約はNPO(電話046-824-8133、10時から16時、水・土・日・祝は除く)です(出典:横須賀市「マンション関連施策」)。理事会の初動に使いやすい窓口です。

認定の3つの経済効果:税・住宅ローン・債券

1. マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)

長寿命化に役立つ大規模修繕工事を行ったマンションについて、工事の翌年度の建物部分の固定資産税を減額する制度です。国の制度では、減額割合は6分の1から2分の1の範囲で市町村が定め、参酌基準(国の目安)は3分の1です(出典:国土交通省「管理計画認定のメリット」(PDF)、令和8年4月1日現在)。

横須賀市は、この割合を最大の「2分の1」としています。市のページ(更新日2026年8月4日)による主な内容は次のとおりです(出典:横須賀市「マンション長寿命化促進税制」)。

  • 固定資産税額の2分の1を減額。都市計画税は対象外
  • 管理計画認定マンションで、居住用専有部分があること
  • 新築から20年以上、総戸数10戸以上
  • 過去に長寿命化工事(外壁塗装等、床防水、屋根防水のすべて)を1回以上実施していること
  • 令和5年4月1日から令和9年3月31日までに、2回目以降の長寿命化工事を完了していること
  • 令和3年9月1日以降に、修繕積立金の平均額を認定基準以上に引き上げていること
  • 申告は、工事完了から3か月以内。申告先は税務部資産税課家屋担当(電話046-822-8198)

押さえたいのは期限です。令和9年3月31日の工事完了が前提ですので、これから設計から施工へ進めるのは日程に余裕がありません。認定は都市部建築指導課、減額の申告は資産税課と、窓口が分かれる点にも注意が必要です。条件の細部は、築年数や過去の工事内容で変わりますので、資産税課への事前相談をおすすめします。

2. 【フラット35】の金利引下げ

管理計画認定マンションの住戸を購入する方が使える住宅ローンの優遇で、当初5年間、年0.25%の引下げです。【フラット35】維持保全型には予算金額があり、見込みに達すると受付が終わります(出典:【フラット35】維持保全型)。売る側にとっても、認定済みであることは、買い手に選ばれる理由になり得ます。

3. マンションすまい・る債と共用部リフォーム融資

マンションすまい・る債は、管理組合が修繕積立金を運用する債券で、認定マンションは利率が上乗せされます。国土交通省の資料では、認定マンションは年2.10%、認定なしは年2.00%の例が示され、購入申込期間は2026年4月13日から10月9日までです。本記事の公開日の10月14日には、今回の募集は終わっています。次回以降の募集は、住宅金融支援機構の案内でご確認ください。

マンション共用部分リフォーム融資は、国土交通省の資料で、金利が全期間年0.20%引き下げられるとされています。借入の前に、住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資のページや窓口で、最新の条件と、認定マンションへの適用の有無を確認してください。

数字で見る経済効果のイメージ

仮に総額5,000万円の大規模修繕なら、仮設足場は総工費の15〜25%(750万〜1,250万円)が目安で、外壁塗装は1㎡あたり3,500〜4,500円がレンジです。物件ごとに大きく変わります。工法で足場の比率を下げ、制度で税を下げる。私はこれを「二段構え」と呼んでいます。

株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。通常足場、ロープアクセス、両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つから、建物に合う工法をご提案できます。

費用の考え方は大規模修繕の料金の考え方に、管理組合の方向けの内容は管理組合さま向けの大規模修繕サービスにまとめています。フランチャイズ加盟企業の取り組みは、ロープアクセスドットコムでも公開しています。

令和9年4月の制度改正にも目を向けておく

国土交通省のページでは、令和9年度から、分譲事業者が管理計画認定を申請できる仕組みが整うと案内されています。改正省令と告示は令和8年7月31日に公布、施行は令和9年4月1日です。地方公共団体への申請日が令和9年4月1日以降になる場合は、見直し後の認定基準が適用され、経過措置も設けられます(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。

横須賀市のページには、この改正への言及がありませんでした。令和9年3月までに申請するか、4月以降かで適用される基準が変わり得ます。都市部建築指導課とマンション管理センターに、変更点を確認しておいてください。

逆算スケジュール(令和8年10月起点)

認定に絞った逆算です。工事まで同時に進める組合は、半年では足りないことが多いです。

時期の目安 やること
令和8年10月 理事会で認定の方針を共有。10月24日の市の無料相談会(要予約)の枠を確保。長期修繕計画の作成時期と、規約・名簿・会計の現状を確認
令和8年11月 長期修繕計画が7年以内でなければ見直しを依頼。事前確認の依頼先(表の①〜④)を決め、費用を見積もる
令和8年12月 臨時総会で、認定申請、長期修繕計画と修繕積立金額、必要な規約改正を決議
令和9年1月 議事録などをそろえ、事前確認を依頼
令和9年2〜3月 事前確認適合証を取得し、手続支援サービスから横須賀市へ申請

固定資産税の減額を使いたい場合は、令和9年3月31日までに工事を終える必要があります。私はいつも理事長さまに、「期限に合わせて中身を急ぐより、建物の状態を優先しましょう」とお伝えしています。期限に間に合わなくても、認定そのものは住宅ローンや資産価値の面で意味があります。

まとめと、今週動くこと3点

横須賀市の管理計画認定は、横須賀市が認定行政庁で、市の手数料は無料、市独自の基準はなく、国の17項目を満たせば足ります。市へ直接は申請できず、マンション管理士による事前確認を経て、手続支援サービスから申請する形です。費用の中心は、システム利用料10,000円と事前確認審査料です。固定資産税の減額は2分の1ですが、令和9年3月31日までの工事完了が条件です。

今週、理事会で動いていただきたいことは次の3点です。

  1. 長期修繕計画の作成日を確認する(7年以内かどうかが最初の分かれ目です)
  2. 10月24日(土)の市の無料マンション相談会の予約を、NPOよこすかマンション管理組合ネットワーク(046-824-8133)へ入れる
  3. 固定資産税の減額が気になる場合は、資産税課家屋担当(046-822-8198)へ、自分の建物が条件に当てはまるか確認する

十月のうちに理事会で数分でもこの話題を出していただければ、年内の総会決議が現実的になります。令和9年3月が一つの分かれ目です。どこから手をつければよいか迷われたら、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。明誠へのお問合せフォームからどうぞ。これまでの明誠の施工事例もご覧いただけます。

よくあるご質問

Q. 横須賀市の管理計画認定に、市へ払う手数料はいくらですか?

A. 横須賀市への認定手数料は無料です。ただし、手続支援システムの利用料10,000円(税込)と、事前確認審査料(センター直接申込なら長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込))は別にかかります。

Q. 横須賀市に独自の認定基準はありますか?

A. ありません。市のマンション管理適正化推進計画で、認定基準は国の定めた基準と同様とされています。国の17項目を満たせば足ります。

Q. 管理組合が横須賀市に直接申請することはできますか?

A. できません。市のページに「市に直接申請することはできません」と明記されています。総会決議、マンション管理士による事前確認、手続支援サービスからの認定申請の順に進みます。

Q. 事前確認は誰に頼めばよいですか?

A. 事前確認講習を修了したマンション管理士、管理会社、日本マンション管理士会連合会、マンション管理センターへの直接申込のいずれかです。費用は、連合会とセンターなら長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)、それ以外は依頼先との取り決めです。

Q. 固定資産税はどれくらい減りますか?

A. 横須賀市では固定資産税額の2分の1です。都市計画税は対象外です。新築から20年以上、総戸数10戸以上、過去に長寿命化工事を1回以上実施し、2回目以降の工事を令和9年3月31日までに完了していることなどが条件で、申告は工事完了から3か月以内に資産税課へ行います。

Q. 認定までにどれくらいかかりますか?

A. 市のページには標準処理期間の記載がありません。事前確認と市の審査を合わせて、2〜3か月は見ておくと安心です。国の制度では、認定の有効期間は5年間です。

Q. 長期修繕計画が古い場合、どうすればよいですか?

A. 作成や見直しが7年以内であることが要件の一つです。専門家に見直しを依頼し、あわせてロープアクセス工法を含めた工法の比較をすると、工事費の見え方が変わる場合があります。明誠では概算のご相談を承っています。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月14日


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ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。

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本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月14日時点で公表されている横須賀市および国土交通省・マンション管理センターの公式情報をもとに執筆しています。横須賀市の管理計画認定制度のページの更新日は2024年12月6日で、前年度以前のものです。そのため、同じ市の「マンション関連施策」ページ(更新日2026年6月2日)、推進計画(令和6年3月策定)、固定資産税減額のページ(更新日2026年8月4日)と照らし合わせて記載しました。市の窓口の電話番号など、ページにより異なる記載があります。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず横須賀市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

出典・参考資料

平塚市のマンション管理計画認定制度|市の手数料は不要・市独自基準なし・固定資産税2分の1減額と逆算スケジュール【2026年度版】

結論:平塚市で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか

先に結論です。平塚市の分譲マンションの管理計画認定は、平塚市が認定します。窓口は建築指導課です。マンション管理センターの手続支援サービスを通じて申請する場合、市への手数料はかかりません(出典:平塚市「マンション管理計画認定制度、助言・指導について」、ページ更新日2026年5月18日)。

また、平塚市は市独自の認定基準を設けていません。市のマンション管理適正化指針は「国の指針と同様の内容」とされています(出典:平塚市空家等対策計画(令和5年3月改定))。国の基準を満たせば足りる、ということです。

ただし、管理組合が市へ直接申請することはできません。マンション管理士による事前確認を受け、同じ手続支援サービスを経由して市へ申請する流れです。

実際にかかる費用を整理します。

  • 平塚市への認定手数料:サービス経由の申請ではかからない
  • システム利用料:1申請あたり10,000円(税込)
  • 事前確認審査料:マンション管理センターへ直接申し込む場合は、長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)。マンション管理士や管理会社に直接頼む場合は、管理組合と依頼先の取り決め

センター直接申込なら、目安は合計2万円ほどです(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。長期修繕計画の見直しや規約改正を専門家に頼む費用は、別にかかります。

認定を取ると、固定資産税の減額、【フラット35】の金利引下げ、マンションすまい・る債の利率上乗せといった優遇の入口に立てます。平塚市の固定資産税の減額割合は、国の枠で最大の「2分の1」です。ただし、2回目以降の長寿命化工事を令和9年3月31日までに終えることが条件になります。

私は東京都東大和市で会社を構え、首都圏のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕に20年以上関わってきました。湘南の海風を受ける平塚市の理事長さま、理事の皆さまが、読んだその日に理事会で動けるよう、認定主体、17要件、申請ルート、経済効果、逆算スケジュールの順に整理します。

認定主体はどこか:平塚市が自ら認定します

管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。管理組合が作った管理計画を審査して認定する役所を「認定行政庁」(認定の事務を担う自治体のこと)と呼びます。平塚市では、令和5年4月に制度を創設し、マンション管理適正化推進計画を「平塚市空家等対策計画」に位置づけています。県ではなく、市が窓口です。

窓口は建築指導課(浅間町9番1号、本館6階)で、建築指導担当の直通電話は0463-21-9731です。制度の一般的な相談先として、日本マンション管理士会連合会の相談ダイヤル(03-5801-0858、月〜土の10時から17時)も案内されています。

平塚市のマンションの実情は、空家等対策計画に数字が出ています。平成30年(2018年)時点の推計で、市内のマンションは約16,100戸、うち築40年以上が約3,200戸です。計画では、築40年以上の戸数が10年後に約7,600戸(約2.4倍)、20年後に約11,100戸(約3.5倍)になると推計されています(出典:平塚市空家等対策計画(令和5年3月改定))。この数字は住宅・土地統計調査をもとにした推計で、棟数や管理組合へのアンケート結果は計画に載っていません。

20年で築古マンションが3.5倍に増えていく計算です。長期修繕計画と修繕積立金の見直しは、平塚市の多くの管理組合にとって先送りできない課題だと、私は感じています。なお、計画期間は令和5年度から令和9年度までの5か年です。

認定17要件:理事会が確認しやすい順に整理する

認定の基準は、国が5つの分野に17項目で定めています。管理組合の運営、管理規約、管理組合の経理、長期修繕計画の作成及び見直し等、その他の5分野です(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定の基準」(PDF))。平塚市は上乗せをしていませんので、この17項目が全部です。

管理組合の運営・管理規約・経理

管理者等(理事長など)と監事が選任され、総会が年1回以上開かれていることが基本です。規約には、災害時などに専有部分へ立ち入れる定め、修繕履歴の管理、財務・管理情報の書面交付の定めが要ります。経理は、管理費と修繕積立金を区分していること、修繕積立金を他の会計へ流用していないこと、3か月以上の滞納が直前の事業年度末で全体の1割以内であることが条件です。

議事録が薄い、書面決議が続いているという組合は、議事録の残し方から整えるのが近道です。私はいつも、そうお伝えしています。

長期修繕計画の作成及び見直し等

ここがいちばん手間のかかる分野で、6項目あります。

  • 国の標準様式に準拠した長期修繕計画と、それに基づく修繕積立金の額が、総会で決議されていること
  • 計画の作成または見直しが7年以内であること
  • 計画期間が30年以上で、残りの期間に大規模修繕工事が2回以上含まれること
  • 将来の一時金の徴収を予定していないこと
  • 修繕積立金の平均額が、著しく低額でないこと
  • 計画期間の最終年度に、借入金の残高がないこと

その他

組合員名簿と居住者名簿を備え、年1回以上確認していること、そして「地方公共団体のマンション管理適正化指針に照らして適切であること」です。平塚市の指針は国と同様の内容ですので、ここで追加の宿題は出ません。

現場で見る「計画の古さ」と足場費の考え方

認定の準備が止まる一番の理由は、長期修繕計画が古いことです。10年以上前の計画のまま、資材費や人件費の上昇を織り込んでいない組合は少なくありません。海に近いエリアでは、潮風による外壁や金物の傷みが早く、築年数の割に劣化が進んでいる建物にも出会います。

以前、築35年ほどの海寄りのマンションの理事会に呼ばれたときのことです。長期修繕計画の数字が長く動いておらず、理事長さまは「積立金は足りているはず」と話されていました。見直しのついでに工法を比べたところ、10階建てで外周80m、工期3か月ほどという条件の試算で、仮設足場が約168万円、ロープアクセス工法を併用した場合は約59万円、差額は約109万円でした。建物の形や立地で大きく変わりますので、あくまで一つの目安です。それでも、理事の皆さまの表情が変わった瞬間を、私は今でも覚えています。

足場を組む工法と、足場を使わないロープアクセス工法の違いは、明誠のロープアクセス工法の詳細ページで整理しています。作業員はメインロープとバックアップロープの2本に接続し、2点以上の吊元を確保して、安全を二重に守りながら作業します。大規模修繕の進め方は大規模修繕工事の安全管理と進め方に、技術や訓練の詳細は姉妹サイトのロープアクセスドットコムにまとめています。

独自基準の有無と実務への影響:平塚市は「国の基準のみ」です

神奈川県内では、川崎市のように、管理組合の登録を条件にしている市があります。平塚市はそうではありません。市のページには、市独自の基準である旨の記載がなく、空家等対策計画では、指針は国と同様の内容とされています。

ただし、計画には「実態調査等を踏まえ、本市の地域性に応じたマンション管理の基準の作成を検討します」という趣旨の記述もあります。今は国の基準のみですが、将来、市独自の基準が加わる可能性は残っています。この「独自基準なし」は、実務上、次の三つの意味をもちます。

  1. 上乗せ書類が少ない。登録手続きなどを別に済ませる必要がありません
  2. 事前確認の範囲と市の審査の範囲が一致する。センターの案内では、事前確認は国の認定基準への適合が対象です
  3. 他市の記事や解説と比べるとき、国の17項目の理解がそのまま使える

ここで一点、お断りしておきます。市のページには、標準処理期間と認定の有効期間の記載がありませんでした。国の制度では認定の有効期間は5年間で、満了までに更新申請をします。申請の前には、建築指導課へ最新の運用を電話で確認してください。

手数料と申請ルート:市へ直接は出せません。事前確認から始めます

平塚市の標準ルート

市のページによると、流れは次のとおりです(出典:平塚市「マンション管理計画認定制度、助言・指導について」)。

  1. 認定基準のセルフチェックを行う
  2. 総会で、管理計画認定の申請を決議する(総会決議がないと事前確認を受けられません)
  3. マンション管理センターの手続支援サービスで、マンション管理士による事前確認を受ける
  4. 同サービスを経由して、平塚市へ認定申請する
  5. 市が審査し、適合すれば認定される

申請時に公表へ同意したマンションは、マンション名、所在地、認定コードが、マンション管理センターの閲覧サイトと市のWebサイトに掲載されます。認定にかかる期間は、市のページに記載がありません。事前確認と市の審査を合わせて、少なくとも2〜3か月は見ておくのが現実的だと、私は考えています。

事前確認の依頼先と費用

マンション管理センターの案内では、申請の経路が次のように整理されています(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。

パターン 依頼先 事前確認審査料
① 事前確認講習を修了したマンション管理士 管理組合とマンション管理士が取り決める
② 管理会社(マンション管理適正評価制度と併せて) 管理組合と依頼先が取り決める
③ 日本マンション管理士会連合会(診断サービスと併せて) 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)
④ マンション管理センターへ直接申込 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)
⑤ 地方公共団体に直接申請 事前確認なし

平塚市のページが案内しているのは、センターの手続支援サービス経由の申請です。⑤の直接申請は、市のページに「市へ直接申請することはできません」と明記されています。システム利用料は1申請あたり10,000円(税込)です。地方公共団体が手数料を定めている場合は別途かかりますが、サービス経由で申請する場合、平塚市は手数料をかけていません。

「助言・指導」という、もう一つの入口

平塚市のページには、認定とは別に「助言・指導」の案内があります。市から管理状況について助言・指導を受け、長期修繕計画の作成や見直しなどを行ったうえで、一定の要件を満たせば、固定資産税の優遇を受けられるという仕組みです。認定の要件がすぐには整わない組合にとって、現実的な選択肢になり得ます。どちらの入口が合うかは、建築指導課への相談で見極めてください。

認定の3つの経済効果:税・住宅ローン・債券

1. マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)

長寿命化に役立つ大規模修繕工事を行ったマンションについて、工事の翌年度の建物部分の固定資産税を減額する制度です。国の制度では、減額割合は6分の1から2分の1の範囲で市町村が定め、参酌基準(国の目安)は3分の1です(出典:国土交通省「管理計画認定のメリット」(PDF)、令和8年4月1日現在)。

平塚市は、この割合を最大の「2分の1」としています。市のページによる主な内容は次のとおりです(出典:平塚市「マンション長寿命化促進税制」)。

  • 工事完了の翌年度分の建物の固定資産税を、1年間2分の1減額。都市計画税は対象外
  • 減額の上限は、1戸あたり100平方メートル(共用部分を含む)まで
  • 新築から20年以上、総戸数10戸以上、専有部分の床面積の2分の1以上が居住用
  • 平塚市の管理計画認定、または助言・指導の手続きが、建築指導課で完了していること
  • 屋根防水、床防水、外壁塗装等の長寿命化工事を過去に1回以上実施し、令和5年4月1日から令和9年3月31日までに、2回目以降の工事を完了していること
  • 工事完了日の翌年1月1日までに、管理計画の認定を取得すること
  • 申告は、工事完了から3か月以内。申告先は固定資産税課(家屋担当は0463-21-8768)
  • 1つのマンションにつき減額は1度のみ。耐震・バリアフリー・省エネ改修の減額とは重複しない

押さえたいのは期限です。令和9年3月31日の工事完了が前提ですので、これから設計から施工へ進めるには、日程に余裕がありません。認定は建築指導課、減額の申告は固定資産税課と、窓口が分かれる点にも注意が必要です。申告には、認定通知書の写しや修繕積立金引上証明書などの書類がそろいます。築年数や過去の工事内容で当てはまるかが変わりますので、固定資産税課への事前相談をおすすめします。

2. 【フラット35】の金利引下げ

管理計画認定マンションの住戸を購入する方が使える住宅ローンの優遇で、当初5年間、年0.25%の引下げです(出典:国土交通省「管理計画認定のメリット」(PDF))。【フラット35】維持保全型には予算金額があり、見込みに達すると受付が終わります(出典:【フラット35】維持保全型)。売る側にとっても、認定済みであることは、買い手に選ばれる理由になり得ます。

3. マンションすまい・る債と共用部リフォーム融資

マンションすまい・る債は、管理組合が修繕積立金を運用する債券で、認定マンションは利率が上乗せされます。国土交通省の資料では、10年満期の年平均利率(税引前)が認定マンション年2.1%、未認定年2.0%の例が示され、応募受付期間は2026年4月13日から10月9日までです。本記事の公開日の10月14日には、今回の募集は終わっています。次回以降の募集は、住宅金融支援機構の案内でご確認ください。

マンション共用部分リフォーム融資は、国土交通省の資料で、管理計画認定により金利引下げを受けられるとされています。引下げ幅は資料に記載がなく、住宅金融支援機構のページでも、認定との関係は確認できませんでした。借入の前に、住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資のページや窓口で、最新の条件を確認してください。

数字で見る経済効果のイメージ

仮に総額5,000万円の大規模修繕なら、仮設足場は総工費の15〜25%(750万〜1,250万円)が目安で、外壁塗装は1㎡あたり3,500〜4,500円がレンジです。物件ごとに大きく変わります。工法で足場の比率を下げ、制度で税を下げる。私はこれを「二段構え」と呼んでいます。

株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。通常足場、ロープアクセス、両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つから、建物に合う工法をご提案できます。

費用の考え方は大規模修繕の料金の考え方に、管理組合の方向けの内容は管理組合さま向けの大規模修繕サービスにまとめています。フランチャイズ加盟企業の取り組みは、ロープアクセスドットコムでも公開しています。

令和9年4月の制度改正にも目を向けておく

国土交通省のページでは、令和9年度から、分譲事業者が分譲時に管理計画認定を申請できるようになると案内されています。改正省令と告示は令和8年7月31日に公布、施行は令和9年4月1日です。地方公共団体への申請日が令和9年4月1日以降になる場合は、見直し後の認定基準が適用され、経過措置も設けられます(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。

平塚市のページには、この改正への言及がありませんでした。令和9年3月までに申請するか、4月以降かで適用される基準が変わり得ます。建築指導課とマンション管理センターに、変更点を確認しておいてください。

逆算スケジュール(令和8年10月起点)

認定に絞った逆算です。工事まで同時に進める組合は、半年では足りないことが多いです。

時期の目安 やること
令和8年10月 理事会で認定の方針を共有。長期修繕計画の作成時期と、規約・名簿・会計の現状を確認。建築指導課へ運用を電話で確認
令和8年11月 長期修繕計画が7年以内でなければ見直しを依頼。事前確認の依頼先(表の①〜④)を決め、費用を見積もる
令和8年12月 臨時総会で、認定申請、長期修繕計画と修繕積立金額、必要な規約改正を決議
令和9年1月 議事録などをそろえ、事前確認を依頼
令和9年2〜3月 事前確認を終え、手続支援サービスから平塚市へ申請

固定資産税の減額を使いたい場合は、令和9年3月31日までに工事を終える必要があります。私はいつも理事長さまに、「期限に合わせて中身を急ぐより、建物の状態を優先しましょう」とお伝えしています。期限に間に合わなくても、認定そのものは住宅ローンや資産価値の面で意味があります。

まとめと、今週動くこと3点

平塚市の管理計画認定は、平塚市が認定行政庁で、サービス経由なら市の手数料は不要、市独自の基準はなく、国の17項目を満たせば足ります。市へ直接は申請できず、マンション管理士による事前確認を経て、手続支援サービスから申請する形です。費用の中心は、システム利用料10,000円と事前確認審査料です。固定資産税の減額は2分の1ですが、令和9年3月31日までの工事完了が条件です。

今週、理事会で動いていただきたいことは次の3点です。

  1. 長期修繕計画の作成日を確認する(7年以内かどうかが最初の分かれ目です)
  2. 建築指導課(0463-21-9731)へ、認定と助言・指導のどちらが自分のマンションに合うかを問い合わせる
  3. 固定資産税の減額が気になる場合は、固定資産税課家屋担当(0463-21-8768)へ、自分の建物が条件に当てはまるか確認する

十月のうちに理事会で数分でもこの話題を出していただければ、年内の総会決議が現実的になります。令和9年3月が一つの分かれ目です。どこから手をつければよいか迷われたら、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。明誠へのお問合せフォームからどうぞ。これまでの明誠の施工事例もご覧いただけます。

よくあるご質問

Q. 平塚市の管理計画認定に、市へ払う手数料はいくらですか?

A. 手続支援サービス経由で申請する場合、平塚市への手数料はかかりません。ただし、システム利用料10,000円(税込)と、事前確認審査料(センター直接申込なら長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込))は別にかかります。

Q. 平塚市に独自の認定基準はありますか?

A. 現時点ではありません。市のマンション管理適正化指針は国の指針と同様の内容とされており、国の17項目を満たせば足ります。ただし、市は地域性に応じた基準の作成を検討するとしています。

Q. 管理組合が平塚市に直接申請することはできますか?

A. できません。市のページに「市へ直接申請することはできません」と明記されています。総会決議、マンション管理士による事前確認、手続支援サービス経由の認定申請の順に進みます。

Q. 事前確認は誰に頼めばよいですか?

A. 事前確認講習を修了したマンション管理士、管理会社、日本マンション管理士会連合会、マンション管理センターへの直接申込のいずれかです。費用は、連合会とセンターなら長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)、それ以外は依頼先との取り決めです。

Q. 固定資産税はどれくらい減りますか?

A. 平塚市では工事完了の翌年度の建物分が1年間、2分の1減額されます。1戸あたり100平方メートルまでが上限で、都市計画税は対象外です。新築から20年以上、総戸数10戸以上、2回目以降の工事を令和9年3月31日までに完了していることなどが条件で、申告は工事完了から3か月以内に固定資産税課へ行います。

Q. 認定ではなく「助言・指導」でも固定資産税の優遇は受けられますか?

A. 平塚市の案内では、市から助言・指導を受けて長期修繕計画の作成や見直しなどを行い、一定の要件を満たせば、固定資産税の優遇を受けられます。認定と助言・指導で申告に必要な書類が異なりますので、建築指導課と固定資産税課に確認してください。

Q. 認定までにどれくらいかかりますか?

A. 市のページには標準処理期間の記載がありません。事前確認と市の審査を合わせて、2〜3か月は見ておくと安心です。国の制度では、認定の有効期間は5年間です。

Q. 長期修繕計画が古い場合、どうすればよいですか?

A. 作成や見直しが7年以内であることが要件の一つです。専門家に見直しを依頼し、あわせてロープアクセス工法を含めた工法の比較をすると、工事費の見え方が変わる場合があります。明誠では概算のご相談を承っています。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月14日


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本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月14日時点で公表されている平塚市および国土交通省・マンション管理センターの公式情報をもとに執筆しています。平塚市の管理計画認定制度のページの更新日は2026年5月18日です。固定資産税減額のページには更新日の記載がなく、空家等対策計画は令和5年3月改定、戸数の数字は平成30年時点の推計です。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず平塚市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

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