大規模修繕はロープアクセスが提案可能な東京の明誠へ

創業から6000棟超の施工実績

【出版のご報告】『大規模修繕工事 職人だから言える本当の話』をAmazonで出版しました|見積書では見えない業界の裏側と、修繕積立金を守る発注術

【出版のご報告】『大規模修繕工事 職人だから言える本当の話』をAmazonで出版しました|見積書では見えない業界の裏側と、修繕積立金を守る発注術

はじめに|工事をする側の人間が、業界の内側を書きました

株式会社明誠 代表取締役の本間幸紘です。

このたび、初めての著書『大規模修繕工事 職人だから言える本当の話 ― 見積書では見えない業界の裏側と、修繕積立金を守る発注術』(明誠ブックス)を、AmazonのKindleストアで出版いたしました。発売日は2026年9月12日、本文274ページです。

▼ 書籍ページはこちら
https://www.amazon.co.jp/dp/B0HJLNPQ25/

正直に申し上げると、この本を出すかどうかは最後まで迷いました。私は大規模修繕工事を請け負う会社の経営者です。中立の第三者ではありません。これから批判する業界で、自分も家族を養い、ご飯を食べている当事者です。

それでも書こうと決めたのは、現場で25年以上、建物の外壁に触れ続けてきて、どうしても納得できないことがあったからです。

修繕積立金は、区分所有者の皆さまが月々数千円から数万円を、何年もかけて積み立ててきたお金です。そのお金が、何に使われるのかわからないまま出ていく。工事をする側の人間として、私はそれを恥ずかしいことだと思っています。

この記事では、本書に何を書いたのか、そしてなぜ書いたのかを、著者自身の言葉でご紹介させていただきます。


第1章|「その見積書には、何をいくつ直すのか書いてありますか」

マンションの大規模修繕工事は、10数年に1度の大きな買い物です。50戸のマンションであれば総額は数千万円。1住戸あたり100万円前後が動くことも珍しくありません。

家を買うとき、車を買うとき、私たちは仕様も金額も徹底的に比べます。ところが大規模修繕では、こういう見積書が当たり前に通ってしまう。

外壁タイル補修工事 一式 概算◯%

どのように、どれだけ直すのか。 発注する側の誰も把握しないまま、契約が結ばれていく。これが、この業界の日常です。

なぜ、そんなことが起きるのか。理由は驚くほど単純です。

建物の外壁は、足場を組まなければ誰も触れられなかったからです。

触れなければ、浮きの数も、ひび割れの長さも、シーリングの劣化具合もわからない。数量がわからないから比較できない。比較できないから価格競争が働かない。価格競争が働かないから、談合が成立する余地が生まれ、過剰な仕様が通り、追加費用を断れなくなる。

大規模修繕をめぐる不透明さは、すべてこの一点から始まっています。本書は、その構造を解剖し、発注する側が主導権を取り戻すための方法を書いた本です。


第2章|2026年6月、業界の常識が崩れた日

本書の序章のタイトルは「2026年6月、業界の常識が崩れた日」です。

2026年6月、マンションの大規模修繕工事をめぐる入札談合について、公正取引委員会が施工会社と設計コンサルタントあわせて約40社に対し、独占禁止法違反(不当な取引制限)で処分を行う方針であることが大きく報じられました。課徴金の総額は約16億円規模、対象となった期間は遅くとも2021年秋以降とされています。

報道のなかで最も重く受け止めたのは、本来は中立であるべき設計コンサルタントが受注調整に関与し、受注額の数%をバックマージンとして受け取っていたとされる点でした。

私はこのニュースを、驚きよりも「やはり表に出たか」という気持ちで受け止めました。現場で25年以上、同業者としてこの業界を見てきた人間として、構造的に起こりうることだと分かっていたからです。

誤解のないように申し上げますが、私は「設計監理方式そのものが悪い」と言うつもりはありません。設計コンサルタントの第三者性が正しく機能すれば、管理組合にとって心強い仕組みです。問題は方式の名前ではなく、中立性が担保される構造になっているかどうかです。

  • コンサルタントと施工会社の間に、資本・人的・取引上の関係はないか
  • 業者を集める役割を、一者に任せきりにしていないか
  • 複数社が同じ条件で見積りを出せる状態になっているか
  • 入札の経過が記録され、後から検証できるようになっているか

そして、これらすべての前提になるのが、繰り返しになりますが「数量が確定していること」です。数量が「一式」「概算」のままでは、どんなに公正な手続きを踏んでも、比較のしようがありません。

談合事件は、発注の仕組みを見直すきっかけとしては、あまりに痛いきっかけでした。それでも、ここで変わらなければ意味がない。本書を世に出そうと最終的に腹を決めたのは、この報道がきっかけです。

※本件は報道内容にもとづく概要です。処分の最終的な内容・対象事業者については、公正取引委員会の公表資料をご確認ください。


第3章|「12年周期」は、誰が決めたのか

第1章で扱った論点のひとつが、大規模修繕の周期です。

「マンションの大規模修繕は12年ごと」——これは業界でも管理組合でも、半ば常識のように語られています。ですが、12年という数字に法的な根拠はありません。

国土交通省の「長期修繕計画作成ガイドライン」(令和6年6月改定)では、外壁塗装や屋上防水などの修繕周期について、一定の目安が示されています。しかしそれはあくまで計画を立てるための標準的な想定であり、「12年たったら必ず工事をしなさい」という義務ではありません。

実際の建物は、それぞれ条件が違います。

  • 立地:海沿いで塩害を受けるのか、幹線道路沿いで排気ガスにさらされるのか
  • 方位:南面・西面は紫外線の影響が強く、北面は湿気とカビの影響を受けやすい
  • 仕上げ材:タイル張りか、吹付け塗装か、サイディングか
  • 前回工事の仕様と施工品質:どこまで丁寧に下地処理がなされたか
  • 日常のメンテナンス:シーリングの打ち替えや部分補修を都度行ってきたか

同じ築年数でも、状態はまったく違います。にもかかわらず、周期だけを根拠に工事を始めてしまうと、まだもつ部位まで一律に直すことになります。それが過剰仕様の温床です。

逆に、周期を機械的に延ばすのも危険です。タイルの浮きが進行しているのに「まだ12年たっていないから」と放置すれば、剥落事故のリスクが高まります。外壁タイルの剥落は、通行人に重大な被害を与えかねない事故です。

では、何を判断材料にすべきか。答えは単純で、建物の実際の状態です。カレンダーではなく、調査結果で決める。第1章と第3章は、この一点でつながっています。


第4章|本書の構成 ― 序章+全6章+終章+付録2本

全体像をご紹介します。

章 内容
序章 2026年6月、業界の常識が崩れた日
第1章 大規模修繕という「見えない買い物」
第2章 足場という聖域 ― 工事費の2〜3割はどこへ消えるのか
第3章 診断なき修繕はギャンブルである
第4章 ロープアクセスのすべて ― 限界も正直に書く
第5章 調査から施工まで、一気通貫という答え
第6章 職人が主役に戻る ― 日本初のロープアクセスFC
終章 明日から使える12のチェックリスト
付録1 見積書の読み方
付録2 大規模修繕 用語ミニ辞典

第1章では、「12年周期は誰が決めたのか」「相見積りが機能しない理由」「設計コンサルタントという立場の危うさ」「中間マージンという商流」「過剰仕様はこうして生まれる」といった論点を、ひとつずつ分解しています。

ビル・大手ホテルチェーン・賃貸物件のオーナー様に特有の論点も、独立した項目として扱いました。管理組合とオーナー様では、意思決定の構造も、時間の制約も、まったく違うからです。


第5章|足場という聖域 ― 工事費の2〜3割はどこへ消えるのか

第2章で扱ったのが、仮設足場です。

大規模修繕工事の見積書を開いたとき、最初に目に入るのが「仮設工事」の項目です。そして多くの現場で、ここが工事費全体の2〜3割を占めます。数千万円の工事なら、数百万円から1,000万円近くが足場に消える計算です。

もちろん、足場は必要なものです。作業量が多い工事、広い面を一気に仕上げる工事では、足場を組んだほうが安全で確実で、結果として安く済みます。私自身、足場を組む工事を今も数多く手がけています。

問題は、その費用構造が発注者から見えないことです。

本書の第2章では、

  • 仮設足場の費用が、どの項目にどう乗っているのか
  • 足場は「工事のため」だけに組まれているのか
  • 見積書に載らないコスト(居住者の生活制約、防犯リスク、営業補償など)
  • 足場が要らない部位と、足場でなければ無理な部位の線引き
  • ドローン・赤外線サーモグラフィー・打診棒の得手不得手

を、実務の数字で説明しています。

「一式」という2文字の下に何が隠れているのか。その中身を開いて見せる、というのが第2章の役割です。


第6章|本書の核心は第3章 ― 順序を変えれば、交渉の形が変わる

もし1章だけ読んでいただけるなら、第3章「診断なき修繕はギャンブルである」を読んでいただきたいと思っています。

外壁の全面打診調査は、じつは任意の追加サービスではありません。建築基準法第12条にもとづく定期報告制度のなかで求められている調査です。特定建築物定期調査において、タイル張りなどの外壁は、一定の条件下で全面打診が義務づけられています。

そして今は、足場を組まなくても、屋上からロープで降りて壁を叩き、浮きを確かめることができます。これがロープアクセス工法(無足場工法)による外壁打診調査です。

ここが決定的に重要です。

足場を組む「前」に、外壁の状態を数量で知ることができる。

数量が確定して、はじめて同じ土俵の相見積りが成立します。

  • タイルの浮きが何平米あるのか
  • ひび割れが何メートルあるのか
  • シーリングの打ち替えが何メートル必要なのか

これが数字で出ていれば、複数社に同じ条件で見積りを出させることができます。不要な工事が消えます。工法を選べるようになります。そして何より、仕様書を発注者の側が握れる。

業者を疑う必要そのものがなくなる ― 本書が示す出口は、ここにあります。

第3章では、あわせて「なぜ調査は工事とセットにされるのか」「外壁が落ちたとき、責任を負うのは誰か」「『無料調査』は信用していいのか」「調査報告書のどこを見るか」といった、実務で必ずぶつかる論点も扱いました。


第7章|自分に不利なことも、そのまま書きました

本を書くうえで、私が最も気をつけたのはポジショントークにしないことでした。

私はロープアクセス工法を推進する立場です。日本で初めてとなるロープアクセスのフランチャイズ本部も運営しています。だからこそ、この工法が万能ではないことを、自分の口から書く必要があると考えました。

第4章では、1章まるごとを使って「向かない建物・向かない工事」を列挙しています。

  • 作業面積が広く、作業量が多い全面改修
  • 上部に固定できる支点(アンカー)が確保できない構造
  • 外壁からの張り出しが大きく、ロープで降りても壁面に到達しにくい形状
  • 居住者・テナントの安全確保のため、確実に養生を要する条件

足場を組んだほうがいい建物は、確実に存在します。それを隠して勧める会社は信用しないでください ― 私自身も含めて、と本書には書きました。

そして私たちが実務で最も多く採用しているのが、ハイブリッド工法です。作業量が多い面や高所作業が集中する部分には足場を架け、部分補修で足りる面はロープアクセスで対応する。「全面足場」と「全面ロープ」の中間解として、コストと品質のバランスが最も取りやすい選択肢です。

第4章には「悪質な業者を見抜く9つのポイント」も収めました。これは私自身が、同業者として見てきたものを書いています。


第8章|理事会に、そのまま持ち込める形にしました

本書をつくるうえで決めていたことがもうひとつあります。読んで終わりの本にしないということです。

終章には、明日から使える12のチェックリストを収めました。工事が始まってからではなく、「工事の話が出る前」から順番に使えるよう並べてあります。

巻末付録も実務向けです。

付録1|見積書の読み方
仮設・下地補修・シーリング・塗装・防水・諸経費の項目ごとに、「あるべき記載」と「危険信号」を対比した一覧にしました。手元の見積書と並べて、一項目ずつ照合できます。

付録2|大規模修繕 用語ミニ辞典
理事会で飛び交う専門用語を、発注者の立場から必要な範囲でまとめました。「Uカット」「ピンニング工法」「エポキシ樹脂注入」「可とう性」——こうした言葉の意味がわかるだけで、説明を受けたときの理解度がまったく変わります。

理事会の資料として、修繕委員会の共通言語として、そのままお使いいただける形を目指しました。


第9章|こんな方に読んでいただきたい

具体的には、次のような方を想定して書きました。

  • マンション管理組合の理事、修繕委員の方
  • これから大規模修繕を控えている、または見積書を受け取ったばかりの方
  • 世間で話題になった大規模修繕工事の談合問題の本質的な課題と解決策を知りたい方
  • ビル・大手ホテルチェーン・賃貸物件を所有し、相談できる相手がいないオーナーの方
  • すでに他社の見積りを持っていて、その妥当性を確かめたい方
  • 修繕積立金の値上げを提案され、判断に迷っている方

274ページありますので、通読には時間がかかります。お急ぎの方は、序章と終章だけでも構いません。それだけでも、次の理事会でのご発言は変わるはずです。

そして、同業の皆さまにも読んでいただきたいと思っています。第6章「職人が主役に戻る」は、業界に向けて書いた章です。


第10章|職人が主役に戻る ― 本を書いて、あらためて思ったこと

原稿を書きながら、何度も立ち止まった論点があります。中間マージンという商流です。

元請けから一次下請け、二次下請けへと工事が流れていく過程で、実際に壁を触る職人の手元に残る金額は削られていきます。腕のいい職人ほど、割に合わないと感じて現場を離れていく。人が減れば、品質は落ちる。品質が落ちれば、建物の寿命が縮む。そのツケは、最終的に建物を所有する方が払うことになります。

私が日本で初めてロープアクセスのフランチャイズ展開を始めたのは、この流れを変えたかったからです。塗装・防水・タイル・電気・看板工事など、各分野の専門職が直接加盟し、それぞれの工程をその道のプロが責任をもって施工する。中間を減らせば、高品質と低価格は両立できるというのが、私たちの実践してきた答えです。

また、一般社団法人 全国建設業支援協会(JCSA)を通じて、全国の建設業者に向けた経営支援の情報発信、オンラインセミナー、交流会、ビジネスマッチングにも取り組んでいます。

発注者が正しい判断材料を持ち、職人が正当な対価を受け取る。この2つは対立しません。むしろ、数量が見える化されたときに初めて、両方が成立する。それが、本を1冊書き終えた今の実感です。


第11章|本書を読んだあと、実際にどう進めるか ― 5つのステップ

本を読んでいただいたあと、実務としてどう動けばよいのか。当社がご支援する場合の標準的な流れをご紹介します。ご自身で進められる場合も、順序は同じです。

ステップ1|長期修繕計画と過去の工事履歴を確認する
前回いつ、どこを、どの仕様で直したのか。図面、竣工時の仕様書、前回の工事報告書を集めます。ここが揃っているかどうかで、以降の精度がまったく変わります。書類が見当たらない場合は、管理会社に開示を依頼してください。

ステップ2|足場を組む前に、外壁の全面打診調査を行う
ロープアクセスによる打診調査で、タイルの浮き、ひび割れ、シーリングの劣化、鉄部の腐食、屋上防水の状態を確認します。必要に応じてドローン撮影や赤外線サーモグラフィーを併用します。成果物は、位置と数量が入った調査報告書です。「劣化しています」という所見だけの報告書では意味がありません。

ステップ3|調査結果をもとに、仕様書と数量表をつくる
「タイル浮き補修 ◯◯㎡」「シーリング打ち替え ◯◯m」「ひび割れUカット補修 ◯◯m」——この形にして初めて、複数社が同じ条件で見積りを出せます。ここが、発注者が主導権を握る瞬間です。

ステップ4|同条件で相見積りを取り、工法を比較する
足場仮設工法、ロープアクセス工法、ハイブリッド工法。同じ数量に対して、それぞれいくらになるのかを並べます。仮設足場が工事費の2〜3割を占めることを踏まえれば、工法選択がコストに与える影響の大きさが見えてきます。管理組合であれば、この比較表がそのまま総会の説明資料になります。

ステップ5|工事中・工事後の確認方法を決めておく
着工前に、施工記録の残し方(写真の撮り方、数量の実測方法、変更が生じたときの手続き)を取り決めます。「終わってみたら数量が増えていた」を防ぐのは、契約前の取り決めだけです。

当社では、外壁打診調査、漏水調査、散水調査、外壁塗装、防水工事、タイル補修、シーリング打ち替え、鉄部塗装、看板・サインの改修まで、建物に関することであれば一貫してご対応しています。あわせて、空室対策、不動産管理、地震保険や補助金・助成金の申請サポート、各分野の士業のご紹介など、オーナー様のお困りごとをトータルでご支援しております。


第12章|書籍情報とご購入方法

あらためて、書籍情報をまとめます。

項目 内容
書名 大規模修繕工事 職人だから言える本当の話
副題 見積書では見えない業界の裏側と、修繕積立金を守る発注術
著者 本間 幸紘(株式会社明誠 代表取締役)
レーベル 明誠ブックス
形式 Kindle版(電子書籍)
本文ページ数 274ページ
発売日 2026年9月12日
ASIN B0HJLNPQ25

▼ Amazon商品ページ
https://www.amazon.co.jp/dp/B0HJLNPQ25/

おかげさまで、Kindleストア「不動産」カテゴリで1位をいただきました。レビューも多数ちょうだいしており、「大規模修繕を始める前に読むべき一冊」「見積りを見る目が変わる」といったお声をいただいています。一級建築士の方から「よくぞここまで踏み込んで書いてくれた」というご感想をいただいたときは、書いてよかったと心から思いました。

※価格およびキャンペーンの実施状況は変動します。最新の情報はAmazonの商品ページでご確認ください。紙の書籍(ペーパーバック)版も準備を進めております。

Kindle端末をお持ちでない方も、スマートフォンやタブレットの無料Kindleアプリ、パソコンのブラウザからお読みいただけます。


よくあるご質問(FAQ)

Q1. 専門知識がなくても読めますか?

はい。専門用語には都度説明を入れ、巻末に用語ミニ辞典も収めました。想定読者はマンション管理組合の理事・修繕委員の方、つまり建築の専門家ではない方です。理事会で説明を受けたときに「何を聞き返せばいいか」が分かる状態を目標に書いています。

Q2. すでに見積書を受け取っているのですが、間に合いますか?

間に合います。巻末付録1「見積書の読み方」は、まさにその状況を想定してつくりました。仮設・下地補修・シーリング・塗装・防水・諸経費の項目ごとに「あるべき記載」と「危険信号」を対比していますので、お手元の見積書と並べて一項目ずつ照合してみてください。「一式」「概算」が並んでいる項目があれば、そこが確認すべきポイントです。

Q3. 分譲マンションではなく、賃貸やビルのオーナーでも役に立ちますか?

はい。第1章にビル・大手ホテルチェーン・賃貸物件のオーナー様特有の論点を独立して設けています。管理組合と違って総会決議は不要な分、意思決定は速い一方で、相談相手がいないまま業者の提案をそのまま受けてしまうケースが少なくありません。収益不動産では修繕費が直接利回りに効きますので、数量の見える化の効果はむしろ大きいと考えています。

Q4. 全面打診調査は、本当に足場なしでできるのですか?

できます。ロープアクセス工法(無足場工法)では、屋上のアンカーやパラペットなどに支点を設け、作業者がロープで降下しながら打診棒で外壁を打診します。浮きの位置と範囲を平面図に落とし込むことで、補修数量を平米単位で確定できます。建築基準法第12条にもとづく特定建築物定期調査での全面打診にも対応可能です。ただし、建物形状や支点の確保状況によっては適さない場合がありますので、現地確認が前提になります。

Q5. 調査だけを依頼することもできますか?

可能です。むしろ本書でお勧めしているのは、調査と工事の発注先を分けて考えることです。調査で数量が確定していれば、その数量を仕様書にして複数社から同条件の見積りを取ることができます。結果として当社以外の会社に発注されても構いません。発注者が数量を持っている状態こそが、この本の目的だからです。

Q6. 紙の本は出ますか?

紙の書籍(Amazon KDPのペーパーバック)も準備を進めております。理事会で回覧したい、修繕委員会で複数部そろえたい、というご要望をいただいておりますので、あらためてご案内いたします。

Q7. 本を読んだうえで相談したいのですが、費用はかかりますか?

ご相談は無料です。セカンドオピニオンとして、お手元の見積書や調査報告書を拝見することも可能です。「他社に発注することが決まっているが、内容の妥当性だけ見てほしい」というご依頼も歓迎しております。


まとめ|「何を、どれだけ、どの仕様で」を、発注する側が握るために

最後に、本書でお伝えしたかったことを3点に絞ります。

1. 不透明さの出発点は「数量がわからないこと」にある
談合も、過剰仕様も、断れない追加費用も、すべては「足場を組むまで外壁に触れられなかった」という一点から生まれています。原因が一点であるということは、そこを変えれば構造ごと変わるということです。

2. 順序を変えれば、交渉の形が変わる
足場を組む前に、ロープアクセスで全面打診調査を行い、数量を確定させる。それから相見積りを取る。この順序にするだけで、同じ土俵の比較が成立し、仕様書を発注者側が握れるようになります。

3. 工法に「唯一の正解」はない
足場が最適な建物、ロープアクセスが最適な建物、ハイブリッドが最適な建物。それぞれ確実に存在します。大切なのは、根拠を示して選べることです。「うちはこれしかできません」ではなく、「この建物にはこれが最適です」と説明できるかどうか。そこを見極めていただければと思います。

大規模修繕は、10数年に1度しか経験しない工事です。だからこそ、発注する側に経験が蓄積されにくい。その非対称性を少しでも埋めたくて、この本を書きました。

見積書を前に迷っておられる方、修繕積立金の値上げを提案されて判断に困っておられる方。まずは本書を開いてみてください。そして、それでも判断がつかないときは、セカンドオピニオンとしてお声がけいただければ幸いです。ご相談は無料です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

株式会社明誠 代表取締役 本間 幸紘


▼ 明誠のロープアクセス工法 詳細はこちら
https://rope-access-method.com/


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